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2010年5月31日 (月)

Sanyo Electric Co. Develops Camera Relating Invention and Patent

三洋電機のカメラ関係発明・「水中撮影ムービーカメラ」発売

弁理士 佐成 重範 Web検索 SANARI PATENT

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 マスコミが、「三洋電機、世界初、水中撮影可能のハイビジョン・ムビー・三洋電機を発売」という報道ぶりで(2010-05-30)、三洋電機のカメラ技術が脚光を浴びているが、三洋電機の発明・特許活動は、同社特許公開の発明件数6万85272010-05-28現在)のうち、昨月来の公開件数のみでも526に及び、うちカメラに関するもの19件に達していることにも顕れている。例えば、

(1)  無線機能付きカメラおよびサービス提供システム(公開日2010-5-27)→無線ネットワーク機能を持ったデジタルカメラの利便性を追求する。

(2)  カメラ(公開日2010-5-27 )→撮影の際、被写体となる人物や物の背景の決定を支援することができるカメラを提供する。

(3)  デジタルカメラおよび画像サーバ(公開日2010-5-20 )→デジタル三洋電機で撮影した画像データをサーバへ転送し保存することがデジタルカメラの操作性を低下させることを解決する。

(4)  ビデオカメラ(公開日2010-5-20 )→フリッカ判別精度を向上させる。

(5)  電子カメラ(公開日2010-5-13 )→人物の顔画像の検出状態を被写界側で確認することができ、特に自分撮りを行うときの操作性を向上させる。

(6)  電子カメラ(公開日2010-04-30)→合焦精度を向上させる。

(7)  操縦支援装置(公開日2010-04-22)→カメラの設置場所・移動体の経常によって、捉えられたものの表示画像には現れない死角が移動体の周辺に生まれ、操縦性が低下することを解決する。

なお、冒頭のマスコミ報道は、三洋電機の「世界初、フルハイビジョンムービー三洋電機を発売」と題するNews Release(2010-05-28)によっているが、説明分の中の「水中でも使用できる世界初の」と、「水中」機能を発表題名にも強調する方が、グローバルに魅力的であろう。

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2010年5月30日 (日)

International Competitiveness of the Japanese Money and Banking Market 

日本の金融市場の国際競争力

弁理士 佐成 重範 Web検索 SANARI PATENT

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10.(承前2010-05-29記事) 経済産業省の新産業構造案資料には、「日本の金融市場の国際競争力」と題して、

(1)  日本市場よりも、ニューヨーク、ロンドンなど、大市場の方が国際的に魅力がある。

(2)  アジアにおいても、シンガポールなど、新興国の市場に追い越されている。

と述べ、「各国証券取引所における外国会社抒情数の推移」を表示している。(SANARI PATENT考察:「金融の国際競争力」をどのようにして評価するのか、「金融市場」の定義から始めなければならない。そしてこれに対する「国際競争力」の把握の適切な方法が示されなければならない。今次経済産業省資料には「各国証券取引所における外国会社上場数の推移」のみが表示されているので、上記の基本認識について先ず疑問が持たれる。例えば、現在最も問題となっている国債増発の市場について、国内ないし国民による引受額の比率比較等は極めて重要である)

 この表示は、「国際証券取引所連合の年次報告」に基いて、外国会社の上場数が、

(1)   ニューヨーク市場では199630020024802008400とグラフ表示され、ロンドン市場では199653020023802008680とグラフ表示され、シンガポールでは1996102002702008310とグラフ表示されている。

(2)  これに対して、東京および大阪市場を合算しても、199670200230200815とグラフ表示されている。(SANARI PATENT考察: 比較を絶する弱体ぶりという受取り方をされる惧れがある。)

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2010年5月29日 (土)

How to Measure Man Power Competitiveness

 人材の国際競争力比較方法

弁理士 佐成 重範 Web検索 SANARI PATENT

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(8)(承前2010-05-28記事) 人材の国際競争力を比較する具体的指標としては、どのような数値が適切なのか。経済産業省の新産業構造案資料には例えば、「日本の留学生受入比率は主要国中最下位」と題して、「留学生受入れ数を、高等教育機関在学者数で除した%」により、次のように比較している。2009年の数値であるが、日本の3.5%に対して、米国5.8%、英国25.7%、ドイツ12.4%、フランス11.7%、豪州28.6%で、日本の最下位性は明白である。

(9) また、高等教育終了者に占める外国人の割合(2008)が、他の先進国と比較して圧倒的に低いとして、日本の0.7%に対し米国は13%、英国は16%、フランスは12%、カナダは26%、豪州は29%と示している。

(10) 更に理工系博士号取得者数(2005)について、日本の7700人に対して米国は28,000人、中国は14,000人、ドイツは12,200人と示している。(SANARI PATENT考察: 韓国は3,500人がが、人口比で見れば日本より多い。)

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2010年5月28日 (金)

METI Next Generation Technology Policy Stresses IP Management Strategy

 経済産業省・次世代産業技術政策において知財マネジメント戦略を強調

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経済産業省(担当:産業技術政策局産業技術政策課)が、産業構造審議会産業技術分科会の報告を発表した(2010-05-26) SANARI PATENTが名付ければ「次世代産業研技術政策」として注目すべきであり、以下その要点を摘記する。

(1)  中国・インド等の新興国の高成長を背景として、石油等の資源需要が増加し、石油や稀少金属など資源・エネルギーの安定供給確保についての懸念も高まっている。

(2)  日本は課題解決型国家として、Green Innovation(環境エネルギー分野革新)とLife Innovation(医療介護分野革新)を推進し、世界に先駆けて課題を解決することにより成長を実現することが必要である。

(3)  研究開発では先進諸国が依然として高い水準を緯持しているが、市場の拡大という観点からは新興国の重要性が増大し、特に中国・韓国・台湾・シンガポール等は技術力についても急速に向上し、海外に開かれた研究開発の拠点の整備を通じて、海外の優秀な人材の確保や情報の発信に取組んでいる。

(4)  アジアを含む新興国市場のニーズは、高価格でも高品質な製品を求める先進国市場と異なり、特に今後急速に拡大する新興国中間所得層が求める製品、いわゆるVolume Zoneについては、低価格帯における相対的に品質の高い製品が求められる。

(5)  企業の競争環境は、エレクトロニクス分野を中心として、製品や事業セグメントのモジュール化や、国際水平分業が進展している。これに伴って、規格化が進んでいる電子部品の分野では、新興国企業の積極的参入により激しい価格競争が展開され、高い利益率を達成することは困難になった。

(6)  一方、低炭素社会の構築や安全・安心の確保など、新たな価値の実現が国際的に求められ、先進的なインフラのシステムを構築し、その運営まで行う事業や、他社の参入が困難なキーデバイスを開発・生産しているケースにおいては、高収益を得ている場合も多い。

(7)  また、低炭素社会の構築など、課題解決のため必要となる技術については、従来の技術の延長線上の対応では困難になっている。新たな製品やシステムの開発のため求められる技術の領域が飛躍的に拡大し、多様な領域の専門技術を複雑に組合せることが必要となっている。(以下次回)

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2010年5月27日 (木)

World Biggest Auction Site eBay Functions in Japan by SEKAIMON

 オークションビジネスのグローバルな展開に寄与するイーベイジャパン

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 プログラム特許あるいはビジネス方法特許と呼ばれる範疇の特許取得が、米国のオークション方法特許を始めとしてグローバルに人気の的になってから既に十数年を経過した。物流の方法としてインターネット販売、特にオークション販売が最も合理性に富むことには異論なく、米国でeBay1995年発足以来、急速に成長

したことも、合理性に富む米国消費者の圧倒的支持によるものとSANARI PATENTは考える。Wikipediaも、「eBayはネット通信販売やインターネットオークションを手掛ける米国の会社で、インターネットオークションでは世界最多の利用者を誇る」と紹介し、更に次のように述べている(SANARI PATENT要約)

(1)  1995-09Californiaで」Auction Webの名称で設立され、1997-09に現社名に変更したが、Echo Bay Technology Groupに由来する。

(2)  1997年半ばまでに1日当り約80万のオークションを処理し、1998年までには100万以上の利用者を獲得、NASDAQに上場した。

(3)  日本へは1999-10に日本法人イーベイジャパンを設立しNECと組んで2000年に進出したが、会員が集まらず2002-03に撤退した。その直後、ライバルであったYahoo! オークションは出品料、落札システム利用料を導入した。

