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2008年1月31日 (木)

Patent Trawl or Patent Troll ?

Patent Trawl or Patent Troll ?  「特許権の濫用的な行使に関する問題」を「パテントトロ-ル問題」と呼ぶ場合

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com  Google検索SANARI PATENT

関連記事http://sanaripatent.blogspot.com/ 2008-1-31 New IP Business

1.        パテントトロ-ルの定義

1-1        海外、特に米国で活躍するわが国企業にとって、パテントトロ-ルは現に、事業を阻害する大きな要因であると共に、米国の特許制度とその運用の動向によって、「阻害」の程度や態様が変動するリスク要因として認識されている。わが国内においても、累次の問題が萌芽しているといわれる。

1-2        特許庁イノベ-知財資料(2008-1-23)は、パテントトロ-ルの定義について次のように述べている。

「パテントトロ-ルについての明確な定義は存在しないが、例えば、自らは研究開発や製品の製造販売等を行わないにもかかわらず、特許権を保有し、その特許権を行使して他者から高額な和解金・ライセンス料を得ることを目的とする個人や団体等を指すという説がある。他方、パテントトロ-ルの定義づけは難しく、個別の事例ごとに判断すべきであるとの意見の多い。ここでは、「特許権の濫用的な行使に関する問題」を「パテントトロ-ル問題」と呼ぶことにする。」

1-3        特許庁の見解

1-3-1        知財の活用・流通市場の重要性(パテントトロ-ルとの関係で)

オ-プンイノベ-ションの動きを更に加速させ、競争力を強化していく ためには、知財管理ビジネスの担い手の拡充等、知的財産の活用・流通市場の成長を促進することが重要である。

1-3-2        パテントトロ-ル問題

  しかし、こうした知的財産の活用・流通市場の成長を促進させることの重要性が増す一方で、標準化におけるアウトサイダ-の問題や、パテントトロ-ル問題が、ビジネス上の不確実性を高め、イノベ-ションを阻害する要因になっているとして、米国を中心に注目されてきている。海外に事業展開している日系企業は、現実にパテントトロ-ル問題に直面しており、また日本国内においても同様の問題が発生しているといわれている。

1-3-3        日本における検討状況  

そのためわが国でも、分野別知的財産戦略の情報通信分野担当(内閣知財戦略本部)等において、正当な知的財産権の権利行使を尊重しつつも、知的財産権の濫用的な行使に、どのように対処してゆくべきかについて、検討が進められている。

なお、日本で問題になっている事例としては、例えば、電子部品に関するパテントポ-トフォリオ(米国特許を中心に、その他の日本特許・欧州特許から成るポ-トフォリオ)を用いて、電子部品のメ―カに対してではなく、自動車業界などを含む最終製品販売会社に対して権利行使するケ-ス等が挙げられるようである。(SANARI PATENT 注:原文の「電子部品のメ―カに対してではなく」は「に対してだけではなく」と解する。特許権侵害製品を購入・使用した者に対して直接、どのような権利行使が可能かは、立法政策の問題でもあり、プロパテントの態様いかんによって、イノベ-ション阻害をもたらすと見られる場合が考えられる)

2.        SANARI PATENT所見

  パテントトロ-ルが「Patent Trawl」であるのか、「Patent Troll」であるのか、分からないままで、カタカナのパテントトロ-ル問題がわが国でも話題となり、問題となってきた。Patent Trawlの要素もあって、トロ-ル船のように、一つの魚種を洗いざらい取得し、その売却・ライセンスを業とする場合、対価が適正であれば、その利用企業にとって便益をもたらす場合もあるし、流通市場形成の促進が政策である以上、業態を問わずに非難することはできない。

  パテントトロ-ルが「Patent Troll」であるとすれば、テレビ東京WBSの知財番組が「パテント怪物」と適切に訳したように、有能でもあり得る。一方、「特許権を濫用するパテントトロ-ル」もある。正当な「多数特許権の取得・流通事業」まで「濫用パテントトロ-ル」と混同されれば、政策の本旨に反する。

(この記事の修正ご要求は、sanaripat@nifty.comに送信下さい)

Patent TrawlPatent Troll、ライセンス、特許庁

2008年1月30日 (水)

The Meaning of Open Innovation 

The Meaning of Open Innovation オ-プンイノベ-ションの進展と課題を特許庁が指摘

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com  Google検索SANARI PATENT

別サイト http://sanaripatent.blogspot.com/ 2008-1-30 日米欧三極のAntimonopoly and IP

1.        特許庁イノベ-知財資料(2008-1-23)におけるオ-プンイノベ-ション

1-1        オ-プンイノベ-ションという用語は、平成19年度内閣知財計画には未だ登場していない。特許庁イノベ-知財資料の「広がりをもったイノベ-ションの整備」の章に、「オ-プンイノベ-ションの進展」という節を設けているが、その表現で注目されるのは、オ-プンイノベ-ションを産業の全分野にわたる方向性として考えるのではなく、業種分野の特殊性に対応するものと解していることである。すなわち、特許庁イノベ-知財資料は次のように述べている。

「技術の高度化・複雑化や知識の世界的な広がりを背景に、イノベ-ションの形態が、研究開発から製品化までの全てを自前で行う垂直統合型から、外部の技術力を活用しつつ研究開発を進めてゆくオ-プンイノベ-ションへとシフトしている分野もある。」

1-2        上記特許庁イノベ-知財資料の記述から次のように認識すべきである。

1-2-1 「イノベ-ション」という用語には、「技術革新」ないし「技術革新による社会経済の革新」という成果を示す意味と、「そのような成果をもたらすための企業行動」を示す意味と、この二つの意味である。

1-2-2 上記1-1の特許庁イノベ-知財資料における「イノベ-ション」は、1-2-1の後者、すなわち、「企業行動」の意味でのイノベ-ションと解する。イノベ-ションは全ての分野にわたって必要であるが、クロ-ズドイノベ-ションとオ-プンイノベ-ションの二つの態様の選択が、分野別・企業別になされてゆく、と見ているものと解する。

1-2-2 経済産業省資料の「オ-プンイノベ-ション環境に向けた取組」(副題:「OSS活用基盤整備」から「オ-プンスタンダ-ドに基づく調達・開発の促進」   による「オ-プンイノベ-ション環境整備へ」:2007-10-30)は、冒頭に「ソフトウェア産業におけるイノベ-ション促進には、オ-プンイノベ-ションの整備が必要不可欠」として、OSS(オ-プンソ-スソフトウェア)の活用により「オ-プン標準に基づく調達・開発」を促進し、「オ-プンイノベ-ション環境の整備」に至るべきことを示している。

1-2-3 従って、平成19年度内閣知財計画には、未だ「オ-プンイノベ-ション」という用語が登場していないが、OSSの定義として「ソ-スコ-ド(人間が読むことができるプログラムの内容)が公開され、誰でも複製、改変、配布等を自由に行うことができるソフトウェア」と記述している。

1-2-4 Harvard Business School Press の「Open Business Models : How to Thrive in the New Innovation Landscape」の要旨は、「イノベ-ションのうち、特にオ-プンイノベ-ションが重要になった」「オ-プンイノベ-ションにより企業は、社外のアイディアや技術を有効に活用し、自社のそれらを他社に活用させ、イノベ-ションの価値を高め得る」「ITの進歩によりアイディアの自由交換市場が形成され、オ-プンなビジネスモデルのイノベ-ションが加速される」「オ-プンイノベ-ションが機能するためには、知財の管理・流通・企業のビジネスモデルとの合致が適切に行われることが必要である」という観点に立脚すると、SANARI PATENTは解する。

2.        SANARI PATENT所見

  今次特許庁イノベ-知財資料の「オ-プンイノベ-ション」も、1-2-2の系として、ソフトウェア産業に重点が置かれているが、オ-プンイノベ-ションの趣旨は、包括クロスライセンス契約などの技術共用システムの集積・拡大によっても達成され得るから(多機能プリンタなど現実の例)、オ-プンイノベ-ションという用語に捉われず、実態を考察すべきである。

(この記事の修正ご要求は、sanaripat@nifty.comに送信下さい)

Open innovationHarvard、ビジネスモデル、特許庁、経済産業省

2008年1月29日 (火)

Local Brand vs. Downtown Brand

Local Brand vs. Downtown Brand  TBS本年度上半期報告書の「赤坂サカス」(akasaka Sacas)本年3月誕生: NGN(次世代ネットワ-ク社会)におけるTV

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Google検索SANARI PATENT

別サイト http://sanaripatent.blogspot.com/ 2008-1-29 特許制度見直し論

1.        地域ブランドと都心ブランド

1-1 今週末には蕾(つぼみ)が膨らみ始める河津桜は伊豆の地域ブランドであるが、福島三春の枝垂れ桜「三春桜」などの地域ブランドをも包摂して、河津桜に始まり4月下旬満開の八重桜に至るまで、百本の桜を競わせるTBSの赤坂再開発エリア「赤坂サカス」は、本年3月竣工と共に、新たな「都心ブランド」として、都心ブランドと地域ブランドの双方の振興に寄与すると、SANARI PATENTは考える。

1-2 標記報告書によれば、

1-2-1 赤坂に、「伝統」と「最先端の流行」がシンクロする新しい文化発信エリアが誕生する。TBS放送センタ-、39階建ての赤坂Bizタワ-、ライブハウス赤坂BLIZ1300席の劇場赤坂ACTシアタ-、BKIZ隣接のガラス張り赤坂ギャラリ-、サカス広場、結婚式場などが一斉にオ-プンする。このエリアの総称が「赤坂サカス」である。

1-2-2 「サカス」は桜を「咲かす」。

1-2-3 「赤坂さかす」の和風には、赤坂居住の勝 海舟、豊川稲荷、氷川神社、粋な黒塀、赤坂芸妓のイメ-ジが籠る。

1-2-4 赤坂の三分坂、薬研坂、丹後坂、氷川坂など、坂の複数の「サカs」である。ロ-マ字表記のAKASAKASAKASを右から読むSAKAKAKAASAKAにはSAKAが三つ連なる。

1-2-5 サカスは、柔らかな三音節で耳に馴染み易い。

1-2-6 中心広場のサ-カスのも通ずる。

1-3 また同報告書によれば、

1-3-1 TBSの事業収入、営業利益、純利益ともに増加した。特に映像・文化事業・イベント・ソフトビジネス・ライセンスビジネスの増収・増益率が高水準であった

1-3-2 TBSは、デジタルコンテンツビジネスのリ-ディングカンパニ-として放送業界における地位を確立するため、平成22年度500億円のキャッシュフロ-等の計画を達成する。

