最近のトラックバック

2016年8月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
無料ブログはココログ

« 2011年1月 | トップページ | 2011年3月 »

2011年2月28日 (月)

経済産業省「農業産業化支援の考え方と方向性」とTPP

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT

B Site http://sanaripatent.blogspot.com/

R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat

Twitter http://twitter.com/sanaripat

経済産業省(担当:地域経済産業グル-プ地域経済産業政策課)が「農業産業化支援の考え方と方向性―基本的考え方と方向性について」をとりまとめたとして発表したが(2011-02-22)、その中にTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)という用語が出てこなくても、主眼がTPPを含む貿易自由化・農産品関税引下げへの対策であることは、一致して推察するところである。一方、この政策がTPPによって加速されたにしても、TPPのみに関わらず日本農業政策の今後像として期待されるところであることも、一致して認識されるところであろう。

今次発表は先ず「背景」として次のように述べている(SANARI PATENT要約)

1.    2010-11に設置された「食と農林漁業の再生実現会議」(議長・総理大臣)は、持続可能な力強い農業の確立等に向けて、「農林水産業の成長産業化のあり方」等について検討している。

2.    これを踏まえ経済産業省では、農業の産業化について検討するため、2010-12に農業産業化支援ワーキンググル-プ」を設置し、経済団体等と共にこの課題について検討し、今般、関係者の議論に資するべく、考え方と方向性についてまとめた。(SANARI PATENT考察: 農業は「第一次産業」として位置づけられているから、「農業の産業化」という用語自体がいかがなものかと思うが、要は政策の実体である。)

今次政策の概要は次のように述べられている(SANARI PATENT要約)

1.    農業産業化支援の基本的考え方

1-1      農業産業化に向け、事業経営を支援する中小企業政策の活用を促進する。

1-2      製造業などの技術や経営改善のノウハウを導入する。

1-3      急拡大するアジア市場等への輸出拡大へ、輸出促進策を抜本的に強化する。

2          農業産業化支援の方向性

2-1      農業産業化支援の基本的考え方

2-1-1 農業産業化に向け、事業経営を支援する中小企業政策の活用を促進する。(SANARI PATENT考察: 農業を中小企業対策の対象として包摂するという意味。)

2-1-2 製造業などの技術や経営改善のノウハウを導入する。

2-1-3 急拡大するアジア市場等への輸出拡大へ、輸出促進策を抜本的に強化する。

2-2  農業産業化支援の方向性

2-2-1 農業に「経営」を導入する。

2-2-2 消費者と農業をつなげる。

2-2-3 技術革新やカイゼンのノウハウを農業に導入する。

2-2-4 農業生産の現場で利益が出る体質を作る。

2-2-5 地域を世界につなげる。

2-2-6 産業界との連携・協力を強化する。

2-2      制度環境を整備する。

(コメントは sanaripat@gmail.com  にご送信ください) 

2011年2月27日 (日)

訊連科技股份有限公司のコンピュータの簡素化スタートアップシステム発明

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT

B Site http://sanaripatent.blogspot.com/

R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat

Twitter http://twitter.com/sanaripat

訊連科技股份有限公司は、名称を「コンピュータの簡素化スタートアップシステム、その簡素化操作システム、その簡素化操作方法およびその効率的スタートアップシステム」とする発明の特許出願をしたが、2007-06-25に特許庁から拒絶査定を受け、不服審判請求し、「この請求不成立」との審決を受けたので、その審決の取消を知財高裁に訴求し、知財高裁は、訊連科技股份有限公司のこの請求を棄却した(2011-02-24判決言渡)(平成22年行ケ10193号 審決取消請求事件)。争点は、補正の適否およびこの発明の進歩性(容易想到性)の有無である。(SANARI PATENT考察: 判決文には「進歩性(容易想到性)と示しているが、括弧をイコール符合とすれば、「進歩性(非容易想到性)」と示すべきである。)

この発明は、コンピュータの起動時間を短縮するための簡素化スタートアップシステムに関する発明で、補正後の請求項の数は9であるが、特許庁の審決は、この補正のうちに補正の制限に違反する補正が含まれていること、および、先行技術に基いて当業者が容易に発明できたもので進歩性を欠くものが含まれていることにより、特許性を欠くと判断した。

訊連科技股份有限公司は、当初明細書および図面に記載されている事項から、補正に係る事項は当業者にとって自明であり、補正の制限に違反しないこと、先行技術には、訊連科技股份有限公司のこの発明着想に至る動機付けを欠くことなどから、特許性の存在を主張した。

知財高裁は、審決における補正事項の解釈は不合理または不自然なものではないこと、この発明は先行技術から当業者が容易に想到し得たものと判断されることなどを「当裁判所の判断」において示し、訊連科技股份有限公司が主張する審決取消事由はいずれも理由がないとして、訊連科技股份有限公司の請求を棄却した。

SANARI PATENT所見

技術内容の同一性の判断、先行技術からの想到の容易性または困難性の判断が、審査基準に基いて明確に示されているか、判決を再読し検討すべきである。

(コメントは sanaripat@gmail.com  にご送信ください) 

2011年2月26日 (土)

新日鉄今次事業報告における統合展開

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT

B Site http://sanaripatent.blogspot.com/

R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat

Twitter http://twitter.com/sanaripat

新日鉄の事業報告が届いたが、先般の新日鉄・住金経営統合の第一報に続けて、日本産業史に画期的変容をもたらす統合を前にしての、意欲に満ちた内容(SANARI PATENT要約)である。

1.    新日鉄・住金は、これまで培ってきた経営資源を結集し、得意領域の融合と相乗効果の創出により、グローバル戦略を加速し、品質・コストなど全ての面で世界最高の競争力を実現する。

2.    新日鉄・住金は、「新興国を中心とする世界的な鉄鋼需要の拡大」、「エネルギー・環境など新規需要分野での品質・技術ニーズの拡大」、「各国新規ミルの始動と世界規模鉄鋼メーカーの競争激化」、「顧客のグローバル化進展や原料調達環境の急激な変化」などに対処しつつ企業価値を拡大する。

3.    新日鉄・住金は、世界トップクラスの総合鉄鋼メーカーを目指し、「グローバル戦略の推進・加速化」、「世界最高の技術先進性の発揮」、「グローバル競争に耐えるコスト競争力の構築」、「製鉄以外の分野での事業基盤強化」、「企業価値の最大化と資本市場における評価の向上」を実現する。

4.    新日鉄・住金は、統合形態を、合併による事業持株会社形態とする。2012-10-01を合併期日とする。統合会社の経営統合比率・名称・本社所在地・代表者・役員構成は今後協議する。

SANARI PATENT所見

新日鉄は例えば、上記3の「製鉄以外の分野での事業基盤強化」について、「エンジニアリング事業では新興国中心にインフラ投資案件の受注」、「変化する都市開発事業に即応」、「ハイエンド化学商品の開発」、「新素材事業の対象拡大」、「クラウドや外部パートナーの活用によるシステムソリューション事業の拡充」を掲げており、統合前の並走が既に始まっている。

(コメントは sanaripat@gmail.com  にご送信ください) 

2011年2月25日 (金)

細穴放電加工機関連特許権を無効とする特許庁審決の取消請求

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT

B Site http://sanaripatent.blogspot.com/

R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat

Twitter http://twitter.com/sanaripat

株式会社エレニックスが有する「細穴放電加工機関連特許権」について、株式会社アステックが特許無効審決を請求し、特許庁は無効審決したので、エレニックスがこの審決の取消を知財高裁に訴求したが、知財高裁はエレニックスの請求を棄却し、アステックが勝訴した(2011-02-22判決言渡)(平成23年行ケ10189審決取消請求事件)。以下、知財高裁の判断の論旨を摘記し、類似案件の参考に資する。