(4)  2007-06時点でeBayは世界28国に拠点を拡大し、正規登録者数2億3000万人、出品点数10数億点のグローバル規模のインターネットオークションサイトに拡大した。

(5)  eBayは、2007-12-04Yahoo! Japanとの提携を発表し、同日から、株式会社ショップエアラインと共同で購買代行サイト「セカイモン」を開始した。

SANARI PATENT所見

 日経ビジネス(2010-02-22)は、イーベイ・ジャパンについて、「サポート武器に日本再参入」と題し、「米国イーベイが、策なき参入で一度は失敗した日本市場に再度挑む。オークションサイトから電子商取引モルへと変貌を遂げ、日本企業の誘致に奔走。自前主義を捨てた戦術の先には、日本を含むアジア市場の攻略がある」と副題して、次のように解説している(SANARI PATENT要約)

(1)  ヤフーと米国イーベイの提携内容は、お互いのシステム同士を繋げることで、日米ユーザーが国境を越えて商品取引を可能にするというものである。オークション事業で鎬を削ったライバル・ヤフーとの提携発表は、米国イーベイが対日本市場の戦略を大きく方針転換したことを示していた。

(2)  eBayが世界最大の電子取引市場という地位を守れるかどうかは、大市場・日本での結果が鍵を握る。

SANARI PATENT所見 

 知的財産権を含めて、価値評価が主観的に偏するコンテンツや無形資産について、オークションシステムの合理的な発達を期待する。

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2010年5月26日 (水)

Renown, Originally Formed in 1902, over a Century Business, Accepts Chinese Capital

 百貨店向けが主力のレナウンが講ずるブランド戦略と資本戦略

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 レナウンのプライドは、「1902年創業のレナウンは、一世紀を超えてアパレル業界のリーダーとしてビジネスを展開し、おの発展の歴史は、日本のファッション業界の歴史と重なるといっても過言ではない」という自己紹介(SANARI PATENT要約)に示されてきた。レナウンというブランドの由来についても、先ず「昭和天皇が」に始まって、「皇太子時代に英国を訪問されたときの答礼として、1922年に英国皇太子が訪日された際、その乗用巡洋艦がRENOWN号であった。RENOWNには、名声・栄光などの意味があり、また当時繊維産業の先進国であった英国の繊維製品にあやかる」などの理由から、商標として採用したという「やんごとなき」物語がある。しかし、「2010-2期は百貨店の苦戦で赤字が続き、婦人服の「シンプルライフ」などに注力するが、百貨店の客離れが続き、婦人服のレリアンを伊藤忠商事に売却」など、ブランド戦略が紹介(日経会社情報)されてきた。

 更に先日(2010-05-24)レナウンは、「資本業務提携、第三者割当による新株式発行及び基準日設定並びに主要株主である筆頭株主及びその他の関係会社の異動に関するお知らせ」と題して次のように発表した(SANARI PATENT要約)

(1)  レナウンは、2010-05-24開催の取締役会において、山東如意科技集団有限公司との間の資本業務提携契約の締結、同社に対する第三者割当による新株式発行及び本件第三者割当等の承認のための臨時株主総会を2010-07-29に開催するために2010-06-18を議決権行使の基準日とすることを決議した。

(2)  レナウンは、近年の営業赤字を生んできた体制から、事業の黒字化に向けて抜本的に転換するため、不採算事業や一部のブランド事業からの撤退、優良ブランドへの経営資源の集中に鋭意取組んでいる。またレナウンは、成長戦略の一環として、今後も高い成長が見込まれる中国を重点市場として位置づけ、金融危機後、中国政府の内需拡大による景気刺激策によって力強い回復を見せている中国市場における新たな拠点の構築が、レナウンの成長拡大を実現する上で重要と考えている。

SANARI PATENT所見

 山東如意科技集団有限公司との提携により、強固な財務基盤を背景とした事業投資および協業によるサプライチェーンの強化と、中国における共同店舗展開等のアジア戦略を中心として、事業シナジーを創出し、収益を向上させることが期待される。

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2010年5月25日 (火)

South Korean Big Deal in the Field of Semiconductor and Auto  

韓国におけるビッグディールとして経済産業省が挙げる事例

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 日本の新産業構造を考える要素として、「韓国におけるビッグディール」と題する経済産業省の表示内容は、次のように要約できる。

1.      半導体について:

2社体制を構想し、「サムスン電子」と「現代電子・LG電子合併」を指向した。経過として、現代電子のLG半導体吸収は成立したが(1999)、現代電子(→ハイニックス半導体:2001社名変更)の経営危機が発生した。なお、LG半導体から分離し、ハイニックス半導体からは取り残されたTFTLCDは、合弁会社のLGフィリップスTFTLCDに引き継がれた。

2.      自動車について:

 構想は、「現代韓国が起亜自動車を買収」「大宇自動車がサムスン自動車を統合」することで、その経過は、現代-起亜は成立したが、サムスン自動車の法定管理申請で事業交換は失敗した。大宇自動車はGMに売却が成立し、サムスン自動車はルノーに売却が成立した。すなわち、大宇自動車は2000年に経営破綻して2002年に2GM傘下に入り、サムスン自動車は2000年に経営破綻してルノー傘下に入った。

SANARI PATENT所見

 ハイニックス半導体は現在、韓国内でサムスン電子に次ぐ第2位の半導体メーカーとして、DRAMおよびNAND型フラッシュメモリーを主力製品としている。Wikipediaによれば、2006-01-27以降、ハイニックス半導体の韓国国内工場で前処理を行ったDRAMに対して、日本国内に輸入する際に27.2%の相殺関税が賦課されていたが、2009-04に撤廃された。Chosun onlineによれば、

ハイニックス半導体は四半期ベースの最高益を更新しており、好調と見られるが、IMD(国際経営開発研究所)の「2010年世界国際競争力ランキングにおいても、韓国は23位、日本は27位とされている折柄、これら韓国企業の動向を一層注目すべきである。

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2010年5月24日 (月)

EISAI Opens New Oncology Drug Production Facility in its North Carolina Plant 

エーザイが抗がん注射剤の生産棟を米国ノースカロライナ工場に開設

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 エーザイの事業報告(2009-04-012010-03-31)が届いた。来月(2010-06-18)の株主総会用だが、224ページの大型資料で、あらゆる質問に即答できるよう、索引も緻密に付されている。特許切れやジェネリックなど、医薬業界について一般に関心が持たれている問題項目を要約すると、

Q1  今年、米国でのアリセプトの特許が切れるが、大丈夫か?

A1 エーザイグル-プへの影響は、米国での現製品拡大と新製品の寄与および日本事業と中国事業の伸長により補いたい。アリセプトについては、高用量である23mg徐放製剤、バッチ製剤などにより、影響の極少化を目指す。

Q2 ジェネリック事業には、どのように取組んでいるか?

A2 医療用医薬品、一般用医薬品、診断薬と合わせた4事業を統合した独自の戦略の中で、質の高い情報提供と共に、速崩錠などのバリアフリー製剤を提供している。行政によるジェネリック医薬品の強力な推進、あるいは予防や疾病管理重視(SANARI PATENT考察: Self-Medicare重視の意味と解する)という、医療を取り巻く大きな変化に的確に対応し、新たな価値や情報、サービスを生み出し、患者様への貢献を果たす。

Q3 企業買収の成果は出ているか?

