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2012年2月 2日 (木)

株式会社ジェイテクトの「転がり軸受装置」発明の特許無効事件

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT

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ジェイテクトは、「転がり軸受装置」の発明について特許出願し特許登録を受けたが、Xは、この特許は無効として特許庁に無効審判を請求し、特許庁は、Xの請求を認容して、ジェイテクトの上記特許を無効とすると審決した。そこでジェイテクトは、この審決の取消を知財高裁に請求したが、知財高裁はジェイテクトの請求を棄却し、上記特許無効の審決を支持し、X(訴訟代理人・幸田全弘弁理士ほか)が勝訴した(2012-01-30判決言渡:平成24年行ケ10158審決取消請求事件)。

ジェイテクトの立場から考えれば、一旦付与された特許が無効とされるのだから、特許権取得に基いてなした行為が前提を欠くこととなり、経営の安定性を侵されたことは事実だが、特許庁の特許査定が違法であったとすれば、これを覆すことが真の法的安定という、制度の建前である。ただし、違法か否かの判断が、「従来技術からの想到容易性の有無」という、技術判断に依存する結果、判断者に対する高度の信頼が特許庁審決・知財高裁判決の各段階で確立されていることが特許庁制度の基盤である。

ジェイテクトが特許付与されたのは、「車両等に用いられる転がり軸受装置」に関する発明であるが、Xは、既存の日米特許、光洋精工の技術文献などによる従来技術を引用して、ジェイテクトの本件発明は、従来技術から想到容易であるから、進歩性を欠き、特許要件を充足しない、すなわち、ジェイテクトの特許は無効と主張して、特許庁審判および知財高裁判断の支持を得、ジェイテクトは、その本件特許を無効と判断された。

本件における「想到容易性」の具体的判断に関する論点は、知財高裁判決に極めて詳細に記述されており、参考とすべきである。

(コメントは sanaripat@gmail.com  にご送信ください

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