1.    特許庁の審判手続における職権探知主義→ この主義を採用しているのは、審判が、当事者のみの利害を調整するものではなく、広く第3者の利害に関する問題の解決を目的とするものであって、公益的な観点に基づく解決を図る必要があることによる。このような観点から行われる職権の発動は、基本的に適法なものとして許容されるべきであり、これを補完的かつ例外的な場合に限定し、それ以外の場合には違法とすべきとするエレニックスの主張は採用することができない。

2.    特許さるべきでなかった発明に特許権が付与され存続し続けていることは、同じ技術を実施している者等に不利益をもたらすものであり、特許されるべきでなかったという瑕疵(本件の場合、先行技術との同一性または先行技術からの容易想到性)のある特許の存在は極力阻止しなければならない。

SANARI PATENT所見

「いったん特許権を付与したものを、特許庁が無効理由(瑕疵)を発見したからといって、一方的に、付与した特許を取消したり、無効にしたりすることは妥当ではないが、特許無効審判が請求され、その特許の有効性の審理が改めて無効審判という俎上に乗せられた以上は、請求人が申立てた理由のみに限定せず、情報提供や職権調査による情報等で無効理由となり得るものは、これを審理し、その理由によって特許を無効にすべきである」というアステックの主張を知財高裁が是認したと解する。

(コメントは sanaripat@gmail.com  にご送信ください)

2011年2月24日 (木)

中外製薬・抗体医薬開発の先見性を高評価

B Site http://sanaripatent.blogspot.com/

R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat

Twitter http://twitter.com/sanaripat

経口薬として備蓄性・投与容易性に富む抗インフルウイルス薬タミフルで周知となった中外製薬(東証1)は、「ロシュ傘下の医薬品大手(SANARI PATENT注:株主構成でロシュが59.8%)、がん・腎・骨領域強い、稼ぎ頭は腎性貧血薬だが、抗インフルエンザウイルス薬タミフルの販売元」と特色付けられ(会社四季報)、「自社開発の希少性肺がん薬の国内1相・2相治験開始、将来世界展開指向、標的抗原と何度も結合する新型抗体の創成に成功、次世代抗体医薬の開発に応用へ」と評価されているが(上同)、中外製薬の創薬能力、特に化学合成医薬品に続く抗体医薬が新薬の大宋を占めると予想される次世代医薬業界において、地歩を進めることが期待される。

「抗体医薬の開発においては、欧米企業が遥かに先んじている。日本企業は殆ど周回遅れの状態なのだ」と、医療評論家の内田伸一氏は表現しているが、ロシュに関連して、「ロシュは早くから中外製薬に取組み、抗体医薬関連の特許を取巻くっていた。その成果が既に製品化され、中外製薬の乳がん薬リッキサン・ハーセウチン、結腸直腸がん薬アバスチンに表われている」と述べ、「中外製薬は他企業が事業効率の良い低分子化合物にのみ猛進せず、抗体医薬に地道な研究を続け、関節リューマチ薬アクテムラの独自開発に至った。資本的にはロシュの子会社だが、技術的には中外製薬は拮抗ないし凌駕しており、ロシュグル-プで極めて重要な位置付けに在る」と高評価されている。

(コメントは sanaripat@gmail.com  にご送信ください) 

2011年2月23日 (水)

日本ICT産業の海外展開出遅れ要因、みずほ銀行分析

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT

B Site http://sanaripatent.blogspot.com/

R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat

Twitter http://twitter.com/sanaripat

総務省のICTグローバル展開懇(2011-01-31)におけるqqの発言は、「グローバル展開体制構築に向けた取組の方向性」について示唆に富むものである。内容(SANARI PATENT要約)を考察すれば、

1.    アジア新興国における通信インフラ需要は、10年間で1兆0550億ドル(新規投資3250億ドル、更新投資7300億ドル)に達する。

2.    しかし従来、ASEAN地域におけるITサービス、モバイルデバイス、キャリアサービスの各市場は欧米系、中国・韓国系の企業がシェアを握る一方、各市場において日本が占める割合は極めて僅かである。(SANARI PATENT考察: 佐成重範弁理士は十数年前、電気通信放送分野のODAなど国際強力機構・JTECの専務理事を8年間務め、アジア諸国の電気通信技術者の養成などに従事したが、いわゆる「ひも付き」援助でないことを強調する援助政策が、そのまま日本以外の企業を益する結果になったのかと、やや複雑な気持ちである)

3.    韓国政府および米国を中心とするグローバルIT企業は、アジア諸国に積極攻勢で立向かってきた。システムインフラはロックイン効果が高く、市場は早い者勝ちの陣取り合戦の様相である。

4.    韓国は官民連携のもと、相手国のITインフラの発展段階等を加味して支援戦略を差別化している。また、マイクロソフトなどの大手グローバルIT企業も、各国政府との共同研究や人材育成などで着実に実績を収めている。

5.    日本のICT産業の海外展開出遅れの要因としては、産業サイド・行政サイドの双方に課題が存在し、両サイドの課題克服を並行して進めていくことは、日系企業のグローバル展開推進のため車の両輪である。

SANARI PATENT所見

みずほ銀行は、行政面の課題克服として、「トップセールスの実施」「産業金融のフルサポート」「ナショナルコンソーシアムの形成」を挙げているが、行政面より政治面の課題を緊急解決して、戦略の一貫性・迅速性・安定性(政権)を樹立すべきである。

(コメントは sanaripat@gmail.com  にご送信ください)       

2011年2月22日 (火)

ジェネリック医薬大手、沢井製薬の業績好調

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT

B Site http://sanaripatent.blogspot.com/

R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat

Twitter http://twitter.com/sanaripat

国民医療費合理化の見地からジェネリック医薬(特許切れ後発医薬)の同質低廉な普及が望まれるが、沢井製薬発表の第3四半期同社業績で見ると、順調な進展を期待できそうである。発表は、「年度累計売上高(2010-04-01~12-31)は前年同期比26.2%増の4800800万円になった。第3四半期の前年同期比増加率は23.9%で、第2四半期の23.3%を上回り、通期売上計画630億円に対する進捗率は76.2%と、前年を上回っている」と述べている。

医療関係機関別に、「ジェネリック医薬医薬の増加額の大宗は薬局向けで、金額で前年同期比52.1%増加している。この結果、薬局の採用金額構成比は59.9%と、前年同期比8.6%増加した」と述べていることは重要で、病院向けも11.5%増加しているものの、増加率が低位に止まることは遺憾と言わざるを得ないと、SANARI PATENTは考える。安全率を完全に見ると言っても、安全性信頼度の極めて高いジェネリック医薬メーカーへの依存と、薬務当局の認可ないし監督の厳正に依拠すべきで、すくなくとも欧米先進国並みのジェネリック医薬普及率を急速に達成すべきである。

沢井製薬の場合、薬効別では消化器官用薬が数量で34.9%、売上高で43.5%、循環器用薬がそれぞれ29.1%26.8%の増加率で、過度用心深さの程度差を反映しているようにSANARI PATENTには思える。

評論的には、医師が沢井製薬を回避する動機として、供給不安、安全性、副作用、特許係争などが挙げられているが、沢井製薬の大手については説得力に欠け、うしろ動機事由の解消に医師も協力することが公益職業の本旨であろう。

(コメントは sanaripat@gmail.com  にご送信ください) 

2011年2月21日 (月)

技術者派遣専業・株式会社ヒップの業績好調

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT

B Site http://sanaripatent.blogspot.com/

R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat

Twitter http://twitter.com/sanaripat

技術者派遣専業の株式会社ヒップ(JASDUQ)が第3四半期(2010-10-01~12-31)の売上高98792万円で前年同期比23.9%の著増を示したことは、ヒップの主たる業務である機械・電気・電子・ソフトウェアの設計開発など技術提供サービス事業が稼働率を高めたものとして、ヒップの優れた経営方針と相俟って、積極的に評価されるところである。客先は自動車・家電を主体としている。

