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2010年11月19日 (金)

Problems Concerning the Unification of Futures Trading Systems

総合的取引所の創設における所管官庁問題など

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(27)(承前11-19 B Site)総合的な取引所が具体化していない理由は、市場を規制する法律の体系が異なるからだ。

(28) 二重監督規制の問題は、技術的に解決可能であり、同じスタンダードにすることが重要である。他方、金融と商品の規制の差は縮小している一方で、2011-01からの商品先物取引法施行により、商品の分野で不招請勧誘禁止が入り、規制の差が拡大する面もある。果たして、そのよな差を復元できるのか、疑問だ。

(29) 日本に商品市場がなくなってもようのか、その存続が必要との視点が重要で、そのためには魅力的な商品を上場することが重要である。

(30) 総合的な取引所が実現しても、仲介業者が一元化していなければ、投資家に対してワンストップサービスを提供できない。市場の統合だけでなく、業者の統合を促すために、金融商品取引法と商品先物取引法を統合すべきである。2006年に証券取引法と金融先物取引法の統合により包括的な業規制が導入されたので、この範囲を拡大すれば、商品もかばーできる。

(31) 産業インフラの観点から商品先物の所管は経産省と農水省とされているが、金融庁が所管する金融商品も商品先物と同様にリスクヘッジの機能を持ち、産業インフラである。日本のように先物の原資産ごとに規制官庁が分かれている例は無い(SANARI PATENT考察: 制度にもガラパゴス現象が見られる)。

(32) 現物を所管しているから商品先物の所管は経産省と農水省とされているが、金融庁が商品先物を所管したとしても、行政機関の連絡協議で足りる。

(33) 商品市場には、事業者のリスクヘッジのほかに、在庫調整や現受けという機能があり、現物市場とリンクしている。商品先物のうち指数などの現金決済であれば、金融取引に極めて近いが、現物決済の場合、現受け渡しが発生するから、物流政策の観点が必要である(SANARI PATENT考察: 物資官庁が所管して緊張に連絡協議すればよいということにもなるが、この場合は経産省と農水省に二元化するから、例えば特許は経産省というのと同様に、価値流通は原則として経産省という一元化の整理が必要である)

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2010年11月18日 (木)

Demand and Supply of the Man-Power for Intellectual Activities

 知財人材の需給と大卒・博士・弁護士・アニメータ等の需給

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21世紀入り早々に日本では内閣知財戦略本部が発足し、知財人材の大幅増を先ず政策のトップに掲げた。産学共同で博士課程に期待すると共に、知的財産権の法的側面を弁護士・弁理士の数倍増に依存し、コンテンツクリエータ等の育成を急務と強調した。

アニメがそのキャラクターと共に、日本のソフトパワーとしてグローバルに好評を博しているが、その基盤であるアニメータの収入が少ないことは顕著であるのに、言語障壁がない仕事の性格から、中国・韓国等のアニメータ増加にとって、海外の低コスト人材に仕事が流出し、国内アニメータの対価を新興国人材のそれに近づけつつある。

新規弁護士や博士の就職難はマスコミが十分に報告しているが、大卒等の就職内定率については文部科学省が2010-11-16に次のように発表した。

(1)  2010-01時点で、大学新卒の就職内定率は57.6%で前年同期比4.9%減。国公立大学は63.2%8.1%減、私大は55.8%3.8%減。国公立大学の就職率減退幅が大きい。

(2)  短大は22.5%6.5%減。

(3)  高等専門学校は93.8%0.9%減、専修学校は37.9%5.5%(SANARI PATENT考察: 高等専門学校の就職率が比較的に良好なので、大卒で就職できない者が高等専門学校に入学する数が増加している)

(4)  男子大卒は59.5%3.6%減、女子大卒は55.3%6,3%減。国公立では男子64.1%、女子62.2%。私立では男子58.1%、女子53.0%(SANARI PATENT考察: 就職も進学もしていない者の状況は、宅配などのパート、婚活、親にパラサイトと推測される。) 

(5)  文系は57.4%3.8%減、理系は58.3%10.2%減で、理系の減少幅が大きい。

(6)  地域別には、九州の51.5%が最低だが、減少幅では中部の9.5%減が最大である。

SANARI PATENT所見

大学入学者、従って大卒は逐年著増してきたが、企業の国内雇用数は合理化と海外移転で減少を指向している。この本質的なギャップをどのように構造的に考えるのか、国民全体が考えなければならない。

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2010年11月10日 (水)

