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2008年4月30日 (水)

Patent Trend of Semi-Conductor Precessing

Patent Trend of Semi-Conductor Precessing:半導体の機械加工技術に関する特許出願動向(2007年度)調査報告(特許庁2008-4-23発表)

弁理士 佐成重範 Google検索SANARI PATENT

別サイト http://sanaripatent,blogspot.com 内閣知財戦略本部デジタルネットワーク関係専門調査会発足(2008-4-30記事)

  半導体の機械加工技術に関する課題として、加工精度の向上、平坦化、汚染防止、極薄化、ウエハの表面フラットネスの向上、ウエハの大口径化、生産性向上、環境負荷の低減などが挙げられ、国際競争力を強化しつつ、これら課題を解決する技術開発が必要である。特許出願から見たその動向を、特許庁は次のように報告している。(SANARI PATENT要約)

1.半導体機械加工関係技術の内容

1-1 半導体製造技術は、機械加工技術を始め、リソグラフィ技術、エッチング技術、イオン注入技術、洗浄技術などから成っている。半導体の基板(ウエハ)として、シリコン基板と、ガリウム・砒素などの化合物半導体基板がある。

1-2 半導体の機械加工技術としては、ウエハ製造行程、ウエハ処理工程、チップ化工程、組立工程の各工程において、スライシング、研削、ラッピング、ポリッシング、化学的・機械的研磨(SANARI PATENT注: この辺は報告文の整理が十分にできていないようである)、バックグラインディング、ダイシングなどがある。さらに周辺技術として、工程内および工程間の搬送技術、バックグラインディングにおける表面保護テープの貼付・剥離などが含まれる。

1-3 半導体の応用産業として、パソコン、ケータイ、液晶TV,プラズマTV,携帯型オーディオ機器、自動車などがあり、新しい応用形態としてICカード、RFIDタグ(SANARI PATENT注: Radio Frequency Identification: JR東日本のスイカなど)、MEMSSANARI PATENT注: Micro Electro Mechanical ystem: 高周波スイッチ、電子ペーパ、マイクロ流路、DNA分析チップ、触覚センサなどに応用)、SiPSANARI PATENT注: 報告にSiPと表記しているがSystem in PackageSIP: Session Initiation Protocol: は異なる分野)などがある。

2.技術開発動向 (SANARI PATENT抜粋例示)

2-1 ウエハ加工時間の短縮・高効率化のため、ラッピングの精度を維持する新しい加工法として、砥粒を含む研磨剤に代えて砥石を用いる方法が検討され、砥石の改善が進めば、遊離砥粒ラッピングが砥石研磨に代わる可能性がある。(SANARI PATENT注: 一方をラッピング、他方を研磨といっている理由は不明)。

2-2 半導体素子の高速化は、配線材料の低抵抗化と層間絶縁膜の低誘電率化の2方向から検討されている。

2-3 配線材料は、Al配線に代わり、より低抵抗なCu配線の導入が本格化し、層間絶縁膜層中へのCu拡散防止のためバリアメタル層としてTa系金属が使用される。

2-4 上記層間絶縁膜として、low-k膜、さらにはポーラスlow-k膜が用いられるようになり、脆い材料であるため、研磨加重を低く抑えることが必要になった。微小真珠粒子、複合粒子などが開発され、電解研磨も提案されている。

2-5 SiPICカードの用途で、チップ化段階でのウエハ極薄化が要求されている。ウエハを任意の厚さに加工するため、電子回路が形成されている表面に保護テープを貼り付け、ウエハの裏面を、砥石で研削する技術をバックグラインディング(背面研削という)。

3.SANARI PATENT所見

  前項2の技術開発動向が上記以下に明細報告され、知財専門家が新しい技術用語を知悉するためにも精読を要する。

(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)

Semi-ConductorRFIDタグ、ウエハ、液晶TV,プラズマTV

2008年4月29日 (火)

Patent Trend of Stem Cell Technology

Patent Trend of Stem Cell Technology: 特許庁の「特許出願技術動向(2007年度)調査報告」(2008-4-23発表)のうち「幹細胞関連技術」

弁理士 佐成重範 Google検索SANARI PATENT

別サイト http://sanaripatent,blogspot.com 特許庁・光伝送システムの適応体系(2008—4-29記事)

 閣議でも国会でも、いわゆる「万能細胞」という言葉が注目されて、関連する世界特許競争をマスコミが強調しているが、幹細胞の開発がES細胞、すなわち胚細胞の段階にあったころは、万能細胞とは呼ばなかった。分化可能性はあるが、受精卵破壊という倫理問題が全面に出て、万能の語は抑圧された。iPS、すなわち、induced Pluripotent Cell 誘導性多能性幹細胞が、マウス、さらにはヒトの体細胞から開発されるに及んで、再生医療への適用期待が急速に高まった。これらの基礎技術である幹細胞開発について、特許庁の報告を要約・考察する。

1.      幹細胞技術の概要

1-1     幹細胞とは、「自分と同じ細胞を作る能力(自己複製能)」および「組織や臓器を構成する様々な種類の細胞あるいはその前駆細胞に分化する能力(分化能)」を有する細胞であり、胚性幹細胞やiPS細胞など、生体を形成する組織・器官・臓器を構成する全ての細胞種に分化し得る「多能性幹細胞」、造血幹細胞、神経幹細胞、間葉系幹細胞など生体内の各組織に存在し特有の細胞系列に変化できる、分化能の制限された「体性幹細胞」など、様々な種類がある。

1-2     この調査では、自己複製能と分化能において階層性の様々な段階にある各種の幹細胞、未分化細胞、前駆細胞等を幹細胞としてとらえ、「幹細胞の自己複製能と分化能のメカニズムを解析し、幹細胞の機能を制御し産業応用を図る上で必要な技術」を「幹細胞関連技術」と定義する。

1-3     幹細胞関連技術は、個体の発生と分化という生命の理解に係るると共に、幹細胞から派生した機能性細胞により、損なわれた組織・器官・臓器の機能を根本的に回復させる再生医療での活用など、これからの産業応用が大いに期待されている技術である。

2          幹細胞関技術の構成

2-1     幹細胞関連の要素技術: 「新規な幹細胞」「分離・精製・増殖・保存」「分化制御」「細胞解析」「細胞改変」のための要素技術

2-2     幹細胞関連の応用産業: 「再生医療・細胞治療」「創薬・診断」「有用物質生産」「クーロン動物」関連での幹細胞利用技術

3.幹細胞関連技術の特許出願・登録動向

3-1 出願・登録とも米国が圧倒的に多く、日本だ次いでいる。欧州では独英仏の件数が多く。カナダ・イスラエル・オーストラリアが上位に続いている。アジアでは中国・韓国が上位にある。日本は出願件数に比べると登録権数が少ない。

3-2 米国籍出願人は積極的に他極への出願も行い、欧州も同様であるが、日本国籍出願人は、国内出願は多いが海外への出願はあまり活発でない。中国・韓国は、未だ出願件数が少なく、従って、他極への出願も未だ少ない。

4.SANARI PATENT所見

  五極の医療関係特許制度は、制度の形式において著しく異なる。上記に「産業」という言葉がしばしば出現するが、わが国では、医療関連の発明について「産業上利用」の対象性を否定(「産業」でない)するところから始めて、肯定範囲を徐々に拡大し、これを審査基準改訂に反映させることで対処してきた。現行の審査基準に幹細胞の語は見当たらないが、厚生労働省・文部科学省との共同分野であり、内閣知財戦略本部の総合性・主導性発揮が望まれる。

(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)

Stem CelliPS、幹細胞、再生医療、細胞治療、万能細胞

2008年4月28日 (月)

Strings to Radio Wave Act Revision

Strings to Radio Wave Act Revision:今次電波法改正に際しての衆議院総務委員会付帯決議の意義

弁理士 佐成重範 Google検索SANARI PATENT

別サイト http://sanaripatent,blogspot.com 電子メールの適正化(2008-4-28記事)

  衆議院総務委員会は、電波法改正案を可決したが(2008-4-17)、その際の付帯決議の内容は今後の電波行政の課題をしたものとして考察すべきである。それは次世代ネットワークに関する知財開発の新たな契機を見出すために必要である。例えば、電波利用料使用対象としての電波資源拡大の研究開発、地上デジタル放送へ完全移行に対応する技術対策、ブロードバンドのデジタルデバイド解消のための無線によるブロードバンドサービス支援、ケータイ普及1億超による、その必須社会インフラ化に即応する、不感地域解消事業の電波利用料使用の拡充。

1.      上記付帯決議の項目(SANARI PATENT要約)

1-1      電波利用料の負担については、受益と負担の関係の一層明確化により、無線免許人等からの理解を十分得ると共に電波の経済的価値を、より適正に反映させる。

1-2      電波利用共益費用の規模が逐年増加しているので、使途の必要性・効果を十分検証し適正化すると共に、電波利用料の歳入歳出差額が相当額累積していることを料額算定において考慮する。

1-3      地上テレビ放送事業者については、放送の完全デジタル化に伴い投資負担が軽減の方向にある一方、電波利用料の使途である特定周波数変更対策業務の支出の終了が予定されていることから、その負担する電波利用料について、放送の公共性・使用帯域幅等を総合的に勘案して抜本的に見直す。

1-4      今次改正後も引続き電波利用料が減免される国の無線局について、電波の有効利用を検証し、不十分な場合は減免措置を見直す。

1-5      ケータイの普及台数が1億台を超えるなど、不可欠の社会基盤になっていることから、今次改正で補助対象が拡大される「ケータイ等エリア整備支援事業」を着実に実行し、ケータイ不感地域を早期に解消する。

1-6      地上放送の完全デジタル化(2011-7)に万全を期するため、今次改正で新たに使途に追加された「地上デジタル放送への完全移行のための送受信環境整備事業」を着実に実行し、デジタル放送難視聴地域を解消する。

1-7      デジタル放送の受信側への対応について、経済的弱者に対するデジタル放送対応設備の購入支援などの施策を早急に実施する。

1-8      アナログ放送終了に向けて、政府全体としても取組む体制を早期に構築する。

1-9      いわゆる条件不利地域におけるブロードバンドのデジタルデバイド解消のため、電波使用料の新たな用途として、無線によるブロードバンドサービス支援を検討する。

1-10    電波使用料による電波資源拡大の研究開発の有効性を十分検証する。

1-11    電波の割当方法について、比較審査方式による審査過程の公平性・透明性を徹底し、電波の有効利用と新規参入を促進する。

1-12    電波・放送行政の公平性・中立性確保のため、引続き、電波・放送行政の在り方を検討する。

2          SANARI PATENT所見

電波資源の拡大と、電波割当方法の透明性徹底により、電波の有効利用と新規参入が促進されることを、わが国社会イノベーションの基盤として希求する。

(この記事について修正のご要求等は sanaripat@nifty.com にご送信ください)

Radio Wave Act、地上デジタル放送、電波資源、ケータイ、電波割当

2008年4月27日 (日)

Revision of Radio Wave

Revision of Radio Wave Act:今次電波法改正について国会審議の論点

弁理士 佐成重範 Google検索SANARI PATENT

別サイト http://sanaripatent,blogspot.com 農工商等連携促進法案の効果・政府答弁(2008-4-27記事)

 電波法のイノベーションは、IT知財イノベーションに直結する。今次電波法改正について国会の審議内容を要約する。

1.      今次電波法改正の要旨(増田総務大臣:2008-4-10衆・総務委)(SANARI PATENT要約)

1-1      社会活動全体の基盤として電波の利用が拡大するが、有限・希少な電波資源の有効利用を促進するため、電波利用料の使途範囲および料額を見直すと共に、柔軟な電波利用を実現するため、無線局の運用の特例を追加する。

1-2      改正の主要点は、

1-2-1 電波利用料の使途として、電波のより能率的な利用に資する技術を用いた無線設備の技術水準を定めるために行う国際機関等との連絡調整調整事務を、例示として追加する。

1-2-2 同じく、ケータイや地上デジタル放送などの無線通信を利用できない地域において必要最小限の空中電力によるその利用を可能にするために行われる設備の整備に対する補助金交付対象を拡大する。

1-2-3 免許人等が電波利用料として国に納付すべき金額を改定する。

1-2-4 国等について、電波利用料の徴収に関する規定を適用する。

1-2-5 特定の無線局の免許人等については、1-2-4規定を適用除外とする。

1-2-6 特定の無線局の免許人等については、電波利用料の金額を減額する。

1-2-7 電波利用料を納付しようとする者は、一定の要件を満たす者として総務大臣が指定する者に納付を委託することができるようにするため、納付委託制度を整備する。

1-2-8 ケータイの超小型基地局等の無線局について、一定の要件のもとで、免許人以外の者にその無線局の簡易な操作による運用を行わせることができるようにする制度を整備する。(SANARI PATENT考察: 超小型基地局等の無線局に関する知財開発に資するところが大きいと考える。)

2.      増波困難な周波数帯(寺崎 明・総務省通信基盤局長)(2008-4-15衆・総務委)(SANARI PATENT要約)

2-1 電波資源拡大のための研究開発については、具体的にその対象とする技術は、周波数を効率的に利用する技術、周波数の共同利用を促進する技術などであって、いずれも周波数逼迫の緩和を通じて無線局全体の受益を直接の目的とする。

