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2009年4月30日 (木)

Legal System For Contents Transaction 

経済産業省「コンテンツ取引と法制度の在り方研究会」(2009-05-11予定)

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT

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 経済産業省(担当:商務情報政策局情報国際企画室)の標記研究会が予定されているので、前回(2009-01-22)の検討内容(SANARI PATENT要約)を考察しておく。

1.      デジタル化等の環境変化の中で、これまで以上に視聴者のニーズに応えていくことが、「流通する思想・情報の質・量の最大化」を図ることになる(SANARI PATENT考察: 当面、「ブック検索」が円滑に行われるよう、米国著作権法と同様のFair Use規定を早急に確立すべきである)。

2.      情報の送り手に、情報の送り方に関する独占権を与えることで、対価を徴収する機会を認めたというのが、著作権法の基本的な立て付けであり、情報の受け手であるユーザーには情報を享受する自由があるということが、元々は前提とされていた。

3.      技術的手段を回避する視聴者の行為を、予め規制すること等により私人の自由を制限することに対しては、憲法上の観点からも慎重でなければならない。

4.      技術の発達により、公私を区別するメルクマールが、家庭内といった領域的なものから機能的なものへと変化しており、その合理的な制度設計が課題となる(SANARI PATENT考察:「私」の概念が基本的に変化している)。

5.      無反応機器規制(SANARI PATENT注: 著作権法および不正競争防止法で、コピー制御信号を外すことについて、は権利侵害であると規定しているが、無反応機器はコピー信号を外すのではなく、コピー信号に反応しないだけなので、規制はできないという問題意識)には、そもそも「手段の合理性」が欠如しているおそれがある上に、番組が視聴者に到達すること自体の重要性も踏まえれば、専ら基幹放送を年頭に置いた無反応機器規制 には、憲法上も疑義がある。

6.      ユーザーが求めているのはコンテンツの永続的選択可能性であり、自分で購入したコンテンツを多様なメディアに複製して楽しめるという当然のサービスが十分に実現していないことが、不正流通に人気が集まる背景にある。

7.      不正流通については、被害とプロモーションの両面がある。契約等によるスキームで調整可能である(SANARI PATENT考察: 調整事例を集積し、利益・プロモーションの両立を促進すべきである)。

(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)

 

2009年4月29日 (水)

China IT Security System Commented by METI 

中国ITセキュリティ製品強制認証制度

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT

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 標記について、27日の経済産業省記者会見で、望月事務次官は次のように応答した(SANARI PATENT要約)

Q1 中国のIT製品強制認証制度について、現時点では中国側の動向をどのように把握しているか。

A1 具体的に新しい動きがあったのではないが、非常に関心があるので、その時々で中国側の本問題に対する姿勢を聴取している。最近の時点においても、当初彼らが提案しようとしていた話については、各国から相当激しい反発を受けて、彼らの中で再検討しているようだが、いずれにしても、現時点でも強制認証制度というものを導入するという点については諦めていないようである。

 ただ、その強制認証制度の中身がどういうものかについては、今後先方から開示があるということなので、そこを見てみないと事柄の深刻さは評価できない。ただいずれにしても経済産業省としては、このソフトウェアの特にセキュリティ製品についての強制認証制度を導入するということ自体が、問題が非常に多いと思っているので、その辺についてはいろいろな機会に中国側に対して、中国のためにもならないと思うということを伝えているが、それ以上の進展は今のところないようである。

Q2 5月1日付で公表するという方針ではないのか。

A2 そういう情報が流れているが、見てみないと分からない。ただ、そいうような説明があったことは事実である。ただし、その中身も分からないから、現在では実施時期も不明であるし、強制認証制度の中身も先方が検討中ということで、前回の話は一応ステップバックしたいみたいになっている。中国側に対しては繰り返して、こういったソフトウェア、しかもセキュリティ製品についての強制認証制度というのは、製品市場における取引自体から考えても成り立たないというように繰り返し言っている。一回認証したとしても、例えばセキュリティ製品は、しょっちゅう作り直さないと破られる。作り直す度に認証を受けなければなときに期間がかかるということになってしまって、その間、市場でその製品は売れなくなるということ自体もあるし、あまりそういう意味ではぴんときた制度ではないと思う。しかし、やめたという話はきておらず、お互いにとって取引の円滑を阻害することを各国とも危惧している。経済産業省としては油断せず、問題点を指摘し続けるが、5月1日が過ぎたら何かとんでもないことが起こるという意味での期限とは思っていない。

SANARI PATENT所見

 中国政府がソフトウェアセキュリティ製品の強制認証というような制度を発案した心情を、理解することが必要である。

(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)

2009年4月28日 (火)

Prof. M.KANEKO Quotes Wells Fargo Account Settlement 

被害軽減政策と成長軌道政策の両面整備

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT

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 参議院経済産業委員会(2009-04-16)における対参考人質疑のうち、JFE・経団連の山崎敏邦氏の応答(A1)に続いて、慶大・金子 勝教授の応答(A2)を考察する。

A1(承前2009-04-27記事)金融商品をコントロールする仕組みが必要で、評価できる仕組みがない限りは、そういうものが金融商品として売られることがあってはいけないと考える。どのように規制すればよいのか、私自身には今確たるものはないが、議論して制度化されたい。

 当面の金融面では、昨年来、実はマーケットが混乱して、長期資金も短期資金も社債も銀行借入も、全てとれない状況だったが、CPを政策投資銀行が買うというような対策により、昨年12月、今年3月を対応し、倒産件数は若干多いがそれなりに乗り越えた。

 連休期間に各社の決算発表が出揃い、格付けが下がる可能性があるが、そこからマーケットがシュリンクすることもあり得るので、改正産活法の早期機能を望む。

Q2 危機を危機だと思っていないことが危機であるという指摘をされたが、GDPの成長率を見ても日本は年率換算マイナス121%となっていて、欧米各国より遥かに大きな落ち込みをしている。今次産活法改正案は、この視点に即応するか。

A2 経済の落ち込みが長引いた場合にも、実際に被害を少なくする政策と、将来に向かって新しい成長軌道に乗せる政策の両方を、今の時点で整えておく必要がある。(SANARI PATENT考察: 今次改正法は、近い時点における後者の効果の発現によって、前者の被害を救済する効果を、オープンイノベーションの支援によって実現するものと解する)。

 日本経済の落ち込みは非常に大きいが、米国の金融処理が極めて日本に似てきた。時価会計主義の適用を見送り、ゴールドマン・サックスもニューヨークタイムズによれば12月の決算を飛ばしているとのこと。ウェルズ・ファーゴも評価損の計上を遅らせ、表面上非常に会計を良く見せているという。(SANARI PATENT考察: ロイター情報等を総合考察する必要がある)。ずるずるとした公的資金の投入となり、 不良資産の買取が続けられる可能性がある。

(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい) 

2009年4月27日 (月)

JFE Director T.YAMAZAKI Opines on Current Finance Crisis 

参議院経済産業委員会(2009-04-16)におけるJFE山崎敏郎氏の応答

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT

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 重要法案の審議に際しては参考人意見の聴取が行われるが、意見表明に対する議員との質疑応答に、始めて問題の核心が摘出される場合が多い(当初の意見表明が公式的であるから)。

 標記JFE山崎氏(経団連金融制度委員会企画部会長)の産活法改正に関する応答も、この意味で記録すべきである(SANARI PATENT要約)

Q1 今次世界金融危機は、市場経済、特に金融のビジネスメソッドの自由放任に起因し(SANARI PATENT注:「金融工学」という科学的装いを信頼したことが反省されている)、今後は国際社会で監視することが重要と認識されているが、金融業界はどのように在るべきか。

Q1 今まではいわゆるマーケットで決めるものが何でも正しいとされ、世の中全体がそれにある部分信認を置いていたことは事実である。

 確かにマーケットで決まったものは正しいが、そのマーケットに参加している方々のビヘービアはフェアであるかといえば、簡単に言うと自分さえ儲ければいいんだと思っている人の行動で、実はマーケットが出来上がっていたというようなことが今までを振り返っての反省点と思う。

 サブプライムローンを証券化して売るというのが適例で、お金を返せない人にお金を貸すこと自体、本当はおかしいわけだが、それを分からなくして売ってしまって、自分はそのリスクから逃れて、それで他人にリスクを押し付けた。買った方は、どれだけリスクがあるか測りようがないというのが現実に起きた。そういう取引がまかり通っていて、逆にそういうことをした人が多額の給料を貰う仕組みに今までなっていたことは、やはり問題だった。