A3 成果は着実に現れている。がん領域への本格参入を目指して、リンパ腫関連製品を買収し、さらにMorphotek.Inc.買収による抗体医薬研究の強化、MGI

Pharma, Inc.買収によるガン関連商品の拡充とインフラ整備を達成した。

SANARI PATENT所見

 エーザイは2010-05-20に、「米国ノース・カロライナ工場に抗がん剤の注射剤生産棟を開設」と発表した。「新生産棟は、エーザイとして初めての抗ガン剤を含む注射剤の製剤化研究と製剤生産を担うグローバルな生産拠点となります」と述べている。

 エーザイの今次報告売上高は80315200万円(対前年度比2.7%増)だが、医薬品分野が76303900万円、うち北米が35888900万円を占め、日本国内の34307800万円を凌駕している。中国が1568700万円で2%の比重に過ぎない現状だが、「中国市場の疾病構造に合致した新薬を取り揃えていく」としているので、この巨大医薬市場に寄与するところ大なるものと期待される。

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2010年5月23日 (日)

So-Called Deadlock of Japan Industry and its Background 

経済産業省が日本産業行き詰まりの背景として挙げる事項

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(承前2010-05-22記事) 経済産業省は、産業構造全体の課題を次のように述べている(SANARI PATENT要約)(SANARI PATENT考察: 経済産業省は「日本産業行き詰まりの背景」と題しているが、「行き詰まり」の要素と決めつけることは適切でないと考える。)      

(1)  所得の拡大はグローバル製造業に依存し、特に自動車製造に大きく依存してきた。すなわち、

(1-1)     2001~2007年度における全産業の経常利益増加額は252000億円であったが、うち9兆1000億円(36%)を、グローバル製造業4業種(輸送機械2兆1000億円)、電機3兆2000億円)、鉄鋼(1兆8000億円)、一般機械1兆9000億円)が占めた。

(1-2)     20002007年の名目GDPの伸び(13兆円)のうち、自動車の貢献が約半分の6兆円であった。

(2)  労働生産性は上昇しているが、雇用者所得は横這いに留まっている。(SANARI PATENT考察: 「労働生産性」を「GDP/就業者数」で算出しているが、「GDP/給与総額」で表すべきである。同一労働同一賃金の原則がグローバルに貫かれてゆくから、国際競争力は給与額に対する生産性で評価しなければならない。) 

(3)  グローバル企業とドメスティック企業の一人当たり付加価値が、この10年間、著しく乖離した。ドメスティック企業の付加価値を高めることが鍵である。

(4)  日本の輸出依存度は低い。2008年の各国輸出依存度は日本の17.4%に対して韓国54.8%、ドイツ47.5%EU2740.2%、中国36.6%、英国28.1%、フランス26.6%、インド24.1%に次いでおり、ブラジル14.5%、米国12.6%が日本より低い。日本は、特定グローバル製造業以外について、海外の成長市場に繋げることで付加価値を高めることが重要である。

SANARI PATENT所見

 日本の産業構造が輸出依存型であるため、円高等の影響をマイナスに受け易いと言われるが、比較すればむしろ低位であり、国内での競争で消耗することの構造的問題を、今次案は重要視している。例えば液晶TVについて、北米Vizio、欧州Philips、韓国SamsungLGE、中国TCLという主要プレイヤーの存在に対して、日本では、ソニー、シャープ、東芝、パナソニック、船井電機が競争っていて、低収益性を脱却できないと、経済産業省は見ている。

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2010年5月22日 (土)

METI Requests Public Comments for the Draft of Japan Industry Structure Vision

 経済産業省がパブコメ公募中の「産業構造ビジョン案」

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 標記公募については、R Site(2010-0521)に述べたが、先ずこの案の「問題意識」を考察する。

(1)  日本経済・産業の行き詰まりは深刻である。世界における日本の経済的地位は低下し、一人当たり豊かさも低迷している。

(2)  この行き詰まりは一過性のものではなく、三つの構造的問題が存在する。

(2-1) 産業構造全体の問題

(2-2) 企業のビジネスモデルの問題

(2-3) 企業を取り巻くビジネスインフラの問題

(3)  この構造的問題を克服するためには、単なる対症療法ではなく、政府と企業が持ち得る全ての叡智を結集する必要がある。

(4)  今後日本は、何で稼ぎ、雇用していくのか、答えを急がなければならない。

SANARI PATENT所見

(1)  日本の地位低下は、次のように認識されている。

(1-1)     一人当たりGDPの世界ランキングが、2000年3位が、2008年には23位に低落した。(SANARI PATENT考察: GDP総額は世界2位で、IMF等の国際機構においてもこれに対応する負担割合と発言力を有することも併記すべきである。)      

(1-2)     世界GDPに日本が占めるシェアは、199013.3%から、2008年には8.9%に低落した。(SANARI PATENT考察: 世界がG7体制からG20体制に移行するのだから、シェア低下は必然的だが、高機能炭素繊維など、世界市場シェアが極めて高率な先端技術製品の比重を強調すべきである。)      

(1-3)     国際競争力順位は、1990年1位から、200822位に低落した。(SANARI PATENT考察: 分野別・製品別に国際競争力を比較すべきだが、労働生産性、すなわち、給与額に対する付加価値額の低位を明確に認識すべきである。)

 企業が国際競争力を強化しても、国内雇用の拡大には繋がらないことは明白である。むしろ、国内雇用の拡大に繋がらないことによって、国際競争力が強化されるという現実を直視すべきである。

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2010年5月21日 (金)

Chinese Settlement Card Familiar in Japan Consumer Market

中国「銀聯

カード」と決済カードに関するわが国技術の特許公開

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 岡田克也外務大臣が、中国人観光客の受け入れ基準緩和を正式表明し(2010-05-18)、日本のホテルや秋葉原電気街等々で存在感高揚の中国版決済カード「「銀聯」の機能が益々発揮されること必至である。日本人はVISAで海外旅行を活発化したが、中国が国産決済カードをここまで育成したことに、SANARI PATENTは敬意を表する。

 知財専門家としては、先ず、わが国で決済カード関係の特許発明開発がどのように展開しているか、追跡すべきであろう。最近公開された事例を見る。

(1)  オムロン株式会社「決済カード利用管理装置、およびカード取引処理システム」(公開日2008-08-28)→クレジットカード等の決済カードを利用した、インターネット等のネットワーク上での取引にかかる取引金額の決済に対するセキュリティを確保すると共に、適性な利用者に対するサービスの低下を抑えた決済カード利用管理装置を提供する。

(2)  富士通テン株式会社「車載用決済システム、車載用決済装置及び車載用決済通信インターフェースカード」(公開日2010-03-18)→車載用決済装置用決済カードを複数所持して専用車載器へ都度挿入し直すという、車載用決済装置用決済カードの管理と、挿入し直す煩わしさを低減する。(SANARI PATENT考察: 中国ではこのような煩わしさは、始めから発生しないと思うが、どちらが国民経済的に有利か、別問題である。)

(3)  NECインフロンティア株式会社「POS装置」(公開日 2010—8-20)→1台のPOS装置をシェアして利用することで、装置構成が簡単で、かつ、切り替え時のスピードが速い操作性の良いPOS装置を提供する。

(4)  富士電機リテイルシステムズ株式会社「電子マネーチャージ機」(公開日2008-12-25)→キャッシュカードあるいはクレジットカードを用い、マネーカードあるいは携帯電話機に電子マネーをチャージするチャージ機における取り忘れを確実に回避することができるようにした電子マネーチャージ機を提供する。(SANARI PATENT考察: 極めて実用的・現実的なニーズに即応する発明と思う。日本観光中の「銀聯」使用にも適用できるようになるか、期待される。)

(5)  富士電機リテイルシステムズ株式会社「電子マネーチャージ機」(公開日2008-11-20)→キャッシュカードあるいはクレジットカードを用いて、マネーカードあるいは携帯電話機に電子マネーをチャージできるようにした電子マネーチャージ機を提供する、(SANARI PATENT考察: 前項同様、極めて実際的ニーズに合致し、前項と統合実用化されることが決済カード、消費金融システムのイノベーションというべきであろう。) 

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2010年5月20日 (木)

System Integrators and Independent Software Vendors as Public or Private Cloud-Computing Service Provider

 Salesforce.comのクラウドビジネスグローバル展開

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 総務省も経済産業省もクラウドビジネスの普及を情報技術革新の中核と位置づけているが、関係業界の機能がどのように展開しつつあるのか、動向を常に注視する必要がある。その前提として、「動向」を起動する国内外の様々な主体について、理解を深めておくことが必要である。

 先ずSalesforce.com Co. Ltd が、NEC、富士通、日立ソフトなど、System IntegratorSoftware Vendorに、Salesforce.com開発ソフトのOEM提供(相手方ブランド販売)を開始したと報道されているので、Salesforce.comとその日本法人について概要を見る。

 Wikipediaによれば、Salesforce.com1999-04に設立され、Californiaに本社をおくCRM Solutionを中心とするクラウドコンピューティングサービスの提供企業である(SANARI PATENT: Consumer Relationship Management)。Business Application およびApplication Platformをインターネット経由で提供している。  

2000-04に、日本法人セールスフォース・ドットコム(六本木ヒルズ)が設立され、「Software as a ServiceSaaS)として「Salesforce Customer Relationship Management Applicationの提供」、「SaaS Application の基盤となるPlatformの提供」、「導入支援Consulting/Training サービス」を行っている。