2.        NGN(次世代ネットワ-ク社会におけるTV

2-1  次世代ネットワ-ク社会は、既にその形成が着手された局面もあり、これから展開する局面もあるが、「TVPC」「放送・通信」「有線・無線」「固定・移動」「デジタル・アナログ・ライブ」「仮想・現実」の各融合が更に融合かつ高度化・革新技術化されて社会・経済のイノベ-ションを起動してゆく過程的社会であるから、TV業界の変容をその動因とし結果ともすることは必然的である。

2-2  例えば、上記1-3-1の「映像・文化事業」「イベント」「ソフトビジネス」「インタ-ネット」および「ライセンス」各分野について、TBSは「アクロバティック白鳥の湖」「女子バレ-ボ-ル」「ロシア皇帝至宝展」「包帯クラブ」「華麗なる一族」「王様のブランチ」「ハマスタWAVE動画配信」などの好調を報告しているが、いずれも上記2-1の諸融合の端緒をなすと共に、今後、異質な展開も予想される。

2-3  その一つが、米欧がわが国に先行している「ネットテレビ」との融和や競合であり、「acTVila」(テレビの新しいネットサ-ビス)にはTBSも融和している模様である。

2-4  このようにTV事業の多角化が進む局面で、TVSという社名ブランドと、「赤坂サカス」という都心ブランドのブランド力が相乗することが期待される。

(この記事の修正ご要求は、sanaripat@nifty.comに送信下さい)

BrandTBS、赤坂、NGN、河津桜、サ-カス

2008年1月28日 (月)

Impacts of IP on Innovation

Various Impacts of IP on Innovation 特許庁「業種ごとに異なるイノベ-ション創出構造への対応」

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Google検索SANARI PATENT

関連記事http://sanaripatent.blogspot.com/ 2008-1-27 Pro vs.Anti Patent

  知財がイノベ-ションの創出に果たす役割の「変化」について、特許庁イノベ-知財資料は次のように述べている。(SANARI PATENT要約)

1.        知財の役割について新たな課題

グロ-バル化と、技術の高度化・複雑化という変化に伴い、知財システムがイノベ-ション創出に果たす役割についても、新たな課題が生じている。特許の在り方についての判断は、イノベ-ションの創出・促進を左右し、不確実な特許は、ビジネス戦略にも大きな影響を与えている。

2.        特許法の分野別細分化には慎重

しかしながら、特許法および特許政策のカスタマイズに対しては、慎重な意見がある。すなわち、業種分野別の異なる特許体系を構築することは妥当でない。単一の特許法により、裁判所がその判決において、それぞれの産業の特徴に対応する分析手法を構築するという実質的な裁量を裁判所に委ねており、特許法が過度の専門化・細分化に至ることなく、特許制度固有の性質が考慮され得る。

3.        「知財→イノベ-ション」の諸理論

3-1        医薬品分野→ 発明プロセスの初期段階で特許を付与することにより、研究者が特許を期待し、イノベ-ションが促進されるという考え方

3-2        ビジネスモデル分野→ 特許による保護がなくても、競争的な環境によってイノベ-ションは促進されるという考え方

3-3        ソフトウェア分野→ 発明は単独になされるものではなく、基本発明と改良発明の双方にインセンティブを与える(特許を付与する)ことによりイノベ-ションが促進されるという考え方 (SANARI PATENT 注:ソフトウェア開発の大企業よりも、個人発明家に多い主張と推測する)

3-4        バイオ分野→ DNA特許など、それぞれの特許の範囲は狭いにもかかわらず、技術がこうした特許により細分化されてしまっているため、ライセンスコストの高騰などによりイノベ-ションが阻害されているという考え方

3-5        半導体分野→ 多数企業が同時に同じ技術を達成しようとするため、類似の複数特許が「重複的」に存在することになり、その結果、既存企業同士は広汎なクロスライセンス契約を結び、新規参入企業を事実上排除することとなるため、イノベ-ションが阻害されるという考え方

4.        分野別とTRIPsとの調和

4-1        業種ごとにイノベ-ション創出の構造が異なるが、TRIPs(知的財産権の貿易関連の側面に関する協定)は、加盟国に対して技術分野に基づく特許付与の差別を禁じているので、これに違反しないよう、例えば米国では法理に基づく政策レバ-により、一般的な特許法の規定を状況に合わせて適応させる裁量を裁判所に与えている。その具体例としては、当業者の技術水準、明細書の記載要件、特許の保護対象などである。

4-2        わが国でも、時代の要請に応じて累次の法改正等を行ってきた。また、2004年4月に発足した知財高裁で、重要な法律上の争点を含む場合には大合議判決が出されているが、3件に過ぎない(SANARI PATENT 注:この3件について、その意義の説明がない)

4-3        このような状況のもとで、わが国の特許政策レバ-について、どのように調整すべきか、例えば、透明性、予見可能性、迅速安定性、柔軟性の観点から、審査の運用を見直すことは必要か、課題である。

5.        SANARI PATENT所見

    上記4-2の「法改正等」の意義と、現時点での見直し論の内容が当面の検討対象である(次回)。

(この記事の修正ご要求は、sanaripat@nifty.comに送信下さい)

Impacts of IPInnovation、政策レバ-、ビジネスモデル、知財高裁

2008年1月27日 (日)

Copy Rights Protect Digital Contents

Copy Rights Protect Digital Contents Distribution Virtual World IP Office, Rather Than Virtual World Patent Office 世界特許庁より世界知的財産庁

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Google検索SANARI PATENT

関連記事http://sanaripatent.blogspot.com/ 2008-1-27 Transition of Pro-Patent in USA

1.        特許庁イノベ-知財資料(2008-1-23)の「仮想世界特許庁」

1-1        特許庁のこの構想を考察するに先立って、SANARI PATENTは、「仮想世界特許庁」よりも 「仮想世界知財庁」を提案する。

1-2        デジタルコンテンツの流通促進をめぐって、著作権に対する権利制限の強化が、特許権と著作権の知財内部相克のように認識されたり、プログラム特許権とプログラム著作権の調整が議論されたり、次世代ネットワ-ク構築における通信放送融合の阻害要因として著作権が目されたりというような現象は、知的財産の綜合政策によって円滑に調整すべきであり、従って、標記特許庁提案についても、上記1-1の方向性が望ましい。

2.        著作権がデジタルコンテンツを保護した今次コンピュ-タウイルス事件

2-1  ファイル交換ソフト「Winny」による蔓延ウィルスの作成・使用者(大阪電気通信大学院生)が「国内で初めて」逮捕(2008-1-24)されたという今次事件は、著作権法違反容疑が逮捕状記載理由であることから、デジタルコンテンツの流通保護を、著作権法が果たす結果となった。

2-2  デジタルコンテンツの流通は本質的にグロ-バルであるが、その正常性を破壊するウイルスウイルス犯罪については、国内海外とも、犯罪技術の巧妙化に対して法整備が十分には追随できない現状である。今次逮捕は、器物損壊罪や偽計業務妨害罪の適用が可能でないとして、ウイルスファイルに用いたテレビアニメの画像使用に関する著作権法違反を逮捕容疑事実とした。

2-3  結果的に、デジタルコンテンツ流通が、著作権法によって保護され得る場合を示したわけである。

3.        仮想世界特許庁構想の内容

  特許庁の所掌からして、上記「仮想世界知財庁」の構想を特許庁に要請することはできないが、特許庁イノベ-知財資料は次のように述べている。(SANARI PATENT要約)

3-1 WIPO、日米欧三極および日米欧韓などにおける特許ワ-クシェアリングの取組を進めることによって、いわば仮想的な特許庁が構築されることが期待される。そして、ASEANBRICs、さらにはVISTA(南ア等)に対しては、各国が互いの法制度の違いや現実の状況を尊重しつつ、各国間で多くの審査協力関係を結ぶことにより、ワ-クシェアリングを始めとする審査協力のネットワ-クを世界的に拡大することが期待される。

3-2 元USPTO(米国特許商標庁)長官Bruce A. Lehmanは、次のように述べている。

3-2-1 国際的な特許出願の急増により、世界の特許システムは危機に瀕している。

3-2-2 国際的な特許出願のほとんどが重複した出願であることから、各国によるワ-クシェアリングの取組や、実体的な制度調和が必要となる。産業界の理解も得て、協働して進めることが重要である。

3-2-3 さらに、「アジア太平洋特許庁」を創設して、効率性や審査の質の向上を目指すことも重要である。

3-2-4 WIPOに仮想的な「世界特許庁」を設置し、各国特許庁が審査を負担することも一案である。

4.        SANARI PATENT所見

  欧州特許庁と、欧州特許条約加盟各国特許庁との関係を模写することから立案を開始することも一案であるが、現米国特許商標庁長官の意見、また、差し当たっては日米欧業界の意見を察知して、今次特許庁研究会の所見がまとめられることを期待する。

(この記事の修正ご要求は、sanaripat@nifty.comに送信下さい)

World Patent OfficeUSPTOWIPOWinny、著作権

2008年1月26日 (土)

International Work Sharing

International Work Sharing on Patent Application :特許庁イノベ・パテント検討資料:JPO-Innovation@IP(2008/1/23)の国際ワ-クシェアリング構想

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Google検索SANARI PATENT

関連記事http://sanaripatent.blogspot.com/ 2008-1-26 Quality of Patent

1.        特許庁イノベ・パテント検討のワ-キンググル-プ

1-1         このグル-プにより検討されている特許庁イノベ・パテント検討資料(SANARI PATENT記事においてJPO-Innovation@IP(2008/1/23)と略称)には新たな構想を示す新たな用語が幾つか用いられているが、いずれも極めて重要な含意を有する。これらを逐次考察するが、先ず研究会および標記ワ-キンググル-プのメンバ-を再見する。

1-2         特許庁「イノベ-ションと知財政策に関する研究会委員およびワ-キンググル-プのメンバ-

1-2-1        委員会: 座長 三菱電機・野間口 有会長、アステラス・青木初夫会長、東大大学院・伊藤元重教授、デンソ-・斉藤明彦会長、花王・後藤卓也会長、一橋大学・長岡貞男教授、東大・中山信弘教授、東大・藤田隆史教授