 そういう意味で、基本的にそういうことをコントロールするような仕組みがどこかになければいけない、しかも今はボーダレスだから米国でそういうもの(SANARI PATENT注:ここでは金融商品)を作ってそれを世界中に売ってしまうから、日本で買う人はそれがどういうものか実はよく分からないで、利回りが高いから余資の運用でただ買うことになった(SANARI PATENT注:「余資 」といっても、例えば大学学校法人の施設拡充準備金の待機額など、利殖による増殖を企図したのが逆転し、必須資金を喪失した事例が数件報道されている)大学の基金でもそうだが、本当のリスクを測りようがなかった。(以下次回)

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2009年4月26日 (日)

Capital Policy in the New Industry Revitalization Act 

産活法改正による対象企業規模の拡大

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Sub Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat  イオン連結売上高5兆2307億円の業容

 改正産活法の再改正が議員立法で行われるが、産活法の対象が大企業に拡大してゆくことに、今次経済危機が反映している。

3(経済産業事務次官)(SANARI PATENT要約)(承前2009-04-25記事)必ずしもベンチャーというわけではないが、例えば企業の中で、本来選択と集中をしていた範囲から外れていた技術のネタのようなものがあったものについて、それであれば他の企業の力も借りて、それを実現・商業化・発展させていこうというトライについて、今次改正法は対象にしようとしている。現在のような厳しい経済事情になると、大胆に切り分けして、他の企業の活力も借りて伸ばしてゆくことも起こるので、資金規模のオーダーも変わってくる、そのような必要にも対応できるようにすることが望まれているという議論と思う。(SANARI PATENT考察: 要するに、構造変革的な今次経済危機に対応して、選択と集中が企業規模のいかんを問わず業界編成の革新という構想で実現されることになるので、産活法に基いて供給されるべき資金規模・資本規模も、必然的に拡大するという論旨と解する)。

Q4 それはかっての産業再生機構と似ているようなイメージがあるが、そこは違うか。

A4  かつての産業再生機構は、いずれかといえば債務の整理が基本にあって、整理したあとに残された分野について、負債の買い入れ処理ということが最大の機能であった。今回はそのような後ろ向きの話ではなく、むしろ前向きに技術のネタを展開していくというのが、今回の革新機構の基本的な発想である。

Q5 今の応答では、どちらも産活法のスキームに入ることになるが、革新機構のスキームと出資・融資のスキームと組み合わせるようなこともあり得るのか。

A5 どういう事態が生ずるか、全てを予測することは難しいが、基本は、ある企業の立ち直りのために今問題になっている金融が混乱したことに伴って、自己資本が毀損(SANARI PATENT注:原文は「棄損」)していて、融資では対応できないから出資しようという、どちらかというと本体の問題に対して、これに対応するためにやろうというのが多いと思う。

 片方の話は、そうではなくて、切り分けて他の企業の力も借りながらという革新機構の機能は、もともとこの中に入っていたが、それが今次経済危機の事態に至って大胆に行われる可能性があるから、資本規模を増やさないと対応できないという議論である。企業の枠を超えてやる場合か、企業自身の自己資本毀損に対応していく話なのかは、最も分かり易い違いである。ただし、具体的なケースで、必ずしも2分法に当てはめ難い場合もあり得るが、基本的考え方は、2分した位置づけに適したものでなければならない。

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2009年4月25日 (土)

METI Vice Minister Mochizuki Comments on Revitalization of Industry 

改正産活法の改正法案、商工中金の民営化など、経済産業省記者会見

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 改正産活法の適用候補として、日立製作所、東芝、エルピーダ、パイオニアなどが既にマスコミに登場し、経済産業省の記者会見(2009-04-23)も質疑が多岐豊富であった(以下SANARI PATENT要約)

Q1 改正産活法が昨日(2009-04-22)成立したが、産業革新機構についての改正を、与党から議員立法で行うようであるが、議員内閣制との関係など、どういう経緯か。

A1 議員内閣制の在り方については、コメントすることが難しいが、今次改正産活法で、産業革新機構の資金規模を拡大するために、政府保証を可能にしようという規定が関係している。これは、今回の法案審議に際して産業革新機構の出資規模は400億円程度と決められたが、これでは不足するという議論が与野党間に多く、与党側議員により、政府保証の追加を議員立法の中に入れるという結論に達したと承っている。

Q2 出資規模が8百数十億というのに対して、政府保証が最大8000億といわれているが、10倍の規模があって、そもそも資金規模が相当大きくなると思うが、今まではiPS細胞というような革新的企業を支援するというような位置づけであったと思うが、これだけ資金規模が大きくなると、そもそもやることが違ってくるのではないか。

A2 特に今回の議員立法の提案の趣旨が、事業再編による革新的技術の現実化という、もともとの産業革新機構の発想に加えて、事業再編によってそういう技術をコアにしながらも、この経済危機に対応するという面も活用できるのではないかということもあって、そうなると技術の芽をコアにだけして、それでイノベーションのために、ある技術の発展のために必要な資金をそこに投入してという規模に比べれば、少し大きい需要が出てくるのではないかという可能性もあり、大きい構えでやった方が良いのではないかという議論になったと思う。

Q3 今まではベンチャー企業みたいなことをイメージしていたが、上場企業など大企業も対象になり得るということか。

A3 必ずしもベンチャーというわけではない。(以下次回)

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2009年4月24日 (金)

G7 vs.G20 : Which is the Motive Power of Economic Recovery ? 

両会議合意(2009-04-25)における中国・インド

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT

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 G7G20の存在意義が比較される趨勢にあるが、中国の内需が自動車、TVその他家電に対する政府補助を契機として、日本製品を含めて急速に伸長していることなど、G7外の新興国が世界経済回復を起動する気配が強く、米国財務長官がいう両者のComplimentary(補完的)関係も、考察の視点を変える必要が見え始めた。

 GDP比重がしばしば引用されるが、統計技術上、必ずしも的確とは言えない。しかし目途として見ておく必要はあるから、まず名目GDP(単位10億ドル)で構成比を見る。

     2003       2007

世界  37,076.9    54,686.0

日本    4,226.8     4,374.9

米国    10,900.6    13,768.3

カナダ     852.8     1.420.5

英国     1,816.7     2,786.4

イタリア 1,520.2     2,076.2

ドイツ   2,447.1     3,332.8

フランス 1,816.7     2,660.8

G7 計 23,580.9    30,419.9

G7の対世界比率は、63.6%から55.5%に低下している。

上表にG20を付加する。

   2003       2007

G7     23,580.9    30,419.9

中国     1,631.4     3,387.4

インド     593.2     1.147.4 

韓国       593.2       983.4

インドネシア

           222.5       437.1

ロシア     444.9       1,311.3

アルゼンチン

           111.2         273.2

ブラジル   556.2       1,311.3

メキシコ   630.3         874.2

EU(除G7

          3,781.8       5,572.9

トルコ      222.5        491.7

サウジアラビア

            222.5        382.5

南アフリカ  148.3        273.2

オーストラリア

            556.2        928.8

G20   33,295.1      47,531.1 

G20合計の比率は90%弱で推移しているが、これは日本や米国の比率が低下しているためである。

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2009年4月23日 (木)

Suspending Function of Patent Discussed at JPO 

特許権の効力に関し、差止請求権の在り方

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT

Hub Site http://sanaripatent.blogspot.com/  日立製作所川村社長・社会インフラの原点

Sub Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat  大学学部新設の著増

2-1(承前2009-04-22記事)特許権の効力の現状

2-1-1 特許権の効力として、特許発明の独占的実施権(積極的効力)および、他人の実施の排除を実現できる差止ないし廃棄請求権(消極的効力)がある。オープンイノベーションの進展に伴い、製品に対する寄与率が小さい特許の侵害についても差止が認められ、製品全体の生産ラインが停止するような権利行使が許容される可能性がある。従って、差止請求権がイノベーションに及ぼす影響を懸念する意見がある。

