最近のトラックバック

2019年6月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            
無料ブログはココログ

« 株式会社ジェイテクトの「転がり軸受装置」発明の特許無効事件 | トップページ | 「新たな越境EC支援策」を経済産業省が発表 »

2012年2月 3日 (金)

ルネサスエレクトロニクスの「半導体装置の製造方法」特許出願拒絶審決を知財高裁が取消

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT

B Site http://sanaripatent.blogspot.com/

R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat

Twitter http://twitter.com/sanaripat

ルネサスエレクトロニクスの事業基盤を先ず見ておくが、会社四季報は同社を「NECエレとルンネサステクが統合、半導体世界5位級。LSI主軸。車載用で世界シェア4割」と特色付けている。

ルネサスエレクトロニクスは、発明の名称「半導体装置の製造方法」について特許出願したが拒絶され、特許庁に不服審判を請求したが「請求不成立」の審決をうけたので、その取消を知財高裁に訴求し、知財高裁はルネサスエレクトロニクスの請求を認容して、特許庁の審決を取消し、ルネサスエレクトロニクス(訴訟代理人・筒井大和弁理士ほか)の上記特許の特許性を認めた。(判決言渡2012-01-31:平成23年行ケ10121 審決取消請求事件)。

特許庁審決の理由は、ルネサスエレクトロニクスの上記発明(以下・本願発明)は、周知技術(引用発明・周知例)に基いて、当業者が容易に発明できたものだから、進歩性という特許要件を満たさないことである。

知財高裁は、ルネサスエレクトロニクスの本願発明が、引用発明に周知例記載技術を適用することにより容易に想到できると、特許庁審判が判断したことには誤りがあり、これを取消すべきものと判断した。すなわち、「引用発明は、これに基づく方法によって、基板と、集積回路を形成し、この基板に取り付けられるチップと、このチップをこの基板の一つの面に位置する外部電気接続領域に接続する新規接続手段と、封止容器と、をそれぞれに含む複数の半導体パッケージを、効率的に製作することを目的とし、ルネサスエレクトロニクスの本願発明の解決課題、すなわち、個々の樹脂封止型半導体装置が元の配線基板のどの位置にあったかを配線基板の分割後においても容易に識別できるようにする、などについては、何ら示唆および開示がないと判示した。

知財高裁は上記ほかの判示をもって、特許庁審決の「容易想到性」判断には誤りがあり、「原告ルネサスエレクトロニクスの請求には理由がある。その他、被告・特許庁長官は縷々主張するが、いずれも理由がない」と判断し、原告ルネサスエレクトロニクスの請求を認容した。

佐成重範弁理士所見→「当業者」という概念は特許法域独自のもので、法学の全体系の見地から考究すれば、多くの論説をもたらすと思うが、今は、ルネサスエレクトロニクスのこの特許成立が、同社の現況打開に資することを期待するのみである。

(コメントは sanaripat@gmail.com  にご送信ください)

« 株式会社ジェイテクトの「転がり軸受装置」発明の特許無効事件 | トップページ | 「新たな越境EC支援策」を経済産業省が発表 »