ヒップ創業者の田中吉武社長が、その経営理念と社史を、自著「人を大切にする会社が、ほんとうに取り組んでいること」に克明かつ率直に述べている事柄は、ベンチャーの模範例としても、アウトソーシングの活用例としても、技術者の能力と生き甲斐の持続的保全策としても、極めて注目すべきである。従って、その内容(SANARI PATENT要約)の一端を考察する。

1.    創業者田中吉武氏(66歳)は、関市立関商工高校機械科卒、メイテック等に勤務を経て1995年に、機械・電子設計、ソフトウェア開発の技術サービスを提供するアウトソーシング事業(技術者派遣・業務請負)を行う特定労働者派遣業としてヒップ社を設立した。

2.    田中吉武氏は、Hybrid Innovation Project(多種多様技術の革新事業集団)由来だが、和名としては連想が話のキッカケにもなる。

3.    田中吉武氏自身も勤務派遣技術者として戦闘機設計に従事し、新入技術者を教育することともなったが、特に早く仕事を覚えたのは、現在はヒップで総務部長兼人事部長の石ぐれ享司氏である。芝浦工大卒だが、即戦力を育てるというのが芝浦工大の方針らしく、図面を書く授業が多かった。そういう芝浦工大で訓練されてきたから、速かった。それに、図面が綺麗だった。(SANARI PATENT注: 佐成重範弁理士は東大法卒、技術は芝浦工大短大電気卒)。

4.    田中吉武氏51歳で起業。その生活リスクをも妻子が認めた上で賛成・激励。会社設立・特定労働者派遣事業届出(SANARI PATENT考察: 規制緩和の掛け声で、認可ではなく届け出と称する場合が多くなったが、届け出は「受理」がなければ成立しないから、実質は認可と同様である)など、司法書士等によらず全て自己作成。

5.    横浜銀行が、田中吉武氏が感動する「思い切った明断融資」。      

6.    ヒップの社員が各地で、新社員と新顧客を次々に増やして、業容急速拡大。

7.    創業11年目に株式上場。

SANARI PATENT所見→ 「技術者が技術者として、生涯、技術を革新しつつ技術活用を間断なく継続できる」というを田中吉武氏は目指している。技術者が経営者になって、実技に疎くなったり、途中失業で技術革新のコースから外れたりしないよう「技術継続」に重点志向している。

(コメントは sanaripat@gmail.com  にご送信ください)

2011年2月20日 (日)

デジタル映像・音声などのメディア方式に関する台湾商標法改正案

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT

B Site http://sanaripatent.blogspot.com/

R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat

Twitter http://twitter.com/sanaripat

台北市・香港に各本拠を有する聯合専利商標事務所から贈られたレポート(02-19 C Site)に「台湾商標法改正草案の全般的解説」が掲載されたが、商標使用態様のグローバルなイノベーションに対応する国際調和を先導的に進める意欲が窺われるので、是非参考にすべき動向として要約する。

1.      ここ数年来、取引形態が活発に多様化し、現行商標法の規定では不足を生じ、また、商標法に関するシンガポール条約が2009-03に正式発効しているので、国際的基準と調和させ、商標権の保護を一層拡張する必要がある。

2.      商標法で保護される客体及び登録で取得される権利の客体を明確化する。これには商標権、証明標章権、団体標章権及び団体商標権を含む。

3.      世界の立法形態を参考として、商標の各種使用行為を明確に規定する。また、販売の目的に基いて、性質上、デジタル映像・音声、電子媒体、インターネットまたはその他のメディア方式で商品または役務を保持、陳列、販売、輸出または輸入する場合も商標の使用行為に属することを明確に規定する。

4.      商標で保護される客体を拡大し、国際的な趨勢に調和させ、商品・役務の出所を識別するに足るいかなる標識も、商標登録で保護される客体とする。また、登録出願される商標形態は明快、明確、完全、客観的、耐久的で、容易に理解できる方式で表現されなければならない。

SANARI PATENT所見

ホログラム、音、香りなどの新たな商標が欧米で保護対象化しているが、それらをどのように具体的に包摂するか、円滑な実施が、アジア経済圏の立場からも注目される。

(コメントは sanaripat@gmail.com  にご送信ください) 

2011年2月19日 (土)

中国の電子出願規定、香港の特許法改正

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT

B Site http://sanaripatent.blogspot.com/

R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat

Twitter http://twitter.com/sanaripat

台北市と香港とに本拠を置く聯合専利商標事務所から、最新のNews Reportを贈られた。誠に充実した内容で、ご好意に対して厚く御礼申し上げます。なお、専利は特許で、専利商標事務所は日本の弁理士特許事務所である。

「中国」及び「国」を頭文字として含む商標の審査審理基準など、即・活用すべき基準、中国の電子出願に関する規定など準拠体制を構築すべき基準、台湾の特許法改正草案の説明など、知財戦略のVersion Upに資すべき基準等、極めて実用的に懇切である。

中国の電子出願に関する規定は既に施行されているが、第1条に「インターネットを通じて伝送する電子文書形式で提出された特許出願に関する手続と要求を規制し、出願人の特許出願に便宜を図り、特許審査の効率を高め、電子政務の確立を推進するため、中華人民共和国特許法実施細則に基き、この規定を制定する」、第2条に「特許電子出願を提出する者は、先ず国家知識産権局と「特許電子システムユ-ザ-登録契約」を結ばなければならない」として、以下、その契約内容について定めている。

台湾の特許法改正案は立法院で審議中で、本年(2011)中に成立が見込まれているが、注目すべき事項(SANARI PATENT要約)の事例は、

1.    「創作」の位置付けの明確化→ 創作を発明、実用新案および意匠の上位概念とし、創作は実用新案または意匠に関するものであるとの誤った理解を避け、更に現行法の創作の範囲の広狭が一致していない状況を解決するため、発明、実用新案と意匠を並列して創作の種類とした。

2.    「新式様専利」を「設計専利」と変更する。「新式様専利」は日本法の意匠特許に当たるが(SANARI PATENT考察: 米国特許法は、特許対象のうちに日本の特許権・実用新案権・意匠権の3権を含み、日本法が意匠法を特許法と並列しているのと異なるが、台湾法は、構成として米国法に近い)、改正法では「設計専利」となる。

(コメントは sanaripat@gmail.com  にご送信ください) 

2011年2月18日 (金)

日本建設興行、日本ヘルス工業、 日本水工設計など水有志

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT

B Site http://sanaripatent.blogspot.com/

R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat

Twitterhttp://twitter.com/sanaripat

日本の水技術の海外展開について、企業のレポートは様々な情報を提供している。

(23)(承B Site02-16)日本建設興行→ ミクロネシア連邦国では現在でも上下水道は殆どなく、海面が上昇して、使用できる井戸も減少している。。汚水処理施設がなく、生放流で海水汚濁や、珊瑚の死滅を招いている。従って、今後の活動方針としては、海水の塩分を除去する浄化装置と風力発電装置、あるいは太陽光発電装置、貯留池。浄水場が必要である。現在、他国がミクロネシア連邦に対して多額な援助を行い続けており、日本の知名度が薄れている。同国の現大統領は日系人であり、国内日系人比率は23%で世界一の日系人国家である。

(24) 日本水工設計→ ベトナム・インド・スリランカ・イドネシア・タイ・中国など、新興国・開発途上国の上下水道分野のマスタープラン、フィジビリティスタディの策定、処理施設・管路施設等の実施設計を経験した。欧米諸国では下水道の先端技術の調査業務を事業ししている。