Electric Power Policy to be Discussed by METI Meeting 

総合資源エネルギー調査会電気事業分科会予定

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電力需給の態様が急速かつ多様に変動するので経済産業省は、総合資源エネルギー調査会電気事業分科会を2010-11-15に、「電気事業政策の現状及び課題」と「制度環境小委員会の設置」を議題として開催する。これまでに提示された課題を以下に要約する。

(1)  太陽光発電の新たな買取制度における買取費用の負担方法

(2)  新エネルギー関係費用の見える化(SANARI PATENT考察: 費用だけでなく、新エネルギー自体はCO2を発生しなくても、新エネルギー自体の生産に要するCO2排出、例えばシリコン純度向上に要する電力生産におけるCO2発生も見える化すべきである。)

(3)  新エネルギー大量導入に伴って必要となる系統安定化対策費用の負担

(4)  原子力発電事業のバックエンド事業

(5)  原子力発電の新増設・リプレースの円滑化

(6)  省エネのための三段階料金制度

(7)  負荷平準化に資する料金メニュー

(8)  料金認可プロセスの在り方

(9)  コスト対応機動性の向上と需要家利益保護の両立(SANARI PATENT考察: 原油・天然ガス価格の変動を極力迅速に料金に反映させるべきである。)

(10)          電力の安定供給・環境対応と効率化の両立

上記のうち、新エネルギー関係が、料金対策対象とする新エネルギーの範囲をめぐって(太陽光に限定することの当否をめぐって)、また、全量買取の是非をめぐって身近な問題になっているが、これまで提示された論点は、

(1)  一般電気事業者にとっての新エネルギーなど電源の位置付けの変化、新エネルギーの大量導入に伴う今後のコスト増や、需要者側の新エネルギーに対する関心の高まりを踏まえ、新エネルギー関係費用の料金原価や企業会計上の取扱について、また、その見える化の是非について、おのように考えるべきか。

(2)  小売料金単価を大きく上回る太陽光発電電力の買取を、一般電気事業者に義務付けて導入量を量的に拡大し、買取に要する費用は需要家全てが負担するとの基本方針のもとでは、通常の原価算入ではなく、実績買取費用に基いて需要家が負担する仕組みが適切ではないか。

SANARI PATENT所見

消費者側における太陽光発電の促進を、全量買取の前提を示して推進してきたから、上記(2)の案に落ち着けざるを得ないと思うが、余剰電力の処理は別途の問題で、Smart Gridがどう機能できるかにも依存する。

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2010年11月 4日 (木)

METI Starts Study Meeting for Legal Protection of Business Secrets 

経済産業省が「営業秘密保護のための刑事訴訟手続の在り方研究会」設置

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国際競争力の緯持強化のため、多様化する知的財産の取得・活用・防衛の総合的発動が緊要だが、技術内容の開示を要件とする特許権と並んで、秘匿を旨とする技術ノウハウなど、営業秘密の保護・活用が益々重要になっている。従って、経済産業省は、法務省と共同で、営業秘密保護のための刑事訴訟手続の在り方研究会を設置することになったと、発表した(2010-11-02)。その内容(SANARI PATENT要約)は、

(1)  不正競争防止法では、企業において適切に管理された営業秘密を侵害する罪に対して刑事罰(営業秘密侵害罪)を規定し、その保護を図っている。しかし、営業秘密侵害罪については、刑事裁判の手続において審理が一般に公開されることにより、営業秘密の内容が公になるとの懸念から、営業秘密の侵害を受けた被害企業が、告訴を躊躇するという難点が、従来から指摘されてきた。

(2)  このため。2009年の不正競争防止法改正時に国会両院の各付帯決議などにより、営業秘密保護の更に適切な法的措置を講ずることが求められた。従って、経済産業省および法務省では、刑事訴訟手続において営業秘密の内容を保護するための法的措置の在り方を検討してきたが、今般、有識者からも意見を聴くため上記研究会を設置し、2010年内に2~3回開催して結論をまとめる。

(3)  その検討事項は、次の措置を中心とする。

(3-1) 裁判所は、被害者等の申し出に応じて、営業秘密の内容を公開の法廷で明らかにしない旨の決定(秘匿決定)をすることができるものとすること。

(3-2) 裁判所は、秘匿決定をした場合には、営業秘密の内容を特定させることとなる事項について、呼称等を定めることができるものとすること。

(3-3)  秘匿決定がなされた場合において、一定の要件が認められる場合には、公判期日外において証人の尋問および被告人質問を行うことができるものとすること。

SANARI PATENT所見

この研究会の構成メンバーとして業界から、NECの中戸川 浩・知的資産渉外部長が経団連知的財産委員会企画部会営業秘密管理WG座長の資格で、また新日鉄の高松信彦・参与 知的財産部長が日本知的財産協会常務理事の資格で加わっており、ノウハウの秘匿と活用の実態に即した結論が導出されると期待する。