2-1-2 このような知的財産をめぐる環境の変化に伴い、強力な排他的権利である特許権の効力の在り方について、何らかの見直しをすべきであるとの指摘がなされている。

2-2 特許権の効力に関する論点

2-2-1 差止請求権の在り方

 現在指摘されている特許権の効力をめぐる問題は、主として差止請求権に起因する。従って、例えば差止請求権に何らかの制限を設けるべきか、検討すべきである。

2-2-2 金銭的填補の在り方

 差止が制限される場合に、その制限の後に特許権者の意に反する特許発明の実施が他者によって継続的になされると、特許権者の利益が不当に損なわれる。このため、差止請求は棄却しつつも相当の金銭的填補を伴わせることも考えられるが、これは侵害裁判所による特許発明の事実上の強制実施許諾を意味する(SANARI PATENT考察:「侵害裁判所による」という点に問題があり、本来は特許庁が行使すべき裁定実施権制度を、実際上発動した事例が皆無であることに先ず検討の焦点を向けるべきである。この検討は別途予定されている)。

3.試験研究について特許権の効力の例外

3-1 特許権の効力の例外範囲である「試験または研究」の範囲の明確化(特許性調査、機能調査、改良発展目的に限定など)や、拡大の必要性について、イノベーションを促進する観点から検討する(SANARI PATENT考察: 医薬品について、特許期限の到来期とジェネリック開発との関係上、特異な課題が存する)。

(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)

  

2009年4月22日 (水)

Effects of Patent Rights are Enlarged 

特許権の効力の地理的拡大

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT

Hub Site http://sanaripatent.blogspot.com/ 「社会インフラが原点」と日立・川村社長 

Sub Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat  起業家教育ネットワークを経済産業省が開始

1-2-4(承前2009-04-21記事)標準規格に含まれる必須特許について差止請求権や高額のライセンス料が請求された事例として、Australiaの公的研究機関SIRO(Common-wealth Scientific and Industrial Research Organization)に関するものがある。

 CSIROは米国において、日本のPC周辺機器メーカーであるバッファローを被告として、「バッファローはCSIROが有する無線LANの標準規格IEEE802-11を侵害していると提訴した(米国Texas州東部地区連邦地方裁判所)。第一審ではバッファローの特許侵害がSummary Judgment(略式判決)で認められた。なお2008-09、連邦巡回控訴裁判所(CAFC)(SANARI PATENT: わが国の知財高裁にほぼ相当)における控訴審では、この特許の非自明性(進歩性)の判断について重要な事実に関する審理が尽くされていないとして、事件は地裁に差戻された。この特許(3438918)はわが国でも新奇性・進歩性を欠き無効とされた(2008-12)

1-3 特許権の効力が及ぶ範囲の拡大

1-3-1 通信・交通手段の進歩や通商関係諸条約の整備に伴い、企業活動の範囲が劇的に広がり、越国境の取引活動や技術提携、標準規格、パテントプールの国際化を容易にし、それが企業活動のさらなるグローバル化、イノベーションのオープン化を促進するという循環を成立させている。

1-3-2 その結果、特許が企業活動に与えるインパクトは、現行法の制定時と比べて極めて大きなものとなった。従って、特許権取得のインセンティブが高まると共に、特許権の行使を受けた場合には損害賠償の支払いや製品の生産ラインの差止による損害が多額になる可能性が高まった。

1-3-3 以上を総合すると、イノベーションの促進に対して直接的に影響を及ぼすのは、特許権の効力に係る側面である。そこで先ず特許権の効力について包括的な検討を行うが、さらに今後、特許の保護対象についても検討する必要がある。

2.特許権の効力に関する検討

2-1 特許権の効力の現状(以下次回)

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2009年4月21日 (火)

Various Patent Owners Acts in Various Manner 

多様な特許権利主体からの多様な権利行使の影響

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Sub Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat

1-1-4(承前2009-04-21考察記事)「知的財産に関するリスク」については次のような記述が一般的である。

「特許の不成立や特許成立後の無効審判、または取得した特許を適切に保護できない場合、想定より早く他社の市場参入を招き、売上高が減少する可能性があります。」

1-2 多様な権利主体からの権利行使の影響

1-2-1 高度な技術を数多く含んだ製品を生産・販売する事業者は、その技術分野に関係するあらゆる特許権との関係に留意し、必要に応じてライセンス許諾を受けることが必要な状況になっている。

1-2-2 さらに近年のイノベーションの態様の変化により、製造・販売など市場展開までの事業は実施せず、研究開発のみを行う大学・研究機関や、特許権多数を獲得して権利を行使するファンドなどの事業者が生まれている(SANARI PATENT考察: 米国ではPatent Promoterと呼ばれる特許権取得促進業者も出現し、出願代理人資格を取消された例も見られる)。このような権利者は、製品を生産・販売する事業者からライセンス料を獲得し、さらなる研究開発の実施や特許権の獲得を行うというビジネスモデルを用いており、Cross licenseを活用する必要もない。自らは他者の特許権侵害を問われることがないため、他者に対しては特許権を躊躇なく行使することとなり、その結果、事業を実施している。事業者のリスクが高まっている。

1-2-3 特にIT分野など一つの製品に含まれる特許権数が多い分野では、全ての関係特許権について許諾を受けることは難しく、このような問題が起きやすい(SANARI PATENT考察: この局面において特許権制度はイノベーションの阻害要因となっている)。また標準技術においては、標準規格が策定される前に標準団体が規格に含まれる特許(いわゆる必須特許)によるパテントプールが形成されるが、このような必須特許をめぐり、差止請求権の行使や法外なライセンス料の請求がなされる事例が出ている。

1-2-4(以下次回)

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2009年4月20日 (月)

Environment of Patent Rights are changing 

「特許権の効力の見直しについて」(特許庁2009-03)の考察

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT

Hub Site http://sanaripatent.blogspot.com/  G7G20の相互補完

Sub Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat  電力ネットワークの全体最適化

 Pro-PatentPro-Innovationの関係が十分に整序されないうちに、今次経済危機に際会し、知財立国・特許戦略の実効性を検証できない状況に在る。しかし特許制度見直しの必要性は恒常的であって、標記資料もそのためにまとめられているので、内容(SANARI PATENT要約)を考察する。

1.      知的財産をめぐる環境変化

1-1     イノベーションの態様の変化: 

1-1-1      50年前に現行の特許法が制定されて以来、経済のグローバル化や情報技術の進歩、M&Aの活発化などを背景として、知的財産制度の環境は大きく変化した。例えば、情報技術・機械分野では、技術が高度化・複雑化するなかで、一つの製品にとって多数の特許が必要になっている。また、それらの特許が複数の企業により生みだされ、相互に利用する「イノベーションのオープン化」が進んでいる。

1-1-2      また従来、知的財産は、企業の自社研究開発成果保護のため利用されてきたが、近年、大学・研究機関・ベンチャー・中小企業などの研究開発成果を、第三者が活用してビジネス展開するためのツールとして利用したり、IT分野の標準技術を一体的に保護するためにパテントプールを形成するなど、活用形態が大きく変化している。

1-1-3      活用形態の変化により、企業や大学等の研究機関が外部の知識や技術を活用する機会が増え、社会全体がイノベーションの進展による多大の恩恵を受けている。しかし同時に、研究開発の過程で(SANARI PATENT注:「実用」の過程も含むと解する)外部の権利者から権利行使される可能性も増えている(SANARI PATENT考察:「可能性」ではなく、「現実性」であるのが「パテントトロール」の問題で、オバマ米国大統領の就任前演説にも特許訴訟のムダを排除するために、特許の質を向上させるべきことを指摘した箇所があるが、「質の向上」の実質が課題である)。

1-1-4      この結果、強力な排他的権利である特許権が行使されることによる影響が、様々な側面で、現行特許法制定時に想定されていたのと比べて極めて大きくなってきている(SANARI PATENT考察: 最近の会社業務報告書には「知的財産に関するリスク」を明記しているものが多い)。(以下次回)

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2009年4月19日 (日)

Reported Merger of Renaissance Technology and NEC Electronics

ルネサンステクノロジーとNECエレクトロニクスの合併効果など

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT

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Q3(承前2009-04-18記事)ルネサンステクノロジーとNECエレクトロニクスが合併すれば世界第3位の規模になるが、その規模では、まだ小さいと考えるか、十分と考えるか。

A3 それは「多々益々弁ず」と思う。特にLSIの分野は日本でも企業数がやや過多だから、それなりの集約が必要としている経営者もおり、工夫しなければならないが、適正規模の在り方は、相互の競争関係によって定まる。