2-2 特に3GHz以下の電波は逼迫した状態のもとで周波数を割り当てている。非常に増波が困難な状況であるが、また一方、移動体通信に使う電波は、動き回るもので、回り込んでゆく、カーブして飛んでいく、そういう性質が必要になる。こような点から、移動体に使われる周波数は低い方が望ましく、3GHz以下の周波数が非常に重要である。

2-3 このような状況のもとで、無線局数、さらに増波というようなことを考えると、別の知恵、具体的には、逼迫した周波数帯において同じ周波数で技術を使って共同技術を入れていくとか、一つの無線局を狭い帯域で使えるようにして二倍の無線局が使えるようにするとか、そのようなことをしなければならない。

2-4 また、無線システム普及支援事業については、ケータイの小セル技術やデジタル放送技術といった周波数の能率的な利用に資する無線技術の活用により、周波数逼迫の緩和を通じて無線局全体の受益を目的としている。

(この記事について修正のご要求等は sanaripat@nifty.com にご送信ください)

Radio Wave Act、増田総務大臣、寺崎 明、総務省通信基盤局長、電波法

2008年4月26日 (土)

Daicel Chemical Industries Ltd Establishes Concrete Patent

Daicel Chemical Industries Ltd Establishes Concrete Patent at IP High Court(2008-4-24) :知財高裁がダイセル化学工業提起の「特許取消決定取消請求」を認容(24日判決)

弁理士 佐成重範 Google検索SANARI PATENT

別サイト http://sanaripatent,blogspot.com 今次特許法改正によるライセンスの促進(2008-4-26記事)

 ダイセル化学工業の「放射線感光材料用樹脂の製造」特許について、異議申立により特許取消の特許庁決定がなされたが、ダイセル化学工業による「再度の訂正」に対する審決の確定により、知財高裁は、ダイセル化学工業の標記請求を認容した(4月24日判決)。特許権確立の一態様として、その経緯を要約する。

1.      経緯

1-1      ダイセル化学工業は、発明の名称を「放射線感光材料用樹脂の製造」とする特許出願をし、特許権の設定登録を受けた(特許3421328号)。

1-2      この特許の5請求項すべてについて、異議申立があり、特許庁は1~5請求項の発明は進歩性を欠くものとして特許の取消を決定した(2005-6-14)

1-3      ダイセル化学工業は、1-2審決の取消請求訴訟を知財高裁に提起後、この特許の特許請求範囲の訂正を求める審判を請求し、特許庁は、「本件審判の請求は成立たない」と審決した(2006-6-19)

1-4      ダイセル化学工業は、これを不服として審決取消訴訟を知財高裁に提起し、知財高裁は、1-3の審決を取り消すとの判決を言い渡した(2008-1-31)

1-5      特許庁は、この特許の特許請求の範囲の減縮を含む訂正(請求項の数を2とする)を認め、「特許3421328号に係る明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書の通り訂正することを認める」との審決(再度の訂正審決)をし(2008-3-24)、その謄本がダイセル化学工業に送達されて、この審決は確定した。

2.      今次ダイセル化学工業主張の審決取消請求事由

 「再度の訂正審決の確定」(1-5)により、本件特許の特許請求の範囲の請求項の記載が遡及的に訂正されるため、決定は、本件特許の特許請求の範囲の請求項に記載された発明の要旨の認定を誤ったことになるから、取り消さるべきである。」

3.      知財高裁の判断(SANARI PATENT要約)

3-1 特許庁による1-1特許の取消決定は、再度の訂正審決による訂正前の特許請求範囲の請求項の記載を前提として、進歩性要件の特許法規定に違反して特許されたものと判断してなされたものであるが、決定の取消を求める本訴係属中に、特許請求の範囲の減縮を含む訂正を認める再度の訂正審決がなされ、これが確定した。

3-2 そうすると、特許庁の決定は結果として、判断の前提となる本件特許の特許請求の範囲の認定を誤ったこととなり、この誤りが、特許取消決定の結論に影響を及ぼすことは明らかであるから、決定は取消しを免れない。

4.      SANARI PATENT所見

  適法な特許権の確立に向けて、特許庁とダイセル化学工業との法的措置が整合し、知財高裁により確認された観がある。従って、知財高裁の判決は、「ダイセル化学工業の請求は理由があるから、これを認容することとし、訴訟費用については、本訴の経過にかんがみ、これを原告に負担させるのを相当と認める」と判示している。

(この記事について修正のご要求等は sanaripat@nifty.com にご送信ください)

Daicel Chemical、知財高裁、ダイセル化学工業、放射線感光材料用樹脂、特許取消

2008年4月25日 (金)

Government Answers at Patent Act Revision

Government Answers at Patent Act Revision:今次国会・特許法改正における主要政府答弁

弁理士 佐 成重範 Google検索SANARI PATENT

別サイト http://sanaripatent,blogspot.com 知財高裁23日判決における均等論(2008-4-25記事)

  国会審議中の政府答弁には、後日引用すべき事実関係や見解が多く含まれるので、今次特許法改正に際してのそれらを要約する。

1.      中小企業の特許出願数

中小企業の出願人が2005年度では1万1千社であった。中小企業施策の徹底については、7000人の弁理士を通じて、また知財駆け込み寺(全国に2500個所)や都道府県の知財センターを活用する。

2.中小企業の知財課題

中小企業が知財について抱えている課題の一つは、知財戦略そのものを構築できない。出願の方法が分からない。特許出願の審査請求をすべきか否か、分からない。あるいは特許権のライセンスのノウハウがない。あるいは海外への出願費用負担が大きいとか、多岐にわたる。このため全国9か所に設置した地域知財戦略本部、商工会、商工会議所等々により、知財の普及啓発活動を展開している。

3.      今次改正の実効性

今次改正では、中小企業の負担感が強いとされる、10年目以降の特許料を重点的に引き下げると共に、中小企業の利用割合が高い商標権の設定登録について、登録料を大幅に引き下げる。また、中小・ベンチャー企業には、特許の成立を待たずに自らの発明を早期に他社にライセンスするニーズがあるが、今回、特許出願段階のライセンスについて登録制度を創設し、ライセンスしやすくすることにより、研究開発、事業活動資金の手当てが促進されると考える。

4.      仮実施権に伴うリスク

仮専用実施権または仮通常実施権に係る特許出願が特許権として成立しなかった場合には、それらの仮実施権も消滅する。このようなリスクがあることについては、一つは、特許出願段階の発明に係るライセンスが主として企業間で行われていて、ライセンス契約に係る事業活動の安定性を図る政策の必要性が高い、あるいはこれによって知財の流通を拡大する必要性から、こういう登録制度が必要だという結論に至った。(SANARI PATENT注:リスクを伴っても、という意味)リスクを伴うことについても周知する。

5.      仮実施権に質権設定ができない理由

特許法では特許権については質権を設定できることになっているが、特許を受ける権利については質権の設定はできない。特許出願後において補正や分割によりその範囲が柔軟に変動することなどがその理由である。仮実施権についても、同様の理由により質権設定はできない。

(この記事について修正のご要求等は sanaripat@nifty.com にご送信ください)

Patent Act、中小企業、知財戦略、質権、特許を受ける権利

Government Answers at Patent Act Revision

Government Answers at Patent Act Revision:今次国会・特許法改正における主要政府答弁

弁理士 佐 成重範 Google検索SANARI PATENT

別サイト http://sanaripatent,blogspot.com 知財高裁23日判決における均等論(2008-4-25記事)

  国会審議中の政府答弁には、後日引用すべき事実関係や見解が多く含まれるので、今次特許法改正に際してのそれらを要約する。

1.      中小企業の特許出願数

中小企業の出願人が2005年度では1万1千社であった。中小企業施策の徹底については、7000人の弁理士を通じて、また知財駆け込み寺(全国に2500個所)や都道府県の知財センターを活用する。

2.中小企業の知財課題

中小企業が知財について抱えている課題の一つは、知財戦略そのものを構築できない。出願の方法が分からない。特許出願の審査請求をすべきか否か、分からない。あるいは特許権のライセンスのノウハウがない。あるいは海外への出願費用負担が大きいとか、多岐にわたる。このため全国9か所に設置した地域知財戦略本部、商工会、商工会議所等々により、知財の普及啓発活動を展開している。

3.      今次改正の実効性

今次改正では、中小企業の負担感が強いとされる、10年目以降の特許料を重点的に引き下げると共に、中小企業の利用割合が高い商標権の設定登録について、登録料を大幅に引き下げる。また、中小・ベンチャー企業には、特許の成立を待たずに自らの発明を早期に他社にライセンスするニーズがあるが、今回、特許出願段階のライセンスについて登録制度を創設し、ライセンスしやすくすることにより、研究開発、事業活動資金の手当てが促進されると考える。

4.      仮実施権に伴うリスク

仮専用実施権または仮通常実施権に係る特許出願が特許権として成立しなかった場合には、それらの仮実施権も消滅する。このようなリスクがあることについては、一つは、特許出願段階の発明に係るライセンスが主として企業間で行われていて、ライセンス契約に係る事業活動の安定性を図る政策の必要性が高い、あるいはこれによって知財の流通を拡大する必要性から、こういう登録制度が必要だという結論に至った。(SANARI PATENT注:リスクを伴っても、という意味)リスクを伴うことについても周知する。

5.      仮実施権に質権設定ができない理由

特許法では特許権については質権を設定できることになっているが、特許を受ける権利については質権の設定はできない。特許出願後において補正や分割によりその範囲が柔軟に変動することなどがその理由である。仮実施権についても、同様の理由により質権設定はできない。

(この記事について修正のご要求等は sanaripat@nifty.com にご送信ください)

Patent Act、中小企業、知財戦略、質権、特許を受ける権利

2008年4月24日 (木)

Registration of Patent License for Open Innovation

Registration of Patent License for Open Innovation:ライセンスの安定性・信頼性、特許を受ける権利のライセンス

弁理士 佐成重範 Google検索SANARI PATENT

別サイト http://sanaripatent,blogspot.com 米国流パテントロールの波及(2008-4-24記事)

別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 著作権管理機構の在り方(2004-4-23記事)

  今次特許法改正に際し、多様な課題が国会で提起されたが、その一部を要約・考察する。

1.      知的財産権の戦略的活用

1-1     質疑(松平新平委員・参院経済産業委員会2008-4-10

経済のグローバル化に伴って、クローズドイノベーションの知財戦略とオープンイノベーションの知財戦略をバランスよくマッチングさせながら各企業が知財戦略を展開することが重要である。通常実施権等登録制度の見直しの二つの柱である「特許の出願段階におけるライセンスに係る登録制度の創設」および「現行の通常実施権登録制度の活用に向けた見直し」を行うことにより、どのようにして知的財産権の戦略的な活用が促進されるのか。

1-2     答弁(中野正志経済産業副大臣)

1-2-1 技術の高度化・複雑化・製品のライフサイクルの短縮の中で、企業が自社の研究開発を加速し競争力を強化するためには、オープンイノベーションが重要である。国境を超える企業再編の活発化などに伴う知的財産権の移転の増加、ライセンスの拡大を踏まえて、企業がライセンスに基づき事業活動を安定して継続できる環境を整備することが必要である。

1-2-2 さらに、特許の出願段階における発明についてライセンスを保護する制度を創設することにより、発明のより早期の活用を図る。

2.      仮の専用実施権・仮の通常実施権

2-1 質疑(古川俊治委員・参院経済産業委員会2008-4-10

2-1-1 仮の専用実施権・通常実施権制度を設けるが、これにより、特許を受ける権利を有する者がその「特許を受ける権利」に基づいて取得すべき権利についてライセンスする場合に、その財産性・信頼性を高め、発明の早期活用につながると考える。

2-1-2 しかし、今まで通常実施権の登録制度が1%程度の登録にとどまり、十分に活用されてこなかったのは、ライセンサー側に、経営上ライセンスの存在自体を知られたくない事情もあった。また今次「仮の専用実施権・通常実施権」についても、登録の申請手続が煩雑であれば利用されない可能性もある。

2-2 答弁(肥塚雅博・特許庁長官)

2-2-1 実務上、出願中の発明についてのライセンスが広く行われるようになり、特許を受ける権利の移転も、1997年に約1万件であったのが2006年には2万件に達している。従って、出願段階でのライセンス保護創設のニーズがあると考える。

2-2-2 開示の範囲を限定し、手続の煩瑣もなくして、利用しやすい制度にする。

(この記事について修正のご要求等は sanaripat@nifty.com にご送信ください)

Patent LicenseOpen Innovation、通常実施権、特許を受ける権利、古川俊治、

松平新平

2008年4月23日 (水)

Diet Discuss USA Exon Florio Provision

Diet Discuss USA Exon Florio Provision:今次特許法改正審議における基本論

弁理士 佐成 重範  Google検索SANARI PATENT

別サイト http://sanaripatent.blogspot.com/ 外国ファンドによるわが国中小企業の特許ぐるみ買収(2008-4-23記事)

 今次特許法改正の国会審議で提起された企業買収の技術的意義にかんがみ、SANARI PATENTは昨日、次のように内閣知財戦略本部に要望した。

 記

知財戦略の目的として「国防体制の確立」を「イノベ-ションの促進」と並置することの要望 平成20年4月22

 弁理士 佐成 重範  Google検索SANARI PATENT

今次国会における特許法改正の審議における質疑応答の経緯にもかんがみ、外国ファンすドによる企業買収について、米国国防法Exon Florio Provisionに準ずる「外国資本直接投資規制」規定を、平成20年度内閣知財計画において検討されることを明記されるよう、下記の通り要望申しあげます。