1-2-2 ワ-キンググル-プ: 座長 一橋大学・長岡貞男教授、委員 一橋大学・青木玲子教授、東大・伊藤耕三教授、トヨタ自動車・江崎正啓理事、SBIインテクストラ・大津山秀樹社長、岡部 譲・弁理士、富士通・加藤幹之経営執行役、東大・五神 真教授、長谷川卓也弁理士、根本特殊化学・松沢隆嗣常務、一橋大学・山田 敦教授、学習院大学・和田哲夫教授、アステラス・渡辺祐二知財部長

1-3 知的財産学識経験者の陣容にも時流が見られ、例えば、東大・東大大学院教授として、テレビ東京WBS2008-1-25テ-マは、「眠れる特許を活かせ」)で家庭にも馴染み深い伊藤元重教授、新領域創成科学研究科・伊藤耕三教授、生産技研・藤田隆史教授の顔ぶれであるが、内閣知財戦略本部や経済産業省産業構造審議会の本部員・委員を一貫して勤められる中山信弘教授が、前後の脈略保持と、「知財と他の価値との調和」「特許権と著作権の機能」「創作権と著作権」「知的財産に関する刑事罰」「世界特許の展望」などに関する法益バランスの維持とに貢献されると予想する。

2.        特許国際ワ-クシェアリング構想

JPO-Innovation@IP(2008/1/23)は、次のように述べている。(SANARI PATENT要約)

2-1        特許について、国際的なワ-クシェアリングを検討課題とする。

2-1-1 特許出願のグロ-バル化が進む中で、特許審査について、より一層の迅速化を図るためには、グロ-バルな出願の審査に重点を置き、効率化すること が重要である。

2-1-2 「仮想的な世界特許庁」の構築に向けて、様々なレベルにおけるワ-クシェアリングを検討する。

2-1-3 日本では、グロ-バルな出願について、国際的な連携を図り、効率的に審査するため、ワ-クシェアリングを推進している。特に、

2-1-3-1 他国特許庁の先行技術サ-チ結果の活用

2-1-3-2 特許性判断のロジックの活用

2-1-3-3 最終判断まで全ての活用

 など、連携には様々なレベルがあるが、わが国では、様々なサ-チ・審査レベルについて相互利用することで、ワ-クシェアリングを効果的に実施している。具体的には、2-1-3-3レベルの特許審査ハイウェイ(PPH Patent Prosecution Highway)2-1-3-2レベルの第一庁の早期審査結果発信(JP-First : JP-Fast Information Release Strategy)などを推進している(SANARI PATENT 注:原文「などが提案されている」よりも現実的に進行していると考察する)

2-2        SANARI PATENT所見

上記2-1-3-3についても、活用の程度の段階差があり得るが、「最終判断の即時全部認容」を、少なくとも建前とすることが、ワ-クシェアリングの実効を挙げるため必要である。「審査結果の相互承認の先行実施」,すなわち、わが国が片面的に相手国の審査結果を承認して特許を付与する」ことも、わが国単独で実施可能であり、要するに、特許行政の決断あるのみと考える。

(この記事の修正ご要求は、sanaripat@nifty.comに送信下さい)

IP worksharingPPH、トヨタ、富士通、アステラス、中山信弘

2008年1月25日 (金)

Pro-Patent vs. Anti-Patent

Pro-Patent vs. Anti-Patent 特許庁イノベ研究会メンバ-の闊達な発言

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Google検索SANARI PATENT

  標記研究会については、

 関連記事http://sanaripatent.blogspot.com/ 2008-1-24 High Regards to JPOに述べたが、昨年末の委員自由討議の下記概要から見ても、活発な検討が期待される。(以下SANARI PATENT要約)

1.        アンチパテントとプロパテント

1-1 討議概要

1-1-1 知財政策全体を俯瞰すると、一般的にアンチパテントとかプロパテントとかいう議論がよくなされているが、分野や場合によって異なるだろう。例えば、特許よりも著作権の方が「アンチ」の意見が強い。著作権は不要であるとの議論さえある。しかし、個人に影響がある著作権の議論に比べて、特許はユ-ザ-が事業者にほぼ限られていることから、現在の特許に関する課題については、問題点にきめ細かく対処することで解決できるのではないか。

1-1-2 知財政策の在り方について広く検討する際には、三つの 視点が重要である。

1-1-2-1 何が問題になっているのか。多岐にわたるトピックを適切にウェイト付けして、どの問題に集中するのか明らかにすべきである。

1-1-2-2 なぜそれが問題になるのか。イノベ-ションの観点からの特許の功罪について議論があるのか。実務が追いついていないからなのか。グロ-バル化により米国や中国などプレ-ヤ-の違いが浮き彫りになってきたからなのか、それとも技術の高度化・複雑化のせいなのか。

1-1-2-3 これらの問題点に対して、どのように対応できるか、できることとできないことと分けることが必要である。

1-1-3 例えば、不動産市場は、金融手法が高度化したために証券化されるようになった。これはグロ-バル化した経済からの要請によるものだったが、他方でサブプライム問題のようなリスクも生み出してしまった。特許に関する問題も、同じような構造にあるのではないか。

1-2 SANARI PATENT考察

1-2-1 「プロパテント」「アンチパテント」とはどのような主義ないし行動であるか、また、「パテント」は「知的財産権」と同義か、について明確にすることなく議論が進められてきた。

   先ず「知的財産権」は、「知的財産に対して法制度により付与される権利」であり、「パテント」には「特権」という意味があるから、「知的財産権」と同義に用いる場合を認め得る。

   「知的財産権を尊重する」という意味の「プロパテント」は、米国その他の憲法や、わが国憲法改正の自民党最終案に条文化され、これを否定する「アンチパテント」は、少なくとも常識的でない。

   そこで、知的財産権の分野別検討に入る前に、次の課題がある。

1-2-1-1 どの程度の新規性・進歩性・非自明性があれば、パテント付与に値すると判断すべきか。

1-2-1-2 公益その他の「他の価値」と、特許権による私的独占性をどのように調和させるべきか。

1-2-1-3 「創作権と識別子権」、「交換財と文化財」に、知的財産を種別することは適切か。

1-2-2 裁定実施権のように、制度として存在するのに適用した事例がない現行制度について考究する必要がある。

2.        国際協力

2-1        討議概要

国際的な制度調和を一挙に推進することは困難かも知れないが、現在、日本は制度調和の問題を主導的に進められる立場にあるため、しっかりと進めるべきである。

2-2        SANARI PATENT考察 

2-2-1 「主導的」の意味が、「わが国の制度が優れている」という認識に基づくのであれば、「発明の自然法則要件」、「医療特許」などの法規定の評価を先行すべきである。

2-2-2 途上国、新興国における属地主義の当該国国策としての妥当性について、解明すべきである。

(以下別サイト http://sanaripatent.blogspot.com/ 2008-1-26 特許庁イノベ・知財

Pro-Patent Anti-Patent、特許庁、特許権、イノベ-ション

2008年1月24日 (木)

Delicacy of Tech Strategy at Cell Phone

Delicacy of Tech Strategy at Cell Phone or Mobile Terminals ケ―タイ or 携帯電話の国際販売ランキング競争

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Google検索SANARI PATENT

別サイト http://sanaripatent.blogspot.com/ 2008-1-24 特許庁の「イノベ-ション・知財研究会検討資料(2008-1-23)

1.        京セラの1日2回プレス発表

1-1        京セラは1月21日に、「三洋電機携帯電話事業の譲受に関する報道について」と題してプレス発表し、「19日と20日に一部報道されたが、当社発ではない。話合い中を進めているが現時点で正式決定した事実はない」と述べた。そして同日(21)、「三洋電機の携帯電話事業等の承継」について詳細にプレス発表したが、技術戦略・経営戦略の微妙性に対応する慎重な措置と考えられる。

1-2        上記1-1の後次発表は次のように述べている。(SANARI PATENT要約)

1-2-1        事業承継の目的

京セラは携帯電話・PHS・無線通信システム等の通信機器関連事業を主力事業の一つとし、その高収益体質確立を目指している。熾烈な競争を勝ち抜くため、三洋電機の国内・北米顧客基盤取込みにより顧客規模を拡大すると共に、三洋電機の開発力・設計技術等を京セラの経営資源と融合し、ニ―ズに応える商品開発が可能になる。かつ、京セラのアメ-バ経営システム(SANARI PATENT 注:経営の各構成単位が、単細胞で独立のアメ-バのように責任ある機能をそれぞれ果たすという京セラ創造語と解する)の導入により、コスト競争力を高める。

1-2-2        事業承継の要旨

1-2-2-1           会社分割契約(三洋電機が分割会社、京セラが承継会社)の効力発生日は本年4月1日である。

1-2-2-2           事業承継の対価は400億円を基礎として確定する。

1-2-2-3           京セラは、三洋電機が運営する携帯電話事業に関して、両社が合意する資産・債務・雇用等の権利義務を承継する予定である。

2.        Gartnerによる世界シェアデ―タ

2-1        京セラの発表に対して、国内マスコミの関心は「京セラケ―タイの世界販売機数シェアが第6位」と予測されることに先ず集中した。これはGartner

2007-7~9期・世界ケ―タイ販売数調査によるもので、三洋電機の0.7%と京セラの0.7%を合算して1.4%が、韓国LG7.1%、第5位に続く第6位になるというものである。

2-2        上記2-1の世界シェア序列は、わが国ケ―タイの技術優位を先ず考える立場からは、極めて意外であると共に、第6位に達しても、第5位の7.1%に対して1.4%という大きな格差がある。わが国産業の国際競争力を維持強化すべく分野別知財計画の立案に取組んでいる内閣知財戦略本部は、ケ―タイのこの現状についての見解と対策の有無を明確に表明すべきである。

2-3        なお上記2-1のシェア序列は、ノキア38.1%、サムスン14.5%、モトロ-ラ13.1%、ソニ-エリクソン8.8%、LG7.1%と算定されるから(朝日新聞2008-1-22)、ソニ-エリクソンの折半と「京セラ+三洋電機」を加えても、わが国企業のシェアは5.8%に過ぎない現状となる。

3.        ケ―タイ機器の要素部材供給を含めたわが国産業の世界シェア

半導体関係等、全世界ケ―タイ構成要素のうち、わが国技術に依存する比重が高いものも多い。これらを積算したわが国企業の世界ケ―タイ市場シェアが、最も注目されるべきである。

4.        SANARI PATENT所見

4-1 AppleiPhoneMailWeb BrowseSearch EngineMapの機能を一体化させ、「携帯電話の再定義」を提案(2007-1)して以降も、ケ―タイの多機能化は更に進展し、携帯電話よりはケ―タイの方が馴染むと考えられるが、米英語ではMobile TerminalMobile DeviceよりもCell Phoneの簡単な発音が馴染まれている。成り行きに任せるほかない。