Q4 エルピーダについては、最終的には企業がどのように要請するかによると思うけれども、政府としては産活法などを含む数々の支援の対象となり得る、産業政策として重要として支援の用意があると認識していると解してよいか。

A4 「対象となり得る」と「用意がある」とでは、随分差があると思うが、エルピーダ自身は社長が予てから、産活法改正がいま国会に提出されているような形で成立した場合には申請したいと言っていることを、承知している。現段階では、申請が改正法所定の要件に合致するか、審査してみないと分からないとしか言えない。ただし、半導体産業という観点からも、これを活用する需要産業の観点からも、1社のみのDRAMメーカーの存在は、全体のサプライチェーン考えて、経済産業省から見ても重要な企業である。

Q5 別件で、来る26日の産消会合では、何を話し合うか。日本としては、どういう主張をするか。

A5 一般的な議題の打合せは済んでいると思うが、バイの会談ではないので、それぞれの加盟国の利害がかなり分かれていると思う。元来産消対話というのは、産油国・消費国間の市場需給に関する理解を促進し、基本的には局級や価格の安定化図るのが狙いで、市場の透明度を高めるなど様々な努力をしてきたが、それらを深めるためには随分役に立った会議である。今回も非常に重要な会議であると思う。前回に比べれば、価格の乱高下が安定してきている時期に、中長期の原油需給、その結果としての価格形成についての共通認識を深めることは、冷静に議論できる良い時期として意義深いと思う。

 例えば前回、原油価格が150ドルになって、一体これは誰の責任かというような応酬が行われることが多かったが、今度はもっと落ち着いた議論ができると思う。

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2009年4月18日 (土)

Current Problems Including Semi-Conductor Commented by METI 

半導体関連その他、諸般の当面諸問題について経済産業事務次官

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Hub Site http://sanaripatent.blogspot.com/  エーザイの新興国展開

Sub Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat  知財高裁、横浜ゴムの請求を認容(審決取消04-15)

ビジネス 望月経済産業事務次官の記者会見(2009-04-16)応答の内容は多岐にわたったが、以下に要約する。

Q1 エルピーダに関して、14日に経済産業省の幹部が台湾当局を訪れ、日・台にまたがる形での再編に関しては両国が指示することを確認し合った。支援を最大限行う旨を表明したと聞くが、オフィシャルに現状の考え方、支援の報告性(SANARI PATENT注:「報告性」の意味は不明)を質問する。

A1 エルピーダについては、国際的に非常に激しい半導体不況の中で、将来の持続可能性のために、経営の刷新・連携というようなことを様々にやってゆかなければならないことのが、恐らく世界のメーカーの課題と思う(SANARI PATENT考察: 例えば東芝について、同社は、原子力発電と半導体の二本柱であるが、資本増強策が急務であり、事業会社でも公的資金を使うことができる新制度を含めて、あらゆる選択肢を排除しないと、連結純損失3500億円発表(2009-04-17)において言明している)。その中で、予てから色々関係があった台湾との連携が双方から持ち出されたことは歓迎すべきである。特にDRAMSANARI PATENT注:Dynamic Random Access Memory: nikkeibp 2009-04-

 10は、再編に向けて動いている台湾DRAM業界だが、技術パートナーをエルピーダに決定したと発表した旨、報道している)の分野では、エルピーダはわが国唯一のメーカーになっているから、そのユーザーとの関係を考えると、エルピーダの持続可能は政府の産業政策上も重要な位置づけになる。     

 台湾のメーカーが窮乏して、台湾政府がそれを支援する姿勢を明確に表明し、かつ、日米のメーカーに対して連携を打ち出している中にあって、エルピーダ

が台湾側と行っていることについて、日本政府としても歓迎することを、台湾政府に伝えることは非常に適切と思う。

Q2 産業的に関連して、ルネサンステクノロジーとNECエレクトロニクスの統合について、コメントがあるか。

A2 それぞれの会社からは、特段何ら決定していないというコメントを出し、経済産業省が事実関係について言及する立場にないが、いずれにしても、半導体産業は経営の曲がり角に際会しており、経営革新は必然的である。(以下次回)

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2009年4月17日 (金)

Japan Hewlett Packard’ Key Word “Made in Tokyo” 

経済産業省が対日直接投資企業の事例調査

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Hub Site http://sanaripatent.blogspot.com/

Sub Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat  来年APEC首脳会議(横浜)

  

 標記調査については上記Hub Siteご参照。Japan Hewlett Packardについては次のように述べている(SANARI PATENT要約)。

1.      日本国内で作るよりも海外生産が安いというモノづくりの常識を覆して、世界シェアトップのHewlett PackardSANARI PATENT: この箇所の原文記述は不正確である)は、日本市場向けのデスクトップパソコンを東京において1台ずつ手作業で生産している。この東京生産のPCには「MADE IN TOKYO」のラベルが貼られ、産地直送で顧客に送られている。詳しくは、

1-1     なぜ、東京でPCを生産するのか:

 日本HPの東京・昭島工場では、一日最大約500台のPCが手作業で組立られている。東京でPCを生産する理由は、メモリの大きさや処理能力など、1台ごとにカスタマイズされたPCを生産するCTO(完全注文仕様生産)の実現にある。それまで日本HPでは、予め販売台数を想定して中国で生産していたが、想定販売台数に満たないと在庫が発生し、PC価格が下がることにより在庫価格も低落し利益率が落ちることが大きな課題であった。世界一品質に厳しい日本の顧客の要望に応えるため日本HPが選択したのが、顧客に最も近いPCメーカーになることであった。

 CTOとは、顧客の要求仕様に合わせた製品を生産する方式であり、顧客の期待に応えるため日本HPでは、注文から製品が届くまでの期間を5日間に限定している。

1-2 「MADE IN TOKYO」が低コストである理由

 短納期による在庫コストの削減、海外輸送コストの削減、長距離移動がないため初期不良の低減などが寄与している。

1-3 「MADE IN TOKYO」を宣伝

 東京生産により出荷されるPCには全て、「MADE IN TOKYO」のラベルを付している。日本HPが取組む東京生産は、対外的にはあまり知られていなかったが、現在では信頼性の確証としてアドバンテージになっている。

1-4 日本でモノづくりに取組む意義

 日本HPの挑戦は、徹底したコスト管理により行われている。これは品質を削らずに効率化することであり、HP社内の世界会議でも「ジャパン ユニーク」と評価されている。

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2009年4月16日 (木)

International Competitiveness From the Viewpoint of Patent

 特許から見た日本の技術競争力

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1.      特許出願技術動向調査報告の副題

1-1      特許庁は「平成20年度特許出願技術動向調査の結果」について発表したが(2009-04-15)、副題は「特許から見た日本の技術競争力: Part 1 環境・エネルギー分野など」と示されている。その説明として、次のように述べている(SANARI PATENT要約)

1-2      特許庁は上記調査(12テーマ)を実施した。第1弾として「太陽電池」「電気推進車両技術」「バイオベースポリマー関連技術」「インターネット社会における検索技術」「ネットワーク関連POS」「情報機器・家電ネットワーク制御技術」の6テーマについて公表する。

1-3      特許情報は、企業や大学等における研究開発の成果に係る最新の技術情報および権利情報であり(SANARI PATENT考察: 特許情報と並んで、「ノウハウ」が、企業の秘匿情報として極めて重要であることも併記すべきである)、特許情報の分析に基づく技術動向調査は、先端技術分野等の出願状況や研究開発の方向性を明らかにし、企業や大学等における研究開発テーマや技術開発の方向性を決定する上で極めて有効である。

1-4      この調査結果については、今後、特許審査の基礎資料として活用すると共に、企業や大学等の研究開発戦略策定の際の検討用資料として、また、産業政策、科学技術政策の基礎資料として、産学官に広く情報発信してゆく(SANARI PATENT考察:「産学官」は、わが国の産学官を意味しているが、出願公開が外国企業によって広く活用され、新興国の国際競争力をわが国以上に高める要素になってきたことにも注目すべきである)。

2          報告の概要(SANARI PATENT要約)

2-1      特許庁では、第3期科学技術基本計画(2006-03閣議決定)において重点4分野および推進4分野と定められた8分野(ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー、材料、エネルギー、ものづくり、社会基盤、フロンティア)を中心に、今後の進展が予想される技術テーマを選定し、内外の特許情報を基に、多面的に技術動向を分析した特許出願動向調査を実施している。平成20年度は12テーマについて実施したが、今回公表する6テーマのポイントは下記の通りである。(以下次回)

