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2011年7月31日 (日)

地デジ化完了と共にテレビ先端機種に需要著増

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT

B Site http://sanaripatent.blogspot.com/

R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat

1週間前(2011-07-24)に地デジ化が完了し、この際テレビの先端機種に買換えようという需要も著増しているようだ。佐成重範弁理士も、居住地・新宿のビックカメラで日立製作所のXP07液晶37V型に注目したのだが、省エネ効果のほかに、先端性を次のように解説している(SANARI PATENT要約)

(1)  超解像技術Pixel Manager→ 低解像度の映像で発生する「ボヤケ」を、日立独自の「解像度復元処理」と「精細度回復処理」により、映像の部分毎に(領域別に)解像度を分析し、最適高精細化を行い、高度な精細感・立体感の鮮明な映像を現出する。

(2)  IPS方式液晶パネル(SANARI PATENT注: In Plane Switchingは、液晶ディスプレイの一型式で、日立製作所が1996年に製品化したアクティブマトリックス液晶表示方式)→ 広角視野をもち、上下左右のいずれから見ても明るさ・美しさを高質に表示する。

(3)  光沢液晶パネル→ 光沢化フィルムにより、高コントラストで黒色が締まった映像を再現し、従来パネルから更に艶やかさを増し、クッキリした美麗映像を現出する。

(4)  液晶倍速120コマ→ 通常毎秒60コマの映像信号を、毎秒120コマに倍増することにより、残像感を大幅に解消し、動きが速い映像も精細円滑に再現する。

(5)  バックライトスキャニング→ バックライトを上下方向に点滅し、擬似的な黒を表示させ、残像感を軽減する。

(6)  アドバンスドダイナミックコントラスト→ 映像シーン毎のヒストグラム(SANARI PATENT注:度数分布図)検出精度を倍増し、精密な輝度分布分析により輝度と色信号を効果的に変換し、グラデーションの滑らかさと暗部のコントラストを美麗にする。

(7)  アドバンスドダイナミックエンハンサ→ 輪郭補正回路により立体感を高度化する。

(8)  3次元デジタルカラーマネジメント→ 従来方式に特定4色の彩度・明度・色相補正機能を付加する。

次に、録画再生については、

(1)  選好番組の自動提示→ 過去の録画番組と現在の予約番組の情報により、テレビの機能が自動的に選好番組を検索・提示する。

(2)  キーワード自動録画

(3)  チャプター(区切り)の自動設定

(4)  シーン検索

SANARI PATENT所見

画質のイノベーションと共に、テレビ録画における検索機能と複数番組同時録画、カセットHDDによるパソコンとの機能シナジーなど、放送・通信・コンピュータの高品質な機能融合が急速に進展しつつある。

(コメントは sanaripat@gmail.com  にご送信ください) 

2011年7月29日 (金)

ユーロの動向とドイツの国際経済的地位

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT

B Site http://sanaripatent.blogspot.com/

R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat

楽天がドイツで電子商取引を展開すること(B Siteご参照)は、その欧州全般ないしグローバル拡大の拠点としても極めて注目すべきであると、SANARI PATENTは考える。ドイツは電子商取引の独自ノウハウをドイツにおいて発揮すると述べているが(2011-07-28)、まさに、パテントと異なる知的財産の発揮であり、その意味でも知的財産関係者として注目すべきである。

ドイツの国際経済的実力の伸長については、長谷川慶太郎氏が著書「大局を読む」で次のように述べている(SANARI PATENT要約)

(1)  ユーロ危機の発生によって、ドイツと欧州全体の経済的関係は大きく変容した。従来のように欧州経済にドイツが貢献するのではなく、ドイツが欧州から、より大きな経済的恩恵を受けることとなった。今やユーロ圏やEUは、ドイツのために存在しているようなものだ。

(2)  欧州で抜群の経済力を持つドイツは、これからもユーロ圏やEUを踏み台にして更に強大になるだろう。

(3)  ユーロという通貨の最大の欠陥は、いったん導入した国に対しては、危機に備えた組織的対策が予め用意されていなかったことである。

(4)  ユーロを導入したことによりドイツ経済は、ユーロ圏向けの輸出を60%増やすことができた。為替リスクを考える必要がなくなったため、ドイツ以外のユーロ圏15国の市場がドイツの国内市場と同様になったのだ。ドイツの輸出のGDP比率は40%で、日本は16%だから、ドイツは日本の2.5倍も輸出に依存している。

(5)  ユーロ安は、輸出企業が多いドイツの株価を押し上げている。ドイツの主要企業の2010年の一株当たり利益成長率は前年比48%増に達する。

(6)  ドイツは、武力によってはできなかった欧州支配を経済力で成し遂げた。ドイツは経済力によって平和的に欧州を支配していくのである。

SANARI PATENT所見

外務省資料は、「ドイツは日本にとって欧州最大の、また日本はドイツにとってアジア第2位の貿易相手国である」と。耳当たりの良い表現をしているが、2010年の対ドイツ輸出額は1兆6237億円、対ドイツ輸入額は1兆5388億円で、ドイツの輸入規模・7980億ユーロ(877800億円)の1.8%、ドイツの輸出規模9520億ユーロ(1047200億円)の1.5%に過ぎない。ドイツの主な貿易相手を地域別に見ると、輸出入共に欧州が全体の3分の2を占め、国別では輸出はフランス、米国、オランダ、英国、イタリー、オーストリア、輸入は中国、オランダ、フランス、米国、イタリー、英国で、この列挙は外務省によるものだが、日本は登場していない。楽天のドイツ進出が、電子商取引のノウハウと物流を通じて、現状の革新を導く一つの契機になることを望む。