4-2 ディズニ-がそのキャラクタ-を要具として、ソフトバンクとの提携のもとに、ケ―タイに進出すると発表した(2008-1-20)。米国のコンテンツがわが国に益々発信されるが、逆方向も活発でありたい。著作権の存続期間延長問題も、内閣知財戦略本部員・中山信弘東大教授(2008-3-31定年退官)の慎重論(朝日新聞2008-1-23)を中心として、多角的検討を急ぐ必要がある。

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Cell PhoneMobile Terminals、京セラ、三洋電機、Gartner

2008年1月23日 (水)

Nissan・Suzuki Develops Indian

NissanSuzuki Develops Indian Auto MarketTata Group :25億人口の中国・インド自動車市場における国際競争、特に低価格インド市場の展開

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Google検索SANARI PATENT

別サイト http://sanaripatent.blogspot.com/ 2008-1-23 ARMANI商標勝訴

1.中国・インド市場の変革

1-1中国・インド友好関係が、最近の両国首脳会談を契機として急速に展開し、自動車生産を始め、インド産業の高度工業化が進むことは、コスト競争と性能ニ―ズ対応競争の両面にわたって、わが国自動車業界の経営戦略・技術戦略に影響を及ぼすものと考えられる。

1-2 インドのソフトウェア産業の優秀性は、わが国において早くから認識されてきたが、インドのソフトウェア人材はむしろ欧州に吸引され(欧州と日本とのソフトウェア人材への待遇、英語習熟の格差がその要因として指摘されている)、製造とサ-ビスの双方でわが国業界の拠点進出は中国に傾斜してきた。

2.日産自動車のインド市場展開

2-1 日産は、フランス・ルノ-およびインド・マヒンドラ社と共に、インド・チェンナイに新工場を建設し、2009年後半に生産を開始して、以降7年間に乗用車、SUV(SANARI PATENT 注:スポ-ツ多目的車Sports Utility Vehicle)の年間40万台生産を予定している。

  新工場では日産の生産技術を採用し、ルノ-は開発・生産技術、マヒンドはインド市場における販売知識を提供する。

2-2 既に2004年に日産は、SUV販売によりインド市場に参入し、2005年に100%子会社・インド日産を設立、日産ブランド車の現地生産を始めている。上記2-1の工場建設により、需要が拡大するインド市場に本格的に参入することとなる。

2-3 日産は更に、インドのバジャ-ジオ-トと合弁で、2010年に30万円台の価格で小型車を発売する模様である。

2-4 上記2-1のチェンナイは、道路・港湾・空港のインフラ整備が進み、自動車業界のグロ-バル企業が低コスト競争を展開すると予測される。

3.スズキのインド市場展開

3-1 ニュ-デリ-で開催中のNew Delhi 9th Auto Expoにスズキは、同社の世界戦略車モデルのコンセプトカ-「コンセプトA-Star」を出品している。

3-2 スズキのインドにおける四輪車製造販売子会社マルチスズキは本年秋以降にマネサ-る工場で上記3-1製品の製造を開始し、「欧州を初めとして世界各地域への輸出を計画している」と発表(2007-12-11)したから、中国・インド市場のみならず、「量産モデルの生産・世界各国へ輸出」の製造販売拠点として、インドが選択されたこととなる。

3-3 スズキは、「2008年秋以降にインドで生産する量産車は、欧州排ガス規制ユ-ロ5に合致するエンジンを搭載し、欧州の同クラス小型車に優るCO2排出レベルの環境性と快適居住性を具備する」としている。

4.SANARI PATENT所見

  インドの2大財閥の一つTata Group(他はBilda Group)の製造業界における動向が、低価格自動車生産の拡充をめぐってグロ-バルな関心を集めることとなった。製鉄・電力会社を単一グル-プ内に持つ。欧米の高級車ブランド買収に成功すれば、友好構築の中国・インド25億人の各階層のみならず、グロ-バルに各階層の価格ニ―ズに即応することとなり、わが国内閣知財戦略本部の国際競争力競争戦略の具体的な場になると考える。

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Tata GroupIndiaSUV、日産、スズキ、自動車

2008年1月22日 (火)

New Business by Conventional Business

New Business by Conventional Business 白洋舎の新ビジネス展開 外資ホテルにレンタルなど

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Google検索SANARI PATENT

1.クリ-ニング業界の環境

1-1 白洋舎(東証1部)の本年度上半期報告は、次のように述べている。(SANARI PATENT要約)

1-1-1 クリ-ニング業界においては、1世帯当たりのクリ-ニング支出が引続いて減少傾向を示し、需要回復に至らない。

1-1-2 特にク-ルビズ等による衣服のカジュアル化や天候不順がクリ-ニング需要低迷の理由として考えられる。

1-2 SANARI PATENTが上記を補足すれば、

1-2-1 電気洗濯機の省エネ・全自動の完璧化に加えて、防皺(ノ-アイロン)仕上げの機能が発達した。

1-2-2 これが形状記憶加工の耐久性向上と相俟って、消費者クリ-ニングの便宜を向上させた。

1-2-3 ク-ルビズにとどまらず、ソフトウェア職域等のカジュアル化、服装自由化、在宅勤務などが伸長しつつある。

1-2-4 在来制服的慣習の団塊世代が大量退職する、少子高齢化、暖冬などが在来のクリ-ニング需要を抑制しつつある。

2.白洋舎の新ビジネス展開(SANARI PATENT要約)

2-1 白洋舎ブランドの再構築のため、技術革新や効率化により付加価値を増加する対策(ト-タル品質の向上)を講じ、売上高は対前年同期比1.2%増の増収を達成した。

2-2 レンタル事業において、品質・サ-ビスを向上した。

2-3 リネンサプライ事業において、新規開業の外資系ホテルからの受注を拡大した。

2-4 ユニフォ-ムレンタル事業は、新市場を開拓した。

2-5 ケミサプライ事業も、新規開発を強化した。

3.SANARI PATENT所見

3-1 野村證券・東洋経済の会社四季報は、白洋舎について次のように述べている。(SANARI PATENT要約)

 「クリ-ニング業界トップ。高品質サ-ビスに特色。ユニフォ-ムレンタルなど多角化展開を志向。レンタルは、ザ・ペニンシュラ東京を獲得。リネンサプライは、首都圏ホテル向け着実増。現在、クリ-ニング55%、レンタル41%

3-2  時流が超高速であるから、例えば、アマゾンの図書オンライン販売も既にConventional Businessに属し、4年前のWall Street Journal(2004-4-22) にも、図書だけでは薄利であるとして、「Amazonが、電子機器などに加えて、宝石のオンライン・ディスカウント販売を始める模様」という記事が見られた。現在は、Booksの次にMoviesMusic & GamesElectronics &

ComputersHome & GardenGroceryToysKids & BabyApparelShoes & JewelrySports & OutdoorsToolsAuto & Industrialとオンライン化され、Diamond Ring が4万円前後だが、わが国でDiamond On Lineが成功するか、上記記事当時、話題であった。 

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Conventional Business、白洋舎、クリ-ニング業界、Amazon、レンタル

2008年1月21日 (月)

SHIMADZU vs. HAMAMATSU

Unique Fields of SHIMADZU vs.

HAMAMATSU

 GDP順位・平均株価下降環境下の国際優位・最高益・高株価企業:島津製作所と浜松ホトニクスの事例

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Google検索SANARI PATENT

別サイト http://sanaripatent.blogspot.com/ 2008-1-21 METISpam対策

1.        浜松ホトニクスの独創性

1-1        独創性は、企業や人格の個性であるから、技術開発に限定されず、企業全体・人格全体に発揮されるところに、競争力が発現する。例えば、浜松ホトニクスの本年度上半期報告には、「株主様専用ホ―ムペ-ジのご案内」というペ-パ-が付されているが、TOB時代の安定株主拡大対策として諸業界に株主優遇の商品贈呈が増加している折柄、株主にユ-ザ-IDとパスワ-ドを贈る専用HPのサ-ビスは、独自情報に対する希求を満足させるユニ-クな発想である(現在の内容は、昼馬社長の「光産業創成・光核融合エネルギ-・レ-ザ光植物工場」など)。

1-2        野村證券・東洋経済の会社四季報によれば、浜松ホトニクスは光電子倍増管で世界シェア65%。CT用等の医用撮像素子、X線用シンチレ-タが好調。(SANARI PATENT 注:シンチレ-タは、シンチレ-ション、すなわち、放射線が物質に入射して発する蛍光を利用する放射線検出・計測・分析機器) 東京精密に続きディスコにもウエハ切断装置レ-ザ仕様品の光源供給。世界最小の環境計測用光源開発。海外比率63%。

1-3        本年初に開発・商品化を発表した次の製品が注目される。

1-3-1        高解像度(1024Ch)での高Line Rate InGaAs Image Sensorを米国で開示(2008-1-19)後、2008-4にサンプル出荷開始。次世代の眼底断層画像化装置、穀物選別機などのライン型蛍光素子として期待される。

1-3-2        電子冷却型近赤外Image Intensifier Moduleの受注(国内・欧米)を2008-2に開始する。世界で初めて近赤外域1700nmまで感度を有するPhoto Counting領域でMulti Channel測光を可能にした。これにより近赤外域の微弱光を短時間で検出でき、ラマン分光分析装置などの性能を向上する。

2.        島津製作所 For the Well-being of both Mankind and the Earth

2-1        服部社長の挨拶(2008-1SANARI PATENT要約)

2-1-1        ライフサイエンス関連技術と医用技術の融合による超早期診断・治療の実現に取組む。例えば癌の極早期段階発見を可能とする分子イメ-ジング機器を開発する。

2-1-2        汚染土壌修復技術、燃料電池開発用計測機器など、新エネルギ-ニ―ズ対応、環境負荷軽減を実現する。

2-1-3        米国の拠点に、グロ-バル市場に向けたマ-ケティング機能を新設すると共に、中国市場に密着する。

2-2               田中耕一Mass Spectrometry Research Lab. では、「Novel Matrix

    Proteomicsを用いたMatrix Assisted Laser Desorption /Ionization Time

    of Flight Mass Spectrometry による「2-nitrobenzenesulpheylでラベルされたペプチドの測定」などの研究成果が、逐年発表されている。

2-3               最近の技術開発について、次の成果が注目される。

2-3-1        二酸化炭素固定化システム

2-3-2        高密度三次元実装の非破壊検査技術(微細形状の立体的観察)