(25) 日本ヘルス工業→ 韓国ソウル市の下水処理施設の維持管理強化に関するコンサルを1996年に韓国企業と共同実施した。韓国の下水処理場はソウルオリンピックを契機として量的整備が進められ、処理能力が数百万トンという大規模な処理場が設置されていた。全ての処理場が市の直営で運営されていたが、市当局は下水処理運転・維持管理についての種々な問題を民間ノウハウにより解決する方針を樹てた。当社はソウルに支店を設置し、遠方監視システム、下水管路補修事業等を行っている。

 台湾では2000年から約2年にわたり、台湾から受託運営権を落札した民間企業を始動しつつ施設運転を行った。

 その後、民間企業の依頼で東南アジア・中南米等の上下水関連施設の現地調査を行っている。

(コメントは sanaripat@gmail.com  にご送信ください) 

2011年2月17日 (木)

三洋電機臨時株主総会(2011-03-03)の感概

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT

B Site http://sanaripatent.blogspot.com/

R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat

Twitter http://twitter.com/sanaripat

「このたびの完全子会社化について」と題して来る3月3日の三洋電機臨時株主総会通知が届いた。三洋電機株式1株に対してナショナル株式0.115株を割当交付する案である。内容(SANARI PATENT要約)は、

1.      臨時株主総会で承認された場合、三洋電機はナショナルの完全子会社になる。2009-12に三洋電機がナショナルの子会社になって以来、両社は同じグル-プ企業として経営戦略を共有し、シナジーの創出・最大化に努めてきた。

2.      一方、韓国・台湾・中国等の成長企業との競争は、今後の成長分野で三洋電機が得意とする二次電池や太陽電池などのエナジー事業においても激化するなど、ナショナルグル-プを取巻く事業環境はかってないスピードで変化し続けている。

3.      新興国市場の急成長というチャンスがある中、これら成長市場で、エナジーなどにおけるグローバルな競争に打ち勝つためには、ナショナルグル-プとしてより迅速な意思決定と戦略実行を可能とする三洋電機の完全子会社化が不可欠と判断した。その実行は三洋電機の企業価値の拡大のみならず、ナショナルグル-プ全体の企業価値最大化に繋がると考える。

4.      ナショナルは1918年に創業以来、幅広くエレクトロニクスの事業に取組んできたが、一方、三洋電機は1947年に創業、最近は特にリチウムイオン電池事業では民生用で世界的にに高い市場シェアと技術力を有し、グローバルにリーディングカンパニーとしての地位を確立している。また、こんごの市場急成長が予想されるハイブリッド自動車・電気自動車用リチウムイオン電池事業においても、国内外の自動車メーカーとの共同開発を進め、更なる高性能を追求したシステムの開発・商品化に取組むと共に、量産ラインの導入を完了させている。

SANARI PATENT所見

三洋ブランド家電が2012-04以降は原則廃止と伝えられ、若干の感概なきを得ない。優秀な技術に関わらず無配の経営が続いた原因に、率直な検討を加えるべきである。

(コメントは sanaripat@gmail.com  にご送信ください) 

2011年2月16日 (水)

ソフトバンクと楽天(5)-売上高・営業利益の2桁成長

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT

B Site http://sanaripatent.blogspot.com/

R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat

Twitter http://twitter.com/sanaripat

楽天は12月決算なので、昨日(2011-02-15)2010年間の業績を報告したが、連結売上高13680600万円で前年比20.5%増、営業利益443億円8800万円で17.4%増、経常利益4442200万円で19.6%増といずれも著増を続けた。事業区分別に見ると、

1.      電子商取引→ 品揃え拡充、新規出店増強のほか、ポイント活用販促、スマートフォン向け及びソーシャルメディア活用新サービスの戦略的取組が奏効し、ユニーク購入者数・注文件数が共に堅調に推移し、楽天ブックスを含む流通総額は対前年度比17.9%増となった。配送サービス強化のためRakuten Fulfillment Centerを千葉県市川市に開所し、また、ユ-ザ-が日用品等の一部商品について複数店舗から一括購入一括受領できるサービス「楽天24」を開始した。海外においても、Buy.com Inc.及びPRICEMINISTER S.A.S.を買収して連結子会社とし、更に、中国のインターネットショッピングモール「楽酷天」を開業した(SANARI PATENT考察:「酷」の字は日本では残酷・過酷・酷いなどをイメージさせるが、中国ではクール、スマート、素晴らしいを意味するようだ)

2.      クレジットカード事業→ 「楽天カード」を柱とするビジネスモデルへの転換が着実に進展した。ショッピングリボ残高が堅調に積み上がり、手数料収入が増加するなどグル-プ内シナジーが明確に顕れた(SANARI PATENT考察: 商取引が生活者を含めてグローバル化するが、リアル市場に対してネット市場の優位増勢と共に、リアル市場においても、米国などは現金よりもクレジットカードが、偽札予防のため優位であり、全世界に波及する傾向となろう)

3.      電子マネー事業→ 連結子会社化したビットワレット社が運営する電子マネー「Edy」について利用可能箇所数を増加すると共に、楽天カードへの機能搭載や、楽天市場での決済開始などのグル-プ内シナジーを高め、奏効した。

4.      銀行事業→ 既存サービスの料金を改訂して、貸出金による資金運用収益が著増し、手数料等の役務収益も増加した。

5.      ポータル・メディア事業→ 楽天市場において商品検索や情報収集をより効率化する「楽天ツールバー」等で広告収入が増加した。

6.      トラベル事業→ JTBと連携して国内旅行サービスを充実し、スマートフォン対応のアプリ開発、海外旅行サービスの商品力強化により高成長した。

7.      証券事業→ 楽天市場等のグル-プ経由で新規口座開設が増加し、売上高・営業利益とも増加した。

SANARI PATENT所見

事業部門が多岐にわたるが、シナジー効果を挙げつつ、それぞれ革新している。

(コメントは sanaripat@gmail.com  にご送信ください) 

2011年2月15日 (火)

ソフトバンクと楽天(3)-創業者の事業選択

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT

B Site http://sanaripatent.blogspot.com/

R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat

Twitter http://twitter.com/sanaripat

孫 正義氏がソフトバンク事業を、三木谷浩史氏が楽天事業を選んだ動機は、どう対比できるか。

三木谷浩史氏の場合→ 興銀から米国に留学し、起業精神を得た。→ 先ず興銀を辞めて友人と二人でM and Aのコンサルティング会社を創り、収入を得た。→ インターネットのショッピングモール開設という目標に向けて走り始めた。← それが最も有望な事業だから。

孫 正義氏の場合→ 米国の大学に入学したが、卒業後に企業に就職する気は全く無かった。→ 米国で起業精神を得たから、学生である中から資金、特に普通のアルバイトより高額な資金を稼ごうと思った。→ 特許権を取って稼ごうと考えた。→ そのアイデアも多様に考えたが、品物を選ばず単に儲けるだけではなく、高度の発明を志向した。→ コンピュータ関連で音声付き電子翻訳機の発明に着想した。← コンピュータ関連で発展性将来性に富む。

そこで次に、選択した事業の拡大過程を対比する。

三木谷浩史氏の場合→ 1997年、楽天市場開設→当初出店13店舗(知人)、スタフ6名→2007年2万店舗、楽天トラベル・楽天証券を含む楽天グル-プ全体の流通総額1兆円。

孫 正義氏の場合→ 1979年、電子翻訳機開発についてシャープから契約料2000万円受取。→1981年、日本ソフトバンク設立(資本金1000万円)→1983年、パソコンショップ加盟店数46001982年、専門誌創刊→1985年、専門誌8誌の年間売上600万部で、その年商25億円→2004年、記者会見で「ドコモ・auと同じ800MHz帯域でのケータイ参入を目指す」と言明→2004年、総務省の電波行政に対する意見広告、対総務省提訴2006年、ボーダフォンジャパンを買収(以下02-15 B Site

(コメントは sanaripat@gmail.com  にご送信ください) 

2011年2月14日 (月)