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2010年11月 2日 (火)

Case of Patent for Shipment Slip Nullified by JPO Decision

 ラベル伝票関連特許の特許庁無効審決に対して知財高裁訴訟

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ネット通販を始め、様々な態様の販売形態が続出し、出荷を精確に遂行かつ記録するラベル帳票についても、多様な考案が競争状態にある。今次知財高裁判決(2010-10-28)は、小林クリエイト株式会社が特許権を取得した「ラベル帳票」発明に対して、サンエイ株式会社が、その特許の無効を主張して特許庁の審決を求め、特許庁は無効審決を行ったので、小林クリエイトがこの審決の取消を知財高裁に訴求したことに関する。主たる争点は、ラベル帳票に関する米国の既存特許など、先行技術に基いて、小林クリエイト特許権対象の「ラベル帳票」発明は、当業者が容易に想到できなかったか、すなわち、想到容易で、特許要件としての進歩性・非自明性を欠くものであるか否かであった。

小林クリエイトの本件特許について、請求項1を例示すると、その内容(SANARI PATENT要約)は、

(1)  台紙上に上紙が剥離可能に貼合された帳簿で、

(2)  上紙は、本票と分離票とが輪郭切り取り線で隣接された伝票片を備え、かつ分離票を除いた裏面領域に粘着剤を塗工した粘着剤層が設けられており、

(3)  台紙は、粘着剤層と対向する表面領域に剥離剤を塗工した剥離剤層が設けられており、

(4)  (以下略)

知財高裁は争点に関する各事項について例えば、

(1)  小林クリエイトは、その発明が「返送用アドレス付き出荷用ラベルという特殊なラベルであり、先行技術文献に開示された配送伝票とは全く異種のものである」と主張するが、先行技術文献の「ラベル縁取り部分」に「商品名」や「問い合わせの電話番号」等の情報を表記することは、容易に着想し得るものと認められる。

(2)  分離票の裏面側に粘着剤を塗工するか否かは、分離票を再貼付することが必要な場合であるか否かによって、適宜選択できる構成というべきである。

(3)  接着剤非形成部分の大きさをどの程度とするかは、当業者が通常行う工夫の範囲内である。

など説示し、小林クリエイト提起の特許無効審決取消請求を棄却した。

SANARI PATENT所見

とにかく、小林クリエイトの特許出願に対して特許庁が特許査定し、特許権を付与した発明について、特許庁が取消審決をしたのだから、小林クリエイトとサンエイの双方に精細な主張理由があったわけで、知財高裁も精細に検討して、上記判断に至っている。

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2010年10月31日 (日)

Bank of Japan Will Purchase J-REIT at the Market 

不動産投資信託のビジネス方法と日銀のJ-REIT市場購入

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日銀が2010-10-05金融政策決定会合で、国内上場株価指数連動型上場投資信託(ETF)と不動産投資信託(J-REIT)を購入することを決定したことは、株価や不動産価格の下支えに資するものとして、若干の好感を持たれた。朝日・野島淳氏の所見(2010-10-30)として、「これら市場からの直接購入を中央銀行が行うことは世界でも異例だが、2010-12から2011年にわたって、ETF4500億円分、J-REIT500億円分、購入する予定で、具体的には、信託銀行に買付資金を預託し、証券取引所で取引されているETFJ-REITの買付を委託する」、「ETFは東証株価指数と連動する商品など、J-REITは格付けの高い十数銘柄を対象にする見通し」、「日銀の市場購入で株価などが歪められるとの懸念や、日銀が購入から一定期間後に徐々に市場に売却するに際して、損失発生の惧れもある」などの視点を述べている。

野村証券のIR誌も同証券金融経済研究所の荒木智浩シニアアナリストの解説として、次のような要点を指摘している。

(1)  J-REITは、不動産の賃貸事業に特化しているので、一般の不動産会社のように、例えば「マンションや収益不動産の販売計画未達」や「棚卸資産の評価損計上」などの要因で業績を下方修正するリスクが小さい。