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2011年7月28日 (木)

コニカミノルタの知的財産報告書2011

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内閣知財戦略本部が知財立国のために、在来の業績報告書と別建で知的財産報告書の作成を各企業に唱導したのは既に10年前のことだが、最初はその勧めに乗った企業も、Lehman Shockなどで、特許より金融が企業の生死を制する時流となり、知的財産報告書の存否自体が今や不明になってしまった。

この間、コニカミノルタが一貫して知的財産報告書を別建作成発表してきたことは、コニカミノルタに対する技術信頼性を緯持高揚し、企業評価を一層高めたことは確実である。

コニカミノルタ知的財産報告書(2011-07-11)は、その公開に際して次のように述べている(SANARI PATENT要約)

(1)  コニカミノルタは、企業経営の高透明性確保のため、事業報告に加えて、経営戦略と社会的責任などの企業情報を開示しているが、知的財産情報についてもコニカミノルタの技術力に対するステークホルダの理解を深めるため2004年来、知的財産報告書を毎年公開してきた。

(2)  コニカミノルタ知的財産報告書2011は、「コニカミノルタが力強い成長を実現するための両輪である既存事業の競争力強化・業容拡大と、新規事業の育成に着目し、例えばコニカミノルタの2010年度・日本特許公開件数が3240件に及び、その事業分野別は、中核事業の情報機器分野と、戦略事業のオプト分野を中心として知的財産権活動を行ったことにより、両分野の特許公開件数が全体の70%を占めた。

(3)  コニカミノルタの特許保有件数は着実に増加し、特に有機EL照明を始めとする環境エネルギー分野を中心に、多くの新規事業が関連する共通基盤技術・先端技術分野に注力した。

(4)  コニカミノルタは、材料・微細加工・光学・画像の4分野で、長年培ってきた12のコア技術を保有し、これらの基盤の上に、情報機器・光学デバイス・ヘルスケア機器・計測機器・産業用インクジェットなどの領域で多採な事業を展開している。その一例として、デジタル化が進むヘルスケア分野において、最先端の画像処理技術と材料技術などを融合し、高画質と、本体重量の徹底的軽量化を両立させ、作業の利便性を大幅に向上させたワイヤレスタイプのカセット型デジタルX線撮影装置の新製品Aero DRについて、技術の市場性・市場優位性の観点から分析した結果を搭載した。

SANARI PATENT所見

コニカミノルタの最近の特許庁公開技術としては、「画像読取装置」(特許庁公開日2011-07-21)、「画像処理装置、画像処理システム、および画像処理装置の制御プログラム」(特許庁公開日2011-07-21)などが見られる。

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2011年7月26日 (火)

ツキオカの世界特許・食用純金箔のグローバル普及

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昨深夜(2011-07-25)のテレビ東京WBSがツキオカの食用純金箔を始め、可食フィルムの広汎なイノベーション効果を精細に映像したので、ツキオカの知名度は一挙に向上したと思われる。

ツキオカの月岡忠夫社長は次のように述べている(SANARI PATENT要約)

(1)  株式会社ツキオカは、特殊印刷の箔押業に始まり、世界特許の食用純金箔粉の研究開発に成功し、水溶性可食フィルムを使ったフィルム製造業へと大変革を遂げてきた。

(2)  箔押業においては、常に最先端の大型箔押機を積極的に設置し、ISO9001の認定は業界で逸早く唯一取得した。

(3)  食用純金箔は、世界主要国の特許を取得し、世界的著名なチョコレートや製果品に豪華絢爛な装飾を加えている(SANARI PATENT: 上記WBSでが結婚披露の祝杯に浮かべた「寿」の金箔が魅力的に印象付けられた)。純金利用の新分野として医薬品・医薬部外品のカプセル、錠剤などの表面に純金メッキする機械を新設した。

(4)  最近、ツキオカの純金箔製造技術により製造したプラチナ粉が活性化酸素除去の企業の効果ありと認知され、健康食品や機能化粧品の付加価値要素として、老化防止などの効能を活用されている。

(5)  独自開発した水溶性可食フィルムは、その応用を、口臭防止の薬用部外品や化粧パック品から始めて、2007年にツキオカが医薬品製造業の許可取得後、新剤形のフィルム製造事業に参入する基盤の一つとなった。なおツキオカの開発部員の一人は、岐阜薬大から薬学博士の学位を授与された。

SANARI PATENT所見

水溶性可食フィルムの用途の広汎な可能性、金箔に対する新興国高所得階層の人口著増は、ツキオカのグローバルな発展が加速することを期待させる。

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2011年7月24日 (日)

パラダイムシフトとITイノベーションのIHI

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先日82011-07-21)特許庁公開された出願人・株式会社IHI、発明の名称「インターフェイス装置及びシミュレーションシステム」の課題は、「ノイズや信号歪み等の外部の影響の検証が可能なインターフェイス装置を提供すること」としているが、IHIは、中期経営計画を「パラダイムシフト」最重要視のもとに推進するについて、ITイノベーションが核心の一つをなすものとSANARI PATENTは解する。

IHIは、「総合重機大手、航空宇宙は民間航空機エンジンで国内首位」と特色付けられているが(会社四季報)、2011-03期の受注・利益著増発表において、「従来のビジネスモデルを根本的に見直し、スピード感をもって変革を進めると宣明しており、現海外比率43%を更に高めて内外に日本産業の展開を牽引することが期待される。