(要望)

現在、平成19年度内閣知財計画において「ノウハウ等の意図せざる流出を防止する」と示されている項に、「外国資本による企業買収に伴う知的財産の国益に反する流出を防止すると共に、」を前置することを要望申しあげます。

(理由)

1.            外為法では、「社会的インフラ」「安全保障」該当性が、外国資本の直接資本投入に対する規制要件とされ、このたび、J-パワ-については、これが適用されました。

2.            しかし、今次参議院経済産業委員会の特許法改正審議(2008-4-10)にも見られますように、新興国を含めて、わが国中小・ベンチャ-企業が保有する世界市場独占性の高い特許、ノウハウ等が企業買収により一括流出する事例が続出するおそれがあります。

3.            上記国会において、外為法の国際ル―ルに即した規制を行う旨は政府答弁されましたが、米国国防法のExon Florio Provisionに準ずるなんらかの立法あるいは措置について明確に答弁されておりません。

4.            わが国は「集団的自衛」の体制下にありますが、この体制におけるわが国の地位は、防衛に資する優れた技術の保有に基づくと考えられます。Exon Florio Provisionの運用が、外為法の一般国際ル―ルよりも広汎であるという質疑の趣旨にもかんがみ、同条項の運用実態の解明と、わが国における同様立法の適否の検討を、平成20年度内閣知財計画に加えられることが必要と考えます。

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Exon Florio Provision、特許法、内閣知財戦略本部、外為法、企業買収

2008年4月22日 (火)

Minister of METI Explains IP Problems in China

Minister of METI Explains IP Problems in China;参議院経済産業委員会で甘利 明・経済産業大臣答弁(2008-4-10)

弁理士 佐成重範 Google検索SANARI PATENT

別サイト http://sanaripatent,blogspot.com 米国特許法改正(2008-4-22)

1.      わが国地域名称の中国商標登録について

1-1     藤末健三委員質疑(SANARI PATENT要約)

松坂牛や美濃焼などの地域団体商標、地域ブランドが登録され、日本の地域名称36が、そのまま中国で商標になっている状況であるが、どう対応するか。

1-2     甘利 明・経済産業大臣答弁(SANARI PATENT要約)

1-2-1 中国においてわが国の名産ブランドや地名そのものが第三者により商標出願されている問題であるが、これに対しては、先ず日本国内の利害関係者が中国において商標の先行取得や取消請求の提訴など、迅速に対処することが重要である。取られそうなものは先に防衛することである。相手が理不尽な登録をしたら直ぐその解消を求める訴訟を提起するという迅速性が重要である。経済産業省としてもこれを支援すべく、農林水産省や地方公共団体とも協力して対応を図ってきた。

1-2-2 第三者による登録を避けるためには、中国において早期に商標出願し地域ブランドを権利化しておくことが重要であり、このため経済産業省は情報の提供、相談会開催などを行っている。

1-2-3 さらに中国政府に対しては、政府間交渉の場を通じて適正な審査の実施や審判の早期化、知財保護の強化に向けた制度改善を要請してきた。これに加えて、中国での商標出願の急増に対応して、迅速・適切な審査を実施さるべく、審査官を含む研修生の受け入れ、電子化の支援を積極的に行っている。

1-2-4 美濃焼や九谷焼は、登録されてしまっているが、松坂牛とか鳴門金時は中国の企業が出願しているけれども未登録であり、登録された後に取消すよりも登録が適切かどうか、日本から情報を出してゆきたい。

1-3     SANARI PATENT所見

わが国の場合、漢字と漢文学を中国から輸入しているので、中国の「伝統的知識」に属する漢語の名称・地名なども多いと考える。識別子の知的財産権については、特に注意を要する。

2.      特許の言語

2-1 藤末健三委員質疑(SANARI PATENT要約)

2-1-1 中国の特許の4割が中国語だけで登録されている。日本の企業が進出して、中国語だけで登録されている特許をベースに訴訟を起こされているという例が数件出ていて、今後増えると思う。韓国でも韓国語だけの特許申請は大体59%であるが、韓国ではその特許を英語に機械翻訳しているが、是非とも中国に対してもきちんと翻訳することをやるようにしていただきたい。

2-1-2 萩原健司経済産業政務官答弁(SANARI PATENT要約)

中国の特許庁に相当する国家知識産権局が、自国の特許文献について機械翻訳により、調査が容易な英語で先ず発信していただくことを望んでゆきたいと思っている。

2-3 SANARI PATENT所見

  国連公用語は、英仏露アラビア・スペイン語と共に中国語が並列して6言語であることも、念頭に置くべきである。

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China、松坂牛、美濃焼、商標、韓国語、甘利 明

2008年4月21日 (月)

The House of Representatives Discuss on Patent Act

The House of Representatives Discuss on Patent Act:不服審判請求期間の拡大、特許特別会計の存在意義など経済産業大臣が答弁

弁理士 佐成重範 Google検索SANARI PATENT

別サイト http://sanaripatent,blogspot.com 検索結果の表示と公衆送信権(2008-4-21記事)

  衆議院経済産業委員会(2008-4-2)の質疑応答より。

1.      拒絶査定に対する不服審判請求

1-1     質疑(SANARI PATENT要約)

現行特許法の大きな課題は、「国際的な連携が十分でないこと」、および、「特許の登録や紛争解決に時間がかかり過ぎること」である。今次改正で、特許・意匠・商標の拒絶査定の不服審判請求期間を30日から3月に拡大することは、権利保障のためであるとはいえ、紛争解決の迅速性の要請からは問題があるのではないか。

1-2     応答(SANARI PATENT要約)

1-2-1 審査処理件数の増加に伴い、拒絶査定件数、これに対する不服審判件数も増加している。一方。制度利用者からは、各特許出願について審判請求の当否を判断するための調査・検討の時間を確保したいという要望がある。

他国の特許制度では、米国・中国は審査請求期間を3月、欧州では2月としており、また行政不服審査法では、手続保障の観点から請求期間を60日から3月に拡大する方向であることを踏まえて、今次改正は3月とした。

1-2-2 なお、期間の問題について、特許制度では審判を請求する際に、特許を請求する技術範囲に補正がなされると、拒絶査定を行った審査官が再度審査して、適正な補正がなされていればみずからの拒絶査定を取り消して特許査定する制度、前置審査という制度がある。この段階で特許査定される確率は高く、2006年統計では約45%であった。この再審査は原則2月以内に行うので、補正によって高速処理される。

1-2-3 今次改正の請求期間拡大により補正の検討可能期間が長くなると、適切な補正を伴う審判請求が増えると考えられ、速やかに権利が取得される。このように審判部における審理待ち期間を経ることなく特許付与に至るケースが増え、特許庁全体として効率的な出願処理になる。

1-3 SANARI PATENT所見

上記1-2-2の補正を経ても特許性が認められず、知財高裁に提訴する事件も多いが、今次改正が「特許の質の向上と特許性判断の迅速化」に役立つことが期待される。

2.      知的財産権の出願コスト

2-1 質疑(SANARI PATENT要約)

特許や商標の出願・登録料金の今次改正は、特許特別会計におけるシステム化等の歳出軽減を理由としているが、そもそもこの特別会計制度を、この際抜本的に見直すべきではないか。登記特別会計との統一処理も考えるべきではないか。

2-2 答弁(SANARI PATENT要約)

特別会計の設定理由は、受益と負担の関係を明確にすることである。その意味では登記特別会計も特許特別会計も同趣旨であるが、問題はその目的が達成されているか、その目的に沿って引き続き行われているかの違いである。

登記特別会計は、コンピュータ化を早急に進める趣旨で受益と負担の関係を明確にするため設けられたが、平成22年度末をもって当初の目的を達し、一般会計に統合する。

特許特別会計は、技術革新に合わせて特許事務が不断に高度化される体制を構築する財源として、手数料の適切な改定を行う仕組みである。国内外のニーズに合わせた制度改正、国際的出願増に対応するワークシェアリング、国際的制度調和等に不断に対応するため、出願人の理解と協力を得つつ、所要財源確保のため特許特別会計は維持する必要がある。

2-3 SANARI PATENT所見

  わが国の特許制度を維持するための経費を、出願人が負担することは妥当であるが、受益との見合いを考えると、企業規模の格差などが著しい。それは自由競争の結果として、受益も企業努力で勝ち取るという制度である。日米とも若干の補正はあるが。

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The House of Representative、拒絶査定、意匠、特別会計、ワークシェアリング

2008年4月20日 (日)

2008 Fiscal Year Problems for Culture Agency

2008 Fiscal Year Problems for Culture Agency: 新年度文化庁の課題:ネットオ-クション、薬事、私的使用目的の複製など

弁理士 佐成 重範  Google検索SANARI PATENT

別サイト http://sanaripatent.blogspot.com/ 検索エンジンに関する諸国の動向(2008-4-20記事)

  文化審議会著作権分科会の法制問題小委員会を始め、文部科学省の著作権関係課題の新年度検討が始動しているが、著作権が知的財産の柱であると共に、特許権・意匠権など、他の知的財産権との要調整事項、著作権の内部での複製権とコンテンツデジタル権との要調整事項が、「次世代ネットワ-ク(NGN)の展開」および「文化享受のグロ-バル化」を背景として、多様かつ多数、続出している。

 その概要を、上記小委員会の経過報告(2008-1-30)により考察する。

1.        デジタルコンテンツ流通促進法制

1-1        委員会報告(SANARI PATENT要約)

デジタルコンテンツ流通促進法制については、次の2課題がある。

1-1-1        従来、インタ-ネット以外の流通媒体における利用を想定して製作されたコンテンツを、インタ-ネットで2次利用することに伴う著作権法上の課題

1-1-2        インタ-ネットによるコンテンツの「創作」即「流通」のように、著作物の創造と活用を分けることが困難な形態や、不特定多数者が創作と活用に関与する形態など、インタ-ネット媒体に関する著作権法上の課題

従って、上記1-1-1については、権利の集中管理や関係者間のル―ル形成の進捗のもとで、権利者の所在不明時の利用円滑化を当面の重点課題とし、上記1-1-2については、実態調査やその他の権利制限の見直し関連課題をも射程に含めて、デジタルネットワ-ク時代における著作権制度の在り方を総合的に検討する。

1-2               SANARI PATENT考察

  1-1-1に関する「権利の集中管理」について、管理主体の構成と運用の在り方が、ユ-ザ-の協力を確保するため、特に重要である。

2.        海賊版の拡大防止

2-1 委員会報告(SANARI PATENT要約)

2-1-1 インタ-ネット・オ-クションによる海賊版販売等

2-1-1-1 海賊版販売のため譲渡を申し出る行為(譲渡告知行為)について、海賊版頒布の前段階で行為を捕捉しなければ頒布防止の実効性を確保できないとの観点から、現行規定で既に権利侵害と看做されている「頒布の目的をもって所持する行為」と同様、一定要件のもとで権利侵害と看做すことが適当である。

2-1-1-2 善良な広告事業者を萎縮させない配慮、譲渡告知行為の外形からは対象の違法性が判別できない場合の対応が、必要である。

2-2 SANARI PATENT考察 

   インタ-ネット・オ-クションは、著作物のみならず、有形資産・無形資産の全般にわたって、価格の形成と流通が最も合理的に行われ得るシステムであるから、そのグロ-バルな展開を極力円滑に促進する基本方針を先ず確立し、海賊版についても、詐欺行為の一環としてインタ-ネット・オ-クションの健全な発展のため制度設計すべきである。

3.        親告罪の範囲の見直し

3-1        委員会報告(SANARI PATENT要約)

3-1-1        著作権侵害行為の多様性や、人格的利益との関係を踏まえ、一律に非親告罪とすることは適当でなく、また、現行の犯罪類型のうち一部を新たな犯罪類型としてそれのみを非親告罪とすることについては社会的影響を見極めて慎重に検討すべきである。

3-1-2        違法事実の明確性や、著作権者が黙認している場合の著作権者の利益との関係からも、慎重に検討すべきである。

3-2               SANARI PATENT所見

  「慎重に検討」が適切である。3-1-2のように、著作権者の利益は対価の取得のみだはなく、作品の広汎な流通自体による著作物の認知と知名の拡大にある場合が極めて多い。途上国等でわが国コンテンツが流通すること自体にわが国文化のソフトパワ-浸透の利益があり、著作権者の黙認は極めて重要視すべきである。

  さらに基本的には、知的財産権の権利としての構成要件が不明確(法的安定性の欠如)の場合も多いが、このことは、当該知的財産権侵害罪の構成要件の不明確性と直結するので、著作権の保護を一般の法的安定に優先させるような事態は、厳に回避すべきである。

4.        著作権制限規定の見直し

4-1        委員会報告(SANARI PATENT要約)

「薬事関係」「障害者福祉関係」「ネットオ-クション関係」「私的使用目的の複製関係」「検索エンジン関係」「機器利用者時および通信過程における一時的固定との関係」「ライセンシ-保護との関係」「間接侵害関係」の8項目について、さらに検討する。

4-2 SANARI PATENT所見

  これらの制限規定を、著作権法第1条の「公正な利用」の例示規定として追加・整備・拡大し、著作物の実質的な社会機能発揮に資するべきである。

(この記事修正のご要求やご意見は、sanaripat@nifty.com に、ご記名ご送信ください)

Culture Agency、ネット・オ-クション、薬事法、親告罪、間接侵害

2008年4月19日 (土)