(2)  J-REITを分類する上で重要な切り口は、「スポンサー企業がどこなのか」「どのような不動産ポートフォリオを保有しているか」の2点である。

(3)  J-REITは、オフィスビル、商業施設、物流施設、インフラ施設、ホテルなどに投資しており、それぞれの用途に特化して投資しているJ-REITと、様々な用途へ投資しているJ-REITがある(SANARI PATENT考察: 例えば「日本ロジスティクスファンド投資法人」は物流施設特化型であるが、「特化型」と「一般型」の中間に「重点型」「中心型」があり、例えば「産業ファンド投資法人」は、産業活動の基盤となる産業用不動産を中心として投資している)

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2010年10月30日 (土)

Government Policy and Patent Applications for the Dealing Systems of Securities and Commodities

 総合的な取引所検討チームの発足と関連知財

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新興国を含めて世界諸国に証券・金融・商品の取引所システムが発達し、その相場変動は経済行動の決定要因として、時々刻々グローバルな注視の的である。従って、わが国の「国家戦略プロジェクト」(2010-06-18閣議決定)にも、「総合的な取引所(証券・金融・商品)の創設」が盛り込まれ、これを具体化するため、金融庁・農水省・経産省は、「総合的な取引所検討チーム」を発足させ、中間整理に向けて検討を進めることになったと、3省庁共同で発表した(2010-10-28)

検討の視点として、次の項目を挙げている。

(1)  総合的な取引所を創設するメリット、及びその実現を通じた新成長戦略の目標年である2020年におけるアジアのインマーケットとしての地位の確立とは、具体的にどのようなものか。

(2)  上記と対比して、現状の問題点は何か。例えば、本年、取引所間競争を促進するための証券・金融と商品との相互乗り入れが可能となったが、その動きが具体化してこない理由は何か。

(3)  総合的な取引所の創設を促す制度・施策は何か。なおその際、以下の観点からの検討も行う。

(3-1) 投資家・利用者の保護を図りつつ、市場参加者や一般投資家の参入を増加させるために何をなすべきか。

(3-2) 商品の公正な価格形成とリスクヘッジの場として機能する産業インフラとしての取引所の国際競争力を緯持強化するためには何をすべきか。

ちなみに、これら取引に関するコンピュータプログラムなどの知財考案は国内外で多数なされているが、わが国特許庁が最近公開した事例として、

(1)  発明の名称「金融商品取引管理装置、プログラム」→出願人・株式会社マネースクウェア・ジャパン→(特許庁公開日2010-08-05)→ 顧客の利便性を高めると共に、イフダンオーダーを行う際に顧客が被るリスクを低減することができる金融商品取引管理装置を提供する。

(2)  発明の名称「文書管理装置、文書管理方法及びプログラム」→出願人・キャノンマーケティングジャパン株式会社→(特許庁公開日2010-07-16)→ 特に金融商品取引所管理システムにおいて、柔軟かつ効率的に文書管理業務を行えるようにする。

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2010年10月11日 (月)

Patent Examination Procedure of Japan Patent Office to be Revised

産業構造審議会知財政策部会、特許審査基準を検討

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経済産業省は、産業構造審議会知財政策部会の特許制度小委員会審査基準専門委員会を来る14(2010-10)に開催するが、前回会合(2010-09-10)では先ず、「日本における特許出願の記載要件」について次のように説明された(SANARI PATENT要約)

(1)  特許制度は、発明の保護・利用により、発明を奨励し、もって産業の発達に寄与することを目的とする。すなわち、新しい技術を開発し、それを公開した者に対して一定期間、一定条件で特許権という独占権を付与することにより発明を保護し、他方、第三者に対しては、この公開により発明の技術内容を知らしめて、その発明を利用する機会を与えるものである。(SANARI PATENT考察: 議論の出発点だが、最も問題が多い条項である。先ず、「産業」の範囲から「医療行為」が除かれている。除く範囲を徐々に狭めているが、医療先端技術の開発速度に即応していない。「第三者」は、ひところは専ら、韓国等の先端企業で、公開と即時に解明利用していた、すなわち、最大の技術流失と見る向きもあった)

(2)  発明のこのような保護・利用は、「発明の技術的内容を公開する技術文献」、「特許発明の技術的範囲を明示する権利書としての使命を持つ明細書」、「特許請求の範囲及び図面」を介してなされる。

(3)  請求項に係る発明は、発明の詳細な説明に記載した範囲を超えるものであってはならない。発明の詳細な説明に記載していない発明について特許請求の範囲に記載することは、公開していない発明について権利を請求することになるからである。