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2009年4月15日 (水)

Schedules of Economic Diplomacy 

アジア産消国閣僚会議(2009-04-26)および日中高級事務レベル定期協議(2009-0-20)

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Sub Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat  Walker商標判決

 望月経済産業事務次官の記者会見(2009-04-13)の応答から要約する。

Q1 4月26日にアジア産消国閣僚会議が開催されるが、日本が主催国、共催国として、どのような議論をするか。

A1 アジアの産消対話を東京で行うが、消費国と産油国がそれぞれ共に主催者となって、共催で行う。今回は1年ぶりになるが、この間に原油価格を中心として資源価格の乱高下があったので、情報の透明性、取引の透明性、必要な投資が安定的に行われるための条件整備など、多様な問題が共通の課題として深く認識されてきたから、今、原油価格が少し落ち着いている状況のもとで、これら課題を議論することは非常に大切と思う。

 前回は乱高下の激しい時期に際会し、その原因が誰かなどを双方が言い合うような状況であったが、今回は、経験を積んだ上での議論ができると思う。議題は事務的に準備中である。

Q2 来週月曜日の日中協議について。

A2 日本の経済産業省と中国の国家発展改革委員会との間での、特にマクロ経済を中心とする日中高級事務レベルの定期協議を開催することとなり、国家発展改革委員会のマクロ経済運営担当の朱副主任が来日され、私と協議することになっている。タイでの日中間首脳会議は、かなり時間もとれて、世界経済回復における課題に及び、従って、これとも関連してゆくと思う。

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2009年4月14日 (火)

IP Specialists Must Be Well Informed On Capital Policy 

政府保証出資の対象企業要件について衆議院審議

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3 (承前2009-04-13記事)出資支援対策について、中小企業も中堅企業も、場合によっては大企業もという、企業の大きさにこだわらず、国のため、日本の産業のために必要である、あるいはそれぞれの地域のために必要だと思われる企業に対して支援したいと経済産業大臣は述べている。

 認定要件の明確化は必要であるが、先ほどの答弁によれば、雇用規模では5000人、シェアについては応答がなかったが、代替困難な基幹部品の相当割合を供給している企業、シェアで30%から50%、この二つの何れかに属さなければ、申請しても足切りされることになる。

 すると、5000人規模か、シェア30%か、この何れの要件にも該当しない、例えば高い技術力を有するとか、これから確実に伸びる可能性が高いとか、今後の経済成長に欠かせない分野の有望企業とか、そういうケースでこのスキーム使いたくても認定されない場合が出てくる。企業規模と、代替困難な部品のシェアの数字で足切りして大丈夫か、規模とシェアで拾えないケースが出てあると思うがどうか。

A3 企業規模のいかんにかかわらず、その事業主体を守ることは、わが国のため重要であり、またその雇用を維持する課題にとって欠かせない課題である。それら全てのあらゆる規模の企業の資金繰りを国として応援してゆく方針は不変である。

 一方、今次制度は、金融危機により一時的に経営状況が悪化して、融資だけではなく出資が不可欠となっている状態、そういう要件を満たす企業の資金繰り対策として設けるものである。屋内雇用5000人以上の企業だけではなくて、そのような企業に代替困難な基幹部品などの相当割合を供給している企業も含まれる。

 従って、中堅、中小、小規模と、様々な企業の資金繰りについては、この改正産活法の中にも、主に中堅企業を対象とする中小機構による債務保証制度を盛り込んでいる。また中小企業向けには別途30兆円規模の緊急保証やセーフティネット貸付に加えて、中小機構による再生ファンドを通じた出資などもある。これらを機動的に発動する。

SANARI PATENT所見

 中小企業の定義は、常時雇用従業員数と資本金額の両上限の何れか以下である企業として製造、卸、小売、サービス業別に定められ、若干の例外と、小規模企業の別定がみられるが、政策目的に適合するよう、立法ごとに定めることが適切である。

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2009年4月13日 (月)

The Function of The Designated Finance Organizations 

産活法認定企業に対する指定金融機関の出資損失の補填

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Sub Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat  中国の資金需要

 産活法改正の審議が衆議院経済産業委員会で進んでいるが、産活法認定企業に対する指定金融機関の出資に関する損失の一部補填について次のように質疑応答された(2009-04-03)(SANARI PATENT要約)

Q1 産活法の認定企業のうち、政策投資銀行など指定金融機関が行う出資に関し、日本政策金融公庫が損失の一部を補填する、つまり、事業会社に対する事実上の公的資金の投入ではないかと言われている部分について、出資対象企業の要件が質問され、経済産業省は4つの要件を示した。これを確認したい。

A1 第1に、その企業が世界的な金融危機の影響により急激に売上等が悪化し、自己資本が減少しているために、融資だけではなく出資を受けることが不可欠であること。

 第2に、産活法の認定を受けようとする事業計画において、一定期間(原則3年)内に、その企業の価値向上が見込まれること。

 第3に、雇用規模が大きい企業、またはそのような企業に代替困難な基幹部品等の相当割合を供給している企業など、国民経済の成長や発展に及ぼす影響が大きいと判断されること、ここで雇用規模が大きいとは、関連下請企業や取引先企業を含めて5万人以上の国内雇用に影響を与えるような、連結ベースで国内雇用5千人以上の企業を想定している。

 第4に、その出資を前提として出資先企業に対して、他の民間記入機関が融資または出資を行うことなどにより、協調して認定計画の実現等に取組む予定であるという、この4つの要件を満たす企業が対象になり得ると考えている。

Q2 二階経済産業大臣は記者会見(2009-01-27)の応答で、対象企業の規模について次のように述べている。「中堅企業ぐらいに焦点が当たっていくでしょう。」

さらに、「もう少し大きいところも考えなければ」と付け足しています。

 この一月末の大臣の認識と、今、経済産業省が改めて応答した要件は少しニュアンスが違うと思う。国内従業員5千人規模以上というのは大企業である。法案を詳細に詰める段階でターゲットが当初から変わったと思うがどうか。

A2 (経済産業大臣応答)一月の時点で精度の検討を始める際で、基準作りが緒に付いたところであったが、私自身の認識として、中堅企業、そして大企業も対象になるという認識は持っていた。国民生活の成長や発展に大きな影響を及ぼす企業が対象になるという基本的な考え方は、当初から変わっていない。

SANARI PATENT所見

 経済産業大臣の記者会見記録は最近、特に迅速に毎回ネット発表され、国政審議に役立っているので、国民全体もPC上で馴染み深く接すべきである。

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2009年4月12日 (日)

TV, Air-Con. And Refrigerator Occupy Over Half of Power Consumption 

エコポイントシステム制度対象を3品目に限定

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Q4(承前2009-04-11記事)エコポイントシステム制度の対象を3品目に限定した要因は何か。

A4 家電における最も電力消費量が多い分野である。テレビ、エアコン、冷蔵庫の3つを足したら過半になるので、あと大きいのは照明が若干あるぐらいで、家電製品という観点から言えば圧倒的に比重の高い分野である。

Q5 エコポイントシステム制度を運営する主体はどこか。今、環境省が実施しているものを使うのか、また別に団体のようなものを作るのか。

A5 また組織を作るというと評判が悪いので、関係者が集まって連携してやるというのだから、メーカーも販売関係の団体も、経済産業省も入っている。先ずは制度設計のための連絡会議的なもので設計し、その後動き出すと、登録システムとか色々と運営しなければならないので、そのためには人やお金などを出し合って仕組みを作ることになろう。

Q6 貯めたエコポイントシステムは何にでも換えられるのか。または、エコ商品にのみ換えられるのか。

A6 基本的には特定の、今の3分野も含めてエコ商品、省エネ商品を買うことだと思う。詳細は未定だが、テレビについて地デジ対応も考えているから、従って、それに寄与するような、例えばアンテナの工事費などが考えられ、検討対象にはなっていると思う。

Q7 新たなシステムを作るとのことになれば、今回2700億円の予算の過半がシステム作りに消費され、消費者に還元される国費は実はそれほど多くないという結果にならないか。

A7 ある程度の経費は必要だが、今の事前警告を傾聴して、必要最小限にとどめる。

Q8 買う側からは、今度のボーナス期に間に合うことが望ましいが、その前に動くか。また、既に買った人達への遡及はどうか。自動車。家電双方の問題として。

A8 エコポイントシステムについて、遡及は難しいと思う。需要の変動に影響しないよう、早く実施しなければならない。自動車についても、大遡及すると問題が大きいから、タイムラグを少なくすることが基本である。

