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2012年1月28日 (土)

JR東日本が知財高裁で勝訴:「座席管理システム」特許事件

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT

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発明の名称を「座席管理システム」とする特許権の権利者Xが、JR東日本を被告として、「JR東日本が指定券購入乗客への車内改札を省略するシステム」を運用していることはXの上記特許権を侵害しているとして、東京地裁に「特許権侵害差止および損害賠償請求」の訴訟を提起したが、東京地裁は原告Xの請求を棄却したので、Xは、知財高裁に控訴した。

知財高裁は、「JR東日本はXの上記特許権を侵害していない」と判断して、Xの控訴を棄却し、JR東日本勝訴(訴訟代理人・久保利英明弁護士ほか)の判決を言渡した(2012-01-24:平成2310013特許権侵害差止等請求控訴事件)。

争点は、JR東日本の上記システムがXの上記特許発明の技術的範囲に属するか否かであるが、知財高裁は「属していない」と判断した。すなわち、Xの特許発明の「座席表示情報」とは、ホストコンピュータにおいて、「券情報」、「発券情報」および「指定座席のレイアウト」といった個々の情報を一つの情報に統合することにより、これを端末機に送信すれば、端末機において他の情報と照合する等の特別の処理を要することなく、座席の利用状況を表示し、目視することができる情報と認めることが相当と判断し、一方、JR東日本の上記システムは、自動改札機で読み取られた座席指定券の通過情報と券売機で発券された座席指定券の発売情報とを管理するセンターサーバーを管理センターに備え、この管理センターと通信回線で結ばれている車掌用携帯情報端末機とを備える車内改札システムであると判断した上で、「X特許発明の座席表示情報は、これを券情報や発券情報と同じレベルの意味で表示構成情報ということはできず、そのように解することは、本件X特許の特許請求の範囲の記載に反する」などの判断を示し、Xの控訴を棄却した。

佐成重範弁理士所見→特許範囲の画定について、明確な判断根拠と判断経過を示した判決と言えよう。

(コメントは sanaripat@gmail.com  にご送信ください)

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