SANARI PATENT所見

 アスキー総研によれば、Salesforce.com2010年初、世界で6万7900社に利用されているSaaSSalesforce Customer Relationship Managementの基盤として10年以上の運用実績があり、この基盤によって開発されたソフト数も世界で135000を超えているので、このような実績あるSalesforceとの連携が有利であるとの判断から、日本の有力System Integrators Independent Software VendorsOEMパートナーに参加していると考える。

 なお、「クラウドは国家が主導せよ」として、Salesforceへの過度の依存を警戒されれているのは角川歴彦氏である。「例えば甲府市は、定額給付金の管理システムの運営をSalesforceの発注したが、その振込先口座の情報は、Salesforceが持つサーバーに登録されている。このような事例が拡大すると、日本中が米国企業のサービスないでは立ちゆかなくなる」と警戒している(日経ビジネス2010-04-26)。 

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2010年5月19日 (水)

Export of Atomic Power Generation Infra to Vietnam

 原子力発電インフラの対www輸出について直嶋経済産業大臣応答

弁理士 佐成 重範 Web検索 SANARI PATENT

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 経済成長と国際協力のため、水供給システム、新幹線建設などと共に、原子力発電インフラインフラの輸出は、欧米や中国・韓国の企業との競争のもとで、国を挙げて努力すべきところであるが、原子力発電インフラの海外輸出については、直嶋経済産業大臣が次のよう対記者応答している(最終更新日2010-05-17(SANARI PATENT要約)

Q1 海外に原子力発電インフラを売り出していくめに、電力会社等、官民で会社設立の案があるが、進捗状況はどうか。

A1 東電等を中心とする電力会社とプラントメーカーとで、特にベトナムを意識しつつ、新しい会社を設立すべく、今秋発足を目標として、企画委員会を設け検討していると聞いている。システム輸出について、従来なかった方式として新しい会社を設立するということである。経済産業省としても、是非そういう方向で考えることが必要と、民間企業に表明しており、考え方は一致しているので、サポートする。

Q2 東電等は、民間企業のみではリスク負担も重く、政府のサポートを必要としているが、経済産業省はどのように関わるか。

A2 会社設立の段階では多分、産業革新機構が出資する方向と思うので、そういう形の関わりがスタートと思う。

Q3 具体的にどんなリスクにどう対応するかなど、細かいことはこれからか、

A3 原子力発電インフラというと、数千億円規模のプロジェクトになり、建設後のオペレーション期間も長期にわたるから、何らかの長期的な資金手当てが必要と思う。これは民間だけでは困難であり、政府としてできるだけ支援する。

SANARI PATENT所見

 A2の産業革新機構出資に先立ち先ず、受注することが必要で、ベトナムの原子力発電インフラ4基のうち2基は韓国企業が既に受注している。欧米・韓国など、大統領ほか国のトップが相手国に出向いて受注獲得のセールスに傾注しており、沖縄主張中の日本総理と異なる。

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2010年5月18日 (火)

JEPA (The Electronic Book Publishers association of Japan) 's China Report

日本電子書籍出版社協会の論説と知的財産開発

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 日経電子版が発足して、知財関連情報源の入手についての迅速性・経済性も思案の対象になっているが、各新聞紙が色々と思惑しているのに対して、2010-03-24に発足した日本電子書籍出版社協会は、大手出版社31社の共同体であるだけに、行動も迅速で、発表・周知する論説や情報も、知財専門家にとって誠に適時・有益である。

 例えば、「 中国は電子ブック戦国時代、ゲームソフトや検索大手も参入」と題して、J-CAST Newsを知らせているが、「ものづくり」の分野のみならず「情報イノベーション」の分野でも、日本が中国に追い越される危惧を、従って、知財立国でも凌駕される可能性を認識させる。その内容(SANARI PATENT要約)を摘記すると、

(1)  米国で電子ブック「Kindle」が発売されると早速、在北京の漢王科技は、中国版電子ブック「漢王」を発売し、売行き絶好調で、2010-03に深釧証券取引所に上場した。

(2)  「漢王」の成功に刺激されて電子ブック市場に端末企業・ゲームソフト企業・インターネット検索サービス企業(SANARI PATENT考察: 中国では「百度」のシェアが高いが、中国政府と軋轢が伝えられたGoogleよりも、Yahooが中国と親近するとの見方もある)も急遽参入している。

(3)  中国では発音の地方差異が著しく、ケータイなどに入力する際、手書きで入力する中国人が多い。それを電子信号に変換するソフトを漢王科技はいち速く開発したので、現在、「漢王」が中国の電子ブック市場で9割超のシェアを持ち、中国の内外を問わず、中国語手書き機能を持つ製品はほとんど漢王科技からソフトを購入している。

SANARI PATENT所見

 日本は漢字圏国として中国と最も親近の間柄にあり、文化の源流も中国に依存したことは、奈良遷都1300年の機会に十分復習したところである。電子ブックという共通のメディアを通じて、日中の知財交流を一層深めるべきである。

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2010年5月17日 (月)

TOYOTA’s Strategy at BRICs Market

トヨタ社長が中国・インドなど新興国市場での戦略を説明

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(6) (承前2010-05-16記事) 成長が著しい中国では、更なる商品ラインアップの拡充と生産体制の整備を行う。長春工場を建設し、2012年前半に稼働開始する。また、プリウスに続きカムリハイブリッドの現地生産を開始し、顧客の幅広いニーズに応える。(SANARI PATENT考察: この「顧客」が、「中国の顧客」に特化するのか、日本への逆輸出を含めて、グローバルな顧客ともなるのか、今後の推移を注視したい。)

(7) 中国同様に成長が見込まれるインド市場向けには、新型車のエティオスを投入する。日米欧向けに開発した商品を流用するのではなく、インドで新規にクルマを購入する顧客が満足するクルマを開発することは、新興国向けの新たなクルマ作りへの挑戦である。

(8) 新興国へ積極的に投資する一方、日米欧の先進国においては、市場構造の変化に合わせた生産車種の見直しや、為替変動に強く、フレキシブルな生産体制の再構築が必要である。一部余剰となっている生産設備の「寄せ停め」により、グローバルに生産能力を最適化する。

(9) 私(豊田社長)は就任以来、従業員に対して「もっと良いクルマを作ろうよ」と申している。安全で高品質の良品で廉価なクルマ、より環境に優しいクルマ、お客様にわくわくしていただけるクルマ、そういったクルマをより多くのお客様に提供することにより、持続的に成長のサイクルを回す。それにより

トヨタの創業理念である「クルマ作りを通じて社会に貢献する」という使命を果たす。(SANARI PATENT考察:「廉価」が最大の課題である。安全や品質は、規制当局や消費者選好によって強行されるが、廉価は、生産立地の選定、所得の配分、系列企業のコスト引き下げ分担、生産国の選定についての経営判断に依存し、「社会に規制する」というその社会が、どの国の社会かということにも直結する。)

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2010年5月16日 (日)

TOYOTA Targets at Next Generation Eco Car and BRICs Market 

豊田社長、「攻める分野」、次世代環境車と新興国について説明

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 トヨタの豊田社長が決算説明会(2010-05-11)で、「新たなスタートラインにつく」に当たり、「攻める分野」として「次世代環境車と新興国」を挙げ、次のように説明(SANARI PATENT要約)したが、今後の自動車業界全般を考察するに際して注目すべき内容と考える。

(1)  次世代環境車としては、ハイブリッド技術を更に向上し、かつ、モデルを拡充する。昨年(2009)は、3代目となる新型ブリウスやレクサスHS200hなど新モデルを、お求め易い価格で提供したが、今後も、プレミアムコンパクトセグメントのハイブリッド車CT200hなど、積極的に新モデルを発売する。

(2)  プラグインハイブリッド車についても、2012年には一般のお客様への販売を開始し、次世代環境車を前進させる。

(3)  やや長期的視点として、プラグインハイブリッド車や電気自動車(EV)を活用するため、スマートグリッドなどの新たな環境技術への取組が非常に重要と考える。(SANARI PATENT考察:「スマートグリッド」の意義をどのように解した上での発言か、疑問だが、先ず「やや長期的」にではなく「直ちに」必要であるのは、高速充電設備または蓄電池交換拠点の全国配置であり、スマートグリッドは次世代最適発送受電系統として構築し、プラグインハイブリッド車や電気自動車(EV)については、それへの組込と適応を考えるべきである。)