翻って2011-03期についてIHIは、「連結経常利益・連結当期純利益で過去最高益を記録したが、大規模プロジェクト工事に対する様々なリスク管理、モニタリング体制を構築してきたことが一定の効果を生んだ」と顧みると共に、「今後の経済環境を俯瞰し、大震災後の経済パラダイムの一大転換の可能性や資機材価格・為替変動リスクの拡大等、激変する経済環境に対して素早く対応するスピード、それを受容する変革への覚悟・勇気が最も重要と考えている」と述べているが、このことは全業界に該当すべき考え方であろう。IHI事業については、「車両供給事業に引続き他の事業においても、ブラジル拠点設立に続けて、グローバル展開戦略を具現すること」、「新興国のエネルギー需要など成長市場への集中的取組や、ライフサイクルビジネスの拡大に向けたビジネスモデルの構築を急ぐこと」を強調しており、剋目すべきである。

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2011年7月23日 (土)

原発関連の特許庁特許公開状況と次世代原発

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原発と総称されている機構の技術構成は、その世代により本質的に異なる要素を含み、従って、関連特許技術の内容も変革していくが、当面、関連特許の現状を見る。

「原子力発電」をキーワードとする特許庁の特許公開件数は現在2385件に達し(2011-07-23)、うち今年度に入ってからの公開(2011-04-012011-007-22)が55件だが、例えば次のような事例が見られる(SANARI PATENT要約)

(1)   出願人・日立製作所、発明の名称「放射線被曝量計測機能付プロセス計測機器」(特許庁公開日2011-07-14)→原発用プロセス計測機器が放射線被曝累積により故障、」または測定精度の許容限界超低下を発生しないよう、プロセス計測機器の放射線被曝による寿命変動の有無等を事前に簡便に知らせる方法を提供する。

(2)  出願人・日本原子力発電ほか2、発明の名称「放射性廃棄物処理容器、放射性廃棄物処理容器の製造方法及び放射性廃棄物処理容器の製造装置」(特許庁公開日2011-07-07)→内部欠陥が少なく放射線の遮蔽能力に優れ、断面が四角筒状で、収納スペースに効率良く配置できる放射性廃棄物処理容器、その製造方法及びその製造装置を提供する。

(3)  出願人・日立GEニュークリア・エナジー株式会社、発明の名称「免震用積層ゴムの取替工法」(特許庁公開日2011-07-07)→ジャッキ等の支持構造により上部構造物を浮かすことなく、また支持工等の付加的設備を用いずに、原発施設等の建築構造物における免震用積層ゴムを容易に取替できるようにする。

(4)  出願人・栗田工業株式会社、発明の名称「酸性液の処理方法及び処理装置」(特許庁公開日2011-07-07)→原発や火力発電所の復水脱塩装置の再生時に排出されるモノエタノールアミン含有希塩酸性液等の非イオン性またはカチオン性の水溶性化合物を含有する酸性液を効率的・経済的に処理する、など。

SANARI PATENT所見

原発の本質が、その第四世代開発により変革していくことに対応して、原発関連特許もこれに即応する発明について続出すると予想されるが、第三世代までの原発もグローバルに稼働を継続するから、上記特許例の活用も極めて重要である。

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2011年7月22日 (金)

原子力発電における地盤災害と暴力災害、次世代原子力発電の安全性関連特許

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国内の原子力発電安全性問題とエネルギー需給政策とが混交して、精確な認識を欠如したままでマスコミ議論が沸騰していること自体に、知財専門家としては危惧を抱き、諸立論の妥当性検証に寄与すべきである。

先ず日本がいわゆる地震国であり、特に一部地域について地震発生の確率が高いと認識することから。日本、特にその一部地域について原子力発電の存廃を論ずる一派が有るが、「地震・津波」等の純自然災害と、地盤液状化のように過去の人為が関与している「半自然災害」とを合わせて「地盤災害」と呼称し、地盤の属性に起因する原子力発電の安全性問題について、日本特有の課題と世界共通の課題を認識すべきである。

次に、日本が地盤災害に馴染み易い特質を有するから、他国と異なる原子力発電脱却理由を有するという立論に対しては、テロ・戦争等の暴力災害のリスクは世界ょなど通であるから、原子力発電の安全性は地盤災害と暴力災害の両災害を総合する課題として、日本が孤立的にではなく、世界共通の課題として取組むべきである。

更に重要な課題は、原子力発電の世代別特質を精確に認識して上記課題に臨むことである。原子力発電に関する特許権も続出し、次世代原子力発電としてはトリウム原子力発電の安全性が認識されつつあるが、原子力発電という包括呼称のために、第一世代から第三世代を経て、いわゆる第四世代のトリウム原子力発電に至る道程には、隔絶した安全性構造の革新が存在する。SANARI PATENTは、トリウム原子力発電を単に「トリウム発電」と呼称し、太陽光発電と同列に「新エネ」に分類することが、脱マスコミ的混迷のため適切と考えている。

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2011年7月20日 (水)

節電・新エネの時流下・日本空調サービス(東名証1部)の動向

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従来、オフィスビルでは空調電力量が使用電力総量の半分と概算されてきたし、次世代クラウドコンピューティング社会でもデータセンタの空調電力縮減が課題だし、とにかく空調技術はグローバルかつ日本当面の節電課題である。その意味で日本空調サービスの動向が注目されるが、会社四季報は日本空調サービスを、「建物空調設備等メンテナスが主体、リニューアル軸に工事も行い、子会社で中国に進出、独立系」と特色付けた上で、「増益」と題して、「大型病院向け統括管理で好採算案件が利益押上げ」と評し、「太陽光発電について、個人向けパネル設置に続き、水上型で公園など開拓」と特記しているので、時流即応の業態であること疑いない。来月(2011-08-26/27)の東京ビッグサイトで開催される日経IRフェア2011華々しく出店すると予告している(2011-07-13)