Menstruation Blood Contains Rich Stem Cell

Menstruation Blood Contains Rich Stem Cell:「新しい幹細胞源として月経血に期待」慶応大学・国立成育医療センタ-のチ-ム

弁理士 佐成 重範  Google検索SANARI PATENT

別サイト http://sanaripatent.blogspot.com/ 検索エンジン各工程の著作権問題(2008-4-19記事)

1.        ES細胞、万能細胞、iPS細胞、幹細胞

1-1        関連用語が様々な局面で用いられているが、先ず「幹細胞」は、自己複製能と分化能を有する未分化細胞である。2大別して体性幹細胞と胚幹細胞(ES細胞)に分たれ、いずれも体内のあらゆる細胞に変化する可能性を有するので、再生医療等の見地からその開発が極めて重要とされてきた。

1-2        ヒト胚幹細胞には受精卵を破壊することに伴う倫理問題があり、体性幹細胞の開発が急がれたが、特に、ヒト由来の体性幹細胞であること、生成過程で発癌ウィルスの関与がないことなどが希求された。

1-3        従って、このような要件を満たす幹細胞の創成については、特許権が誰の手に帰するかという、人類福祉と知財利益の双方を包含するグロ-バルな関心と戦略が熾烈化している。

2.        Asahi.comの報道(2008-4-17:23-27) SANARI PATENT要約)

2-1 ワシントン・勝田敏彦発の情報によれば、月経血には、様々な組織に変化する可能性を有する幹細胞が豊富に含まれ、条件を整えると、心筋細胞に高い確率で変化し、拍動することが発見された。慶應大学と国立生育医療センタ-などのチ-ムが実験で示し、「月経血は新しい幹細胞源として期待できる」として米国専門誌」Stem Cell(2008-4-17電子版)に発表した。

2-2 このチ-ムは、月経血を培養して、人工的に心筋梗塞を起こしたネズミ(SANARI PATENT 注:ラットまたはマウス)の心臓に移植したところ、症状の改善が確認された。

2-3 試験管内の分化誘導実験では、月経血に含まれる細胞の20%が心筋細胞に変わって、自ら 拍動を始めた。

2-4 現在、治療用には、臍帯血や骨髄から採取した幹細胞が使われるが、様々な組織に分化できる有用な幹細胞の含有率と、目的細胞に変化する率が高くない。

  月経血は医療廃棄物で、倫理問題も採取時の苦痛もなく、若い時に月経血を冷凍保存して高齢時の心臓疾患に使用できるとしている。

3.        朝日新聞(2008-4-18)の「iPS細胞・特許誰の手に:海外勢優勢なら医療費高騰の懸念:巨額な利益左右」と題する解説

3-1 「ヒトES細胞」「マウスiPS細胞」「ヒト胚幹細胞」「ヒト体細胞iPS細胞」と創成が続出し、特許出願・発明の先後による特許権の帰属が見えないことを懸念した論説で、誠に機宜を得た論説である。

  例えば、「マウス体細胞iPS細胞」が先行技術である場合、「ヒト体細胞iPS細胞」が想到容易であるか、胚幹細胞の特許権は体幹細胞の特許出願にどのように影響するか、などの課題を理解し易く提起したものと解する。

3-2  特許性の要件である進歩性と非自明性、先行技術・文献との一致点・相違点、当業者の技術水準など、今後展開される特許戦略に備える考究を要する。

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Menstruation Blood Stem Cell、幹細胞、iPSES細胞、慶應大学

2008年4月18日 (金)

SAMSUNG Develops Joint Ownership with PANASONIC

SAMSUNG Develops Joint Ownership with PANASONIC:韓国特許事務所P.K.KIM & AssociatesNews Letterに見る韓国IT企業のOpen Innovation

弁理士 佐成 重範  Google検索SANARI PATENT

関連サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog/ (このサイト4-17記事)

別サイト http://sanaripatent.blogspot.com/ 中小企業・コンテンツ知財対策(2008-4-17記事)

1.        SAM SUNG電子(三星電子)のオ-プン・イノベ-ションについて、標記News Letterの内容(SANARI PATENT要約)

1-1 三星電子・ハイニックスが次世代メモリ共同研究など:

三星電子とハイニックスが次世代メモリ半導体の共同研究に取組むこととなり、三星電子とLGフィリップスも、LCDの核心装備である次世代露光器の開発に取組むこととした。

これら各社は、これまで熾烈の競争関係にあったが、次世代技術について協力することが今後日本企業に主導権を奪われないために必要という危機感に基づく。

   三星電子とハイニックスは、3月24日に、政府・学会が推進してきた次世代メモリ素子と源泉技術開発プロジェクトに共同で取組む研究開発協約に合意した。

三星電子とハイニックスはまた、政府が開発した次世代非揮発性メモリの関連特許8件を購入した。三星電子とハイニックスは、Dラムについてインテルに、NANDフラッシュメノリについて東芝に、毎年数億ドルのライセンス料を支払っているが、次世代メモリについては、このような支払いはしなくてすむ(SANARI PATENT 注:原文は「悲しい思いをしない」)

LCD分野においても、次世代源泉技術確保のため、三星電子とLGフィリップスLCDの連合戦線が張られた。両社は、デジタル露光器と有機発光ダイオ-ドの核心材料を共同開発する。

1-2        三星電子-松下が半導体特許を共有:

三星電子と松下が、半導体関連特許の共有契約を締結した。2018年までの契約で、両社間で互いに提起してきた特許訴訟も、全て取消す。

1-3        三星電子が米国特許登録件数で連続第2位:

2007年に三星電子は2725件の米国特許を登録し、米国IBMの3148件に次ぐ第2位を占めた。特に2006年にキャノンを第3位に押し下げ、かつIBMとの差は縮小、キャノンとの差は拡大して、第2位は安定、第1位も見えてきた。

2.        SANARI PATENT所見

    韓国はWikipediaによれば、半導体・電子部品産業において、DRAM

は世界シェアの半数近くを占める。半導体技術力が向上し、大規模投資により高収益を得てその大半を再投資し、政府の支援によって最先端ラインを増強した結果である。半導体技術力向上の方策は世界中から人材を集めることが特徴で、日本の技術者も高給で雇われ、土日のアルバイトで働く者もいた(この部分、原文のまま)。この結果、1990年代までは日本が優位にあったDRAM業界のシェアを韓国が塗り替えることになった。

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SAMSUNG、三星電子、韓国、ハイニックス、LG、東芝、キャノン

2008年4月17日 (木)

News Letter by P.K.KIM & Associates

News Letter by P.K.KIM & Associates, Famous Korean Patent Attorney Office:韓国知的財産の急速な発展と特許制度革新

弁理士 佐成 重範  Google検索SANARI PATENT

別サイト http://sanaripatent.blogspot.com/ 内閣知財戦略本部有識者本部員漫画家・里中美智子氏ほかによる検討

1.        韓国特許事務所の人材に注目

  標記News Letterの冒頭に、洪 淳雨弁理士が新たに、P.K.KIM & Associatesの共同代表弁理士として就任された旨、紹介された。洪弁理士は漢陽大学大学院電子工学部卒、オランダ・ライデン大学法学部修士卒業、オランダ国際司法裁判所のHague Academyを終了、韓国特許庁・情報通信・コンピュ-タ分野審査官、特許法院技術審理官、WIPO中小企業局勤務を経ているとのことで、文理ならびに行政・司法・国際にわたる重点分野知財専門家として、韓国知財人材の高水準を象徴している。

2.        標記News Letterの内容(SANARI PATENT要約)

2-1        韓国特許庁は、医療関連技術の審査基準を改正

2-1-1 年内に、医療診断方法に関連する殆どの発明に対して、特許性が認められるようになる見込みである。

韓国特許庁は、医療診断方法に関連した発明のうち、実質的には医療診断方法と見られても、医師の直接的な「臨床的判断」を含まない場合には特許対象と認めることとし、これを反映した「改正医療・衛生分野審査基準」および「医薬分野審査基準」を今年1月から試行し始めている。

2-1-2      人の身体を対象として医師が行う手術・治療・診断方法の発明は、国民の医療利用への接近の保障という公益面から、韓国において、原則的に特許性を否定されてきた。(SANARI PATENT 注:わが国特許庁では、「産業上利用可能性」という特許要件を充足しないという理由で原則として特許性を認めず、米国特許商標庁では、特許性を否定しないが、差止め請求権等を排除して公益との調和を保持している)

2-1-3      しかし、生命工学、電子・光工学、原子力技術が医療分野に広く活用されるに至り、医師の所見を必要としない診断技術が続出している。(SANARI PATENT 注:医師が直接関与する段階の前段階を切り分けたものと解する)

2-1-4      改正審査基準によれば、臨床的判断、すなわち「医学的知識および経験に基づいて、疾病または健康状態を判断する精神的活動」が含まれない医療診断に関連する方法発明は、特許対象と認められるようになる。

2-1-5      例えば、腎臓疾患の診断のために尿からアルブミンを検出する方法の場合、従来の審査基準では「実質的な診断方法」とみなされたが、改正審査基準では特許対象となり得る。

2-1-6      ただし、「臨床的判断」を含まない場合でも、診断に必要なデ―タを収集する過程において「人体に直接的でかつ一時的でない影響を与える行為」を含む方法発明の場合には、特許対象から除外される。

3以下、このサイト2008-4-18記事。

(この記事修正のご要求やご意見は、sanaripat@nifty.com に、ご記名ご送信ください)

Korea、韓国、医療方法、特許性、アルブミン

2008年4月16日 (水)

Chairman of KADOKAWA, President of KYUSYU University

Chairman of KADOKAWA, President of KYUSYU University etc

Opine on 2008 IP Strategy:内閣知財戦略本部有識者本部員10名による2008年度・知的財産推進計画原案作成

弁理士 佐成 重範  Google検索SANARI PATENT

別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog/ 光・量子科学の研究開発(2008-5-15記事)

3.産学連携(承前別サイト http://sanaripatent.blogspot.com/ 岡村東芝会長、長谷川武田薬品工業社長ほかによる検討(2008-4-16)

  産学連携の強化に当たっての評価指標として、ライセンス率、事業化率、収益率といった指標が必要である。

4.情報通信基盤の一層の活用

4-1 オ-プンイノベ-ションについては、これが進んでいるとされている米国市場の実情を先ず把握し、わが国の状況と比較してわが国には何が足らないかを明らかにした上で具体的取組を考えることが必要である。

4-2 特許を開放、あるいは交換し合って共有することは、わが国の企業文化の中では相当ハ-ドルが高いのではないか。企業の生き方を変える覚悟がないとオ-プンイノベ-ションはできないのではないか。(SANARI PATENT 考察:内閣知財戦略本部における発言としては頗る問題があり、業種・分野別の特性の存在を意識しない発言である。多機能レ-ザプリンタなど、数百に及ぶ特許の包括クロスライセンス契約によってのみグロ-バルに発展できる分野も多い)

4-3 日本においても、オ-プンイノベ-ションの芽は出始めている。ハ-ドメ―カ同士でも自分達の力だけでは開発・製造を行うことができないという認識が高まり、メ―カ統合や事業統合を生み出している。それこそ日本産業の生きる道であることを強調すべきである。(SANARI PATENT 考察:オ-プンイノベ-ションが経済産業政策の路線として確定しているから、当然、謳われる。しかし、クロ-ズドイノベ-ションをもって臨むべき技術分野を認識し、堅持することも経済産業政策の力点である。)

5.中小・ベンチャ-企業への支援

5-1 ベンチャ-を育成し、それに対する大企業等による投資が国内で循環するようにすることが必要である。そのためには例えば、大手の企業がベンチャ-出資を行い易くなるような制度を整備すると共に、ベンチャ-創出の文化・カルチャ-を育てるべきである。(SANARI PATENT 考察:富士電機のベンチャ-育成:別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog/ 4-11記事など、大企業にとっても多少の利点がある構成とすることが望ましい。)

5-2 中小企業における知的財産権に対する考え方は立ち遅れている。技術者の70%が中小企業に属していることを考えると、中小企業発の創造・活用・保護という問題をこれからどう考えてゆくかは、国の施策として重要である。特許手続の簡便化や大企業による知的財産侵害に対する悩みの解消など、中小企業が抱えている知的財産権に対する問題点を括り出して、国としてどう対処するのか、明示すべきである。

5-3以下、別サイト http://sanaripatent.blogspot.com/ 2008-4-17記事

(この記事修正のご要求やご意見は、sanaripat@nifty.com に、ご記名ご送信ください)

IP Strategy、角川、九州大学、中小企業、ベンチャ-、オ-プンイノベ-ション

2008年4月15日 (火)

Optic/Quantum Science & Technology

Optic/Quantum Science & Technology Developed by Ministry of Education & Science:「光・量子科学研究拠点形成の基盤技術開発」の課題と実施機関を公募:文部科学省発表(2008-4-14)

弁理士 佐成 重範  Google検索SANARI PATENT

別サイト http://sanaripatent.blogspot.com/ 検索エンジンの日米格差と著作権問題(2008-4-15記事)

1.        公募の趣旨(SANARI PATENT要約)

1-1 文部科学省は、ネットワ-ク型の研究拠点を構築して、光・量子科学技術分野のシ-ズと各重点分野や産業界のニ―ズを融合した最先端の光源、ビ-ム源、ビ-ム制御法、計測法等を研究開発すると共に、若手人材育成のため、平成20年度から「光・量子科学研究拠点形成の基盤技術開発」プロジェクトを開始する。