(4)  トヨタグル-プを挙げて、低炭素化社会の実現を目指し、青森県六ケ所村、米国コロラド州ボルダー、豊田市など、世界各地の実証実験プロジェクトに参画する。

(5)  「走りの味」や「クルマの楽しさ」にこだわった、スポーツカー等も提供する。

(新興国について次回)(コメントは sanaripat@gmail.com  にご送信ください)

2010年5月15日 (土)

Genuine Faculty of Japanese Anime as Culture Soft Power 

デジタルコンテンツ振興政策の理由とされるアニメのソフトパワー性

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 古典的日本文化が欧米文化に影響した歴史は数百年に及ぶが、内閣知財戦略本部がアニメをデジタルコンテンツのソフトパワーとして、グローバルに日本への親近を深め、市場開拓の機能をも期待したのは、ここ数年来のことである。

 しかし、アニメのソフトパワーとしての真の機能が、具体的にどのように作用するのか、閣議決定の資料等には全く見出せない。偶々、朝日新聞の「ロシアへの虹」連載特集の第3回(2010-05-12:関根和弘氏)に、「シベリア娘アキバの決意」が、日本アニメによってもたらされた経緯が描かれて、結果として、日本アニメのソフトパワーとしての真価が、具体例として示されたと、SANARI PATENTは感銘した。このような具体例が集積記録されることにより、アニメ政策の適切な方向性も確立できよう。そこで以下、上記の記事内容を摘記する。

「ジェーニアという名の娘は、シベリアのノボシビルスクという中心都市で、軍人夫妻の間に生まれた。テレビで放送される日本のアニメが大好きだった。」

17歳のころ、『美少女戦士』を見た。世界中の女の子がそうだったように、ジェーニアも夢中になった。恋をし、友情を大切にし、喜び、悩む、そんな普通の女の子達が悪の組織と戦う物語に、自分を重ね合わせた。」

「でも、気になることがあった。ロシア語の吹き替えの合間に聞こえる柔らかい、音楽のような。それが日本語だった。日本に行くことがジェーニアの夢になった。」

SANARI PATENT所見

 結局ジェーニアの夢は実現し、日本で声優として働いているという。上記記事は、「ロシアでは今日もどこかでアニメなどのパーティが開かれ、作品を通じて日本を知り、日本に行きたいと思っている」と結ばれているが、アニメが主目的ではない記事などに潜在する日本アニメのソフトパワー真価の事例を、JETROなどを通じて収集することが望まれる。

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2010年5月14日 (金)

PAL Group as a Multi-Concepts Trendy Fashion Retailer, Gets Increased Sales and Profits 

株式会社パルのファッション多様化・小衆化対応とブランド戦略

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 パル(東証1部)の業務報告(2009-03-01~2010-02-28)が届いた。百貨店の衣料部門不振、ユニクロの好調、フォーエバー21の銀座進出など、衣料・ファッション業界のビジネストレンドと業績は益々多様化しているが、「1973-10に大阪市で創業以来、ファッション感性の高度化と、それに伴うファッションの多様化・小衆化の流れを的確に捉え、提案を重ねてきた結果、ヤングをターゲットとしたトレンディな体質を持つ多コンセプト企業として、ファッション業界において不動の地位を確立し、評価を得てきた」(パル井上英隆会長)パルのような業態の場合、その動向は日本経済の進路をどのように示唆しているか、 注目されるところである。なお上記で、「小衆化 」という用語も、大量製造小売の「大衆化」と対比される。

 パルは、「ヤング向けレディスや雑貨ブランド展開、自社企画比率高い」となど婦人服の販売が堅調に推移する。消費者の価格志向で高級ブランドは伸び悩むが、最終増益見込む。2011-02期はネット販売を強化して増益を見込む」(日経会社情報)と見られ、「婦人服・雑貨のセレクトショップの出店進める。東京のほか大阪の商業施設に出店」()が注目されたが、SANARI PATENTは、ネット販売が「多様化・小衆化の流れ」に即応する最適なメディア(展示コストの最小化)であることに特に注目してきた。

 今次報告(SANARI PATENT要約)を見ると、「2010-02期売上高は699億円で対2009-02期比5.2%増、経常利益は52億円で23.7%増」、「小売業界の環境は、失業率の悪化や給与の伸び悩み、賞与の抑制によって個人消費意欲は大幅減退していたが、年度後半にかけて売上の下げ渋り感も一部に見え始めた」、「衣料小売業界では、消費意欲が弱まり、低価格化傾向が顕著になって、全般に低調に推移した」、「パルは、企業集団としての業態確立と出店促進、業態変更による既存店活性化、不採算店舗撤退により、業容を拡大し経営効率を改善した」。

 更にパルは、対処すべき課題として、「コンセプトの明確なブランドに対する積極的なプロモーション」、「その他のブランドに対する外部スタッフ投入による活性化もしくは統廃合による経営集中」を掲げているが、SANARI PATENTは、ネット技術の高度化を活用し、ネット販売の利点を最高度に発揮することを、変換ロス最小限のビジネスメソッドとして、期待する。

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2010年5月13日 (木)

METI Minister States on Mitsubishi-Industry-Innovation-Org.’s Acquisition of United Utilities Australia Co.

 直嶋経済産業大臣が三菱商事・産業革新機構を中心とする日本企業グル-プの豪社買収に声明

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 世界の水ビジネスへの進出は、日本企業の水処理技術発揮の有望な場であるが、今般、三菱商事・産業革新機構を中心的パートナーとする企業グル-プが、オーストラリアの主要な水処理企業であるUnited Utility Australia Co.の買収に合意したことについて、直嶋経済産業大臣が次のように声明した(2010-05-11)(SANARI PATENT要約)

1.    今般の入札の結果は、産業革新機構が全面的に資本参加し、日本企業が目指す世界の水ビジネスの運営・管理分野への参画の先駆けとなることに加えて、新成長戦略が柱とするシステム輸出を拡大するもので、非常に意義があると評価する。

2.    特に今回、三菱商事・産業革新機構・日揮およびManila Waterという企業Consortiumに加えて、東京都水道局kが全面的に協力する体制を整備し、全日本で取組むことが高い評価を得る。

3.    今後、このプロジェクトを契機として更なる国際展開を期待する。政府としては引続き、惜しみない協力を行う。

SANARI PATENT所見 

 経済産業省製造産業局に「水ビジネス国際インフラシステム推進室」が新設されている。上記2の、東京都の実質参加は、日本の水インフラの経営形態が公営に偏してきたことに省みて、遅ればせながら意義深い。

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2010年5月12日 (水)

Toray Industries, Inc. Gets Long Term Supply Contract For Carbon Fiber With European Aircraft Maker

 東レが欧州EADS社とエアバス向け炭素繊維長期供給契約(2025まで)を締結(2010-05-10)

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 東レは、「このたび、欧州の大手航空宇宙防衛企業であるEADS社と、エアバス向けを中心とする航空機用炭素繊維ブリブレグの供給について、2025年までの15年にわたる長期供給基本契約を締結しました」と発表した(2010-05-10)

 炭素繊維の特徴は多岐にわたって開発され、用途も多様であるが、優れた品質を実現するためにはノウハウに属する技術を多く必要とし、従って、東レその他、日本企業が国際市場において優位を占めるべき適格性を有する製品であるとSANARI PATENTは考える。

 特許公開の状況を見ても、炭素繊維に関する技術が1万4791(2010-05-11現在)、見受けられるが、うち、今年に入ってからの特許公開件数(2010-01-0105-10)のみでも305件に達する。例えば、

(1)  東レ株式会社「炭素繊維の製造方法」(公開日 2010-05-06)→ 炭素繊維を製造する際のプロセス性を損なうことなく、生産性の向上に寄与する炭素繊維の製造方法を提供する。

(2)  東レ「極細炭素繊維フィラメントおよびその製造方法」(公開日 2010-05-06)→ 単繊維の直径が極めて小さいのみでなく、単繊維繊度の均一性にも極めて優れた極細炭素繊維マルチフィラメントおよびその製造方法を提供する。

(3)  帝人株式会社「熱伝導性フィラー及びそれを用いた成形体(公開日 2010-05-06)→ 高熱伝導性であり、成形性が高いピッチ系黒鉛化短繊維フィラー及び複合成型材料を提供する。また、生産性の良い製造方法を提供する。