空調について日本空調サービスは、「建物設備のライフサイクルに合わせたトータルサポート」を提供するとしているが、その内容として(SANARI PATENT要約)

(1)  予防メンテナンス(Preventive Maintenance)→ 予防保全の保守メンテナンスとスポットメンテナンスに区分され、「万が一」を未然防止する高品質メンテナンス技術が主軸である。

(2)  統括設備管理(Facility Management)→ メンテナンスサービスと日常の維持管理を組合せた統括管理で、常時監視を含む。

(3)  リニューアル工事(Reform and Construction)→ メンテナンスサービス事業の重要な補完事業である。

(4)  設備・環境の診断・提案(Diagnosis and Suggestion)→ 設備と空間の環境を診断しソリューションを提案する。

SANARI PATENT所見

業歴47年に及ぶが、空調の意義や技術の変革は著しい。当面の課題および次世代の革新に向けて、生産性と快適性の高い設備環境と活動空間の構築に寄与する企業と思われる。

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2011年7月19日 (火)

タカラバイオのポリメラーゼ連鎖反応法遺伝子増幅システムの内外展開

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持株会社体制の宝ホールディングス株式会社が宝酒造とタカラバイオを新設して発足してのは2002年だが、「寶」を登録商標とする(1897)「みりん」と焼酎・清酒の宝事業は天保13(1842)に京都で創められたから、169年の業歴である。野村IRの最新号はその歴史を充実した内容で辿っているが、画像記録としては先ず、「寶焼酎」と「寶みりん」の大正時代のポスターの艶やかな女性像に眼を奪われる。それは竹下夢二の大正女性像とは対照的な健康美に満ちた女性が「ミリン」の栄養と「焼酎」のほろ酔いで自信と歓喜の力強さを示した「酒と女と栄養」で、今晩火曜日NHK定例歌謡番組の「酒と女と涙」より積極的である。

タカラバイオは先日(2011-07-13)、「HSB-TK遺伝子治療臨床研究に関する研究成果」について発表したが、タカラバイオのこの先端技術性を伝統的酒造技術と共に理解するためには、上記野村IR最新号の「バイオ技術の開花」の章が貴重で、タカラバイオが特許出願し最近特許庁公開された「抗体可変領域をコードするDNA」(特許庁公開日2011-05-06)「ガン治療剤」(特許庁公開日2011-03-17)「平滑筋弛緩剤」(特許庁公開日2011-02-24)等々の由来を知るのためにも有用である。すなわちその内容(SANARI PATENT要約)は、

(1)  遺伝子工学研究に領域拡大したタカラバイオ事業は、1988年に、バイオ研究やDNA鑑定に不可欠の技術であるポリメラーゼ連鎖反応法による遺伝子増幅システムの国内独占販売権を取得した。

(2)  この反応法は、耐熱性のDNA合成酵素により超微量の遺伝子を試験管内で短時間に増殖するもので、開発者は後に1993年にノーベル賞を受賞したが、開発当初はその実用可能性評価が低かったのに、タカラバイオの研究者は早期にその可能性を高評価している。

(3)  上記ポリメラーゼ連鎖反応法の能力を更に飛躍的に向上させたLA-PCR法の知的財産権を、タカラバイオはバーンズ博士から取得し、2000年にはICAN法(等温遺伝子増幅法)独自開発した。

SANARI PATENT所見

宝ホールディングスは、「宝酒造グル-プ」「タカラバイオグル-プ」「宝ヘルスケアグル-プ」の3グル-プで構成しているが、そのバランスとシナジーが、海外を含めて変革しつつ発展すると予想する。

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2011年7月17日 (日)

Wisdom・Intelligence・Technologyの長瀬産業Change2011の特許開発

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化学品専門商社首位の長瀬産業は、高利益率の自社製造エポキシ樹脂拡大等で増収増益基調にあるが(会社四季報)、「智恵をビジネスにする技術・情報企業」を企業ブランドとしているだけに、最近の特許開発も活発で、特許庁公開の事例をみても、

1.    出願人・長瀬産業外1名:発明の名称「炭素系塩類濃度測定装置、アルカリ現像液管理システム、及び、炭素系塩類濃度測定方法」(特許庁公開日2011-06-30)→アルカリ現像液中の炭素系塩類の濃度を簡便かつ精度よく測定可能な装置及び方法、及び、これを用いたアルカリ現像液管理システムを提供する。(SANARI PATENT注:公開資料中、「制度」は「精度」のミスプリント)

2.    出願人・長瀬産業外1名:発明の名称「実装方法及び実装品」(特許庁公開日2011-04-21)→接続端子間の幅が狭くても短絡を抑制できる実装方法及び実装品を提供する、など。

野村IRの紹介で届いた長瀬産業案内で長瀬 洋社長のメッセージ要旨(SANARI PATENT要約)は、

(1)  東日本大震災において、長瀬産業の「事業継続計画」が機能した反面、有事の際における迅速な意思決定という観点から、クライシスマネジメントの更なる強化の必要性を強く認識した。

(2)  ライフサイエンスを除くセグメント全般(機能性フィルムなど)で、2011-03期は、当初の予想を上回り、液晶・半導体業界と自動車業界の業績牽引を受けて、国内外ともに大きく増益を達成した(SANARI PATENT考察:会社四季報は、「国内外の自動車減産で合成樹脂は前半苦戦」と評価)