2-3-3        世界最小0.1μmの柔X線光学系

2-3-4        世界最初に、歩行リハビリ中の大脳作用をリアルタイム測定

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島津製作所、浜松ホトニクス、株主優遇、光核融合エネルギ-、田中耕一

2008年1月20日 (日)

IP Development by JR EAST vs. JR WEST

IP Development by JR EAST vs. JR

WEST JR東日本、JR西日本の知財開発

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Google検索SANARI PATENT

別サイト http://sanaripatent.blogspot.com/ 2008-1-19 SANTORY vs. ASAHI

1.        運輸交通大手

1-1        JR東日本、JR西日本、JR東海、JALANAの本年度売上規模は、

1-1-1      JRの東2兆6990億円、西1兆2900億円、東海1兆5260億円と対比される。

1-1-2      JALは2兆2300億円、ANAは1兆5000億円である。

1-2       野村證券・東洋経済の会社四季報によれば、(SANARI PATENT要約)

1-2-1      JR東日本→ 東日本1都16県が地盤。駅中心の生活サ-ビス事業とスイカ事業が成長。東京駅ビル3棟開業。大型物販2店、キオスクも好調。

1-2-2      JR西日本→ 北陸・近畿・中国・九州北部と山陽新幹線。流通・不動産業伸長。

1-2-3      JR東海→ 東海道新幹線(収益の8割超)と在来線12本。 ICサ-ビス、トイカサ-ビスを増強。

1-2-4      JAL→ 空運で売上高世界5位。国際線はビジネス需要想定超。

1-2-5      ANA→ 国際線はアジアに集中。羽田・上海の増便計画。国際航空貨物で郵政公社と提携。

2.        JR東日本の特許公開事例(SANARI PATENT要約)

2-1 情報処理装置、情報処理システムおよび情報処理方法(特許公開日2007-12-27

各種意思表示を求めるために適した場所に設置可能であり、簡単に意思表示できると共に、意思表示の集計結果を直ちに確認できる情報処理装置を提供する。

2-2        携行型レ-ル摩擦係数測定器(特許公開日2007-12-27

敷設されている鉄道レ-ルの静摩擦係数を簡単に測定できる携行型レ-ル摩擦係数測定器を提供する。

2-3        橋梁健全度評価システム、橋梁健全度評価方法および橋梁健全度評価プログラム(特許公開日2007-12-27

  一定の信頼性を維持しつつ簡単に橋梁の健全度を評価するシステムとプログラムを提供する。

2-4        併設トンネルを有するトンネルの構築工法(特許公開日2007-12-27

歩道部などの併設トンネルの掘削断面を必要最小限の大きさとすることができ、工費の低減および工期の短縮ができる工法を提供する。

2-5        地山切削装置(特許公開日2007-12-27

プ-リ支持機構がガイド管内を走行し、プ-リ支持機構に巻き掛けられたワイヤ-などの可撓性切削具によって地山を切削する装置において、ガイドレ-ルの設置を不要として、作業の効率化、工期の短縮化ができる地山切削装置を提供する。

3.        JR西日本の特許公開事例(SANARI PATENT要約)

3-1        交流電磁場測定法による探傷検査装置(特許公開日2008-1-10

検査箇所近傍に溶接余盛部やT型接合部等の構造変化部がある場合でも、ノイズや擬似信号の影響を低減でき、傷等の位置、大きさ、深さを容易・確実に求め得る交流電磁場測定法による探傷検査装置を提供する。

3-2        ブレ-キパッドの着脱が容易な鉄道車両用ディスクブレ-キ装置(特許公開日2008-1-10

脱落防止部材の姿勢の切替えを梃子の原理により容易に行い得る鉄道車両用ディスクブレ-キ装置を提供する。

3-3        ブレ-キパッドの誤装着を阻止する鉄道車両用ディスクブレ-キ装置(特許公開日2008-1-10

ブレ-キパッドを誤った方向からパットホルダに装着することを防止できるディスクブレ-キ装置を提供する。

3-4        鉄道車両の乗降扉用戸先ゴム(特許公開日2008-1-10

乗降扉に挟まれた物が車外のプラットフォ-ム側から引っ張られたときの戸挟みの検知感度を敏感にし、乗降扉に挟まれた物が車内側から引っ張られたときの戸挟みの検知感度を鈍感ににすることができる鉄道車両の乗降扉用戸先ゴムを提供する。

3-5        可搬型ATS地上子(特許公開日2008-1-10

線路の任意箇所において着脱自在に設置でき、設置誤りの惧れがないATS地上子を提供する。(SANARI PATENT 注:ATSAutomatic Train Stopについては、制御方式、軌道回路、地上子、速度照査に関する多くの開発が行われてきた)

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JR EASTJR西日本、ATS、ディスクブレ-キ、キオスク

2008年1月19日 (土)

Prime Minister’s Policy Speech

Prime Minister’s Policy Speech Relating to IP 福田首相施政方針演説(2008-1-18)の知財関係

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Google検索SANARI PATENT

別サイト http://sanaripatent.blogspot.com/ 2008-1-19 SUNTORY vs. ASAHI

1.        憲法に関する議論の深化

1-1        演説要旨

改正するとすればどのような内容かなど、幅広い合意を求める。

1-2        SANARI PATENT所見

自民党最終案の、「知的財産条項新設」、「公益との調和についての特段配意条項」について、その含意を改めて考究すべきである。

2.        低炭素社社会への転換

2-1        演説要旨

2-1-1      わが国はこれまで、省エネ技術を開発し、世界最高のエネルギ-効率を実現した。この「環境力」を最大限に活用して、世界の先例となる「低炭素社社会」への転換を進め、国際社会を先導する。

2-1-2      エネルギ-消費が増加している民生部門の省エネ対策に力を入れる。

2-1-3      わが国の環境関連技術を世界が必要としている。バイオマス技術、燃料電池実用化など新エネルギ-を本格的に利用する。

2-1-4      温室効果ガス排出を最終的にゼロとする革新的技術開発を行う。

2-1-5      環境エネルギ-技術革新計画を策定する。

2-1-6      ライフスタイル、都市、交通の在り方など社会の仕組みを根本から変える。

2-2  SANARI PATENT所見

「技術革新による社会経済の基本的変革」というイノベ-ションの本旨を、エネルギ-の側面から述べたものと解する。

3.        経済成長戦略の3つの柱

3-1        演説要旨

3-1-1        技術革新の促進

3-1-1-1           革新的技術創造戦略を展開する。

3-1-1-2           バイオ・医療関係を含め、成長を支える研究開発に予算を重点的に配分する。

3-1-1-3           研究開発税制を拡充する。

3-1-1-4           研究成果を適切に保護する。

3-1-1-5           知的財産戦略を着実に実行する。

3-1-1-6           ITを活かして、ユビキタス技術・ロボット技術による高齢者・障害者好適社会を構築する。

3-1-2 「開かれた日本」へグロ-バル戦略

3-1-2-1 アジア・世界との間のヒト・モノ・カネ・情報の流れを拡大する。

3-1-2-2 世界の中核的金融センタ-になる。(SANARI PATENT 注:金融ビジネス方法の革新)

3-1-2-3 産学官連携で優秀な海外人材を受入れる。

3-1-3 中小企業・農業の活性化

3-1-3-1 地域連携拠点を全国に200~300整備する。

3-1-1-2 農商工連携を強化する。

3-2 SANARI PATENT所見

  「地域連携拠点」(3-1-1-2)の具体的構築を即時進めるべきであるが、先ずその実施責任の所在を明確にすべきである。

4.        コンテンツ政策(SANARI PATENT 注:演説では「活力ある地方の創出」)

4-1        演説要旨

4-1-1        観光庁を新設する。

4-1-2        地方の文化に海外から観光客を呼び込む。

4-2               SANARI PATENT所見

  コンテンツの対外発信が、「呼び込む」ためにも必要である。

5.        人材育成

5-1        演説要旨

5-1-1        国際競争激化のもとで、世界で活躍できる力を身につける高等教育を充実する。

5-1-2        アニメ・音楽など新しい文化の担い手を育てる。

5-2               SANARI PATENT所見

知的財産権の国際訴訟力についても、わが国の法学・工学高等教育は、国際法務や国際特許出願等の実務に対する配慮が皆無に近い。アニメ等の創作も、クリエ-タが自らの報酬法的請求の知識を基盤として持たないと、才能のみが海外に流出する。

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Prime Minister、施政方針演説、憲法、低炭素、アニメ、農商工連携

2008年1月18日 (金)

Antibody Medicine by KYOWA KIRIN Co.

Antibody Medicine by KYOWA KIRIN Co.  新会社・協和発酵キリンが本年101日発足:腎・アレルギ-・癌でシナジ-効果早期最大化

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Google検索SANARI PATENT

関連記事http://sanaripatent.blogspot.com/ 2007-12-28 ワクチン

1.        戦略的提携の背景と理由

  両社は次のように説明している。(SANARI PATENT要約)

1-1        両グル-プの主力事業である医薬事業は、競争環境が激変した(国内→医療費抑制、外資系企業の攻勢。グロ-バル→新薬競争激化、研究開発費増大)

1-2        「食と健康」の領域で競争環境に対処するには、単独事業展開でなく、新会社がキリングル-プの連結子会社になることによる経営基盤強化、シナジ-創出、事業価値最大化が最適と判断。

1-3        両社は抗体医薬技術(協和発酵→ポオテリジェント技術、キリン→KMマウス)を中心とするバイオテクノロジ-を強みとする。(SANARI PATENT 注:Potelligent技術は、抗体が保有する糖鎖のうち、フコ-ス糖量を低減し、抗体依存性細胞障害活性、標的細胞特異性を著しく向上させる技術。KMマウスのKはキリンのKMはメタレックス社のMで、両社が共同開発した実験用マウス)

1-4        新会社により、「抗体医薬技術融合」、「新規抗原獲得機会拡大」、「研究開発・営業規模拡大」ができる。

1-5        食品、アルコ-ル、健康食品通販等の事業統合・連携による事業価値最大化

2.        新会社の戦略(SANARI PATENT要約)

2-1        医薬

2-1-1 癌・腎・免疫疾患を中心とする領域で、抗体技術を核にした最先端バイオテクノロジ-を駆使し、画期的新薬を継続創出する。

2-1-2 血液癌領域ではグロ-バル開発の自社での完遂を目指す。

2-1-3 その他の領域の後期開発は、自社、パ-トナリング、導出等を最適組合せする。

2-1-4 導入では、営業力に強みある循環器、免疫疾患、腎疾患の後期開発品を獲得する。

2-1-5 国際共同治験体制を構築する。

2-2        バイオケミ(非医薬)