(4)  ダイキン工業株式会社「圧縮機のケーシング」(公開日2010-04-30)→ 炭素繊維を用いることにより、軽量でありながら、極めて高い耐圧強度をもつ圧縮機のケーシングを提供する。

(5)  三菱レイヨン株式会社「多孔質電極基材、その製造方法、膜・電極接合体、および固体高分子型燃料電池」(公開日2010-04-30)→ 炭素繊維を用いて、十分なガス透気度、厚みおよび貫通方向抵抗を備え、燃料電池としたときに、加湿条件の変動によっても電池性能の変動が少ない水分管理機能を発揮する多孔質電極基材、その製造方法、膜・電極接合体、および固体高分子型燃料電池を提供する。

(6)  日本精工株式会社「ステアリング軸」(公開日2010-04-30)→ 炭素繊維を用いて、鋼材と同程度の強度を有し、軽量でかつ優れたエネルギー吸収能力を有するステアリング軸を提供する。

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2010年5月11日 (火)

ONWARD Develops Global Network for its Apparel Brand 

アパレル最大手・ONWARDの商品・市場開発戦略と百貨店

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 ONWARDの事業報告(2009-03-012010-02-28)が届いた。「アパレル最大手。『23区』『組曲』など百貨店向け中心。買収ブランドを中心に世界展開にも意欲」と特色付けられてきた(会社四季報)ONWARDであるだけに、日本のブランド戦略、ONWARDへの外国系出店、国内小売業態の多様化など、環境の著変にどのような対処が見られるか、注目される。

 ONWARD今次報告の内容(SANARI PATENT要約)を見ると、

(1)  www業界は、生活防衛意識の高まりから低価格競争に拍車がかかり、個人消費環境は非常に厳しい状況になった。(SANARI PATENT考察: ユニクロなどを考えると、差別化の進捗が厳しさを増したというべきである。)

(2)  ONWARDは経営の効率化と共に、価値ある商品の開発・提案を強化し、また、M and Aによる事業拡大としなじー効果による収益性の改善、ネット市場への本格的参入などに取組み、下半期にその成果が現れたが、通期では売上高24863400万円で前期比4.7%減、営業利益438300万円で51.7%減となった。

(3)  海外事業については、ラグジュアリー市場の回復の遅れから(SANARI PATENT考察: 贅沢市場は、グローバルに流行から外れたが、最近は新興国富裕層で拡大)、欧州でジョゼフ、ジルサンダーの両グル-プが営業損失となったが、ジョゼフは新成長戦略の商品施策・店舗施策が下期に本格稼働し、下期は増収増益した。その他も改善しつつある。

(4)  日本のファッション市場は成熟化し、グローバルな企業競争のもと、消費者お選別は厳しさを増している。百貨店・ファッションビルなど商業施設・流通企業の変貌と、人口構造の変化から、ライフスタイルに応じて流通を使い分ける選択消費や、消費者の価値観の多様化が進み、ファッション消費は構造的にも消費者行動的にも、大きな変革期を迎えた。

(5)  ONWARDは、商品化計画の精度向上と生産リードタイムの短縮によって、市場動向に機敏に対応する生産体制を強化し、企画から店頭販売に至る全てのSupply Chainにおいて、スピード化とコスト削減を実現する。

SANARI PATENT所見

 ONWARDの中国展開が、製造小売の業態として新たな基軸を創出するよう期待する。

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2010年5月10日 (月)

Augmented Reality Technology Develops Design Innovation 

拡張現実技術によるデザインの革新と関係特許発明

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 拡張現実(Augmented Reality)は、「リアルな世界に仮想コンテンツを付加表示する技術」、「現実の物体や空間に、仮想的な情報を付加ビジネス技術」「Virtual Realityと対をなす概念」など、定義は未だ多様で流動的だが、現にデザイン技術のイノベーションに貢献する事例が国内外に見られつつある。

 拡張現実のイノベーションに関する特許公開発明も続出しているが、その状況を考察する。

(1)  「エンタテイメント装置、システム、及び方法」ソニーコンピュータエンタテイメントリミテッド(公開日2010-03-04)→ 拡張現実システムにおいて、仮想マップを適切に生成ビジネスことを課題とする。

(2)  「ユーザと拡張現実場面の相互作用を実時間で検出ビジネス方法及びデバイス」とたるイメルシオン(公開日2010-02-18)→ ユーザーと拡張現実場面との相互作用を実時間で検出ビジネスことを課題とする。

(3)  「画像合成装置及び方法」大日本印刷(公開日2010-02-12)→ 拡張現実技術を利用して、カメラで撮影した実写画像に含まれる対象物体の画像を、実写画像から仮想的に消去できる画像合成装置を提供する。

(4)  「仮想映像表示システム及び仮想映像表示方法」京セラミタ(公開日2009-12-24)→ マーカや姿勢センサを用いることなく、簡易に拡張現実感を作りだす仮想映像表示システムを提供する。

(5)  「画像処理プログラム、画像処理装置及び画像処理方法」芸者東京エンターテインメント(公開日 2010-02-04)→ 仮想のキャラクター等を表示して操作する拡張現実型ゲームにおいて拡張現実に対するキャラクター等の表示パターンを拡大することが可能な画像処理プログラム等を提供する。

(6)  「拡張現実感表示装置」大日本印刷(公開日2009-09-17)→ 実際の店舗に設置した場合であっても、マーカーのトラッキング精度が低下しない拡張現実感表示装置を提供する。

SANARI PATENT所見

 セコンドワールド(Virtual World)が画像表示は仮想であって、その貨幣交換において現実社会と結合したにとどまるのに対して、拡張現実は、仮想世界と現実世界とが直接融合する場面を現出表示する。Virtual Worldの技術とAugmented Realityの技術が融合するイノベーションを、SANARI PATENTは想定する。

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2010年5月 9日 (日)

SAGAWA Express Service Co. Deliver Precious Packages in the Vast City of Shanghai

 佐川急便が「上海で輸出入および中国国内物流の複合機能」提供

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 芝浦工業大学校友会全国総会(2010-06-12)の通知が、佐川急便で届いた。芝浦工大の同窓生数十万は全国大企業のみならず中堅企業のオーナー経営者も多数だから、家族の会費は無料という例年の総会は人気歌手の出演や豪華籤引きがあって大変な賑わいである。それを伝達ビジネス佐川急便は、グローバルロジスティクスの雄として、世界最大万博の上海に新拠点を開設し、「上海保利佐川物流桃浦物流センター」として本格稼働と発表した(2010-04-15)。「上海で輸出入および中国国内物流の複合機能をご提供」と副題しているので、その展開への期待に心弾むのは、上海でも同業のヤマト運輸の黒猫氏を含めて、日本国民同様であろう。上記発表は次のように述べている(SANARI PATENT要約)

(1)  佐川グル-プの佐川グローバルロジスティクス株では、中国現地子会社である上海保利佐川物流有限公司が上海市内に桃浦物流センターを開設し、このたび本格稼働した。このセンターは上海においては、宝山物流センター(2009-02開設)に続くもので、中国国内では佐川の6番目の拠点である。

(2)  桃浦物流センターは、上海市北西部に位置し、同市中心部から車で40分、上海虹橋空港から30分と、交通アクセスが最適である。

(3)  佐川グローバルロジスティクスは、佐川グル-プのグローバルロジスティクス事業を担い(SANARI PATENT:ロジスティクスは、対象商品の発生地点から需要地点までの効率的・発展的な流れを、輸送・保管の関連情報の提供を含めて計画・実施・統制するプロセスである)、中国沿岸部を中心に展開して国内外一貫物流の発展強化を目指す。

(4)  今や中国は生産国から大消費国をも兼ねるべく、大きく変貌している。その巨大市場・上海に販路を求められる日系荷主企業も多く、ショップ展開や通販事業を開始するに当たり、中国での物流サービスについて多数の問い合わせを受けている。(SANARI PATENT考察: 今後の日本経済にとって最も重要な中国事業展開の案内機能を営んでいると言えよう)

(5)  佐川急便は、先発している上海大衆佐川急便物流や、2010-01に譲受した喜楽客思紡織品有限公司など、他の中国現地法人と連携して、総合物流事業を中国全土に拡大したい。

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2010年5月 8日 (土)