SANARI PATENT所見

 実施の速度を国際競争しないと、BRICs対比でも、わが国が恥ずべきこととなると心配する。中国など行政行動と成果が速い。

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2009年4月11日 (土)

Concerns to Eco-Point System 

エコポイント制度への消費者関心について、経済産業事務次官の応答(2009-04-09)

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Sub Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat  国際航業の太陽光発電

 追加経済対策のうち、特に消費者の関心が高い事項として「エコポイント制度」について、経済産業省記者団の質疑に対し望月経済産業事務次官が次のように述べている(SANARI PATENT要約)。

Q1 エコポイント制度の枠組みをどのように作るのか。いつ頃から実施するか。

A1 制度を創る合意の形成まで、一生懸命やってきたところである。その後の展開は、これから恐らく補正予算を含めて道筋が定まらないと、何時からということは言いにくい。

 しかし、現下の厳しい経済情報のもとで、特にこのような需要部門について直接的な対応策が必要という見地から立案しているので、所要の予算措置が出来上がったら出来るだけ速やかにスタートすべく、意思決定した段階から直ちに制度設計を関係者間で進める。あまり長々と準備していたのでは効果がないと思う(SANARI PATENT考察: 既にNHKTVTV東京など、中国におけるエコ自動車と共にエコ家電の新規購入が、中国政府の財政措置によって品薄状態にまで活況を呈している実況として放映されている。BRICsの回復先行に対して、わが国が回復後進国にならないよう。迅速を望む)。

Q2 環境省が立案している「エコアクションポイント」とは、別のものか。

A2 環境省と経済産業省、それから地デジの関係で総務省と、三省共同で実施する。これまで環境省が推進してきた活動に対して、国費を入れてインセンティブの高いものにしてゆくという観点を、むしろ経済産業省から申し上げて、三省共同で実施することとなった。

Q3 家電の量販店など、それぞれポイントを付けているところもあるが、それとの連関はどうなるか。

A3 家電量販店における販売インセンティブとは別のものになる。エコポイント制度は量販店に限らず家電の販売店全体を取り込んだサポートになる。名前は似ているが、ある特定の製品、省エネ家電とかの特定のものについて言えば、テレビ、エアコン、冷蔵庫については特別なシステムを作って、」どういうルートであろうとメリットがあるシステムを作ろうというものである。

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2009年4月10日 (金)

New Policies for Next Digital Generation 

平成21年度デジタル新時代対策増額予算の執行等

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1 産業構造審議会の予定

 経済産業省産業構造審議会の情報経済分科会第7回基本問題小委員会(担当:商務情報政策局情報政策課)が今月16日に開催される。議題として

1-1     デジタル新時代に向けた新たな戦略(三か年緊急プラン)

1-2     中長期戦略の検討におけるポイント、特に「電子政府・電子行政」および「クラウドコンピューティング基盤」

 などを予定している。

 基本問題小委員会は昨年1125日に新設されたが、今次経済危機顕在化・深刻化の環境のもとで、「現下の世界的な金融経済変動の結果、減速を余儀なくされているわが国経済・産業、地域・中小企業の活性化、さらにはそれを支える情報システムの信頼性向上および地球環境問題への対応に向けた、ITによる取組の強化について、機動的・集中的に議論する」ことを目的としている。その内容としては、

(1)   ITとサービス・コンテンツ融合による新産業群の創出とそのための環境整備

(2)   ITの戦略的活用による産業競争力強化と地域経済の活性化

(3)   情報システムの信頼性・安全性の確保

(4)   地球環境に配慮したIT利活用の推進

(5)   上記に限定せず、時機を得たIT関係テーマ

2 平成21年度予算

  実行可能な既定予算として、商務情報政策局の新年度予算を見ると、

2-1 総額532億円で、平成20年度比20.4%増。以下、内訳を見る。

2-2 新情報サービス産業の創出(ITとサービス・コンテンツの融合による高付加価値サービスの創出)に1045億円(808%)

2-3 つながり力による産業競争力強化について、「企業間情報連携の強化」に7億円(842%)、「戦略的なIT投資の促進」に289億円

2-4 エレクトロニクス・IT・サービス産業の強化について、「グローバルNo.1産業群の実現」に245.1億円(176%)、「サービス産業の生産性向上」に151億円

2-5 シームレスな経済圏の構築に793億円(233%増)、その内訳は国際面で「アジア知識経済化イニシアティブ(日本主導のアジアIT経済圏の構築)」に338億円(397%)、「日本のソフトパワーの国際発信」に227億円(335%増)、国内面で「地域イノベーションパートナーシップ等、地域・中小企業の活性化」に455億円(135%増)

2-6 IT利活用基盤環境整備(以下次号)

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2009年4月 9日 (木)

Prime Minister and METI Minister at East Asia Summit 

週末の東アジアサミットにおける総理と経済産業大臣

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Sub Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat  新宿区の定額給付金

 世界景気の回復が、どの地域から芽生えてゆくか、BRICsという見地もあるが、東アジアという広域も起動点として期待される。この意味で、今週末タイにおいて開催される東アジアサミットについて、経済産業事務次官の記者会見(2009-04-06)応答が注目される。

Q1 今週末、タイで東アジアサミット、どこかで関連の閣僚会合が開かれる予定と思うが、どういう議論に、また、どのあたりが焦点になりそうか。

A1 政治経済全般については別論として、経済産業省関係の経済問題については、基本は今、世界不況のもとで、今後の世界の成長センターという観点からいえば、アジア、なかんずく東アジアが最も可能性を持つと考えている。従って、この東アジアを中心として、ここに参集する参加国が、世界の景気回復のある意味では一つのキーを握っていると考える。

 総理からは、この地域を中心とする「成長の芽」というものを育てるための、様々な提案をすることになると思う。

Q2 経済産業大臣も、総理と同じ日程で行くとのことだが、両者のアジェンダの違いは何か。

A2 経済産業大臣会合を先行し、首脳会合において成果を挙げるようにすることとなろう。経済産業大臣会合が、首脳会合の部分も形成し、特に貿易を中心とすることになると思う。

 なお、上記会見において対北朝鮮の経済制裁について、次の応答があった。

(1)   国際社会の動きなどを踏まえて、総合的に判断してゆく。

(2)   4月13日に期限が来る入港禁止と輸入禁止の措置については、1年間延長する方向で最終調整を進めている。

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2009年4月 8日 (水)

Companies Recognized as Intellectual Property Promoters 

発明の日(2009-04-18)に経済産業大臣・特許庁長官表彰

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今次表彰対象のうちベンチャー的企業について、知財活動の模様を見る。

1 株式会社シード

 シードという社名は、シードという語が知財時代、イノベーション時代、バイオ時代にふさわしいこともあって、多くの会社名として用いられ、識別性が希薄化しつつある。野村証券・東洋経済の会社四季報にもシードの社名が2社掲載されているが、いずれも今次シードとは別の会社である。

 平成21年度の産業財産権制度活用優良企業として、経済産業大臣表彰(特許活用優良企業)を贈ることを発表(2009-04-03)するに際して経済産業省は次のように述べている(SANARI PATENT要約)。

「今次対象の株式会社シードの社長は西岡靖博氏、大阪市都島区、資本金4000万円、従業員82人、設立1915年9月、事業内容はプラスチック字消し、修正テープ、粘土、複合商品の製造販売である。

 受賞のポイントは、プラスチック字消し(1956)、修正テープ(1989)を世界に先駆けて開発・発売した。1989年に特許室の創設を担当した社長(当時は生産部長)は、それ以来、知的財産権に関与し、社長就任後も知的財産に関する豊富な知識、経験に基いた知的財産重視の経営を実践した。」

「積極的に特許出願する技術と、先使用権を活用してノウハウとして秘匿する技術を峻別すると共に、ライセンス供与してグローバルに普及させる戦略と、独占的に実施する戦略を使い分けるなど、特許権を戦略的に活用している。」

「また、講演等を通じて中小企業における知的財産活用の経験を紹介するなど、産業財産権制度の普及・発展に貢献した。」

SANARI PATENT所見

 「シード」を社名とする会社は、いずれも知的財産のシードを開発実用することを志向していると推察され、その成功が望まれる。例えば

(1)  株・シード(HC:  京都・滋賀地域密着型の総合建設会社

(2)  株・シード(JQ): コンタクトレンズ業界の大手

(3)  株・シード(千代田区、2005-11設立、資本金2100万円): メディア運営サービス、マーケティング支援サービス)