2-2-1        アミノ酸を核とした世界トップレベルの発酵技術を駆使し、発酵製品のグロ-バルリ-ディングカンパニ-となる。

2-2-2        キリンフ-ドテックとの事業統合を検討する。

2-2-3        環境対応型製品など高付加価値機能製品を拡販し、他社とのアライアンスも検討する。

2-3        国内における新会社の具体的取組としては、現有MR1400人の戦略的配置による市場カバ-率向上など。(SANARI PATENT 注:MRは医薬情報担当者。Medical Representatives)

2-4        新会社の2011年度売上目標を5000億円とする(医薬品・非医薬品各2500億円。)

2-5        統合によるシナジ-効果は、売上50億円、コスト50億円(各2011年度)と気体するが、研究開発シナジ-の定量化は実施していない。

3.        SANARI PATENT所見

3-1 「抗体医薬」の解説(協和発酵)→ 「ひとの体内には免疫力という素晴らしい防御システムがあり、病原菌などの異物が入ってくると抗体が作られ病気を防いでいる。人体本来のこの働きを活かすのが抗体医薬である。」

   同じくバイオゲノム用語集では、「免疫系では、免疫グロブリンというタンパク質が抗原に特異的に結合する抗体として働き、抗原の除去に役立っているが、抗体医薬とは、この抗体が抗原を認識する特異性を利用して(SANARI PATENT 注:「認識および結合する」とすべきである)、特定の抗体を投与あるいは産生させる治療に使われる医薬品である。」

3-2 独立行政法人・産総研は、「抗体医薬を精製する高性能クロマトグラヒィ-用ビ-ズを開発」と題する発表(2007-9-10)で、「シリカビ-ズ表面に、抗体を捉えるリガンドタンパク質の配向を制御して固定化することにより、抗体結合量を大幅にアップ」と述べている。例えば、東洋紡の「抗体・免疫アッセイ」に関する成果などと共に、国内の連携が国内の競争と併進しつつ、国際競争力を増強することが望まれる。

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別サイト http://sanaripatent.blogspot.com/ 2008-1-18 NECソフト

Antibody、協和発酵、キリン、抗体医薬、東洋紡

2008年1月17日 (木)

Basic & Innovative Technology by

Basic & Innovative Technology by Paint Industry 関西ペイントと日本ペイントの基盤技術の多様展開可能性

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Google検索SANARI PATENT

関連記事http://sanaripatent.blogspot.com/ 2008-1-17 大日本インキの社名・ブランド「DIC」に: 

業界の「双璧」という言葉は、日本ペイントと関西ペイントの事業規模を見ると、この両社の場合に全く適合している。ペイントという古来的社名から一般人が想定しない多様な先端分野に、その基盤技術を展開させていることも「双璧」である。

1.        関西ペイント

  ペイント基盤技術の開発としては、「タワ-バリアシステム」の超長期防食 性(従来の3倍以上の耐用)、亜鉛鍍金合金層への優秀付着性、工期短縮(塗装回数減)、低飛沫、低揮発性有機化合物などの特性が、送電鉄塔、火力発電所集合煙突などに発揮されている。

1-1        オプト・エレクトロニクスへの展開

ペイント技術で培養したノウハウを基盤として、ケ―タイや家電のプリント基板製造の効率化とコストダウンに関する課題解決を提供している。

 また、プラズマディスプレイの電極形成にも、同社の技術が採用されている。

 特にゾンネシリ-ズは、プリント配線基板用のレジスト材や回路保護用の水性ソルダ-レジストなど、市場のニ―ズにタイムリ-に適合してきたが、アルゴンレ-ザ-用など、更に展開している。

 光ファイバ-被覆材も、ペイント基盤技術の展開線上にある。

1-2        バイオ分野への展開

光硬化性樹脂と菌体固定化技術により、浄化槽用粒状担体を開発し、下水処理効率を大幅に向上させている。(SANARI PATENT 注:菌体を固定化する技術としては、対象菌体の特性に対応する多様な物質および方法の選択がなされている)。同社の担体は、内包する菌の種類により、表層水のリン・窒素の除去、土壌浄化。地下水浄化等に適応している。

2.        日本ペイント

2-1  同社が有するペイントの基盤技術として、「高機能化テクノロジ-領域」(貴金属コロイド技術など)、「環境対応ケミストリ-領域」(環境フレンドリ-な商品開発)、「プロセス設計テクノロジ-領域」(ペイント製造からコ-ティング膜形成に至るプロセス)、「色彩テクノロジ-」(塗膜の光学的挙動など)を深耕している。

2-2  上記基盤技術の展開事例を昨年について見ると、

2-2-1      大日本印刷と共同で、視認性・明度の高いリップマンホログラム(高度のセキュリティが特徴)を開発した。

2-2-2      燃料電池の構成材料であるカ-ボンへの白金ナノ粒子付着に関する新技術を開発し、分散安定化剤を用いることなく(導電性・触媒作用を妨げることなく)基材に粒子を付着させる技術を提供した。→ 燃料電池の発電効率向上

2-2-3      環境配慮のカチオン電着塗装を開発した。→ 二酸化炭素排出量・電力費削減、

3.        SANARI PATENT所見

基盤技術の展開は、知的財産の高度活用の方策として、異業種連携を含め、

知財政策上積極的に推進されるべきである。

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Paint、関西ペイント、日本ペイント、大日本印刷、燃料電池

2008年1月16日 (水)

TOKAI Carbon vs. NIPPON Carbon

TOKAI Carbon vs. NIPPON Carbon 「フラ-レン化粧品」で女性が憧れる「炭素原子60個の綺麗な分子」に至る多様製品の炭素産業

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Google検索SANARI PATENT

関連記事http://sanaripatent.blogspot.com/ 2007-12-17 知財フロンティア

  日本カ-ボンは1915年設立、東海カ-ボンは1918年設立で、Global Leader of Carbon Materials (東海カ-ボン)Unlimited Dream Starting With Carbon (日本カ-ボン)が全国・全世界(海外比率は東海カ-ボン44%、日本カ-ボン34%、いずれも野村證券・東洋経済の会社四季報による)に浸透してきたが、炭素産業として多様な炭素繊維やカ-ボンナノチュ-ブが脚光を浴び、炭素産業の担い手は多分野からの参入が相次ぐ状況となった。

  このような環境のもとで、東海カ-ボンと日本カ-ボンの技術開発動向を考察する。

1.        東海カ-ボン

1-1        製品分野

1-1-1        カ-ボンブラック → タイヤほかゴム製品、インクジェットプリンタ、顔料、帯電防止剤

1-1-2        黒鉛電極 → 鉄スクラップの放電溶解電極

1-1-3        ファインカ-ボン → 半導体・太陽電池の製造装置、燃料電池部材

1-1-4        摩擦材・摺動材 → クラッチ・ブレ-キ

1-1-5        工業炉・関連製品 → セラミックコンデンサ・電子部品製造用加熱装置

1-2               研究開発

1-2-1        最近の成立特許(SANARI PATENT要約)

1-2-1-1           活性炭化珪素の製造方法(3280059) → 表面が活性で高比表面積を備える炭化珪素の量産に好適な製造方法を提供し、触媒担体の安価・短期製造を可能とする。 

1-2-1-2           フラ-レン類の製造方法および装置(3337313) → 直流ア-ク放電法によるフラ-レン類の高効率製造方法および装置を提供する。

1-2-1-3           厚肉ガラス状カ-ボンの製造方法(3342515)  → 均質組織構造の厚肉ガラス状カ-ボンの高効率製造方法を提供し、プラズマエッチング用電極板、イオン注入機用部材、洗浄容器、電池・電解電極を用途とする。

1-2-2       開発商品

1-2-2-1           親水性カ-ボンブラック → 界面活性剤・樹脂を介せず水中に半永久的に分散するので、インキ設計が容易、染料より耐候性・印字濃度が良好

1-2-2-2           燃料電池デパレ-タ材 → 性能・コスト面で金属を凌駕するカ-ボン系セパレ-タの開発に成功した。

1-2-2-3           樹脂含浸黒鉛材 → 燃料電池・熱交換器部材に好適。

1-2-2-4           多孔質カ-ボンビ-ズ → 断熱材、吸着剤。

1-2-3       研究開発中

1-2-3-1 カ-ボンナノチュ-ブ、カ-ボンナノホ-ン 

1-2-3-2 フラ-レン

2.        日本カ-ボン

2-1        田島茂雄社長の年頭挨拶(SANARI PATENT要約)

2-1-1        日本カ-ボングル-プは1915年の創業以来、炭素材料の先駆者として、製鋼用電極、特殊炭素製品、炭素繊維製品、リチウムイオン電池用負極材などを生産してきた。

2-1-2        「中期経営計画に基づく生産体制整備」、「次世代新製品の開発」を進める。

2-2               製品

2-2-1        不浸透黒鉛 → 人造黒鉛に合成樹脂を含浸した耐食材料で、熱交換器等。

2-2-2        活性炭

2-2-3        人造黒鉛電極

2-2-4        炭素繊維 → 高温炉断熱材、高純度処理カ-ボン(半導体、光ファイバ-製造)、摺動材(軸受、シ-ル、ガイドリング)、パッキング、シ-ト、等方性黒鉛(坩堝、電極版板)炭化珪素コ-ト黒鉛(半導体、光ファイバ-製造)

2-2-5        リチウムイオン電池負極材

2-2-6        炭化珪素連続繊維(宇宙航空機用耐熱部材)

2-2-7        カ-ボンマイクロビ-ズ(導電性・摺動性フィラ-)

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Carbon 東海カ-ボン、日本カ-ボン、電極、黒鉛

2008年1月15日 (火)

Fuji Electric HD as e-Front Runners

Fuji Electric HD as e-Front Runners フィルム型アモルファス太陽電池の諸特長、パワ-半導体世界シェア40%目標(2010)、鉛脱却はんだ特許の有償公開

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Google検索SANARI PATENT

関連記事http://sanaripatent.blogspot.com/ 2008-1-2 経済産業省知財政策

1.        富士電機グル-プについての対照企業

1-1        業界の企業間比較は、知財専門家にとっても便利な考察方法であるが、富士電機グル-プには、対照企業を見出し難いユニ-ク性が強い。野村證券・東洋経済の会社四季報の富士電機グル-プの欄の、「パワ-半導体世界2位、PDPドライバIC首位」は肯けるが、「重電4位」の同記述は、重電の内容が明確でない。