Distinction of Mitsubishi Heavy Industry’s Synthesis Power 

三菱重工「2010事業計画」における「真の総合力の発揮」

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(承前2010-05-07記事) 三菱重工は「2010事業計画」に「総合力発揮と自前主義脱却」を掲げているが、その具体的内容を考察する。先ず「これまでの三菱重工→自前主義」は低成長・・機会損失をもたらしたと自己評価している。自前主義の否定はOpen Innovationと同義かとも思われるが、Open Marketで競争力を確保するためには自社独自の知財を必要とするから、むしろClosed Innovationを着実に達成しなければならない。従って、ここに「自前主義」とは、技術開発・販路開拓の双方を自前で行うという意味に解すべきで、内外の他企業と連携して、連携先の市場開発力に依存しつつ、その販売製品の要素として自社のClosed IP製品が拡販されるために、知財も販売も自前という戦略が、低成長・・機会損失をもたらしたという反省であると、SANARI PATENTは解する。

 従って、これからの三菱重工グル-プは、事業吸収・他社とのJoint Venture、事業会社化による積極的な事業分離・吸収によって事業の成長性を確保する。具体的には、

(1)  顧客の視点でBusiness Modelを変革する。すなわち、Component、製品、Evolved Packet Core、サービス、OperationChaneにおいて、

(1-1)     Solution Business を拡大する。

(1-2)     Core Business を強化する。

(1-3)     上流Businessを拡大する。

(1-4)     下流Businessを拡大する。

上記それぞれに内容の説明を付しているが、例えば(1-1)に例示されたIGCCは、Integrated Gasification Combined Cycleで、石炭ガス化複合発電技術である。Core Businessの強化に、前記日経ビジネス解説の「高効率ガスタービン」が挙げられている。

(2)  Core Business の更なる強化は、三菱重工の将来を担う重点製品のTechnology Innovationの推進を、エネルギー・環境、輸送・社会インフラの両大分野にわたって、「「キー技術の開発」、「試作レス技術の開発」(SANARI PATENT考察: 研究開発段階でのコスト意識の高まりを評価する)、「低コストの海外メーカーに対抗できる革新的製造技術の開発」(同上)などを掲げている。その末尾に「Open Innovationの活用」が表示されているが、Closed InnovationのためのM and A等を意味するのか、他企業とInnovation Open化と競争関係における差別化とのbalanceに言及ビジネスことが必要と、SANARI PATENTは考える。

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2010年5月 7日 (金)

Mitsubishi Heavy Industries’ Energy and Environment Business for a Law-Cabon Society

 三菱重工は高効率ガスタービンによる地球環境への貢献等

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(承前2020-05-06記事) 環境産業を各国企業が指向し、国際競争が激化するに伴って、「総合性」の経営的在り方について再構築が進みつつある。前記日経ビジネスの記事は三菱重工の中国における展開について次のように結んでいる(SANARI PATENT要約)

「ポイントは、ガスタービン(SANARI PATENT: 環境対策の一環)の営業や受注の主体は中国国有企業の東方タービンで、三菱重工が東方タービンと合弁設立(三菱重工51%)した三菱重工東方燃気輪機が製造ビジネスノハ、ガスタービンの「燃焼器」という部分のみという点だ。燃焼器は、ガスタービンが1300度の高温で回転しても破壊しないよう支える心臓部で。技術レベルは最も高く、しかも定期的交換を要する消耗品であるから利益率が最高である。すなわち、中国の国有企業・東方タービンが中国内で受注すればするほど、三菱重工にとっては最低限の設備投資で、採算性に優れた「燃焼器」の販売が伸びる。現に順調で、中国企業による市場開拓として中国政府の資金も出易く、外交分野で日本が手薄な地域を補うこともできる。」

 つまり、「技術の革新部分は確保しながら提携を拡大し、生産能力にみでなく顧客開拓能力を取り込む」ことが、真の総合性であるという論旨である。

 三菱重工の2010事業計画(2010-04-28発表)は、その戦略として先ず「真の総合力の発揮」を掲げた。その内容は、

(1)  顧客の視点でビジネスモデルを変革する。

(1-1)     コア・ビジネスを更に強化する。

(1-2)     ソリューションビジネスを拡大する。

(1-3)     上流・下流ビジネスを拡大する。

(1-4)     新興国を中心にグローバルビジネスを拡大する。

(2)   体質強化に向けてビジネスプロセスを変革する。

(2-1) 業務プロセスを共通化・標準化・高度化する。

(2-2) 自前主義から脱却し、業務ピロセスの分担をグローバルに最適化する。

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2010年5月 6日 (木)

Japan-China Win-Win Relationship by Core-Technology and Market Power Collaboration 

三菱重工と東方燃気輪機の合弁による燃焼器コアコア技術と中国国有企業市場力の共栄

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 世界の次世代エネルギー産業マップにおいて三菱重工は、GESiemensと共に全領域playerとして位置づけられてきたが、その企業戦略は国際競争環境の新局面に即応して変革しつつある。例えば日経ビジネス(2010-03-01)は、中国国有企業の東方燃気輪機がガスタービンを中国巨大市場に拡販することに、完成体としてのガスタービンで競争せず、そのコア技術である燃焼器の先端性をもって合弁し、中国企業が拡販するのに比例して、技術力・利益率に富む三菱重工燃焼器の拡販を達成しつつあることを、「総合性・完成体に固執からの脱却」という視点から解説しているが、完成体において低価格国際競争に巻き込まれることなく、中国企業の完成体拡販が即、そのコア・三菱重工製品拡販であるというWin-Win構造を構築していると解説した。

 そこで先ず、三菱重工の前年度(~2010-03-31)実績報告、中期経営計画、「市場環境の変化に対応したスリムで俊敏な事業体制へ再編」(いずれも2010-04-28発表)を総合要約すると次のように述べている。

(1)   受注高は2兆4762億円で、対前年度24.2%減。中量品部門の需要回復遅れ、受注品各部門の商談遅れ、新興国等での受注競争激化による。(SANARI PATENT考察: この「新興国等での受注競争激化による」という項目については、上記日経ビジネスの考察を十分に勘案しなければならない)

(2)  売上高は2兆9408億円で12.9%減、営業利益は656億円で37.9%減。

そこで、三菱重工の反省として、「総合力が発揮できていない!」と叫ぶ。その意味は、

(1)  厖大な製品群(約700製品)が個々に市場競争を展開し、シェア中位の製品群が主体である。

(2)  幅広い技術を技術本部2300名で開発しているが、各開発設計に集中し、シナジー発揮が不足である。

(3)  多くの生産拠点が独立で、全体最適を障害し、業務プロセスが厖大である。

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2010年5月 5日 (水)

Technical Innovation of Lithium Ion Battery is Progressing Rapidly

 車載用蓄電池技術の急速な進化とコスト低下、素材資源問題

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(承前2010-05-04記事) 三菱自動車のi-MiEV2009年に販売開始されたが、搭載されたリチウムイオン蓄電池は、1充電当たりの走行距離が最大で160kmとされるが、蓄電池を含めた車体価格は、同タイプの内燃機関自動車の倍であったところ、蓄電池の量産と共に価格の低減が見込まれる。(SANARI PATENT考察: 中国に偏在するレアアースの価格が最近、倍増するなど、コスト増加要因もある半面、蓄電池のレンタル制のようなビジネスメソッドの工夫もある。なお、ケータイにおけるリチウムイオン蓄電池のコストは約10%だが、電気自動車では約50%である。)

 自動車とリチウムイオン蓄電池メーカーの提携関係は、経済産業省資料では次のように想定している。

(1)  パナソニック→ トヨタ

(2)  三洋電機→ VW・フォード・トヨタ・ホンダ

(3)  GSユアサ→ ホンダ・三菱

(4)  NEC→ 日産ルノー

(5)  日立ビ^クルエナジー→ GM

(6)  東芝→ VW

(7)  LG Chem(アジア)→ GMHyndai

(8)  Samsung(アジア)→ BMW

(9)  BYD(アジア)→ VW

(10)          Evonik(欧州)→ ダイムラー

(11)          JCI-Saft(北米)→ ダイムラー・BMW・フォード・GM

(12)          A123(北米)→ ダイムラー・GM・上海汽車(汽車=自動車)

(13)          Electrovaya(北米)→ TATA

SANARI PATENT所見

 上記の経済産業省資料に搭載されていないが、

(1)  ソニー→ 現在、車載用以外のリチウムイオン蓄電池を開発してきたが、自動車用参入計画

(2)  三菱重工→ 建設機械・風力発電用などを経て自動車用参入検討

(3)  エリーパワー→シャープ・大和ハウス系で大型リチウムイオン蓄電池を開発

などの動向を注目すべきである。

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2010年5月 4日 (火)