1-2  このプロジェクトには、次の2プログラムが含まれ、今般、それぞれのプログラムの課題と実施機関を公募する。

1-2-1 最先端の光の創成を目指したネットワ-ク研究拠点プログラム

1-2-2 量子ビ-ム基盤技術開発プログラム

 

2.        最先端の光の創成を目指したネットワ-ク研究拠点プログラムについて

2-1        このプログラムでは、わが国に散在する科学技術に関するポテンシャルを効果的に結集するため、この分野の研究開発能力を有する複数の研究機関がネットワ-ク研究拠点を構築することを支援する。

2-2        対象とするネットワ-ク研究拠点は、最先端の光の創成という目標に向けて、技術面・機能面で相補う特性を有する複数の研究機関により構成されるものとする。このプログラムでは、次の3テ-マを実施する。

2-2-1        新しい光源・計測方法等の研究開発

2-2-2        次世代の光科学技術を担う若手人材を育成するための具体的プログラム

2-2-3        構想段階からユ-ザ-研究者・研究機関等と効果的に連携する仕組みの構築等

3.        量子ビ-ム基盤技術開発プログラムについて

3-1        このプログラムでは、基盤技術としての量子ビ-ム技術の発展と普及に資するため、汎用性・革新性・応用性が広く、5年程度で実現可能な量子ビ-ム技術の研究テ-マについて、全日本の体制でネットワ-クを構築しつつ研究することを目的とする。

3-2        このプログラムでは、次の2テ-マを実施する。

3-2-1        次世代ビ-ム技術開発課題:

将来的な加速器開発に役立つ基盤技術の構築に向けた革新的な加速器技術などの要素技術を開発する。

3-2-2        高度化ビ-ム技術開発課題:

新たな量子ビ-ム利用の基盤技術の構築に向けた汎用性の高いビ-ムライン技術等の要素技術を開発する。

4.        SANARI PATENT所見

量子分野の研究開発とその応用については、量子コンピュ-タへの期待が先行したが、実用化に至っていない。

  量子物理学は、不確定性理論(粒子の位置と運動量は同時に両方を精確に測定することはできない)や確率解釈(導き出される結論は、粒子状態の存在確率である)を理論の柱とし、波動力学と行列力学により、その基礎が構築されたと見られている。

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Quantumoptic science、光・量子科学、文部科学省、量子コンピュ-タ

2008年4月14日 (月)

Accelerating Social Utilization of R&D Results

Accelerating Social Utilization of R&D Results:各省庁の社会還元加速プロジェクトほか(2008-4-1報告)

弁理士 佐成 重範  Google検索SANARI PATENT

別サイト http://sanaripatent.blogspot.com/ 国際競争力強化の新年度各省庁対策

  昨年6月に経済成長戦略大綱が改正され、各省庁の新年度実施対策を経済産業省がまとめて公表した(2008-4-1).。項目が多岐にわたるので、先ずその体系を見る。

1.        内閣府

 社会還元加速プロジェクトについては、予算関連施策のみならず、システム改革を担当する各省の責任者を交えたタスクフォ-スにより、平成2024年度の技術開発とシステム改革が一体となったロ-ドマップを作成し、これに沿って社会還元加速プロジェクトを実施する。

2.        各省

2-1        「わが国国際競争力強化」施策項目の体系

2-1-1        科学技術によるイノベ-ションを生み出す仕組みの強化

2-1-1-1           イノベ-ション・スパ-ハイウェイ構想

2-1-1-2           イノベ-ション創出に向けた民間投資の加速

2-1-1-3           SBIR制度改革(SANARI PATENT 注:Small Business Innovation Research:中小企業技術革新制度)

2-1-1-4           公的機関による新技術の実証・調達の促進

2-1-1-5           エコイノベ-ションの推進

2-1-1-6           イノベ-ション25(SANARI PATENT 注:2025年までを視野に入れた、成長に貢献するイノベ-ション創造のための長期的戦略指針)

2-1-1-7           2010年までに世界トップレベルの研究拠点30程度の形成

2-1-2               産学官連携により世界の潜在需要を喚起する新産業群の創出

2-1-2-1           次世代環境航空機、次世代軽水炉・高速増殖炉サイクルなど、部品・材料産業の高度化にも資する新産業群の実現

2-1-3               中小ものづくり高度化法の川上・川下連携の推進

2-1-4               産業競争力を支える国際物流競争力の強化

2-1-4-1 「国際物流競争力強化のための行動計画」(2015年のアセアン統合を視野に入れて、アセアン域内での物流コストおよびリ-ドタイムを半減する)

2-1-5 農林水産業の国際競争力強化

2-1-5-1 21世紀新農政

2-1-5-2 2010年度までに一般企業等の農業参入法人数を3倍、500社とする。

2-1-5-3 2015年までに効率的・安定的農業経営を農地の7~8割に拡大し、その7割程度を面的に集積する。

2-1-5-4 農地政策改革等、政策の全体像を提示する。

2-1-5-5 2010年までに食料供給コストを2割削減する。

2-1-5-6 2010年度に、植物新品種の登録出願件数を5割増の2000件超とする。

2-1-5-7 2013年度までに、農林水産物・食品の輸出額を1兆円規模に増大する。

2-1-5-8 2010年度までに、東アジアにおけるわが国食品産業の活動規模を110~125億ドル程度に増大する。

2-1-5-9 2011年度までに2000産地にてGAP(農業生産工程管理手法)を導入する。

2-1-6 観光立国の実現と交流人口の拡大

2-1-6-1 2010年までに年間1000万人の外国人旅行者を受け入れ、2030年までに年間4000万人を目指す。

2-1-6-2 2011年までに主要な国際会議の開催件数を5割以上増やす。

2-1-6-3 アジア各国から今後5年間、毎年5000人程度の青少年を招く。

2-1-7 医薬品・医療機器産業の国際競争力強化

2-1-7-1 「革新的創薬のための官民対話」の場を設置する。

2-1-7-2 革新的医薬品・医療機器創出のための5か年計画を策定する。

2-1-7-3 5年以内に新薬の上市までの期間を2年半、短縮する。

2-1-7-4 新薬の審査人員を3年間で倍増する(235人増員)。

2-1-7-5 医療クラスタ-(仮称)を整備する。

2-1-7-6 治験中核病院・治験拠点医療機関40か所程度に人員を集中投入する。

2-1-8 感性価値創造に向けた取組を推進する。

2-1-9 環境・経済両立の産業育成・事業展開を加速する。

2-1-9-1 環境重視・人間重視の新しいエコイノベ-ションを展開する。

2-1-9-2 京都議定書目標達成計画を評価し見直す。

2-1-9-3 ポスト京都について全ての主要排出国による最大限の削減努力を促す実効性ある枠組みを構築する。

2-1-9-4 10年度までに資源生産性(GDP/天然資源投入量)を約39万円/トンに向上する(約1.2倍)(SANARI PATENT 考察:あらゆる天然資源をトンで計量する観があり、その合理性を説明すべきである。)

2-1-10 優れた投資環境づくりによる対日直接投資の倍増。2010年までに、対GDP比倍増となる5%程度の対日直接投資を受け入れる。(SANARI PATENT 考察:現に政策対応を決定すべきJ-Powerのようなケ-スについての考え方を整序して、質的計画をも同時策定すべきである。)

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J-PowerSBIR、エコイノベ-ション、高速増殖炉、植物新品種、観光立国

2008年4月13日 (日)

Standardization of the Forth Generation Mobile Phone

Standardization of the Forth Generation Mobile Phone:国際電気通信連合における第4世代ケ―タイ国際標準化の検討開始

弁理士 佐成 重範  Google検索SANARI PATENT

別サイト http://sanaripatent.blogspot.com/ SNSの急速な展開(2008-4-13記事)

1.        国際電気通信連合(ITU)前事務総局長(元郵政省国際部長)・内海義雄氏の「証言」

1-1 「とにかく多数派になろう」という大見出しの全面記事で昨日の朝日新聞は、内海氏の「証言」を次のように掲げた。(SANARI PATENT要約)

1-1-1 国際標準を巡る交渉では、何よりも「したたかさ」が必要である。1999年に私がITU事務総局長に就任した直後、来訪した人物が米国の担当大使であった。第3世代携帯の規格統一で日欧勢が先行するなか、国際標準化決定を急がないよう、暗に釘を刺しに来たのである。(SANARI PATENT 注:ここでは「携帯」と呼ばれているが、上記記事では「ケ―タイ」「携帯電話」と、3通りに呼んでいる。多機能性に固定代用も含めてケ―タイと呼ぶことが現在では適切で、Mobile PhoneCellular Phoneよりも先行的である。)

1-1-2 検討が始まった第4世代の規格では、今度は、欧州のメ―カが時期尚早と言ってきたことがある。そのような駆け引きをしながら規格はまとまってゆく。

1-1-3 ◎ 日本では、「日本発の技術を国際標準に、という声を聞くが、それを口にした途端に逆効果になる。80年代後半のアナログ方式のハイビジョンテレビでも、現在の地上デジタル放送でも、自らの方式にこだわり過ぎて標準化できず、取り残された。むしろライバルと手を組んで共同開発し、自分の技術を上手に売り込んでゆくことが必要である。

1-1-4 第3世代携帯の場合、欧州と手を組んで標準化を進めた作戦は間違っていなかった。ただ、依然として第2世代の欧州方式の市場が世界で広がり続けている現実がある。GSMと第3世代のどちらでも使える共用端末や、ビジネス利用主体の欧州向けに機能を絞って安くした第3世代端末の開発に早くから取組んでいれば、世界での存在感がもう少し高まっていたのではないか。

2.        SANARI PATENT所見

  上記1-1-1の「内海氏がITU事務総局長に就任された」1999年春まで、SANARI PATENTの佐成弁理士は、JTEC(総務・経済産業両省共管の電気通信放送関係・国際協力機構)の専務理事に在職していたが、同年秋の日本弁理士会「パテント誌」に、「グロ-バル情報通信システムの構築における国際標準化とプロパテント政策との協調」と題する論説において、ITUのパテントポリシ-に対するQualcomm社とEricsson社の動向、これらに対する内海事務総局長のご対応を考察したので、別の機会にその内容を詳述したい。

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ITUQualcommEricssonMobile PhoneGSM、ケ―タイ

2008年4月12日 (土)

Patentability of Induced Pluripotent StemCell

Patentability of Induced Pluripotent StemCell:特許の行方を焦点とする朝日新聞のトップ記事

弁理士 佐成 重範  Google検索SANARI PATENT

別サイト http://sanaripatent.blogspot.com/ 電子出版の市場拡大(2008-4-12記事)

  ヒト由来誘導多能性幹細胞(ヒトiPS細胞)が再生医療に画期的革新をもたらすとという世界一致の期待から、わが国も特に重点政策として政府予算・研究体制への配慮を示しているが、朝日新聞が「特許の行方」を国際競争の見地から報道(2008-4-11)ことは、知的財産権上の課題を明確に認識させる極めて重要な指摘である。

1.        朝日新聞報道の要旨(SANARI PATENT要約)

1-1  バイエル薬品の研究チ-ムが2007年春、京大チ-ムより早く、ヒト由来誘導多能性幹細胞(SANARI PATENT 注:朝日新聞は、一般的用語として「ヒトの万能細胞」と呼んでいる)を作製した可能性があることが分かった。京大チ-ムは2006-8にマウス由来誘導多能性幹細胞作製の成功を発表し、その学術的評価は揺るがない。しかし、諸国の製薬会社等が先に特許権を取得した場合、ヒト由来誘導多能性幹細胞の医療への応用など実用化に影響が出る可能性がある。(SANARI PATENT 考察:「可能性」以上に、「必至」である)

1-2  バイエルで作製したのは、同社の桜田一洋神戸リサ-チセンタ-長(当時:現・米国ベンチャ-役員)らで、2008-1にオランダ科学誌「Stem Cell

Research」に発表した。この論文によれば、バイエルチ-ムはヒト新生児の皮膚に、京大チ-ムと同じ四つの遺伝子を導入し、胚性幹細胞(ES細胞)(SANARI PATENT 注:Embryonic Stem Cell)と似た分化能力を持つ幹細胞を作製した。遺伝子を導入するためのウィルスの一つに、京大チ-ムと異なる種類のものを使うなど、独自の手法も見られる。

1-3  バイエルチ-ムは、「2007年の遅くとも4月ごろにはヒト細胞で成功した。(SANARI PATENT 注:胚細胞以外のヒト細胞と解する) 当時、京大チ-ムでは、「まだできていない」と科学誌などにも話しているので、バイエルチ-ムの方が早いかと思った」と話している。なお守秘義務を理由として、

特許出願については言明していない。

1-4  京大チ-ムと同時期に、米国ウィスコンシン大学チ-ムも、ヒト由来誘導多能性幹細胞の作製に成功したと発表した(2007-11)

1-5  岸田科学技術担当大臣は、「特許出願や細胞作製の成功時期など不明な点が多い。営利企業が特許を取得すれば、実用化戦略への影響は考えられる」と述べている(21008-4-11)(SANARI PATENT 考察:「営利企業」に限らない)

2.        SANARI PATENT所見

  朝日新聞は、「京大チ-ムの出願がバイエルチ-ムよりも遅ければ、関連技術が抑えられ、わが国の誘導多能性幹細胞を巡る知的財産政策も見直しを迫られる可能性がある」と結んでいる。

  米国特許商標庁への出願については先発明主義が適用され、着想・実施化・等の特許性が争われる可能性があるし、ヒト由来とマウス由来の課題解決における相違、使用ウィルスの発癌性、胚幹細胞に関する倫理問題、そして特許性についての先行技術からの容易想到性(進歩性・非自明性)の判断、国際調和など、潜在する問題は重大である。

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Stem CelliPS、誘導多能性幹細胞、京大、バイエル、再生医療

2008年4月11日 (金)

Who Can Really Support Venture Business ?