(4)  株・シード(茨城県ひたちなか市、1999年3月設立、資本金1000万円):基本ソフトウェアの設計・開発、アプリケーションソフトウェアの設計・開発、ネットワーク構築支援

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2009年4月 7日 (火)

Intellectual Property Prize 2009 Announced by METI  

平成21年度「知財功労賞」発表(2009-04-06):授与は今月18日・発明の日

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  業績は、SANARI PATENT要約。

1 経済産業大臣表彰

1-1 産業財産権制度開発功労者   光石俊郎(弁護士・弁理士): 弁理士の知財訴訟代理権樹立に寄与  

1-2 産業財産権制度活用優良企業等

1-2-1 株・シード: プラスチック字消し、修正テープを開発、ノウハウ戦略

1-2-2 株・ダイマジック: サウンド技術を開発、世界に向けてライセンス

1-2-3 不二製油・株: チョコレート用樹脂で世界高シェア

1-2-4 トヨタ自動車・株: 全世界ブランド戦略

1-2-5 西陣織工業組合: 地域団体商標制度に先立ち西陣商標権を取得

1-2-6 パナソニック・株: ブランドの統合、デザインカンパニーの創設

1-2-7 株・日立ハイテクノロジーズ: 電子デバイス・生命科学で世界先端

2 特許庁長官表彰

2-1 産業財産権制度開発功労者

2-1-1 篭原裕明(前福岡県立小倉工業高校長): 知財権標準テキスト作成

2-1-2 末吉 亙(弁護士):法曹資格取得の教育

2-1-3 杉光一成(金沢工業大学教授): 知財管理技能検定創設

2-1-4 服部 醇(扶桑工機社長): 三重県下の地域産業財産権普及

2-1-5 福島康文(弁理士): 沖縄で知財制度普及

2-2 産業財産権制度活用優良企業等

2-2-1 海洋建設・株: 貝殻有効利用の人工魚礁特許取得し事業化

2-2-2 株・ぬちまーす: 塩のミネラル分を保存した製塩法を沖縄で開発

2-2-3 浜松ホトニクス・株: 光電子倍増菅で世界トップシェア

2-2-4 株・ヒガノ: 都市建築景観製品で中小企業の領域開拓

2-2-5 ホーユー・株: 知財開発によるヘアカラーを全世界に拡販

2-2-6 株・タカラトミー: 全世界優位性保持のため知財権を活用

2-2-7 株・レーベン販売: 生活用品にグッドデザイン賞

2-2-8 財団法人名古屋産業科学研究所: バイオ・医学・化学分野で技術移転

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2009年4月 6日 (月)

Buzz on the Augmented Reality 

デジタルコンテンツの新分野「拡張現実」

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1 拡張現実(AR)のグローバルな展開

1-1      デジタルコンテンツの新分野としてAR、すなわちAugmented Reality、拡張現実のグローバルな展開が始まっている。Wikipedia(2009-03-27最終更新)にも海外文献を多数引用している。拡張現実を先ず次のように定義している。

「拡張現実とは、現実環境にコンピュータを用いて情報を付加提示する技術、および、情報を付加提示された環境そのものを示す。」

 またその内容を次のように述べている(SANARI PATENT要約)。

1-1-1「拡張現実は、Virtual Realityと対をなす概念である。強化現実とお呼ばれ、現実の環境に付加情報としてVirtualな物体を電子情報として合成提示することを特徴とする(SANARI PATENT考察: テレビ東京で実演放映していたように(2009-04-05)、女性のドレスを外す逆合成も勿論できるから、「付加」と「除去」の双方である)。」

1-1-2「合成提示される電子情報は、AnnotationSANARI PATENT: 普通は「注釈」と訳される)と呼ばれる。Annotation は、現実環境中の物体についての説明や関連情報を含み、従って、拡張現実を実現するための技術として、使用者が対象を観察する位置など、現実環境の情報を取得する技術が基礎技術として重要とされる。」

1-1-3「提示される環境の主体が現実環境であるので、現実環境における作業支援がその応用分野として期待されている。例えば道案内情報の提供、航空機やコピー機の保守技術者に対する技術情報提供、医療の手術支援に向けた情報提供などの応用研究が行われている。」

2 カードゲームにおける拡張現実

 Wiredvision.jp(2009-03-19)は、拡張現実技術の応用として「3Dアバターが飛び出すカードゲーム」と題して次のように述べている(動画で解説)(SANARI PATENT要約)。

「米国のカードメーカー・Topps社は、旧態のゲームビジネスを21世紀にふさわしいビジネスにするため、AR機能をベースボールカードに追加するよう計画している。ベースボールカードは米国で人気があるトレーディングカードの一種で、表に野球選手、裏にそのデータや広告が描かれている。」

SANARI PATENT所見

 上記2は、パソコン画面上で、マンガ風の立体的な選手のミニチュアが、現実社会の画面に重ね合わせて表示される仕組みで、参考AR技術としてドイツのMetaio社のそれが挙げられている。ベースボールカード業界は10億ドルビジネスといわれていたが斜陽中であり、ARによって陽がまた昇るであろう。

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2009年4月 5日 (日)

Power Generation by Space Solar Energy 

今次宇宙基本計画の中核・宇宙太陽光発電

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 基本計画案では「宇宙環境利用」と「宇宙太陽光発電」とが別章で併記されているが、宇宙太陽光発電は宇宙環境の一つの態様であるから、宇宙環境利用のサブ項目とすることが体系としては適当とSANARI PATENTは考える。ここでは内閣案に従う。

2(承前2009-03-04記事)宇宙太陽光発電

2-1 宇宙太陽光発電の実現に必要な技術

  地上での太陽光発電や、他のエネルギーシステムに比べて、経済的にも見合う宇宙太陽光発電の実現には、下記の技術が必要である。

2-1-1 集・光エネルギー技術(宇宙空間において効率的にエネルギーを集める技術)

2-1-1-1 効率的に太陽光を集める技術

2-1-1-2 高効率に太陽光を他のエネルギーに変換する技術

2-1-1-3 宇宙での放射線による装置劣化を低減する技術

2-1-2 宇宙発エネルギー伝送技術(宇宙から地上にエネルギーを伝送する技術)

2-1-2-1 効率的かつ安全に宇宙から地上にエネルギーを伝送する技術

2-1-2-2 安全性確保のためピンポイントで伝送する技術(SANARI PATENT注:「ピンポイント」は、精確な位置制御)

2-1-2-3 地球の大気圏を通過する際の影響の把握

2-1-3 宇宙空間での建設技術(宇宙空間に大規模構造物を建設する技術)

2-1-3-1 大量の物資を宇宙空間に運ぶ宇宙輸送技術(現在のロケットによる輸送の100分の1の低コスト化を目標とする)

2-1-3-2 大規模構造物を宇宙空間で安全かつ経済的に組立て、および修理する技術(ロボット技術・有人技術)

2-2 宇宙太陽光発電の進め方

2-2-1 関係機関が連携し、経済性、安全性を含む総合的観点からのシステム検討と並行して、エネルギー伝送技術について地上での技術実証を行う。その結果の検討を踏まえ、3~5年後を目途に、小型衛星による軌道上実証を行う。

2-2-2 実用化に向けた開発段階への移行は、所要経費等についての検討を踏まえて判断する。

SANARI PATENT所見

 欧米でも人工衛星による実証実験の段階には至っていないが、3極競争となるのか、国際協調となるのか、理論的に安定した高効率発電システムであり得るので、動向を注視すべきである。

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2009年4月 4日 (土)

Utilizing Space Environment 

宇宙環境利用の実用諸計画

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 5月に閣議決定予定の宇宙基本計画については、宇宙環境の実用に向けた諸計画が、どのように実行性(均一結晶の生成など)を持つかが最も注目されると、SANARI PATENTは考える。案を要約すれば、

1 宇宙基本計画案(2009-04-03)の実用化項目

1-1      宇宙環境利用は、宇宙環境の特徴である微小重力、真空、太陽エネルギー、宇宙線などを利用して、科学的課題等の解決を図る活動である。

1-2      特に微小重力環境利用では、熱対流による物質移動がなく、比重の異なる物質が均一に混合されるなどの特徴を活かして、地上では得ることの困難な均質結晶の生成などが可能である。

1-3      また、微小重力下では、骨量減少、尿路結石、筋委縮、筋力低下など、地上における寝たきりに近い状態になるため、これらを研究する宇宙医学は、地上の高齢者医学等に応用可能である。

1-4      ISS(国際宇宙ステーション)については、今年(2009)「きぼう」が完成予定であり、これから本格的に利用する段階に入る。その初期利用については、世界トップレベルの科学的成果を狙った研究を中心に利用準備を進めており、必ずしも実用化に直結する課題に重点を置いていなかった。

1-5      一方、骨租しょう症の予防薬の効果確認などの高齢者医療への応用や、宇宙での高品質蛋白質結晶化による創薬への応用など、実用化に繋がる宇宙環境利用の成果が出つつある状況にある。

1-6      ISSの運用については、国際的に2016年以降の計画が具体化されておらず、参加各極(日米露欧加)の宇宙機関間で、運用延長に関する議論が開始された段階にある。

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2009年4月 3日 (金)

e-Leaflet Business by Toppan Co. 