(3)  「事業の質」とは、顧客に提供できる情報が何かを本質的に自問自答し、そのソリューションの一つとして、ナガセ主体のビジネスを推進することである。

(4)  世界の石化動向は、中国の旺盛な需要が吸収する形で、日本への影響は軽微のまま推移したが、大きな変化の潮流に変わりはない。

(5)  2012-03期は、業務執行を更にスピードアップし、ナガセグル-プの競争優位をフル活用して、当期純益120億円を目指す。

SANARI PATENT所見

「グレーターチャイナ事業」「ASEANおよび中東事業」「豪州メルボルンに販売拠点設立」の展開により、現海外比率41%の上昇が確実と見込む。

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2011年7月16日 (土)

災害復旧と海外にプラント多角メンテとエンジニアリング新興プランテック

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野村IRの会社説明会に新興プランテック(東証1)が出演した。石油・石油化学プラント主体のメンテナンス会社で、薬品等、一般工業・環境問題などに多角化しているが(会社四季報)、むしろ、「プラントのメンテナンス・エンジニアリング総合会社」と呼ぶべきであろう。新興プランテックは先ず、プラントとは「商品を製造する工場などの一連の設備で、石油製品・一般化学・医薬品・食品など、様々な種類があります」と多角化を指向し、プラントメンテナンスとは「古くなったプラントは、危険な事故や効率の低下を招く。従って、巨大なプラントを安全かつ効率的に運転させるために行う、プラントの点検修理」であり、プラントエンジニアリングとは「新商品や競争力ある商品を市場に売出すための、設備の新規建設・増強・改造」であると示している。

従って主要顧客も、石油関連ではJX日鉱日石エネルギー・東燃ゼネラル石油・住友化学・三菱化学、一般化学・医薬品では旭化成ケミカルズ・花王・武田薬品・塩野義製薬、食品ではJ-オイルミルズ・カルビー・日清オイリオ、その他、北越紀州製紙・東北電力・富士フィルム・JFEスチールと多岐にわたる。

新興プランテックは、プラントのメンテナンスとエンジニアリングの双方を行い得ることが新興プランテックの最大の強みとしているが、このことは、新興プランテックの会社沿革が、東燃ゼネラル(エクソンモービル)を主要顧客としエンジニアリングを強みとした三興製作所(1938年設立)と、JXグル-プ(ENEOSブランド)を主要顧客としメンテナンスを強みとした新潟工事(1954年設立)2000年に合併して設立されたことにより基礎付けられている。

SANARI PATENT所見

新興プランテックの業績は好調に推移し、特に単体での有利子負債はゼロになったという財務健全性が注目される。会社四季報は、「関係密接なJX仙台製油所の復旧工事決まれば表記利益上振れ濃厚」としているが、それと共に、「一般化学・薬品等の日系企業対象に中国・東南アジアでのプラント建設工事を狙い、タイにも工事保守の子会社設立」という新興プランテックの海外展開に、期待を大にする。

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2011年7月14日 (木)

日立製作所が東京地裁で勝訴(ソフトウェア関連特許権侵害差止等請求事件)

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この事件は、発明の名称を「データ入力装置」とする特許3289645号の特許権者である原告X(村田機械株式会社の工機事業部に勤務していた)が、被告・日立製作所が原告の提訴ソフト(被告各ソフト)をインストールしたサーバを製造販売する行為が、原告特許権に対する間接侵害に当たり、または原告が著作権を有するプログラム著作権の複製権侵害に当たるとして、被告日立製作所に対して、被告各ソフトをインストールしたサーバの製造譲渡等の差止廃棄を求めると共に、7億5700万円の損賠を求めたものである。

原告Xは、ソフトウェアの作成販売を業とし、村田機械勤務の経歴がある。村田機械は、本件特許の設定登録を2002-03-22に受けたが、原告Xは村田機械から本件特許権を譲受し、2002-06-04に移転登録を受けた。

日立製作所は、原告X特許権の発明は統合データベースを構築することを前提に、統合データベースに登録する情報を入力するデータ入力装置の発明だが、日立製作所の被告各ソフトは統合データベースを構築することなく、部品に関する情報が複数の既存システムに保持されたまま、そのシステムで個別管理されていることを前提として、その情報の参照を容易にするためのデータベースの構築・運用に関するソフトウェアであることなどを主張した。

東京地裁は、本件特許権の間接侵害の有無に関し、ネットワークに接続した日立製作所サーバシステムの構成要件充足性を判断して、「充足しない」と認め、その余の点について検討するまでもなく、本件特許権の間接侵害を理由とする原告Xの差止請求・廃棄請求・損賠請求はいずれも理由がない判決した。また著作権侵害についても、本件プログラムが著作物に当たると認めることも、被告日立製作所が本件プログラムを複製した日立製作所各ソフトを製造したと認めることもできないと判断した。従って、東京地裁は、原告Xの請求をいずれも棄却した。(判決言渡2011-07-12)(平成20年ワ33440特許権侵害差止等請求事件)。

SANARI PATENT所見

ソフトウェア関連の特許権紛争多発は特に米国において著しが、中国・韓国・台湾などの国域において増加するものとSANARI PATENTは考えるので、判決全文の論点精査が必須と考える。

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2011年7月13日 (水)

次世代スマートIT社会を拓くピーシーデポのパソコン・スマホサービス

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野村IR主催の会社説明会(2011-07-13)にピーシーデポ(JASDAQ)が出演した。1994-08設立で、パソコンネットワークの総合専門店として、初心者向けのサポートや修理から、上級者向け商品など、ホ-ムユ-ザ-を対象として商品・サービスを幅広く提供している。特に東京・神奈川地域から全国を目指して、郊外のロードサイトに出店し、大型駐車場を完備し、高度の専門性で家電量販店と差別化が明確であり、共存可能な体制にある。