Who Can Really Support Venture Business ? :富士電機・起業家支援オフィス(FIO: Fuji Incubation Office)の実績

弁理士 佐成 重範  Google検索SANARI PATENT

別サイト http://sanaripatent.blogspot.com/ 低炭素社会への転換(2008-4-11記事)

1.ベンチャ-育成政策の在り方

1-1 現・内閣知財戦略本部計画の内容(気になる記述)

平成20年度内閣知財計画は未定義のまま新年度に入っているので、現行平成19年度計画の延長線上にあるが、その「中小・ベンチャ-企業を支援する」の節には、「中小・ベンチャ-企業に対する相談機能と情報提供を強化する」、「中小・ベンチャ-企業の知的財産の創造を支援する」、「中小・ベンチャ-企業の知的財産の保護を支援する」、「中小・ベンチャ-企業の知的財産の活用を支援する」、「中小・ベンチャ-企業の知的財産に関する能力を高める」という項目が列記されている。支援機関の連携、弁護士・弁理士情報の開示、特許出願相談、特許庁費用低減、地方公共団体による特許流通促進、経営者研修等がその内容である。

1-2        気になる記述は、「中小・ベンチャ-企業が共同研究などにおいて、巧妙な契約により、取引先から技術を取り上げられたりしないよう、(用心深い)実践を奨励する」というくだりである。

1-3        SANARI PATENTは、国や地方公共団体が真の意味でベンチャ-の創意を支援できるとは考えないので、大企業との共通の利益認識のもとに、ベンチャ-が相互信頼をもって自発的に大企業の支援を受ける体制、それを積極的に受容する大企業の在り方が、最も重要であり、政策面でも評価すべきものと考える。

1-4        上記の意味で、ここには富士電機情報サ-ビス株式会社の富士電機・起業家支援オフィス・FIO(Fuji Incubation Office)の顕著な成果である。

2.        富士電機・起業家支援オフィス・FIOの業績(SANARI PATENT要約)

2-1 FIOは有望ベンチャ-発掘による事業機会の創出、先端技術の人的ネットワ-クの構築、ベンチャ-に対する有効投資の活発化等を目的として、富士電機の国際標準化う上が持つ試作・試験・人材をベンチャ-の利用に供し、諸課題の解決を示唆してきた。

2-2 すでに例えば、フユ-チャ-プロダクト(株)、システム・アロ-ポ-ション(株)、Do..Luckシステム、〔株〕ジェテック、アイ・トリ-ト〔有〕、富士経営システム研究所、小林技術士事務所、NHEジャパン、TAMA-TLO()産学連携事業部、〔株〕機能材料科学研究所、(有)キソウ設計、Noah Technonet等が完全独立経営し、(株)リベックス、リジェンティス〔株〕、〔株〕Acom Software Technologies、(合)アクト、東成ソフトウェア(有)、(有)サクセスパワ-、J-RAS()、ア-クテクノ、計測ラボ〔株〕、ム-ブオン〔株〕、(株)イアス、エンテストジャパン〔株〕等がこれに続く。

3.        SANARI PATENT所見

  富士電機自体の事業も、例えば「フィルム型太陽電池(Solar Cell)」が広汎な分野にわたって、その特性に基づく極めて多様な新用途・新機能の開発可能性を蔵し、現に、隔絶地における連絡用のケ―タイ電源、曲面屋根上発電など、太陽電池の新用途創案を続出しているから、大企業・ベンチャ-の共進・共益のシ-ズに富む範例と考える。

(この記事修正のご要求やご意見は、sanaripat@nifty.com に、ご記名ご送信ください)

Solar Cellincubationventure、富士電機、中小・ベンチャ-企業

2008年4月10日 (木)

International Standardization Comprehensive Strategy

Formulating International Standardization Comprehensive Strategy:知財政策における国際標準化戦略:携帯電話の場合

弁理士 佐成 重範  Google検索SANARI PATENT

別サイト http://sanaripatent.blogspot.com/ 船井電機・PHILIPSOEM・ブランドライセンスビジネス(2008-2-10記事)

 まえがき: 財団法人JTEC(海外通信放送コンサルテゥング協力)という電気通信分野の国際協力機構が、総務省と経済産業省の共管によって活躍している。SANARI PATENTの佐成弁理士は、1990年代にJTECの専務理事を務めたが、当時、郵政省の国際部長であった内海義雄氏が国際電気通信連合(ITU)の事務総局長に就任され、第3世代移動通信に関する国際標準化について多国籍グル-プ間の調整に大きな貢献をされた。

 その内海氏の談話が、朝日新聞・論説委員室の「国際標準化と携帯電話」(2008-4-5)に登場し、内閣知財戦略本部の平成20年度内閣知財計画策定においても有益な示唆を贈るものと考えるので、ここに考察する。

1.        脇阪紀行・朝日新聞論説委員の「国際標準化と携帯電話」(2008-4-8)SANARI PATENT要約)

1-1        新しい携帯電話をと、電器店で選択したが、新製品が多数で中々決められない。iモ-ドからワンセグ、有機EL画面と新機能が続出し、日本の独自技術で高速進化する携帯電話は、日本ブランドの代表選手といった観さえある。

1-2        しかし、世界の携帯電話市場で、日本企業のシェアは小さく、海外で使われる携帯電話の規格の多くが欧州方式だ。欧州方式は90年代、世界に着々と広がった。(SANARI PATENT 注:電気通信分野では特にEUを基盤とするESTIの欧州標準化とそのグロ-バル化の活動が寄与している)

1-3        人口530万人のフィンランド国の企業ノキアの世界一への伸長も、欧州方式の世界普及を基盤とする。

1-4        「自らの規格をグロ-バルに普及させ、新市場をその標準化によって形成するのが欧州流だが、日本は、国際標準化競争に負けてしまった」と語るのは、ITUの内海義雄前事務局長だ。(SANARI PATENT 考察:フィンランドは上記1-3のように人口小国だから、国外に需要を求める。日本人口はフィンランドの20倍以上だが、世界人口の2%程度に過ぎず、国内でシェアを争うよりもグロ-バル市場のシェアを拡大することが企業の発展にも直結する)

1-5        ファックスや次世代DVDでは、日本の規格の国際標準化に成功したが、内海氏によると、携帯電話と地上デジタル放送では欧州方式が広がり、自らの方式にこだわる日本は世界市場から取り残されつつある。」(SANARI PATENT 考察:「自らの方式にこだわる」の意味は良く分からないが、携帯電話については、多機能化・高度化が国内市場で競争され原価も上昇したが、海外では必須機能・低コストがグロ-バルな普及の要因であるとSANARI PATENTは考える。従って、最近NTTドコモがこの方向をも指向していることは適切と考えられる)

1-6        政府や業界は「日の丸規格」のPRに熱心だが、良い規格だから国際標準になるとは限らない。世界の大勢が固まれば、素早く国際標準に合わせる決断も必要ではないか。

2. SANARI PATENT所見

   上記1-6の「結び」が最も重要で、多くの論点を含む。

2-1 「PR」によって国際標準ができるのではなく、「国際市場の事実上の占有」によってのみ国際標準が形成される。政府や企業は、内外の企業を含む企業グル-プの構築による世界市場の事実上の占有による「デファクト標準化」を達成し、これを「デジュリ標準化」(制度による国際標準化)する以外に国際標準化を獲得する方法はない。

2-2 従って、「国際標準に合わせる」の国際標準も、標準機構が作成した標準化に合わせるという意味ではなく、「デファクト標準化ないしこれに基づく制度的国際標準に合わせる(合わせざるを得ない)という意味にのみ解し得る。そもそも「標準機構」(ITUを含めて)自体に国際標準の実体を形成する能力はなく、市場を占有する技術の開発は企業と企業グル-プのみがその能力を持つ。ITUは企業の寄書に依存する。

2-3 上記2-3の具体例は、「グロ-バル情報通信システムの構築できる国際標準化とプロパテント政策との協調」〔パテント誌1999-9:佐成重範〕に詳述した。

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ITU、国際標準化、携帯電話、フィンランド、ESTI、ノキア

2008年4月 9日 (水)

Regional Activation Project

Regional Activation Project: 地域活性化への早期実施対策

弁理士 佐成 重範  Google検索SANARI PATENT

別サイト http://sanaripatent.blogspot.com/ NECト-キン知財高裁判決(2008-4-9記事)

  地域活性化と中小企業・農林水産・観光振興は、政治的にも一体化した課題であり、経済的にもその総合的な効果が必要である。従って、「成長力強化への早期実施策」(経済対策閣僚会議2008-4-4の「地域活性化」にも多くの項目が連ねられた。(SANARI PATENT要約)

1.        地方の元気再生事業による地域支援の強化

  地域が主体となった地域活性化の取組の立ち上がり段階を支援する対策を4月に創設する。

2.        ITの活用

2-1 ユビキタス特区の新年度事業を4月から開始し、光ファイバ-網の整備、IT人材の育成など「ITによる地域活性化等プログラム」を推進する。

2-2 3月から免許申請を開始した地域              WiMAX(SANARI PATENT 注:World Wide Interoperability for Microwave AccessKDDIらの共同出資会社による来年夏・事業開始の計画がある)の導入により地域の特性に応じた高速の無線ブロ-ドバンドシステムを整備する。

3.農商工連携の加速

「農商工連携88選」(先進事例集)を4月に公表し、農林水産品を活用した新事業展開や実用化研究開発を促進する。

4.        地域産業の再生

4-1        4月から、各地域の再生支援協議会および全国本部における常駐専門家の増員等により体制を強化する。

4-2        国民生活金融公庫、中小企業金融公庫等の企業債権資金貸付金利を4月から引き下げる。

4-3        金融商品取引法等の一部改正により銀行グル-プ等の議決権保有制限の例外措置を拡充する。

4-4        金融機関による企業の事業再生の取組について、検査・監督で積極的な評価・周知を図る。

4-5        中小企業の新規立地に対して、国民生活金融公庫、中小企業金融公庫等の超低利融資制度を、4月から実施する。

4-6        空き店舗への公共施設導入の促進や、中心市街地活性化法に基づく商店街活性化を推進する。

4-7        平成20年度早期に、金融機関に対して利子補給金を支給する制度を創設し、地域再生を推進する。

5.        SANARI PATENT所見

上記の諸対策には、新規に発案された構想もあるが、おおむね在来政策の強化であり、これまで諸対策がどのような効果を地域・中小企業の再生ないし新興に及ぼしてきたか、実例と統計の双方で先ず示すことが求められる。

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WiMAXKDDI、中心市街地、農商工連携、国民生活金融公庫、中小企業金融公庫

2008年4月 8日 (火)

Financial Safety Net for Small Sized Enterprises

Financial Safety Net for Small Sized Enterprises:中小企業金融円滑化の早期実施策

弁理士 佐成 重範  Google検索SANARI PATENT

別サイト http://sanaripatent.blogspot.com/ クリエイティブ産業の早期強化(2008-5-8記事)

中小企業に対する金融政策について「成長力強化への早期実施対策」(経済対策閣僚会議 2008-4-4)は次のように述べている。(SANARI PATENT要約)

1.        基本的考え方

1-1        わが国では原油・素材価格の高騰に加えて、ドル安に伴う円高の影響で大企業・中小企業ともに大部分の業種において業況感が悪化している。また石油製品や食料品の値上がりが、特に北海道・東北の消費マインドの悪化をもたらしている。

1-2        さらに米国経済の減速による同国向け輸出の減少など景気の下振れリスクが高まっている。従って、必要なことについては迅速に手を打つべく、中小企業の体質強化を始めとして早期実施策をまとめることとした。

2.        中小企業の金融円滑化

2-1        セ-フティネットの拡充

2-1-1        セ-フティネット保証の対象業種について、既定の83業種に加えて、業績悪化が著しい15業種を追加指定する。

2-1-2        金融機関との取引状況の変化により一次的に資金繰りに困難を来たしている中小企業の経営を安定するにため、特別貸付制度、セ-フティネット貸付(金融環境変化対応資金)の貸付限度額を時限的に拡充し、別枠3000万円を4000万円とする。

2-2               中小企業の創業、第二創業の促進

2-2-1        ベンチャ-の起業・育成支援のため、エンジェル投資の活性化に向けた支援策を抜本的に拡充する。

2-2-2        従業員の新規創業支援のため、特別貸付制度(新規開業支援資金)について、勤務条件を時限的に緩和する(6年以上→3年以上)。

2-2-3        中小企業の経営多角化・事業転換支援のため、特別貸付制度(第二創業関連の新事業活動促進資金)の対象者を拡充する(第二創業を図る者)に「第二創業後5年以内の者」を加える)。

2-3               中小企業の資本強化

2-3-1        新事業や事業再生に取組む中小企業について、特別貸付制度(挑戦支援資本強化特例制度。借入分を自己資本に組み入れたとみなすことができる資本的性質を有する劣後ロ-ン)を創設する。