HIOKIの自動試験装置がアジア市場で売上高倍増(前年比)

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT

B Site http://sanaripatent.blogspot.com/

R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat

Twitter http://twitter.com/sanaripat

中堅メーカーの景況が関心の的だが、HIOKI(東証1部:登記・日置電機)事業報告(2010-01-01~12-31)が届いて、その好調ぶりに接した。先ず自動試験装置は、新技術を採用した製品の開発を積極的に進め、新市場を開拓した結果、台湾・韓国・東南アジア市場で売上高が大きく伸び、対前年倍増を上回る370300万円に達した。

記録装置(メモリレコーダ、データロガー)は、取扱い易さを追求した小型機種中心に新製品を開発し、自動車・電機関連業界の業績回復に呼応して売上高230100万円、22.5%増。電子測定器については、電子部品の微細化・高機能化が進んで計測器にもより高い精度が求められることに即応し、かつ、カメラ部品、LED、電気自動車用モータ・電池などの新市場拡大に対応して、売上高570300万円、71.6%増。現場測定器は中国中心にアジア市場が拡大し、独自技術の波形クランプの好調と相俟って売上高332400万円、25.0%増となった。

SANARI PATENT所見

HIOKIの研究開発体制は、次のように整備されている(SANARI PATENT要約)

1.      新製品は基礎研究をベースとして、顧客の使用分野ごとに、「研究開発向」「生産ライン向」「フィールドメンテナンス向」のカテゴリーで創案する。

2.      設計開発の当初から、「商品企画」「品質保証」「生産技術:「環境・安全性評価」の視点で市場との対話のもとに進める。

3.      「ソフトウェア設計」と「機構設計」とが横断的に上記を支える。

上記のほか、国際安全規格に対応し、ポケットサイズのデジタルマルチメータシリーズをルニューアルしている(2011-01-20発表)

(コメントは sanaripat@gmail.com  にご送信ください)

2011年2月13日 (日)

キャノンが知財高裁で勝訴、プリンタカートリッジ関係特許権の有効性

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT

B Site http://sanaripatent.blogspot.com/

R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat

Twitter http://twitter.com/sanaripat

パソコン汎用時代にお馴染みのキャノン・インクジェットプリンタ・カートリッジに関する特許権の有効性をめぐって、キャノン特許権を無効とする特許庁審決の取消をキャノンが知財高裁に訴求し、知財高裁はキャノンの請求を認容して、特許庁の審決を取消すと判決した(2011-02-08)(平成22年行ケ10056審決取消請求事件)。

この知財高裁訴訟の原告キャノン(訴訟代理人・大塚康徳弁理士ほか)は、 インクジェットプリンタに用いる液体収納容器、すなわちインクカートリッジに関する本件特許を付与され登録を受けたが(2006-04-14)、本件訴訟の被告オフィネット・ドットコム株はキャノンのこの特許権を無効として特許庁に無効審判の請求をなし、特許庁はオフィネット・ドットコムの主張を認容して無効審決した(2010-01-26)。原告キャノンはこの審決の取消を知財高裁に求めたものである。

主たる争点は、キャノンの本件発明が周知技術とどのように相違するか、および、周知技術から想到容易であるか否かであった。

知財高裁は、「キャノン発明について、一般的抽象的な周知技術を根拠の一つとして、周知技術との相違点に関する容易想到性判断に至ったのは、キャノン発明の技術的課題と動機付けに触れることなく、相当でない。その余の自明課題、設計事項および周知技術にしても、抽象的技術事項に基づくもので、キャノン発明と周知技術との相違点におけるキャノン発明乃」構成に至ることを理由付ける根拠とするには不足というほかない」などの判断を示し、原告キャノンの請求を認容して、本件審決を取消した。

SANARI PATENT所見

特許付与、その無効審決、その審決取消という過程は、特許権の不安定性の露呈という見方もあるが、むしろ特許権の安定性が精確に確保された過程と見るべきである。

(コメントは sanaripat@gmail.com  にご送信ください)

2011年2月12日 (土)

研究開発事業等アジア拠点化法案

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT

B Site http://sanaripatent.blogspot.com/

R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat

Twitter http://twitter.com/sanaripat

経済産業省は今次通常国会に「特定多国籍企業による研究開発事業等の促進に関する特別措置法案」、副称「アジア拠点化(研究開発事業等)推進法案」を提出するが、その要点を考察する。

1.      背景→ アジア新興国の経済成長に伴うわが国市場の相対的な縮小、アジア新興国の海外企業誘致支援策の強化により、日本からグローバル企業の撤退が相次いでおり、日本はアジア地域における国際的な事業活動拠点としての地位を喪失しつつある。

2.      今次法案の概要→ グローバル企業の研究開発拠点や、アジア本社の日本への呼び込みを推進するため、主務大臣の認定を受けたグローバル企業に対して、法人税負担軽減、特許料軽減等(後記)の措置を講ずる。

3.      対象となる事業活動→ 主務大臣が定める基本方針に適合するものとして認定を受けたグローバル企業が、日本国内で新たに行う研究開発事業および統括事業、例えば、子会社の事業方針を決定する等の事業に対して支援措置を講ずる。

4.      支援措置の内容

4-1 法人税の特例として、5年間、20%の所得控除→ 法人実効税率の引下げと併せて、税率が29%弱になる。

4-2 所得税の特例として、親会社である外国企業が付与するストックオプションに対する課税を、日本企業と同等の取扱とする。

4-3 特許料の軽減→ 中小企業に限定して、研究開発事業の成果に係る特許料を軽減する。

4-4 投資手続の短縮→ 外為法上の届け出後30日間投資できないとされる期間を2週間に短縮する。

4-5 資金調達支援→ 中小企業投資育成株式会社による資金調達支援を行う。

4-6 入国手続→ 認定企業に就労予定の外国人の入国手続(在留資格認定証明書)の審査が通常1ケ月であるのを、10日程度に短縮する。

SANARI PATENT所見

これら措置の効果として、高付加価値をもたらすグローバル企業の呼び込み、就業機会の創出、グローバル企業と日本の中小企業等との連携による新たな製品や技術の開発等が予測されているが、日本における拠点立地が回避されている理由をどのように的確に把握しているのか、先ずしめすべきである。

(コメントは sanaripat@gmail.com  にご送信ください)

2011年2月11日 (金)

水インフラ関連各社の実績と計画

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT

B Site http://sanaripatent.blogspot.com/

R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat

Twitter http://twitter.com/sanaripat

5.(承B Site記事)OYO Corp.→ ウガンダ・2009・チョガ湖流域水資源開発、ジブチ・2009・水セクター協力準備調査、ボリビア・2008・ボトン市浄水場建設基本計画調査、インド・2008・デリー州水道事業化以前計画調査、ベトナム・2007・南部沿岸地域地下水開発計画調査、タンザニア・2007・地下水開発管理計画調査など。

6.大林組→ 東南アジア・オーストラリア・米国で、40年以上にわたりダム・水力発電所・浄水場・送水管・下水道・処理施設などに多くの実績がある。当社の得意技術は、海水淡水化における「海水浸透取水技術」である。

7.オリジナル設計→ 韓国ソウル市の下水道整備事業コンサルタント事業を1977に行い、次いでイエメン・スリランカ・ネパール・シンガポール・タイ・フィリピン・トンガ・キリバス・ブラジル等で案件形成、マスタープラン策定、事業妥当性調査、実施設計、施工管理を行った。最新のプロジェクトとしては、JICAからフィリピンのマニラ首都圏下水・衛生環境改善準備調査業務を受託している。