トッパンの電子チラシ事業

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Sub Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat  小中一貫教育拡大

の意味

 トッパンの当第3四半期連結累計期間(2008-04-01~2008-12-31)の事業報告が届いた。売上高は対前年同期比2%増の1兆2524億円だが、この期間の原材料費高騰や製品価格競争の激化で、利益は減少している。中身を見ると、

(1)  商業印刷関連で、チラシが順調に推移し、パンフレットやDMが増加したが、業界の広告宣伝費削減によって12月以降は減速傾向にある。

(2)  ビジネスフォーム関連では、データプリントサービスは好調に推移し、ビジネスフォームは微増となった。

電子チラシ事業は最近特に注目を集めており、トッパンの今次報告でも下記のように特集している(SANARI PATENT要約)

1.      情報関係の変革

  生活スタイルの多様化や、インターネット・ケータイの発達によって、生活と情報の関係が大きく変革しつつある。必要に応じツールを使い分けている。トッパンは、世の中の変化を素早く先取りすることで、常に生活者や企業のニーズに応えたサービスを生み出してきたが、電子チラシもその一つである。好きな時に、欲しい情報を、生活者のパソコンやケータイに届ける画期的サービス「シュフー」は、メーカー、流通、生活者の高い評価により大きく成長している。

2.      変化するチラシ事情

  チラシは重要な販促媒体だが、新聞購読率の低下と共に、到達率(目的の顧客層に読まれる確率)が低下傾向にあり、従来の取組だけでは販促効果が一層低下する(SANARI PATENT考察: 佐成重範弁理士所在のビルには、郵便受けにチラシ廃棄受けが併設されていて、新聞受取の際にチラシを即時廃棄できるが、いつも満杯で、資源の浪費を想わせる)。

3.      トッパンの電子チラシ

  このような状況を背景に生まれたのが、トッパンの電子チラシサイト「Shuhoo!」である。紙のチラシと同じ画像を、パソコンやケータイで好きな時にチェックできる。郵便番号や地図からチラシがが検索できたり、パソコンを立ち上げるだけでお気に入りの店の新しいチラシの到着を知ることができるなど、紙のチラシにない特徴を備え、生活者にとって非常に便利なツールになっている。また、ポータルサイトの大手との提携によって媒体価値を高めている。

4.      企業による効果測定、傾向値予測

 アクセス解析によるマーケティングサポートが高速・明快である。

5.      ドコモを始め全ケータイで利用の趨勢

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2009年4月 2日 (木)

Innovation of Solar Battery Module 

超薄型結晶シリコン太陽電池など第二世代太陽電池の開発

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Sub Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat  Tesla Motorsの電気自動車

9-1-2(承前2009-04-01記事)経済産業省の太陽電池競争力戦略:

9-1-2-1 経済産業省においては現在、Cool Earthエネルギー革新技術計画(2008-03)に基いて、次の研究開発を実施している。

(1)  第二世代太陽電池(超薄型結晶シリコン太陽電池、超高効率薄膜太陽電池、有機系太陽電池)について、2020年に発電コスト14kWh、変換効率10~19%2030年に発電コスト7kWh、変換効率15~22%を目指す。

(2)  第三世代の太陽電池(量子ナノ構造の活用等)について、2030年以降に変換効率40%超を目指す。

9-1-2-2 これらの取組を引続き進めることにより、わが国の太陽光発電関連産業の競争力を強化することが重要である。

9-1-2-3 このようなモジュール自体の低コスト化や高効率化の視点のみならず、生産技術の高度化に繋がる研究開発も重要であり、極薄型多結晶シリコン太陽電池のためのスライス技術、薄膜太陽電池の高生産性技術(超大面積化、高速成膜)や軽量化などの早期実用化に、引続き強力に取組む。

9-1-2-4 また、中長期的な研究開発課題に関しては、海外の研究者との人的交流や、海外の研究機関との共同研究を進める必要がある。その際、太陽電池メーカーを含めてわが国の太陽光発電関連産業が、相手国の太陽光発電関連産業との間でwin-win関係を構築するという視点が必要である。

9-1-2-5 太陽電池モジュールの性能や長期信頼性を向上するためには、太陽電池セルのみならず、樹脂などの構成材料を含めて幅広い見地からの基礎研究が必要である。今後、国の技術開発プロジェクトの推進体制においても、このような材料分野の専門的知見が活かされるような垂直連携型の研究開発コンソーシアムなどの整備や、加速試験と長期屋外暴露試験のデータを相互にフィードバックすることにより、両者の関連づけをより密接にするための研究開発を進める必要がある。

SANARI PATENT所見

 新年度が始まり、太陽光発電に対する国の助成対象がマンション等にも拡大されて、世界各地の太陽光発電が進む年となりそうだが、生活者に対する説明において、設備費負担と電気料金負担・売電収入の総計で「徳用」が強調されている。SANARI PATENTが心配するのは、太陽光発電施設の耐用年数の説明が欠けていることである。耐用年数の保証がなければ、「徳用」計算そのものが成り立たない。

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2009年4月 1日 (水)

International Competitiveness of Solar Power Generation System 

わが国太陽光発電の国際競争力

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8-2(承前2009-03-31記事)太陽光発電のコストとシェア

  短期的には、量産効果と技術革新により、太陽光発電システムの発電コストを現在の半分程度の水準とする。2020年の目標としては、現状で約4分の1であるわが国の太陽電池セル生産量の世界シェアを、3分の1程度まで引き上げる。

8-3 IEAの見通し

  国際エネルギー機関(IEA)は、太陽光発電の2020年における世界の導入量として二様の見通しを示した(SANARI PATENT考察: ITAの内部で、導入量の

見通しに大きな数値差があるという意味である)。この見通しを前提として、かつ、わが国の太陽光発電システムの2020年の世界シェアを3分の1と仮定して推計すれば、2020年における太陽光発電関連産業の経済効果は最大で10兆円、雇用規模は最大で11万人と見通される(SANARI PATENT考察: オバマ政策が太陽光発電を雇用創出面からも強調しているが、世界シェア3分の1で11万人とすれば、案外、効果が少ないように考えられる)。

9 わが国の太陽光発電産業戦略

9-1 供給サイドの取組

 わが国の太陽光発電関連産業が今後、激動するグローバル市場で競争優位を確保するためには、供給サイドの取組として「グリッド・パリティ」(太陽電池の発電コストが低下し、系統電力との関係において、価格面で同等となる状態)実現に向けた技術革新を促し、質の面での差異化を図る必要がある。なお、太陽光発電パネルの種類(結晶系、薄膜系)によって、将来あるべき姿、具体的な戦略が異なる。

9-1-1 研究開発戦略・標準化戦略

  1974年のサンシャイン計画以降わが国は、石油代替エネルギー政策の一環として、産学官連携のもとで太陽電池の低コスト化・高効率化・生産技術高度化に向けた基礎研究を実施してきた。わが国の太陽光発電システムは、低コスト化・高効率化、更には長寿命を含めた性能・信頼性の点で(SANARI PATENT考察:「更には長寿命を含めた」とあるが、長寿命が低コストの基本要件で、両者は表裏の関係にある)、新興企業の追随を許さないトップランナーである。

9-1-2 経済産業省の競争力戦略(次回)

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