2-3-2        資本的性質を有する劣後ロ-ンを、優先出資や無議決権株と同様、資本として融資先企業の債務者区分を査定できる旨、金融記載マニュアルに記載し運用する。

3.        SANARI PATENT所見

今月から即時実行される2-3の政策など、中小企業金融公庫の機能に俟つところが大きい。

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Safety Net、中小企業、中小企業金融公庫、特別貸付、優先出資

2008年4月 7日 (月)

Constitution of Small Sized Enterprises

Reinforcing the Constitution of Small Sized Enterprises:経済対策閣僚考える。会議(2008-4-4)の中小企業対策

弁理士 佐成 重範  Google検索SANARI PATENT

別サイト http://sanaripatent.blogspot.com/ 先端医療開発特区(2008-4-7記事)

  標記会議で「成長力強化への早期実施施策」として決定された中小企業の体質強化対策を見る。

1.        対策の内容(SANARI PATENT要約)

1-1        中小企業へのIT経営実践・普及の促進

1-1-1        研修事業を倍増して早期実施すると共に、農業にも対象を拡大し、IT専門家の派遣を早期実施する。併せて中小企業の業種、規模、課題等に応ずる最適なIT化をホ―ムペ-ジ上で指南する。

1-1-2        税務会計から電子納税申告、給与計算、年金関連申請などを処理できる中小企業向けオンライン版ソフトを開発し、国のポ-タルサイトから廉価で提供する。(SANARI PATENT 考察:ソフトウェア企業のSaaSによる提供を助成する選択肢も考えるべきである)。また、情報開示基準を満たすASPSaaSの民間認定を通じ、サ-ビスの普及を図る。(SANARI PATENT 考察:ASPSaaSは結局同一であるというのが総務省の見解せあるが、「また」以下を実施するならば、「国のポ-タルサイトからという対策は不要と考える)

1-1-3        中小企業の社内システムと、発注元に応じて多様なEDI(電子デ―タ交換)システムとを接続可能とするため、発注元の独自コ-ドを共通のコ-ドに変換する機能を持ったシステムを開発する。(SANARI PATENT 注:開発の主体を示していない)

1-2               地域力連携拠点の整備

経験豊富な大企業の退職者、中小企業、農業、大学等が相互に連携し、ITを活用した経営支援、政策金融を始めとする各種支援措置の積極的活用を通じて、中小企業の経営力向上、新事業展開、事業承継を支援するためのモdッル拠点を全国で200ないし300箇所、早期に整備する。(SANARI PATENT 注:本年6月上旬に事業開始としているが完結期も過程も示していない)

1-3               新現役チャレンジプランの推進

新現役(大企業等の退職者および近く退職を控える層)(SANARI PATENT 注:この定義では「旧退職者を含むこととなるなど、不完全な表現である)が(SANARI PATENT要約)有する技術、ノウハウを中小企業や地域に活かすため、新現役と中小企業とのマッチングを、地域力連携拠点等を通じて全国規模で展開する。

1-4               中小企業金融の円滑化(以下別掲)

2.        SANARI PATENT所見

中小企業対策は全ての政策において特掲され、新たな組織・機構や支援計画が示されるが、例えば、内閣知財戦略本部の知財戦略では、「中小・ベンチャ-企業に対する相談機能と情報機能を強化する」として、「支援機関の連携を促進するする」という項目を別掲している。中小・ベンチャ-企業対策の総合性、ワンストップ性を樹立することが中小・ベンチャ-企業の便益に適する場合も多いことを考慮すべきである。

(この記事修正のご要求やご意見は、sanaripat@nifty.com に、ご記名ご送信ください)

Small Sized Enterprise、成長力、EDI、退職者、ASP

2008年4月 6日 (日)

Ubiquitous ICT Special Project

Ministry of Communications Invites Ubiquitous ICT Special Project (Time Limit 21st April):本月21日期限で、総務省が「ユビキタス特区事業提案公募

弁理士 佐成 重範  Google検索SANARI PATENT

別サイト http://sanaripatent.blogspot.com/ アウトソ-シング事業(製造・知財)の変容(2008-4-6記事)

1.        ICT(情報通信技術)の国際競争力強化

1-1        ユビキタス特区は総務省が、「ICT改革促進プログラム」(2007-4-20)および「ICT国際競争力強化プログラム」(2007-5-22)に基づいて、昨年6月、創設に着手した。ユビキタス特区の特長は、世界最先端のICTサ-ビスを開発・実証できる環境を整備し、他国のユビキタス姉妹特区と連携して日本のイニシアティブによる国際展開を図ることである。

1-2        ユビキタス特区の概要(SANARI PATENT要約)

1-2-1        総合的なプロジェクト

新たな価値創造に繋がる、固定通信、移動通信、コンテンツおよびアプリケ-ションが融合・連携したサ-ビスの開発・実証実験を実施する。

1-2-2        電波の利用

電波の二次取引制度のケ―タイへの拡大について検討し、ユビキタス特区においてはケ―タイ用等の周波数が利用されていない間、混信が生じない範囲でその有効利用ができる環境を整備する。

 周波数を予め公示することにより短期で免許処理が可能となる実験無線局制度を創設する。

1-2-3        環境整備

関係府省においても、ユビキタス特区におけるICT利用を促進する環境を整備する。

1-2-4        国際連携

他国においても、一定の特典を有するユビキタス姉妹特区を設けるよう働きかける。

1-3               プロジェクトのイメ-ジ

1-3-1        ケ―タイ、自動車、家電、ロボットなど日本の強みを活かした組合せプロジェクト

1-3-2        世界最先端のユビキタス端末の開発・実証

1-3-3        次世代ケ―タイの開発。実証

1-4               提案評価の視点

1-4-1        革新的なICTサ-ビスの実証か、従来利用されていなかったネットワ-クの新たな活用に繋がるか、成長力の強化、地域経済の再生、安心できる社会の実現に繋がるか。

1-4-2        他国の需要にも応え得るか。

1-4-3        電波の利用が可能か。

1-4-4        内容・費用対効果が最も優れているか。

2.        SANARI PATENT所見

  ユビキタス特区制度創設後、平成19年度内に指定されたプロジェクトとして例えば、

名古屋市

における「放送と通信のシ-ムレスな切替を可能とする新ワンセグ端末の開発・実証」、

東京都新宿区

における「電話番号を企業のマスタ-IDとする電子申請支援サ-ビスの開発・実証」、

沖縄県名護市

の「ケ―タイによる観光動線誘導サ-ビスの実証」などがある。

ICT分野の知的財産開発による地域振興がグロ-バルな価値をも有するプロジェクトとして、関係知財専門家も挙って貢献すべきである。

(この記事修正のご要求やご意見は、sanaripat@nifty.com に、ご記名ご送信ください)

Ubiquitous ProjectICT、総務省、ユビキタス特区、名護市

2008年4月 5日 (土)

North South Problem on IP

North South Problem on IP and TK(Traditional Knowledge):インドが伝統療法防衛→ 伝統医薬のデ―タベ-ス化

弁理士 佐成 重範  Google検索SANARI PATENT

別サイト http://sanaripatent.blogspot.com/ 電気通信分野の競争状況(総務省)(2008-4-5記事)

 まえがき: 例えば12億人口のインドで伝統的な薬草処理医薬について、先進国企業が特許権を取得し、伝統医薬を特許侵害品として排除する場合には、インド国民はその薬草関連事業を失うと共に、より高価な輸入医薬に依存することとなる。逆にインドにおいて伝統的医薬品をデ―タベ-ス化し公知化すれば、先進国企業の特許権を無効とする可能性がある。

1.        特許庁の課題提起

  現在進行中の「イノベ-ションと知財政策に関する研究会」資料において特許庁は次のように述べている。(SANARI PATENT要約)

1-1        世界における知財政策は、世界知的所有権機関(WIPO)を中心として討議されてきたが、途上国から、「特許制度は途上国の発展に寄与しないのではないか」という問題が提起され、議論されたものの解決に至らない。

1-2        さらに途上国は、遺伝資源・伝統的知識・フォ-クロアを自らの強みとすべく、先進国に対して国際的な保護を要求しており、世界保健機関(WHO)などの様々なフォ-ラムで議論を展開している。

1-3        他方、先進国の側からは、WTO/TRIPSに加え、対途上国とのEPA/FTAのバイ交渉の場で途上国における知財保護を求める「TRIPSプラス」にシフトする向きもある。

2.        インドが伝統療法防衛

  上記に関連して、asahi.com 2008-4-4の次の報道が注目される。(SANARI PATENT要約)

2-1        インド伝統療法・医薬のデ―タベ-ス化がインドで進められている。1990年代以降、先進国企業の関連特許取得が相次ぐことから、外国特許庁に認識させ、インドの知の「盗用」を防ぐ狙いである。

2-2        インドの中央および州政府がデ―タベ-ス化を本格化した契機は、米国特許商標庁(USPTO)が1995年に香辛料タ-メリックによる外傷の治療法に特許を認めたことである。インド政府は1996年にこの特許に対して、「数千年に委員会呼ぶインドの知識を利用した」として特許取消の審査を請求し、米国特許商標庁は1997年にこの特許を取消した。

2-3        TRIPSに、特許出願者に課する条件として、知識の取得源、伝承共同体の同意、製品販売利益の分配に関する規定を盛り込むべきである」という学識者の意見もある。

3.        SANARI PATENT所見

新興国ないし先進国に至る過程において、途上国は知的財産に関する属地主義、国益優先の利益と、知的財産権法の国際調和に同調することにより得られる通商上のメリットの選択を迫られる。そのバランスを考量する課程において、伝統的知識の知的財産性主張は当然行うべき行動である。特にわが国は、新興国と多角的な協調を進める立場にあるから、知的財産権に関する調和も広汎な視点から進める必要がある。

(この記事修正のご要求やご意見は、sanaripat@nifty.com に、ご記名ご送信ください)

WIPO、インド、WHOUSPTO、南北問題、TK

2008年4月 4日 (金)

Supply Demand for Law Attorneys

Supply Demand for Law Attorneys:知的財産人材育成総合戦略(内閣知財戦略本部)における弁護士

弁理士 佐成 重範  Google検索SANARI PATENT

別サイト http://sanaripatent.blogspot.com/ バリアフィルム、ステレオ印刷

(2008-4-4記事)

  最近のマスコミには、「都会の弁護士、狭き門」(2008-4-2 朝日新聞)、「法   曹人口増加計画の見直しは、社会の進む方向に逆行」(2008-4-1 )など、多様な発言が見られる。知財専門家の筆頭にも掲げられる弁護士員数論について、内閣知財戦略本部ではどのような見解か。

1.        知的財産人材総合戦略(内閣知財戦略本部)における弁護士

  この戦略は75ペ-ジにわたるが、関係部分をSANARI PATENTが要約する。

1-1        弁護士については、米国の弁護士登録者数が約100万人であるのに対して、日本の弁護士数は約2万人である。この中でも、日本において知的財産を業務対象とする弁護士は約1500人と見られ、理工系出身の弁護士が多い米国と比べても大幅に少なく、層も薄い。

1-2        科学技術を基礎とした経済競争が国際的に激化しているが、法律一辺倒ではなく、理工系の知識を持った弁護士が必要不可欠である。法律と技術と知的財産権に精通している弁護士が決定的に不足している。

1-3        コンテンツの分野では、エンタ-テイメントロイヤ-ズネットワ-クの構築など、弁護士による知的財産知識の修得の場が設けられているが、特許分野ではこのような仕組みが不足している。知的財産ビジネスや知的財産紛争に関する経験と知識を豊富に有する弁護士の育成が求められている。

2.        現行の弁護士増員計画

2-1        司法試験合格者数を2010年までに年3000人に増やすという計画は、弁理士の特許権侵害訴訟代理権創設などと共に、その源流を司法制度改革審議会の意見書(2001)に発している。当時使用された資料では、米国の弁護士数90万6611人で対人口10万比339.9人であったが、日本の弁護士数は16,398人で対人口10万比13人、米国の4%に満たないことが注目された。また、上記わが国の弁護士数、対人口10万比13人が、英国の158.3人、ドイツの135.7人、フランスの61.3人に比べても、過少と考えられた。

2-2        siten@asahi.com(2008-4-1)で司法修習性I氏が述べた次の趣旨も注目される。

2-2-1 「法」とは本来、全ての人に開かれた道具であるべきだが、わが国の法はさも難しいもののように思われて、専門家に独占されてきた。

2-2-2 しかし、司法改革が進み、裁判員制度という画期的な変化も始まり、法律家も狭い役割に閉じこもらず、何をすべきかを問い直すときだ。

2-2-3 増加計画の理念を忘れた見直し論は、社会の進む方向に逆行している。

3. SANARI PATENT所見

3-1 知的財産政策とその運用を、国際競争力強化の見地から考えるとき、知的財産権に係る法的攻撃・防護力の具備とその発揮が益々重要となり、米国の弁理士、すなわち、特許弁護士(Law AttorneyPatent Agentの登録を得た者)2万3千人と、Patent Agent7千人の計3万人で構成されていることは、わが国弁理士数約7700人とそのうち訴訟代理能力者の僅少であることを、国際競争力の観点からも評価し、関係する国情の相違の有無も含めて、検討を継続することが国益に適する。

3-2 上記2-2の視点の核心は、「法曹の本当の質は試験だけで測れるものでなく、立派な雛に成長するかどうかは、現場に出して、国民が判断すればよいことだ」という記述である。これは米国流であって、日米流儀の優劣については諸般の見解が考えられる。