8.関西技術コンサルタント→ 国内での実績と技術力を活かし、今後、海外の水インフラ事業で設計業務を展開する。

9.建設技研インターナショナル→ モンゴルのヘルレン川導水プロジェクト調査を実施した。

10.サンユレック→ 上下水道施設用の防食用エポキシ/ウレタン・ライニング材に長年の実績を持ち、マレーシアにサンユ樹脂(工場)とサンユレックマレーシア(商社)。中国に上海三悠樹脂(工場)(上記いずれも100%出資)を有し、韓国・台湾では技術提携先にて生産販売している。上海では、上海同済-三悠先端材料共同研究室を設けており、今後、上下水道のコンクリート防食、防水材の研究を行って、中国・ASEAN地区に対応する。

11. (以下02-12-B Site

(コメントは sanaripat@gmail.com  にご送信ください)

2011年2月10日 (木)

鹿島建設・新日本空調・日本練水など水インフラ取組

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT

B Site http://sanaripatentblogspotcom/

C Site http://patentsanaricocolog-niftycom/blog

Twitter http://twittercom/sanaripat

経済産業省は来る2011-02-14に「海外水インフラ協議会」の第2回会合を開催するが、インドネシア国ジョコ公共事業大臣の出席・挨拶も予定され、実行への速度を高める。既に前回、主要企業の取組状況が報告されたが例えば(SANARI PATENT要約)

1.      鹿島建設→ ODA案件を中心に、インドネシア・スリランカ等で利水用ダム建設、シンガポール・マレーシアで下水処理施設建設、スリランカ・フィリピン等で洪水対策など、多くの水インフラ事業を施工している。ゼネコンの強みとして、水資源の総合的な開発・管理、都市・工業団地開発における水循環システムの構築・地域特性を踏まえて環境や社会に配慮した上下水インフラ整備などがある。これらの強みを活かし、ODA事業の実績が豊富な東南アジアの案件を中心に、採算性ありリスク管理が可能な事業に参画を検討する。

2.      新日本空調→ 35年にわたり東南アジア、中東、アフリカ諸国でビル設備を主体に海外事業に取組んできたが、特にスリランカ、モルディブでは顧客の要請により、水インフラ事業にも取組んできた。スリランカでは1985年来、個別浄化槽工事と砂濾過、活性炭濾過装置を製造販売し、その後、空港・機内食工場・病院・ホテルなど多数の上下水水道処理施設を施工した。1991年にはモルディブ・バングラディシュ・ミヤンマー等にも進出し、リゾートホテル、ODA案件等の上下水処理、海水淡水化装置を設計・施工している。

3.      日本練水→ 1993年にトルコ共和国環境省の要請により、JICAからの依頼を受け。水質汚濁関係の汚染源調査を行い、同国の水環境行政のベースとなるデータを収集報告した。

(コメントは sanaripat@gmail.com  にご送信ください)

2011年2月 9日 (水)

クラウドの普及と多様化・NTTデータのBizXaaS

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT

B Site http://sanaripatent.blogspot.com/

R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat

Twitter http://twitter.com/sanaripat

クラウド事業者数が著増し、サービスも本格的に普及し始めたが、その内容は多様で、売上高数兆円規模の大企業グル-プのクラウドのうちには、グル-プ内のクラウド機能を先ず充実させているものも見られる。対顧客向けがクラウドとしては本流だから、ここではNTTデータのBizXaaS(ビズエクサーズ)を考察する。

NTTデータは、「変革の先進企業」として、ITを通じて顧客の変革を共に実現するパートナーを自任しているが、その事例として、戦略的IT活用とITコストの効率化を実現する「NTTデータの総合クラウドサービスBizXaaS」を提供している。

情報システムに対する顧客ニーズが「所有から利用へ」と変化する中で、総務省によれば、クラウドの市場は年率30%を超える成長率を示し、2015年には国内市場規模2兆4000億円と予想されている。NTTデータの対応はQ and Aで次のように示されている。

Q1 クラウドに対して顧客の期待・課題は何か。

A1 顧客は、製品のライフサイクルの短縮、市場ニーズ多様化のもとで、より高速・低コストでのクラウドサービスを期待している。。一方、クラウドの導入に当たり重要データのセキュリティ確保、カスタマイズの柔軟性、既存システムとの連携という課題が指摘されている。

Q2 NTTデータのクラウド戦略と具体的取組は何か。

A2 クラウドサービスの提供を通じて顧客の変革を共に実現することが基本的考え方である。具体的には、総合クラウドサービスとしてBizXaaSを展開しており、数多くの大規模システム、社会インフラを構築・運用してきた実績・ノウハウ・パッケージソフト・ソリューションを結集している。

(コメントは sanaripat@gmail.com  にご送信ください)

2011年2月 8日 (火)

クラウド活躍のハイチ局面、KDDIの米国・中国・ブラジル

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT

B Site http://sanaripatent.blogspot.com/

R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat

Twitter http://twitter.com/sanaripat

KDDITIME and SPACE誌が届いたが、方々で話題になっているクラウドの用途について、ワールドレポートが新たな事例を示した。「ハイチ地震では、インターネット上に災害情報マップが作られ、オンライン地図上で、どこでどんな組織が急円活動に入っているかが把握できるようになった。ところが、ここに一つ落し穴があった。それは言葉の問題だ。米国の支援で設置されたホットラインの受付者は、ハイチ語でテキストのやり取りをすることができなかった。これを解決したのがクラウドサービスだ。この、人とICTのハイブリッド型システムは、ホットラインでショートメッセージを受け取ると、世界各地に暮らすハイチ出身者が直ぐに翻訳して、メッセージの内容に応じて救援要請できる仕組みだ。」

クラウドを包含するKDDIの海外展開としては、

1.      米国の金融ソリューション企業であるMicrofinance International Corp.との間で、同社の高度な金融ノウハウと、KDDIが持つ通信キャリアとしてのノウハウとを融合して、全世界の通信キャリアに向けたグローバル送金・決済プラットフォーム事業を共同すると合意した。

2.      台湾のKKBOX Inc.(音楽コンテンツ配信会社)を連結子会社とし、コンテンツビジネスを中華圏に拡大する。

3.      ブラジルにKDDIブラジルを設立し、2011-01-07から営業開始した。

SANARI PATENT所見

KDDIのグローバル事業体としてのDNAが、世界情報通信のイノベーションを多様に発現していく模様が、TIME and SPACE誌に表明されている。

(コメントは sanaripat@gmail.com  にご送信ください)

2011年2月 7日 (月)

東洋電機製造は富士電機・日立製作所とアライアンスで海外鉄道

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT

B Site http://sanaripatent.blogspot.com/

R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat

Twitter http://twitter.com/sanaripat

東洋電機製造の上半期は2010-06-012010-11-30で、リーマンショック前を上回る受注・売上高状況を示している。年度受注高は2007-053764900万円に対して2011-05期は420億円の予想、売上高は上半期実績1613400万円に対して1891800万円の増勢である。今次報告にも、「交通事業部門の好調に加え、産業事業部門の回復により増収、利益水準も前年同期比大幅に改善」と表題している。

新興国の鉄道インフラ整備の拡大が見込まれ、また、鉄道は環境負荷が小で大量輸送が可能であることから、交通としての評価が世界的に高まり、世界核地域で新規建設や延伸、車両・システムの改良による高速化の動きが活発化しているが、東洋電機製造は協業展開によって対処し、富士電機システムズとは共同研究開発の実施・製品の相互補完・エンジニアリング業務の協働化・サービス業務の協働化、日立製作所とはシステムの取りまとめの分担・海外向け製品の相互補充・外部調達資材の共同購入と共同開発・株式の相互保有をもってアライアンス活用の提携を構築している。

東洋電機製造が特に得意とする都市交通については、アジアの地下鉄や、米国の次世代型路面電車の建設計画に参入し、例えば、北京地下鉄向け電機品は東洋電機製造がトップシェアを占め、成都地下鉄では1・2号線向け電機品を製作・納入中である。米国ダラス市交通局向けにも電機品を納入している。