Windows 95あたりからパソコンを購入し始めた生活者・消費者にとって、電気通信事業者・パソコン機器メーカー・プロバイダの三関係者をサービス提供者としてトラブル相談した経験には苦いものがあったと思う。NTTNiftyに相談すると、その点については、メーカーにお問い合わせくださいという返答に接する場合も多かったとおもうが、これは決して、NTTNiftyが不親切なのではなく、トラブルがパソコンハードの機能・構造と関連している場合には、そのように答えるほかなかったのである。

「文字化け」などという用語はもう若い人には何のことか分からない古事となったが、この十数年、急速にパソコンのハードもソフトも高度化し、モバイルパソコンであるスマホも普及しつつあるが、昨日もNHKでスマホ活用講座を放映しており、使いこなすことこそ、日本国民のITレベル世界一のため必須である。

ピーシーデポの業績は増収増益路線に在るが、売上高および収益の構成において、サービスの比重が著増していることが特に注目され、また、ピーシーデポの存在・発展の意義を明確にする

ものである。すなわち、売上高構成でハードは5年前の63.0%から57.5%に変動し、サービスが8.4%から18.6%に増大しているが、このサービス比率の向上がハードの売上高増大に直結していることは明白である。利益構成では、ハードは24.3%から16.0%に減じ、サービスは40.8%から59.6%に著増している。ピーシーデポのパソコンないしITクリニックのこのようなサービス普及こそ、日本社会のIT高度化の基盤を構築するものである。

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2011年7月11日 (月)

売上高微増・営業利益著増への企業体質改善に寄与、ディーコープ社

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Lehman Shock、東日本大震災を経て、売上高は微増ながら営業利益は著増という企業体質改善を果たしている事例は多く見られる。海外売上高を伸長させている例もあるが、利益を挙げることが企業の務めであるとすれば、コストダウン努力を先行することは合理的である。リバースオークション、すなわち、購入者が価格を競り下げていく方式のオークションで、購入価格を著減し、営業利益を著増している事例が顕著となり、ディーコープ社(DeeCorp)がその代表的なリバースオークションカンパニーとして注目を集めている。

ディーコープの主要取引先を見ても、日本百貨店協会・高島屋・そごう西部など売上高停滞・利益漸増の百貨店業界を始め、イトーヨーカ堂、関西スーパーマーケット、阪急ストア、セブンイレブンジャパン、ユザワヤ商事、ヨークベニマル、すかいらーく、セブンアンドアイフードシステムズ、日本マクドナルド、サンエーインターナショナル、オリックス、商工中金、住友生命、近鉄、シャープ、タカラトミー、武田薬品、東芝、富士電機、ソフトバンク、東日本高速道路、横浜都市みらい、郵便事業など、広汎な分野にわたってコストダウンの需要に即応している。

株主構成は、ソフトバンクが100%で、流石に商機を逸せず2001-02に、「電子調達の活性化による新たな経済価値の創出を目指す「Dynamic e-Economy」を由来として設立され、見積もり支援サービス、契約管理支援サービス、購買支出分析コンサルティングサービスなどを続出し、リバースオークションで更に声価を高めている。

SANARI PATENT所見

オークションによる経営合理化は、米国において早く実践され、その技術開発としても、ビジネスモデル特許に関連発明が続出してきた。教科書的な事例としては、「電子オークション情報を処理し送信する方法およびシステム」(Method and System for Processing and Transmitting Electronic Auction Information(Onsale.Inc.: 特許日1996-03-29)などがあるが、日本でもトヨタが、発明の名称「オークションシステム」の特許を取得(特許日1998-05-15)している事例があり、今後、オークションシステムがわが国企業の国際競争力強化にも繋がることを期すべきである。

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2011年7月10日 (日)

みずほフィナンシャルグル-プの変革プログラムとグローバル展開

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地方銀行は横浜銀行・千葉銀行など銀行名のままだが、旧都市銀行と称された銀行群は、三菱UFJフィナンシャルグル-プ(旧東京銀行を含む)、三井住友フィナンシャルグル-プ(現在、三井住友トラストホールディングスは別建て)、みずほフィナンシャルグル-プの、いわゆる「三大銀行」に集約されている。特にみずほフィナンシャルグル-プの前身は、日本興行銀行・第一勧業銀行・富士銀行の三行だが、興銀と勧銀は、ワリコー(割引興業債券)など、年利6%超の、消費者貯蓄好適性ある資金調達を特認され、政策融資的な融資業務で産業振興に寄与する特異性を持っていたし、富士銀行も、旧13都市銀行の中では、先端産業育成的な気概をもって特色としていたと、SANARI PATENTは記憶する。佐成重範弁理士が経済産業省指定受託機関としての互助会保証株式会社設立に携わった際も、富士銀行が出資始め主導的役割を果たした。

みずほフィナンシャルグル-プの今次業績報告においても、変革プログラムの加速を特に強調している。すなわち、「ワンバンクに実質的に移行し、合併等の統合を将来的に検討する」として、「グル-プガバナンスの強化→グル-プCEOSANARI PATENT注: Chief Executive Officer))の明確化、取締役会諮問機関の独立性強化、および、企画・管理本部の一元化」、「人事の完全一本化→人事担当役員、および、人事部の完全一本化により、適材適所の人材配置と機動的な人員配置を実現し、グル-プ組織活力を向上」、「業務インフラの一元化→事務の一元化、および、全てのバンキング業務のシステムプタットフォームの完全一元化により、グル-プ経営効率を抜本的に改善」と掲げているが、「未だ、そういうことを進め中なんですか」と、SANARI PATENT始め、思うのではないか。