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Patent AttorneyPatent AgentLaw Attorney、弁護士、弁理士

2008年4月 3日 (木)

Government IP Headquarters Requests Public Opinion

Government IP Headquarters Requests Public Opinion for IP Strategy 2008:内閣知財戦略本部が知財推進計画2008のため意見公募(本日が期限)

弁理士 佐成 重範  Google検索SANARI PATENT

別サイト http://sanaripatent.blogspot.com/ SANARI PATENTが内閣知財戦略本部に意見書(2008-3-2記事)

  内閣知財戦略本部は、知的財産推進計画に盛り込むべき事項について、本日を提出期限とする意見公募を行っている。SANARI PATENTは、上記サイトのように意見を送信した。その内容について補足する。

1.        宇宙空間における発明

1-1 米国特許法第105条は、次のように定めている。

「合衆国の管轄または管理のもとで(under the jurisdiction or control of

The United States)、宇宙空間で製造され、使用され、または販売された宇宙物体またはその部品についての発明は、本法の目的のもとにおいて、合衆国内で製造され、使用され、または販売されたものとみなされる。ただし、合衆国が当事者である国際条約によって特別に指定された宇宙物体またはその部品あるいは宇宙空間へ打ち上げる宇宙物体またはその部品あるいは宇宙空間へ打ち上げられる宇宙物体の登録条約に従って外国の登録簿に記載された宇宙物体またはその部品は除外される。」

1-2 SANARI PATENT提出意見は、わが国特許法にも同様の規定をおく必要があるという趣旨である。

2.        海洋開発

2-1        海洋基本法が昨年7月に施行され、第一次海洋基本計画が(2008-3)が先般、閣議了承された。東シナ海の海底油田、日本列島海域の地下鉱物資源、中東海域の淡水水脈等、技術開発と基盤法制・外交関係の交錯する政策領域である。

2-2        従って上記基本計画も、「海洋科学技術に関する研究開発は、人文・社会学分野も含め多岐にわたる領域に広がること」、「海洋調査や諸現象解明に必要な船舶やス-パ-コンピュ-タなど、多額の投資と長期間を要し、特殊な研究基盤を必要とすること」、「短期間のうちに直接的成果に結びつき難い性格の研究も多いこと」を先ず指摘し、「未解明領域が多い海洋に関する基礎研究は、真理探究と試行錯誤の蓄積の上に実現される」としている。

2-3        内閣には内閣知財戦略本部と内閣海洋本部が並立することになったから、両本部の政策調整が必要である。特に知的財産推進計画は産学連携を強調し続けるが、2-2の「短期間のうちに直接的成果に結びつき難い性格の研究」に関する産学官連携の在り方を、知的財産推進計画2008は明示すべきである。

(この記事修正のご要求やご意見は、sanaripat@nifty.com に、ご記名ご送信ください)

IP headquarters、宇宙空間、海洋、知的財産推進計画、内閣

2008年4月 2日 (水)

J-Power Management Plan for FY2008

J-Power Management Plan for FY2008:電源開発(株)が2008年度・経営計画を発表(2008-3-31)

弁理士 佐成 重範  Google検索SANARI PATENT

別サイト http://sanaripatent.blogspot.com/ 米国特許法の宇宙における発明規定(2008-4-2記事)

  電源開発は、わが国エネルギ-需給の要めであり、また電力に関する外交の中核でもあるが、近年、海外ファンドが標的とするなど、話題性にも富む。その電源開発の新年度計画を考察する。

1.        電源開発新年度計画(SANARI PATENT要約)

1-1        電源開発(以下「J-Power グル-プ」)は、純国産エネルギ-である水力発電と、経済性に優れる石炭火力を主体として約1700kWの発電設備を保有・操業し、わが国の電力供給の約7%を担う卸電気事業者である。また2400kmに及ぶ基幹送電線、地域間連系線、周波数変換所なども保有・操業し、日本の各地を結んで電力安定供給の一翼を担っている。

1-2        技術開発分野では、地球温暖化対策の切り札となる酸素吹き石炭ガス化パイロットプラントの長時間連続運転に成功した。

1-3        海外では東南アジア、米国、中国を中心として発電事業に参画し、持分出力は約270kWに達している。

1-4        J-Power グル-プをめぐる経営環境は、次のように重大な変化の時を迎えている。

1-4-1        二酸化炭素削減の本格化→ エネルギ-と環境の共生に資するイノベ-ションや事業開発など、課題克服に向けた取組を新たな成長に繋げる。

1-4-2        電力需要の構造的低成長化→ 設備の信頼性と経済性の維持により安定供給を担いつつ、成長市場でのビジネスなどにより収益力を強化する。

1-4-3        エネルギ-資源価格の高騰→ リスク増大に備える財務基盤強化と、燃料調達など収支安定化に向けた課題に対応し、かつ収益源を多様化する。

1-5               J-Power グル-プの重点的取組

1-5-1        磯子新2号・大間原子力・大間幹線の建設

1-5-2        石炭ガス化・燃料電池・CCS(SANARI PATENT 注:二酸化炭素の回収・貯留)の技術開発

1-5-3        既設水力・火力・送変電設備の資産価値向上

1-5-4        海外発電事業による収益の増大

1-5-5        発電をコアとするビジネスの多様化

1-6               新年度の課題

1-6-1        二酸化炭素排出ゼロを目指す回収試験を開始する。

1-6-2        定格出力の確認試験、長期信頼性と運用性の検証試験を継続する。

1-6-3        化学吸収法による燃焼後二酸化炭素回収試験を継続実施し、また、豪州カライド火力発電所における酸素燃焼後・二酸化炭素回収・地下貯蔵プロジェクトに参加する。

1-6-4        高効率発電技術として、石炭ガス化複合発電、石炭ガス化燃料電池複合発電に取組む。

2.        SANARI PATENT所見

  上記1-6-3の技術開発のほか、風力発電、バイオマス発電、カ-ボンビジネスなど、エネルギ-関連の技術開発と新たなビジネスモデルの展開を、経営戦略(コ-ポレ-トガバナンスを始めとして)の遂行のもとに、J-Power グル-プは実現してゆくと考える。

(この記事修正のご要求やご意見は、sanaripat@nifty.com に、ご記名ご送信ください)

J-Power、電源開発、二酸化炭素、石炭ガス化、周波数変換

2008年4月 1日 (火)

Meaning of Patent Quality and Patentability

Meaning of Patent Quality and Patentability:休眠特許(Sleeping Patent)と「特許の質・特許性」の関係

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com  Google検索SANARI PATENT

別サイト http://sanaripatent.blogspot.com/ リ-ジョナルジェット機の国産

(2008-4-1記事)

1.休眠特許の課題性

1-1 休眠特許数が登録特許数の約半数に達すること、特許権の実施独占性とその法的安定性など諸般の見地から、休眠特許は一つの重要な政策課題とされているが、「休眠特許」、「特許の質」などの定義が明確でない。

1-2 例えば、休眠特許のうちには、特許権を付与・登録されたのに長期間未利用状態にある特許のほか、特許出願後、一定の法定期間(原則として18月)を経て公開されるものを含むか。このことは、「特許公開」という用語が一般国民には、「許可・登録された特許権の公開」と理解され易いこととも関連して、知財立国の政策課題の一つとすべきである。

2.朝日新聞の「休眠特許」欄を教材として

2-1 朝日新聞の日曜版に長期連載されている「休眠特許」欄は、内閣知財戦略本部が強調する国民全体の知財知識普及・創出能力涵養のため貴重である。今週日曜日(2008-3-30)にも、「衣料の乾燥時間をレンジで短縮」というテ-マで「大阪府の大学教授A氏」の「特許公開」対象「発明」が解説され、読者を思考させた。

2-2 上記A氏の特許出願(「本件出願」と呼ぶと訴訟的なので「この出願」と呼ぶ)は、2008-3-30現在では特許付与に至らず、2001年に出願後、約7年、特許公開後約5年を経過しているから、純粋な休眠特許(防衛特許でもなく今後利用計画もない登録特許権または特許出願[この出願の場合は後者])である。

2-3 A氏の着想は、極めて簡単に言えば、「電子レンジで食品を数分以内で加熱できるから、洗った下着類を大型電子レンジで加熱乾燥すれば便利だ」ということであると推察する。これだけでは、「容易想到性」という特許性否定要件に該当すると考えられよう。

2-4 しかし、朝日新聞の解説によれば、「ポイントは、レンジで発火したり縮んだりする素材や金属は一切使わないことと、布地や糸、ボタンは乾き易いポリプロピレンで統一し、「電子レンジ対応」のタグを付けることで、従って、この出願の「発明の名称」は「電子レンジ乾燥用衣料」である。出願人は財団法人・上田繊維科学振興会とA氏の共同出願で、発明者はA氏とB氏(2-1記事によればA氏の教え子)の共同発明である。

2-5 この出願の請求項1は、「電子レンジ乾燥用衣料において、ポリプロピレン素材の生地から成り、縫製用糸もポリプロピレンから成り、その他の副素材も実質的に誘電率2.2以下の物から成ることを特徴とする衣料」と定め、請求項2以下は請求項1にタグラベルの付加などの系を定める。

3.SANARI PATENT所見

3-1 朝日新聞は、「実用化には壁があった」として、完全に乾かすには、布地の表面温度が65度以上になったら、自動的に電子レンジの電源が止まる機能が必要であること、衣類を吊るす縦長電子レンジを電気メ―カが開発すること、高性能洗濯乾燥機が普及したことなどを挙げているが、適切な指摘である。

3-2 特許の質を高めることが政策課題とされているが、上記3-1のような壁の存在が「発明の質」に影響するのか、思案を要する。

(この記事修正のご要求やご意見は、sanaripat@nifty.com に、ご記名ご送信ください)

Quality of PatentSleeping Patent、朝日新聞、休眠特許、電子レンジ

Meaning of Patent Quality and Patentability

Meaning of Patent Quality and Patentability:休眠特許(Sleeping Patent)と「特許の質・特許性」の関係

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com  Google検索SANARI PATENT

別サイト http://sanaripatent.blogspot.com/ リ-ジョナルジェット機の国産

(2008-4-1記事)

1.休眠特許の課題性

1-1 休眠特許数が登録特許数の約半数に達すること、特許権の実施独占性とその法的安定性など諸般の見地から、休眠特許は一つの重要な政策課題とされているが、「休眠特許」、「特許の質」などの定義が明確でない。

1-2 例えば、休眠特許のうちには、特許権を付与・登録されたのに長期間未利用状態にある特許のほか、特許出願後、一定の法定期間(原則として18月)を経て公開されるものを含むか。このことは、「特許公開」という用語が一般国民には、「許可・登録された特許権の公開」と理解され易いこととも関連して、知財立国の政策課題の一つとすべきである。

2.朝日新聞の「休眠特許」欄を教材として

2-1 朝日新聞の日曜版に長期連載されている「休眠特許」欄は、内閣知財戦略本部が強調する国民全体の知財知識普及・創出能力涵養のため貴重である。今週日曜日(2008-3-30)にも、「衣料の乾燥時間をレンジで短縮」というテ-マで「大阪府の大学教授A氏」の「特許公開」対象「発明」が解説され、読者を思考させた。

2-2 上記A氏の特許出願(「本件出願」と呼ぶと訴訟的なので「この出願」と呼ぶ)は、2008-3-30現在では特許付与に至らず、2001年に出願後、約7年、特許公開後約5年を経過しているから、純粋な休眠特許(防衛特許でもなく今後利用計画もない登録特許権または特許出願[この出願の場合は後者])である。

2-3 A氏の着想は、極めて簡単に言えば、「電子レンジで食品を数分以内で加熱できるから、洗った下着類を大型電子レンジで加熱乾燥すれば便利だ」ということであると推察する。これだけでは、「容易想到性」という特許性否定要件に該当すると考えられよう。

2-4 しかし、朝日新聞の解説によれば、「ポイントは、レンジで発火したり縮んだりする素材や金属は一切使わないことと、布地や糸、ボタンは乾き易いポリプロピレンで統一し、「電子レンジ対応」のタグを付けることで、従って、この出願の「発明の名称」は「電子レンジ乾燥用衣料」である。出願人は財団法人・上田繊維科学振興会とA氏の共同出願で、発明者はA氏とB氏(2-1記事によればA氏の教え子)の共同発明である。

2-5 この出願の請求項1は、「電子レンジ乾燥用衣料において、ポリプロピレン素材の生地から成り、縫製用糸もポリプロピレンから成り、その他の副素材も実質的に誘電率2.2以下の物から成ることを特徴とする衣料」と定め、請求項2以下は請求項1にタグラベルの付加などの系を定める。

3.SANARI PATENT所見

3-1 朝日新聞は、「実用化には壁があった」として、完全に乾かすには、布地の表面温度が65度以上になったら、自動的に電子レンジの電源が止まる機能が必要であること、衣類を吊るす縦長電子レンジを電気メ―カが開発すること、高性能洗濯乾燥機が普及したことなどを挙げているが、適切な指摘である。

3-2 特許の質を高めることが政策課題とされているが、上記3-1のような壁の存在が「発明の質」に影響するのか、思案を要する。

(この記事修正のご要求やご意見は、sanaripat@nifty.com に、ご記名ご送信ください)

Quality of PatentSleeping Patent、朝日新聞、休眠特許、電子レンジ

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