1-2        富士電機グル-プの部門別では、電機システム、機器・制御、電子デバイス、リテイルシステム、その他と分類され、電機システムが売上の3分の1を占めて、火力・水力・原子力の発電機を含むが、富士電機システムズの最近のニュ-スを見ても、「水環境事業の合併新会社の設立」、「フィルム型アモルファス太陽電池の製さん設備増強」、「二次電池と電気二重層キャパシタ併用運転による風力発電における電力安定化装置の実証試験開始」など、広汎である。

1-3        富士通の出身母体で、富士通が9.9%の株式比率であるが、富士電機HDの富士通株式比率は4.5%である。ニフティの66.5%株主が富士通であるが、直系的に高信頼度の系統である。

2.        富士電機HD伊藤社長の本年度上半期報告(SANARI PATENT要約)

2-1        成長事業に経営資源を重点投入し、事業機会を最大化する。

2-1-1        ディスク媒体

年率9%の市場成長が見込まれ、新記録方式への世代交代が急進している。富士電機グル-プは、垂直記録方式への設備切替を一気に進め、新年度月産1400万枚体制でフル操業する。

2-1-2 パワ-半導体(IGBT)

マシン制御・ロボットなど産業向けが需要好調を続け、今後も新興国を中心とする鉄道・電力などのインフラ向け、ハイブリッド車などの需要拡大が見込まれるので、積極的増産投資により世界シェア1位を目指す。

2-1-2        インバ-タ(容量0.1~75kW)

全世界の市場規模年間5000億円と推定され、今後も年率8%の成長が見込まれるので、グロ-バル体制の構築に向け、中国・北米・欧州などで生産・販売・サ-ビス拠点を強化し、シェアを10%に拡大する(2010)

2-2 基盤事業の構造改革を加速

2-2-1 電機システム事業は、民需プラントの好調により、対前年度35%増が見込まれるが、アジアを中心として市場を拡大する。

2-2-2 「軽くて曲がる」フィルム型太陽電池の生産を拡大する。

2-2-3 リテイルシステム事業では、高付加価値自販機、電子マネ-関連機器を強化・育成する。

2-3 市場の変化に即応する経営意思決定

3.        富士電機グル-プの技術開発

3-1        燃料電池 → 燐酸型、固体高分子型

3-2        有機ELD → CCM方式(Color Conversion Materials)による工程の単純化と製品の高品質化

3-3        MEMSデバイス → 超高感度ジャイロセンサ、薄膜半導体化学センサ、シリコンの極深垂直加工技術を中心とするマイクロマシニング製造技術の開発、周辺技術の複合

3-4        アモルファスシリコン太陽電池 → プラスチックフィルム基板に薄膜アモルファスシリコンの太陽電池を形成、太陽電池セルの一部に微結晶シリコンを適用した次世代高効率化製品

3-5        ディスク媒体 → 垂直磁気記録媒体層(微細磁性結晶粒が酸化物粒界で分離された構造)による高記録密度、低ノイズ、熱安定

3-6        非接触ICカ-ドシステム → リ-ダライタ開発、電磁界解析、シミュレ-ションの達成解析

3-7        飲料自販機での挙動シミュレ-ション → 多様な商品に対応できる高信頼性自販機

3-8        錫銀銅はんだ(鉛フリ-はんだ) → ニッケル、ゲルマニウムを添加。日本・米国・ドイツ特許権取得。有償公開

4.        SANARI PATENT所見(注目点)

4-1        富士電機グル-プのフィルム型アモルファス太陽電池

4-1-1        結晶系の200分の1の薄さ、4分の1の軽さ、曲げ柔軟性

4-1-2        高温時効率維持特性

4-1-3        シリコン使用量が結晶系の200分の1(SANARI PATENT 注:従来太陽電池の寿命はシリコンの純度に依存するが、シリコン精製の高電力原単位が、高純度化により急勾上昇することと、シリコン資源の供給不足に対処)

4-1-4        微少光発電可能

4-1-5        製造時発生CO2

4-2               日本ガイシと水環境事業統合によるシナジ-効果

4-3               鉛フリ-はんだ特許の有償公開

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Fuji Electric、フィルム型太陽電池、アモルファス太陽電池、有機ELD

2008年1月14日 (月)

NTT vs. KDDI, at NGN

NTT vs. KDDI, at NGN 次世代ネットワ-クにおけるNTTKDDI

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Google検索SANARI PATENT

別サイト http://sanaripatent.blogspot.com/ 2008-1-14 旭化成・東レなど幹細胞特許開発(いわゆる万能細胞関連)

1.電気通信再編の回想から

  片手で器用に最先端ケ―タイを操作するハイティ-ン世代が生誕したころは、NTTは国内電気通信、KDDは国際電気通信という分画が残存し、無骨な数百グラム重の携帯電話機をNTTKDD の社員が持ち歩くのも珍しいという時代であった。

  当時の米国ゴア副大統領が、光ファイバ・ス-パハイウエイ構想でデジタルフロンティアを開拓し、わが国もこれに同調したが、ADSLの即To The Home(既存銅線利用)が結果的に優先した。

  東大の「電気通信、全て融合論」のA教授が、国内国際、有線無線、固定移動、通信放送の融合に加えて、国境なきグロ-バルギャンブルを講演され、やや疑問とされたのも、このころである。

  それから十数年を経た新春年頭の両社社長発言と特許開発状況を見よう。(いずれもSANARI PATENT要約)

2.NTT三浦社長

2-1 NGN(次世代ネットワ-ク)のサ-ビス展開について、NTTグル-プは、新たなブロ-ドバンド・ユビキタスマ-ケットの創造、財務基盤の確立、安心・安全・信頼の維持・向上を実現する。

2-2 NGNは、国際標準に準拠した新しい社会基盤として、世界に先駆けて商用化するものである。これからが本当の正念場になると思っており、グル-プを挙げて連携し取組む。

2-3 NGNではEnd to EndQOSサ-ビスが提供される。また、談話番号等のIDにより、高いセキュリティが確保される。さらに、ネットワ-クにはネットワ-クコントロ-ル機能が付与される。二十設備や迂回により高い信頼性を確保する。加えて、オ-プンとコラボレ-ションを要素とするオ-プンインタフェイスを用いる。NTT NGNには以上4つの大きな特徴がある。

3.KDDI小野寺社長

3-1 チャレンジ2010に向けて、移動通信事業では約3000万の顧客基盤を活かし、通信をコアとしてその周辺にも事業ドメインを拡大し、各顧客の利用を最大化する。

3-2 固定通信事業、特にFTTH事業については、魅力的サ-ビスとコストダウンを実現する。

3-3 コンシュ-マ向けにFMBC(Fixed Mobile & Broadcast Coverage)を立ち上げる。

4.NTTの新年初・特許公開事例

4-1 分散デ―タの管理方法および管理システム(特許公開日2008-1-10

特定のキ-に対してバ-スト的に大量のリクェストが発生した時に、特定のノ-ドに負荷が集中しないよう、負荷を分散できる分散デ―タの管理方法および管理システムを提供する。

4-2  デ―タ送信方法およびシステム、プログラム、および、記録媒体(特許公開日2008-1-10

端末個体識別は困難であるが、端末複製時には複製の検出・特定を可能とするデ―タ送信方法を提供する。

5.KDDIの新年初・特許公開事例

5-1 通信端末装置(特許公開日200-1-10

ハンドオ-バ-を行う際に、ハンドオ-バ-の状態に応じてパケットを適切に処理する装置を提供する。

5-2        通信端末装置およびバッファ制御方法(特許公開日2008-1-10

アクセスメディアシステムの通信品質に応じてジッタバッファの蓄積量を適切に制御する。

6.SANARI PATENT所見  

  野村證券・東洋経済の会社四季報によれば現在、下記の要点であるが、NGN全般の進展によって、このような記述にも革新が必要となろう。

6-1        売上高(2007年度)は、NTT 10兆6千億円、KDDI 3兆5千億円。

6-2        NTTの特色は、国内通信のガリバ-。地域電話独占。ケ―タイ・長距離でシェア-大。KDDIの特色は、綜合通信会社。国内携帯電話のシェア2位。

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NTTKDDINGN、分散デ―タ、パケット

2008年1月13日 (日)

Open Innovation(Innovation by Sharing IP)

Open Innovation(Innovation by Sharing IP) is Advancing オ-プンイノベ-ション環境整備に向けた取組:特許行政の方向性

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Google検索SANARI PATENT

関連記事http://sanaripatent.blogspot.com/ 2008-1-5 プロパテントの変遷

別サイト http://sanaripatent.blogspot.com/ 2008-1-13 三菱化学と三井化学

                                                                                                                

  アップルやシスコの社名や、「iPod」の商標は周知であるが、「シスコがオ-プンイノベ-ションの先端を拓いている」と言えば、先ずオ-プンイノベ-ションの意義そのものが周知とは言い難い。しかし少なくとも知財専門家は、特に情報通信分野のイノベ-ションの決定的要素として、また製品の国際競争力強化の基盤として、オ-プンイノベ-ションを主導する立場にある。なお、オ-プンイノベ-ションは情報通信分野に限定されず、他の分野にも浸透しつつある。

1.特許行政におけるオ-プンイノベ-ション

  特許庁は、オ-プンイノベ-ションへの動きが進んでいることを指摘し、次のように例示している。

1-1 Cisco: 積極的に研究開発をアウトソ-スすることで、自社製品の競争力を確保している。

1-2 Intel: Intel Capitalを通じて、新興企業に戦略的に投資することで、関連業界を活性化している。

1-3 P&G:「Connect and Develop」というR&Dを取引・仲介する仕組みを創設した。

1-4 Nokia:「Concept Lounge」で、先進的な製品コンセプトを広く募っている。

2.「オ-プンイノベ-ション」の定義

2-1 SANARI PATENTは、「知財の共用によるイノベ-ション」(Innovation by Sharing IP)と定義している。Open Softwareの活用によるイノベ-ションは、その一例である。

2-2 オ-プンイノベ-ションを必要とする発想は、知識と知的財産のグロ-バルな産出が急速に多量・高度化し、広汎に分布することとなったため、企業が単独にこれらを研究開発してクロ-ズドイノベ-ションを有効に達成することは困難になったという認識に基づく。

2-3 両イノベ-ション(Open Innovation :Closed Innovation)の発想の基本的相違は、

2-3-1  Closed Innovationは、「わが社業分野の人材は、わが社に存在する」、「研究開発により利得するためには、わが社みずから発見・開発・販売しなければならない」「わが社が知財を最多・最良の知財を創出すれば、わが社が勝つ」という発想でなされる。