Competition in the World Market of Storage Battery 

蓄電池の世界市場における競争状況

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(承前2010-05-03記事)蓄電池の材料および蓄電池自体の技術は、日本企業が現時点においては世界をリードしていると、経済産業省は見ている。一方で、海外の蓄電池メーカーが革新的な技術開発による市場獲得を狙って続々と参入しつつある。現時点では日系蓄電池メーカーの生産量が圧倒的であるが、アジアや欧米のメーカーが大規模な設備投資を計画し、2015年時点では海外企業の蓄電池生産が世界市場の半ばを占めるという予測もある。

 また、リチウムイオン蓄電池材料に関する特許出願件数は、日本が優位性を緯持しているものの、近年、海外勢、特に中国勢が特許出願件数および論文発得している。このため、リチウムイオン蓄電池の新材料についても、引続き幅広い基礎的研究が必要である。

 この10年間、液晶パネルテレビなど幾つかの電子製品において、製品が市場に出た段階では日系メーカーが世界市場をリードしていたにもかかわらず、市場が発展するに連れて、シェアーを縮小・喪失してきた事例が続発しており、車載用蓄電池についても、同様の懸念がある。(SANARI PATENT考察: 例えば中国は、リチウムイオン蓄電池製造に不可欠なレアアース資源を準独占的に埋蔵保有しており、資源国家主義的な立場でその有利性を発揮することが考えられ、日本は、中国との友好関係を益々強化して、共進的立場で臨むべきである。)

 また、欧米の大手自動車メーカーは、日本の自動車メーカーの技術的優位に追いつくべく(SANARI PATENT: これは経済産業省の判断)水平分業化により、蓄電池メーカーとの提携をグローバルに推進し、電気自動車およびプラグイン・ハイブリッド自動車の開発を加速している。米国・中国等の新興企業もリチウムイオン蓄電池を搭載した電気自動車市場に参入している。(SANARI PATENT考察: エンジンからモーターへの変換が、業界構造を革新しつつある。)      

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2010年5月 3日 (月)

Battery Strategy in the Next Generation Automobile Policy

次世代自動車戦略における電池戦略に欠けたもの

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「次世代電池戦略」(経済産業省:2010-04-20)は、43ページにわたる包括的戦略であるが、その第4章「電池戦略」を見ても、次世代電池の生産に必須のレアメタル確保戦略に言及せず、重大な欠落と考えるが、次世代自動車戦略が、資源外交など、経済産業省を始め政府ないし政治の総力を挙げて取組むべき課題であることを露呈している。

 上記「電池戦略」はその冒頭に「目指すべき方向性」として次の3項目を掲げている(SANARI PATENT要約)

(1)   オールジャパンで世界最先端の蓄電池の技術レベルを緯持し続けるために、高い研究開発レベル生産技術レベルを確保する。

(2)   ユーザーが蓄電池の性能を正確に知ることにより、電気自動車やハイブリッド自動車について、耐久性も含めた自動車としての完成度を正確にしると共に、二次利用も含めた蓄電池を徹底的に利活用するための社会に備えた基盤を整備する。(SANARI PATENT考察: 悪文の典型的なものとして、ここは原文をそのまま載せたが、「二次利用も含めた蓄電池を徹底的に利活用」では先ず、蓄電池は二次電池であるから、二次利用は当然のことで、徹底的とは何を言うのか、また、「社会に備えた基盤」は「社会基盤」と書けば済む)

(3)   自動車以外の分野でも蓄電池システムを活用する。

次に今次「電池戦略」は、「現状」として、「蓄電池の研究開発目標」について次のように述べている(SANARI PATENT要約)

(1)   経済産業省は2006-08に「新世代自動車の基礎となる次世代電池技術に関する研究会」において、「次世代自動車用電池の将来に向けた提言」を報告書にとりまとめた。この提言は、蓄電池の性能向上とコストダウンを最重点課題として、性能は7倍に、コストは40分の1に、2030年到達を目標として表示している。

(2)   蓄電池市場の見通しについて、リチウムイオン蓄電池市場は、各種民間予測において2009年時点で1~2.5兆円の規模とされている。2014年時点では5兆円まで拡大を見込むが、伸びの大部分は車載用蓄電池である。

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2010年5月 2日 (日)

Cross-Media Project of TAKASHIMAYA is Progressing at Internet-Sales

 高島屋のインターネット販売・テレビ販売が伸長

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 高島屋の今次事業報告(2009-03-012010-02-28)が届いた。百貨店の4大グル-プ化という見方が広まり、「高島屋・阪急阪神」、「三越・伊勢丹」、「大丸・松坂屋」、「そごう・西武」の各提携が常識化しつつあるものの、日経会社情報にも、三越伊勢丹ホールディングスが一本で掲載されているのに対して、高島屋、阪急阪神ホールディングスは各別掲されている。

 高島屋の今次報告(SANARI PATENT要約)は、「消費者マインドの冷え込みに、雇用や所得への不安、株価下落による資産価値の低下、少子高齢化社会および将来生活への不安などが重なり、個人消費の低迷が続いている」と先ず述べたが、先日、新宿高島屋に出店したユニクロの例のように、消費者ニーズに適合して売上高著増の小売業態も相当数あるので、消費者ニーズへの敏感な適応が今後の課題と感ぜざるを得ない。「高島屋は、新成長戦略を策定し、設定した目標達成に向けて、営業・経費・グル-プ構造改革を推進し、経営体質の強化を図ると共に、地域性や価格を重視した営業力強化に努めたが、現下の不況に加え、消費構造の変化への対応が十分でなく、主力の国内百貨店を始めとする高島屋グル-プの連結業績は減収・減益という厳しい結果となった」旨、率直に認めているので、発想の転換を切に待望する。

 例えば、クロスメディア事業については、「2009-09に営業力強化と経費構造の抜本的見直しに向け、通信販売事業とオンライン事業を統合し、クロスメディア事業部を新設した。新体制のもと、インターネット販売・テレビ販売の売上高は前年を上回ったものの、主力のカタログ販売の不調が続き、売上高は前年を下回った」と述べているが、カtログ販売には「高質・低価格」という消費者ニーズに呼応していない部分も見受けられる。

 タカシマヤ・シンガポール、上海高島屋(2012)など、中国・アジアへの展開にも、一層の積極性を発揮されたい。先ず、国内店が「カワイイ」感性に満ちていることが必要である。

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2010年5月 1日 (土)

Victories of Bio-Tech, SUNTORY’s Blue Rose vs. KTIN’s Alcohol-Free 

サントリー「青いバラ」の遺伝子組換と、キリンの「キリンフリー」のバイオイノベーション

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 サントリーとキリンの業務提携案は現在、実を結んでいないが、サントリーの遺伝子技術やキリンの新ドリンクバイオ技術は、見事に結実してデフレ超克の模範とされている。サントリーの最近の特許公開発明「変異ILV遺伝子及びその用途」(公開日2010-02-04)は、優れた風味を有する種類製造のための醸造酵母に関する発明だが、サントリーの遺伝子組換技術が既に華やかに開花したのは「青いバラ」や「青いカーネーション」で、通常のバラやカーネーションの3~10倍の価格で完売中の模様である。また、キリンの最近の特許公開発明「乳入り食品用乳感増強剤」(公開日2010-03-18)は、ビール醸造工程から回収された酵母をアルカリ水溶液により洗浄処理して脱苦味するもので、アイスクリームやヨーグルトなどの味覚・風味を優れたものとする発明だが、味覚・風味関係では、時流に最適応する「ノンアルコール・ビール」の開発にキリンが先駆し、先日(2010-04-29)のテレビ東京でも、その開発過程と目覚ましい成果が、半ばはトップ俳優によるドラマ演出、半ばは女優に勝る美貌のキリン女性研究開発者出演によって詳細実演され、一層の普及と国民健康に貢献することとなった。

 なおサントリーは、「青色色素を含むキクの開発に成功」と発表し(2009-0914)、高解像度画像をHPで提供しているので、今秋には収益上も開花するかと思われる。

 一方キリンは、「2009-04発売以来大好評の世界初のアルコール0.00%のノンアルコール・ビールテイスト飲料キリンフリーの新CM「ドライバーをフリーに」を、2010-04-03から全国で放映開始し、キリンフリーで、あらゆる生活シーンを応援する意気込みを示している。

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