今後の展望として、中国の「四縦四横」すなわち、東西南北を増す部高速鉄道網の整備や、原油高騰によるモーダルシフトと建設費節減の次世代型路面電車が世界の交通イノベーションを促進するものと予想され、従って、中国の地方中核都市・ベトナム・タイ・インドネシアなど東南アジア・インド・米国の中核都市に市場が拡大して、東洋電機製造・富士電機・日立のアライアンス活躍の場になるものと考える。

(コメントは sanaripat@gmail.com  にご送信ください) 

2011年2月 6日 (日)

特許出願公開に見る新日鉄・住金経営統合の技術力

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT

B Site http://sanaripatent.blogspot.com/

R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat

Twitter http://twitter.com/sanaripat

海江田経済産業大臣の声明(B Site2011-02-06)に強調されている通り、この統合の日本産業国際競争力強化の意義は極めて大きいが、ここには最近の特許庁公開事例を見る。

1.      出願人・住友金属工業株式会社

1-1     衝撃吸収部材(特許庁公開日2011-02-03)→ 衝突時に付加される衝撃荷重により折り曲がり変形を生じることにより、衝撃エネルギーを吸収する筒状体を有する衝撃吸収部材の衝撃吸収性能を高める。

1-2     ガスホルダの異常検出装置(特許庁公開日2011-02-03)→ 内槽の傾きまたは水平面内の偏りを正確に検出可能なガスホルダの異常検出装置を提供する。

1-3     アドレス性に優れた厚肉低温用鋼板およびその製造方法(特許庁公開日2011-02-03)→ L方向、C方向ともにアドレス性に優れ、LNGなどの低温貯蔵タンクの素材として好適に用いることができる厚肉低温用鋼板を提供する。

1-4     レードルノズルの詰まり防止方法(特許庁公開日2011-02-03)→ アルミキルト鋼製造時のレードルノズルの詰まり防止方法を提供する。

1-5     高炉の操業方法(特許庁公開日2011-02-03)→ 融着帯通気抵抗の低下と高さの低位緯持の両率を図ることにより、還元材比の低減を可能とする高炉の操業方法を提供する。

2          新日本製鐵

2-1     良好な熱伝導性を有する電磁鋼板積層コアおよびその製造方法(特許庁公開日2011-02-03)→ 電動機、発電機や変圧器等のエネルギー変換用電気機器に用いるコア(鉄心)の積層方向の熱伝導率を向上させる。

2-2     石炭の粒度測定システム、方法およびプログラム(特許庁公開日2011-02-03)→ 搬送中の粒状の石炭群の平均的な粒度をオンサイトで、かつ、精度良く測定できるようにする。

2-3     折板パネル構造(特許庁公開日2011-02-03)→ 地震などの入力振動に対してスリップ性状のない安定したエネルギー吸収性能を有し、製造が簡易な制振構造を提供する。

2-4     指紋は目立ちにくく、耐疵付き性に優れたカラーチタン製品(特許庁公開日2011-02-03)→ 指紋が付着しても目立ちにくいか、容易に拭き取ることができ、耐疵付き性および意匠性に優れたカラーチタン製品を提供する。

2-5     炭化珪素単結晶製造用坩堝および炭化珪素単結晶の製造方法(特許庁公開日2011-02-03)→ 粒状欠陥の発生の少ない高品質の炭化珪素単結晶を製造するための坩堝および製造方法を提供する。

(コメントは sanaripat@gmail.com  にご送信ください) 

2011年2月 5日 (土)

スマートコミュニティとスマートメータ、ITと電力

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT

B Site http://sanaripatent.blogspot.com/

R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat

Twitter http://twitter.com/sanaripat

スマートコミュニティもスマートメータも、内包と外延を明確にしないままで、政府も業界も次世代の核心構造としている。スマートコミュニティの「コミュニティ」は、経済産業省の「スマートコミュニティ関連システムフォーラム報告書」では「地域コミュニティ」であって、市町村、せいぜい都道府県内のスマートコミュニティを構想している。しかし、communityの本来の語義は国や国家群・大陸内部の社会まで包含し、情報通信もエネルギー流通も双方向に交流する社会から、その内部の、いわゆる地域社会まで含んでいる。ICT業界も電力業界も、広狭両様のコミュニティを対象として構想を描かなければならないし、双方向性や活用度の程度に応じて「スマートメータ」のスマートさの程度、すなわち、高度化の程度を構想しなければならない。

そしてまた、スマートコミュニティも、その核心機能要素としてのスマートメータも、ICT(情報通信技術)とエネルギー流通技術との融合形態として構想されなければ、次世代の骨格たり得ないのに、所管省の分立がこの「融合」に即応していない感もなしとしない。

ICT および電力の両業界は、スマートコミュニティにおける参画の態様と程度が、企業の産業支配力と収益を決定する決定的要素と認識され、特に電力事業への参入が日本より自由な米国では、ICT業界から電力業界への参入をも含めて、スマートメータを始めスマートコミュニティの全分野にわたる情報通信機能を国域ないしグローバルに拡大する意欲が見られる。そのような意欲の競争関係(例えば、GoogleMicrosoftOracle)が、スマートコミュニティの発展を促し、国民ないし世界市民の利益を増進すると、SANARI PATENTは考える。

(コメントは sanaripat@gmail.com  にご送信ください)

2011年2月 4日 (金)

京都大学等のiPS細胞関連特許公開

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT

B Site http://sanaripatent.blogspot.com/

R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat

Twitter http://twitter.com/sanaripat

京都大学と米国iPierian社とのiPS細胞関連特許についての提携が約定され、iPS細胞応用の実際化促進が期待されると共に、新たな関連発明特許の続出も予想されるところであるので先ず、日本特許庁における「人工多能性幹細胞に関する技術」の特許公開事例(SANARI PATENT要約)を見る。

1.      九州大学「細胞組織体の製造方法」(特許庁公開日2011-02-03

2.      京都大学「人工多能性幹細胞樹立効率改善剤」(特許庁公開日2010-12-24

3.      一般財団法人化学及び血清療法研究所「ADAMTS13SANARI PATENT注:特定因子切断酵素活性を有するペプチド)による細胞移植増強補助剤」(特許庁公開日2010-12-06

4.      京都大学「初期化因子が除去された人工多能性幹細胞の作成方法」(特許庁公開日2010-12-09)→細胞移植医療に応用可能な安全なiPS細胞を提供する。

5.      熊本大学「細胞医薬の製造方法」(特許庁公開日2010-12-01)→ 疾患に対して有効かつ危険性の低い細胞医薬を製造する方法を提供する。→ 人工多能性幹細胞にタンパク質発現ベクタを導入する工程およびこのタンパク質発現ベクタが導入された人工多能性幹細胞を貪食細胞に分化誘導する工程を含む、外来タンパク質を発現する貪食細胞の製造方法を解決手段とする。

6.      熊本大学「人工多能性幹細胞の製造方法」(特許庁公開日2010-07-29)→ 

体細胞から人工多能性幹細胞を製造する方法において、製造される人工多能性幹細胞から分化誘導された体細胞の発癌性を低減することができる方法を提供する。→ 少なくとも1種類以上の初期化遺伝子を体細胞に導入する工程など、所定の工程を含む、体細胞から人工多能性幹細胞を製造する方法を解決手段とする。

7.      京都大学「効率的な核初期化方法」(特許庁公開日2010-07-22)→ 人工多能性幹細胞の効率的な製造方法を提供する。

SANARI PATENT所見

発癌性の抑制など、当面のニーズに即応する発明が意図されていると考察する。

(コメントは sanaripat@gmail.com  にご送信ください)

2011年2月 3日 (木)

iPierian社と京都大学のiPS関連提携

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT

京都大学は、iPierian社とのiPS関連特許ライセンス関係提携について、次のように発表した(2011-02-01)(SANARI PATENT要約)