ともあれみずほフィナンシャルグル-プの2011-03期連結粗利益は2兆0332億円で、前期比51.9%著増しているが、「これは顧客部門収益が非金利収支を中心として242億円、増加したことに加え、市場部門においても、市場動向を的確に捉えて機動的にオペレーションしたことによる」旨を説明している。非金利収支は、投信・年金関係手数料や外為収益、信託の財管業務収益などであり、ここにも、銀行業務の変貌がみられる。

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2011年7月 8日 (金)

特許畑の用語「ダブルトラック」の本質を理解

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今次特許法改正において、国会の質疑は専門知識豊富な担当議員が行うし、改正法の解説書出版は先の事だから、最も参考にすべきは、改正案を実質的に作り上げる経済産業省産業構造審議会知財政策部会の報告である。現行制度の背景を先ず、次のように述べている。

「特許の有効性の判断は、特許庁での無効審判の手続によらなければならないとされていた。しかし、特許庁における無効審判の審理期間が長期化している状況下、2000-04にいわゆるキルビー最高裁判決(SANARI PATENT注: 富士通対テキサスインスツルメンツ損賠請求権不存在確認訴訟における最高裁判決で、特許権に基づく差止め・損賠等の請求は、その特許に無効理由が存在することが明らかであれば、無効審決が確定していなくても、特段の事情がない限り権利の濫用に当たり、許されない、と示した。すなわち、特許庁の審判と並行して、裁判所の有効性判断がなされ得ることとなった)これにより、特許の有効性に関する判断が、無効審判ルート(無効審判・審決取消訴訟・上告審)と、「侵害訴訟ルート(特許権侵害訴訟・控訴審・上告審)の二つのルートで行われ得るという、いわゆる「ダブルトラック」という状況が発生している。」

この状況による問題の所在を、次のように述べている。

「特許の有効性に関する判断が、ダブルトラックで行われることについて、両ルートにおいて判断齟齬が生じ得ることや、それに伴う制度の公平性に問題がある点、両ルートで重複して争うことによる社会経済的な効率性の点、特許権者の手続負担の点、両ルートの制度的特徴の点、裁判所における技術的専門性についての懸念の点(SANARI PATENT注: これは、いささか失礼な指摘で、要するに裁判官の技術知見を疑問とすることになるが、この懸念は不適切)、特許権侵害訴訟で無効と判断される事例が多いことから権利行使を躊躇する場合がある点などの問題点が指摘されている。」

SANARI PATENT所見

これらは、特許権制度に内在する特許要件の抽象性(例えば「進歩」の程度)・不統一性(例えば「当業者」の国域別水準差)・用語の創出(例えば「新機能物質の命名」に基く問題であって、これをダブルトラックで決着させることは公平に適するから、特許権の法的不安定性は企業等がそのリスクを負担するという前提で特許制度が国内・国際的に存続するものと解する。

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2011年7月 7日 (木)

特許要件としての新規性喪失の例外規定拡大

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イノベーションの起動力としての特許権を付与する要件として、出願発明の新規性認定は最も決定的な要素だが、その把握の在り方は決して明確とは言えない。今次特許法改正(B Site2011-06-06ご参照)に際しては、衆議院で次のような質疑応答も見られる(SANARI PATENT要約)。

Q: 日本では欧州と同様、先出願主義だが、米国は先発明主義で、特許権を取得するためは、特許が公表される前に出願しなければならないというのが原則であるが(SANARI PATENT注: いうまでもなく質疑のこの表現は、以下の部分を含めて不精確だが)、これは例外規定で、例えば特許庁長官の指定する学会での発表等の方法以外で公表されてしまうと、特許をとれなくなってしまう。しかし研究者というのは、一生をかけてというか、周りの人を犠牲にしてというか、やっと作り上げてきたものを、直ぐに世間に向かって発表したい、従って、いま様々な方法があるが、早速発表してしまう。従って、公表者が発明した場合であれば、方法を問わず保護することになると、今度は公表の基準が不明確になる。この点をどう考えるか。

A: 今次改正により、みずから公表した場合には特例として認めよう。法律的に言えば「特許を受ける権利を有する者の行為に起因して」という形で法文としている。それは例えば具体的にはどういうことかというご質問だが、改正法により新たに例外として取扱われるものとしては、例えば、これまでであれば指定された学会でなければならなかったのが、特許庁長官が指定しない学会でもよいとか、テレビ・ラジオで公開した場合もよいとか、具体的な例として考えられる。更にその範囲を明示することが必要とのご指摘は適切であり、これに対応するガイドラインを作成・公表する。

SANARI PATENT所見

発明者が、発明と同時に(発表前に)特許出願するよう、研究者の自己出願能力が大学教育等で具備されていることが、抜本的に必要である。

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2011年7月 5日 (火)

今次特許法改正によるイノベーション促進

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今次改正特許法は2011-12-07以前の政令指定日から指向されるので、これに先立ち周知徹底すべき事項も数多く国会等で指摘されている。ここには衆議院での海江田経済産業大臣ほか政府答弁の要旨を記録する。

1.    わが国特許庁への特許出願件数著減について→(10年前にわが国特許庁への特許出願件数は世界全体の4割近くにも達したが、2009年には15%に低落、年間44万件に達した特許出願件数は34万件と、マイナス23%著減した。米国や中国における著増に対して、イノベーションへの不安をどう考えるか、との質問に対して)わが国における出願数減少の理由としては、Lehmann Shock以来の景気の停滞、出願人による出願案件の厳選化が考えられるが、他方、企業等の特許権ユーザーが特許権を適切に保護・活用できるようにし、特許権取得の魅力を一層高めることが、イノベーション促進のため必要である。