SANARI PATENT所見

上記を含めて特許庁から懇切な説明がなされているが、弁理士委員の発言の中には、「審査官の判断に若干バラツキがあるのではないか」、「審査官の質問や拒絶理由が明確でない」、「非常に細かいところを質問してくるが、何のための質問かよく分からない」など、出願人の不満も引用されており、これらへの対応も導出されることが、特許出願への意欲を高める。

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2010年10月10日 (日)

Election of the Japan Patent Attorney Association Triggers Patent Dispute

 日本弁理士会長選挙を契機とするパテント政策論議

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弁護士会や医師会の会長選挙が常に複数候補者によって争われ、見解の対立がマスコミにより拡播されて、法曹界や医療現場の矛盾を国民が認識する一助になってきたのと比べると、弁理士会の会長選挙は概ね事前調整で無投票当選が通例だった。しかし今次選挙には既に、古谷史旺盛・奥山尚一両弁理士が立候補され、所見を明示されたので、日本の知財行政に関する問題点が鮮明になっていることは、むしろ利点とすべきである。

勿論、特許庁自体も特許行政年次報告書2010年版「産業財産権の現状と課題」において、次のように課題を示している(SANARI PATENT要約)

(1)  2009年の特許出願件数は349000件で、前年比10.8%減となった。これは景気後退の影響と共に、量から質へ特許出願戦略を転換する考え方が出願人に浸透しつつあることも背景にある。(SANARI PATENT考察: 現時点では、知財戦略としての特許権取得とM and Aによる知財の包括買収のコスト比較¥速度比較も潜在している。例えばテルモは、自社技術開発とM and Aのバランスを適切に計画することにより、10年以内に売上高1兆円の治療器製造販売会社たることを目標とい、10年間に3倍以上の成長戦略として、売上高と知財の双方を、従来の頭動脈瘤治療機器分野拡大におけるM and A寄与の実績を踏まえていることが見受けられる。参考:日経産業・宗像誠之氏2010-10-06。奥山弁理士の「魅力的な知財制度を作る」、古谷弁理士の「出願人優先の制度設計」が提示あれている)

(2)  特許協力条約に基く国際出願は2万9000件で前年比4.5%増と、引続き増加傾向を示している。

(3)  審査請求件数は254000件で、前年比26,9%減であった。最近の景気後退の影響や、出願人に審査請求の厳選という考え方が浸透しつつあることも、背景にある。

(4)  任期付審査官の採用や、先行技術調査の外注の拡大などにより、一次審査件数は前年比5.5%増の351000件となり、一次審査件数が審査請求件数を上回った。

(5)  2009年における世界の国際出願件数は155000件で、1978年にPCT制度発足以来、初めて前年(163000)を下回った。米国始め世界的景気後退の影響と考えられる。

SANARI PATENT所見

世界景気が回復に向かいつつあり、これに伴って特許出願がどのように変容するか、注目すべきである。

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2010年10月 9日 (土)

Nobel Prize vs. Patent Application Ranking at the Standpoint of GDP Growth 

日本は自然科学ノーベル賞受賞で世界7位、国際特許出願数で2位

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特許活動の評価も国際的見地に立つから、特許庁の年次報告書も先ず、特許国際協力条約(PCT)に基づく国際出願数の比較グラフを示している。 2009年におけるPCT出願世界総数(加盟国数142)は154784件だったが、出願人の居住国別にその比率を見ると、米国29.4%、日本19.3%、ドイツ19.3%、韓国5.2%、中国5.1%、フランス4.6%、英国3.3%、オランダ2.9%、スイス2.4%、スェーデン2.3%の序列だが、今次ノーベル賞で自然科学系受賞者数は、米国234人、英国76人、ドイツ68人、フランス29人、スウェーデン16人、スイス15人、日本14人、旧ソ連14人、オランダ14人、デンマーク9人、カナダ9人の序列で、日本は旧ソ連と同数の7位だが、2001年から2010年までの10年間では9人で、この期間限定では高位を示した。同時に、この10年間は日本の経済成長が極めて停滞した時期として回顧される。

特許庁はまた、世界5大特許庁(日米欧中韓)(SANARI PATENT:「欧」は欧州特許庁)における特許出願数の合計1416000件について、米国456321件、日本391002件、中国289838件、韓国170632件、欧州146561件の序列を示した。

SANARI PATENT所見

これらを含めて実に多様な諸序列の相関について理論を確立すれば、ノーベル賞の、少なくとも候補者には成り得るだろう。

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