1.      京都大学は、iPS-AJ社を通じて、iPierian社にiPS細胞関連特許のライセンスを許諾し、iPierian社は同社保有のiPS細胞特許を京都大学に譲渡した(2011-02-01)

2.      京都大学は、アカデミアジャパン株式会社(iPS-AJ社)を通じて、京都大学が保有する人工多能性見幹(iPS)細胞製造に関する基本特許(特許出願を含む)について非独占的なライセンスを、米国iPierian社に2011-01-27に許諾した。今回のライセンス許諾により、iPierian社は、全世界で京都大学が保有するiPS細胞関連特許に基いて、iPS細胞およびiPS細胞由来の分化細胞を使用し、ヒト用治療薬の研究開発を行うことができる。

3.      また、世界で初めてiPS細胞樹立を報告した山中伸弥iPS細胞研究所長が、iPierian社のScientific Advisory Boardの委員に就任し、科学的見地から各種アドバイスを行う。なお、iPierian社から、上記委員としての報酬は受け取らない。

4.      さらに京都大学は、iPierian社が保有するiPS細胞製造に関する特許(特許出願を含む。以下「バイエル特許」)を、同日付けで譲受する契約を締結した。京都大学がiPierian社から取得した特許は、バイエル薬品株式会社神戸リサーチセンタの研究から生まれたもので、2008年にドイツのByer Schering Pharma AG (バイエル社)から、iPierian社の前身であるiZumi Bic, Incに譲渡されたものである。具体的には、日本国特許出願第2007-15938号に基いて世界各国に出願された特許が今回の譲渡の対象となる。

5.      2010年にiPierian社から、山中伸弥iPS細胞研究所長の発明を尊重し、将来想定される京都大学との特許係争を回避するため、同社が保有するバイエル特許を京都大学に譲渡したいという申出があった。京都大学は、iPS細胞研究所を中心に、世界のiPS細胞研究をリードする存在として、多くの研究機関や企業がiPS細胞技術を安心して使用できるよう、iPS細胞関連特許の権利化を図ってきた。今次譲渡は、京都大学のみならず、iPS細胞研究に関わる機関や企業にとっても、大きな意義を有すると考え、今回の申出を受け入れることとしたものである。

SANARI PATENT所見

京都大学は引続きiPS細胞関連の特許出願を続けているが、その状況は02-04記事ご参照。(コメントは sanaripat@gmail.com  にご送信ください)  

2011年2月 2日 (水)

NECレノボ提携の意図は日本国内かグローバルか

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT

B Site http://sanaripatent.blogspot.com/

R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat

Twitter http://twitter.com/sanaripat

NECレノボ提携(統合という表現で受け取っている向きもあるが)については、「この提携は、NECがパソコン事業を切り離すための布石との見方もある」とも発言されるなど(朝日2011-01-30)100を超える早速のマスコミのうちに、不揃いな見解も見られた。その一つは今次NECレノボ提携の目的が日本国内かグローバルかという点で、Journal. mycom(2011-01-28)は次のように述べている(SANARI PATENT要約)

(1)  NECとレノボは2011-01-27、合弁会社を設立し、パソコン事業で広く提携していくと発表した。

(2)  両社はLenovo NEC Holdings B.V.という合弁会社設立を合意し、その傘下の100%子会社として、レノボジャパンとNECパーソナルコンピュータを置く。 NECパーソナルコンピュータは現NECパーソナルプロダクツのパソコン事業を分離する形で設立される新会社だから、NECは、国内シェアNo.1を誇るパソコン事業をグル-プ直轄から外すことになる。

(3)  Lenovo NEC Holdings B.V.傘下のレノボグル-プの企業が日本法人レノボジャパンであることから分かるように、今次提携は国内に限った話になる。中国市場についても、「今回の提携が中国市場で受入れられる状況になれば、そのときに改めてレノボと話し合う」(上記発表1におけるNECの応答)。と答えるにとどまり、新たな海外展開が直ぐ始まる予兆は見受けられない。

この翌日(2011-01-29)朝日のインタビューではNEC遠藤信博社長が次のように述べている(SANARI PATENT要約)

Q1 提携で、どのような事業展開を考えるか。

A1 NECレノボ両社合わせて、国内シェアで早く30%を超えたい。海外でレノボのサポート体制を使えるのも大きい。日本企業の海外拠点向けに営業ができる。パソコン以外の協力では、先ずサーバーの販売が共通認識だ。

Q3(実際の質疑応答では冒頭)新興のレノボと提携したのはなぜか。

A3 NEC は以前、国内シェア50%だったが、パソコンのソフトの汎用品化で差別化が困難になった。レノボと提携でデフレ下でもNECのブランドや品質を厚くできる。

Q4 NECがパソコンを切り離すための提携だという見方があるが。

A4 100%否定する。クラウドを強く意識しており、そこで重要なパソコンにNECブランドを最大限に活かす。

Q5 NECが同意すれば、5年後にレノボが合弁会社の全株を取得できるとの契約だが。

A5 この条件を目的に契約したのではない。レノボも、NECブランドなしに日本市場はあり

得ないと理解している。

(コメントは sanaripat@gmail.com  にご送信ください)

2011年2月 1日 (火)

米国特許訴訟勝訴と米国企業提携、日本金銭機械

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT

B Site http://sanaripatent.blogspot.com/

R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat

Twitter http://twitter.com/sanaripat

日本金銭機械(東証大証1部)は、貨幣処理、金銭登録機の大手で欧米市場が主力、米国でのカジノ向け紙幣鑑別機のシェア大で、海外比率54%に及ぶが(会社四季報)、今次上半期報告でも増収と収益力回復が顕著に見られる。

一方、米国での特許防衛や企業連携も多端だが、先ず訴訟経過については次のように報告している(2010-11-11)(SANARI PATENT要約)

1-1     日本金銭機械は、米国MEI 社に対して、MEI製品が日本金銭機械特許を侵害しているとして訴訟を提起し、米国ネバダ州連峰地裁はMEI社に対して12475000米ドルの損害賠償支払いを命じたが、MEI社はこれを不服として控訴提起していた。

1-2     米国連邦巡回控訴裁判所(SANARI PATENT注: 日本の知財高裁に実質相当)は上記地裁判決を緯持し、MEI社に対して12475000米ドルの損害賠償支払いを命じた(2010-11-08)

1-3     MEI社が米国ニュージャージー州で日本金銭機械を提訴している別件訴訟についても、当社主張の正当性を確信している。

米国International Game Technology(IGT)との新たな提携については次のように述べている(2010-11-24)(SANARI PATENT要約)

2-1 日本金銭機械は、米国のスロットマシン最大手International Game TechnologyIGT社)が求める厳しい基準をクリアし、IGT社の戦略的技術パートナに指名された。

2-2 これにより日本金銭機械とIGT社は、グローバルなゲーミング業界を改善する新しく、かつ革新的な技術発展に向けて従来以上に緊密に連携する。

2-3 日本金銭機械の新たな主力製品であるiVIZIONは、IGT社の世界市場向けスロットマシンに標準的に使用されることとなり、日本金銭機械の売上高に寄与する。

米国Leap Forward Gaming Inc.(LFG)との戦略的提携については次のように述べている(2010-11-24)(SANARI PATENT要約)

3-1 日本金銭機械は、米国のLFG社と、世界的ゲーミング業界を対象として、米国のLFG社と、カジノでの現金取扱方法を改善し得る先端技術の発展に向けて、戦略的提携を行う。

3-2 今回開発する製品は最先端のワイヤレス通信技術を用いたインタフェイスソリューションを目指し、2011年春ごろにはゲーミング業界において使用できる見込みである。

(コメントは sanaripat@gmail.com  にご送信ください) 

« 2011年1月 | トップページ | 2011年3月 »