2.    ライセンスの保護について→(関連してライセンス保護の強化策の質問に対して)今次改正により、特許権を譲受した者は、仮にライセンスの存在を知らなかった場合でも、ライセンスされた者に対抗できなくなるという効果を伴う。実務上、特許権譲渡の際には通常、ライセンスの有無を確認する。従って、特許権を譲受する際には、この確認というデューデリジェンスの励行が、これまでも重要だったが、改正(ライセンス契約を登録しなくても第三者に対抗できる)により更に重要になる。

3.    ライセンスの存在を知らずに特許権を譲受した者の保護について→ 今次改正について全国主要都市で説明会を開催するなど、周知徹底に努める。

SANARI PATENT所見

出願件数の各国比較においては、米国では特にビジネスメソッド特許について出願と特許取得の著増による権利売買の横行が問題とされ、中国については新幹線車両技術の特許出願を中国内および米国特許商標庁に多発している状況がマスコミされている。特許制度の本来趣旨に即しない戦略的・営利的出願増加もあるから、数値の評価は慎重を要する。

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2011年7月 3日 (日)

セントラル硝子の海外生産拠点、中国でリチウムイオン電池関連

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セントラル硝子の今次総会報告には、「中国におけるリチウムイオン電池用材料製造の合弁会社設立」および「米国Zeledyne社からの事業取得」が特記された。内容(SANARI PATENT要約)は、

1.    セントラル硝子(東証1部)は、中国の大手化学会社・山東石大勝華化工業団股份有限公司(山東省東営市)と、リチウムイオン電池用六フッ化リン酸高濃度溶液の製造を目的とする合弁会社・東営盛世化工有限公司を設立した。2012年下期始動予定である。

2.    その生産能力は標準電解液換算で年間10.000トンだが、需要動向に合わせて段階的に増設する。製品は日本ほか全世界に供給する。

3.    セントラル硝子は、電気自動車向け大型リチウムイオン二次電池用電解液事業への参入を表明しているが、独自開発の添加剤による性能の高さと、電解質である六フッ化リン酸リチウム製造から顧客の必要に応じて調液する電解液製造までの一貫生産による安定的供給力とコスト競争力が総合評価され、内外の電気自動車メーカーなど大型電池メーカーへの電解液供給が決定している。

4.    これを生産する国内工場としては、2009年に始動した川崎工場が現在フル操業しており、今春(2011-03)からは宇部工場も稼働している画、旺盛な需要に応ずるため、供給能力を拡充すると共に、リチウム・リンの豊富な資源を有する中国での、これら物資調達が、コスト削減・調達リスク低減に資すると考える。

SANARI PATENT所見

セントラル硝子は、海外の生産拠点として、上記東営盛世化工有限公司のほか、既設の、中国浙江中硝康鵬化学有限公司(有機フッ素化合物)、台湾信徳玻璃股份有限公司(電子材料用加工ガラス)、基佳電子材料股份有限公司(台湾・化学品)Carlex Glass America(フロートガラス、自動車向け加工ガラス)を有し、製造の立地配分に戦略を発揮・奏効すると考える。

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2011年7月 2日 (土)

川崎重工の長谷川社長、グル-プの知的資産共有活用を強調

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川崎重工(東証1)2011-03期連結売上高1兆2268億円で前期比4.6%増、経常利益4913600万円で3.4倍と増収増益だが、その総会報告で長谷川 聡社長は次のように述べている(SANARI PATENT要約)

1.    造船から発足した川崎重工は現在、輸送システム・エネルギー環境・産業機器3領域を7カンパニー体制で運営している。各カンパニーが独自のビジネスモデルと顧客・プロセスを持つが、それぞれが保有する知的資産が川崎重工の最大の強みで、その組合せにより競争力を得ている。

2.    2011-03期業績の好調要因は、中国の建機向け油圧機器や、中国セメント業界最大手のCONCH社との協業の順調と、各カンパニーの収益改善努力の積み重ねである。

3.    2012-03期は、売上高1兆3600億円、6.0%増、経常利益520億円、5.8%増を見込む。東日本大地震の影響は最小限に留めることができ、今後は、「分散型エネルギー供給」の必要性増大の趨勢に対応して、川崎重工が持つ世界最高発電効率のガスエンジンや、ガスタービンとその排熱利用を組合せたエネルギー総合効率の高い熱電併給システムを始め、電力を用いずガスで利用できる吸収冷温水機、大容量ニッケル水素電池、小水力発電設備、木質バイオマス電熱供給設備などを提供する。

4.    川崎重工の油圧機器事業は、製造拠点を日本・英国・中国・韓国の4極に、販売・サービス拠点を、4極に米国を加えた世界5極体制で推進している。技術は世界トップレベルに達し、圧力・効率の追求と共に、騒音・振動を抑制した「川崎重工の静かな油圧」として評価されている。

5.    最重要なコア技術は日本に残しつつ、高品質な製品を各拠点で製造できる最適地配分のグローバル生産を行っている。

川崎重工の発明で最近の特許庁公開事例としては、発明の名称「ソフトスイッチング降圧チョッパおよび電力供給システム」(特許庁公開日2011-06-30)→より簡単な駆動回路で的確に管理できる部分共振スイッチ回路要素およびこれを組込んだソフトスイッチング降圧チョッパを提供する、などが見られる。

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