2-3-2  Open Innovationは、「全ての人材がわが社に存在するのではなく、わが社は社内・社外の人材と共に事業しなければならない」「外部から導入した研究開発結果が大なる利益を挙げ得る」「わが社が社内社外の知財を最高度に活用すれば、わが社が勝つ」という発想でなされる。

3.SANARI PATENT所見

3-1 経済産業省は、ソフトウェア産業を始めとして、そのイノベ-ション促進にはオ-プンイノベ-ション環境の整備が必要不可欠としている。Open Source Software(オ-プンソ-スソフトウェア:OSS)(Linuxなど)の日中韓国推進IT局長会議が昨秋その第6回会議を開催(2007-9-12~13)するなど、方向性は決定しており、「知的財産の取扱いに関する議論の整理」が法的課題とされている。

3-2 特許庁はこの際、オ-プンイノベ-ションとプロパテントとの整合の在り方を、国民に分かり易く明示されたい。

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別サイト http://sanaripatent.blogspot.com/ 2008-1-8 娯楽コンテンツ

Open InnovationClosed InnovationOpen SoftwareCiscoIntel

2008年1月12日 (土)

Patentability of iPS Cell

Patentability of iPS Cell (Induced Pluripotent Stem Cell) 誘導多能性幹細胞(iPS)研究の支援体制と知的財産権

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Google検索SANARI PATENT

関連記事http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 2007-12-22 ヒト胚幹細胞

1.        誘導多能性幹細胞(iPS)に実用関心の高まり

1-1 臓器移植に代替できるという観点からも、誘導多能性幹細胞(iPS)に対する実用加速の関心が高まっている。誘導多能性幹細胞(iPS)のも、他人由来のものと自己由来のものがあるが、臓器移植による治療は他人由来の臓器に依存し、「拒絶反応の可能性」、「近親者(複数)に臓器提供を求める場合の心理的相克の可能性」、「治療費の高額」が障壁となるのに対して、自己由来誘導多能性幹細胞(iPS)による再生治療によれば、これらの障壁を回避できるからである。

1-2 綜合科学技術会議には、次の各省支援対策が報告された(2008-1-10)

1-2-1 誘導多能性幹細胞(iPS)培養に必要な専門施設の整備(厚生労働省・医薬基盤研究所)

1-2-2 誘導多能性幹細胞(iPS)による再生医療全般の指針作成(同)

1-2-3 誘導多能性幹細胞(iPS)を用いる可能性がある疾病のモデル細胞の作成(文部科学省)

1-2-4 誘導多能性幹細胞(iPS)から再生対象とする臓器細胞、神経細胞、血球などへの分化誘導技術の開発(同)

1-2-5 誘導多能性幹細胞(iPS)研究の周辺研究として、胚性幹細胞(Embryonic Stem Cell)を含む幹細胞全般の研究(同)

2.        特許性

2-1  現時点では、医療および細胞関連発明に対する特許性の有無の判断は、特許・実用新案審査基準(最近更新2007-3-23)の第Ⅱ部「特許要件」第1章「産業上利用可能性」等、第Ⅶ部「特定分野の審査基準」第2章「生物関連発明」に準拠してなされるが、この最終更新の考え方は、内閣知財戦略本部・医療関連行為の特許保護の在り方に関する専門調査会」報告(2004-11-22)

に準拠している。従って、先ずその要旨を顧みることが必要である。

2-2 上記報告の要旨(SANARI PATENT要約)

2-2-1 医師が特許による経済的利益を得るために、みずからの特許に係る技術を偏重してはならない。

2-2-2 わが国では従来、人間を手術、治療または診断する方法は、特許法29条の「産業上利用可能発明」に非該当と解釈することにより、特許性を認めていない。

2-3-3 米国では、1952年の特許法改正以来、広く医療分野の方法に特許性を認め、多くの医療方法特許が成立した。しかし(SANARI PATENT 注:医療方法特許権の行使による弊害の意識)1996年にこの特許法を改正し、医療方法特許を存続するけれども、医師等による医療行為には原則として特許権を行使できない旨の規定が導入された。(SANARI PATENT 注:特許権侵害に対する損害賠償請求等を、「その医療行為につき、その医療従事者またはその関連する医療主体には適用しない」原則)

2-3-4 欧州では、1973年の欧州特許条約により、手術、治療、診断法には特許性を認めていない。

2-3-5 近年、特に遺伝子治療や再生医療の分野では、技術の革新に目覚しいものがあることから、将来の課題として、こうした技術の進歩に対して特許制度がどうあるべきかについて検討する必要があるとの意見が出された。

3.        SANARI PATENT所見

  上記2-3-6が最も重要で、「将来の課題」がまさに今、現出したと認識し、

早急に「検討」を開始すべきである。

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Patentability、誘導多能性幹細胞、iPS、特許審査基準、米国特許法、欧州特許条約

2008年1月11日 (金)

TERUMO vs. OMRON

TERUMO vs. OMRON 健康の自己管理普及のためにも両社の活躍を期待

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Google検索SANARI PATENT

別サイト http://sanaripatent.blogspot.com/ 2008-1-11 理数人材育成

 社会経済のイノベ-ションが高度先端科学技術に専ら依存すると考えるのは大間違いで、国民の生活習慣や業務の在り方の変革にこそ、イノベ-ションの大きな起動力が存在すると、SANARI PATENTは考える。生活習慣については、年に一回の集団検診に頼るのは余りにも自己に無責任であり、自覚症状の発現が遅い生活習慣病の予防と早期治療に、自己検診機器の普及が急務と考える。

その願望を、代表格としてのTERUMO OMRONの対比に託したい。

1.        対比の総括

  TERUMOOMRONも、従来から家庭の診断機器メ―カとして国民に馴染み深いが、それぞれの企業像は、野村證券・東洋経済の会社四季報によれば次のように対蹠的である。

1-1        OMRONは、制御機器からシステム機器へ展開。車載部品で中華圏での事業拡大。健康機器でも著名という特色で、ヘルスケアの比率は9%。

1-2        TERUMOは、カテ-テルなど心臓・血管領域分野に強み。海外比率高くアジア等で」生産拡大という特色で、生活医療商品群10%を含めて、全て医療分野。

1-3        海外比率は、TERUMO45%。OMRON47

1-4        OMRONは、汎用品の生産を中国に移管してコスト削減。制御機器が液晶向けに上昇。笑顔度測定技術などの新技術を開発。

1-5        TERUMOは、欧米中心にカテ-テルが好調。医療水準が向上している中国等に向けて注射器など病院向け製品が高成長。

2.        Sensing & Control by OMRON

2-1            OMRONは、コ-ポレ-トR&Dが取組むSensing & Controlを、「従来のセンシングのようなデ―タの入力機能の範囲にとどまらず、センシングとコントロ-ルを組合わせることによって、入力されたデ―タが、人やシステムなどの後工程に、価値ある情報として賢く(小さく、軽く、簡単に、効率的に、早く、最適に)出力する技術を意味します」と説明している。

2-2            これを極めて身近な家庭用血圧計について見ると、「巻き易い→ピタッと腕帯」、「血圧管理に便利→2人*30回分記憶」、「自動最適加圧」、「スタンド型同時表示」のほかにも、随時馴染み易い考案が完備されている。

2-3            Sensing & Controlを支えるTechnology Platformとして、MicromachiningMicrophotonicsVision SensingKnowledge Information Control Technologyを掲げている。これにより創出オプションとして、超小型センシング、超小型コントロ-ル、半導体機能における光波制御デバイス、光通信の革新デバイス、高輝度LED,顔センシング、ステレオ画像センシング、文字・マ-キングセンシング、知識生成技術、ブロ-ドバンド活用双方向コミュニケ-ションフレ-ムワ-クなどが例示されているが、「知識生成技術」は、最も注目すべきである。

3.        General Hospital Products & Home Healthcare Products by TERUMO

3-1        新年度の「テルモ特定研究助成」のテ-マは、「生体成分・細胞・合成薬剤等を組入れたCombined Devices(複合的・複合型医療機器)に関する基礎研究・応用研究」とされている。1年について1000万円、3年間助成を予定し、今月中旬に対象を決定するなど、活動の広汎さを示している。

3-2        家庭用機器としても、TERUMOの血糖値計は極めて常用し易い。最近メタポリ対策が益々流行で、テレビなどに高血圧の定義等は解説が頻繁であるが、間歇的に病院に行くのでは血糖値の計測とその結果への対応には全く不十分である。テレビの医学アワ-で自己計測を普及しないことは、また病院でも自己計測を勧めないことは、適切でない。国民の医学常識を高め、セルフメディケアを高度化することは、医療のイノベ-ションに直結する。

4.        上記2と3には、SANARI PATENTが常備しているOMRONの血圧計とTERUMOの血糖値計を例示したが、例えば、楽天のインタ-ネット販売サイトにも、両社以外の製品を含めて同種自己計測機器が多種類表示されているから、厳選・常用されることを、未利用の知財専門家各位にお勧め申しあげます。

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TERUMOOMRON、血圧計、血糖値計、セルフメディケア

2008年1月10日 (木)

Culture Arts, Contents, Production

Culture Arts, Contents, Production 文化芸術振興基本法とコンテンツ促進法と著作権法、文化芸術とコンテンツと著作物

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Google検索SANARI PATENT

関連記事http://sanaripatent.blogspot.com/ 2008-1-9 文化発信戦略懇談会発足

 新年度に、国立大学では初めてのアニメ専攻修士課程が東京芸術大学院に開設され、文化芸術クリエ-タ(創作家)の技能・学術が拡大・革新される。

  一方、ケ―タイやCT(断層撮影診断装置)などの実用品にも、高度の文化芸術性、美観が追求され、新興国にも波及する趨勢であるから、文化芸術とコンテンツと著作物の3要素が融合して、そこに知的財産権も集合することとなる。

 改めてこれらの概念を見極める。

1.        文化芸術

1-1        文化芸術基本法の前文(SANARI PATENT要約)

1-1-1        文化芸術の創造・享受は、人々不変の願望である。

1-1-2        文化芸術は、創造性と表現力を高め、人間の相互理解・相互尊重を培い、多様性を受容する世界平和の基盤である。

1-1-3        さらに、文化芸術はそれ自体が固有の意義と価値、国民共通の拠り所、国際化進展における自己認識の基点となり、文化的伝統尊重の心を育てる。(SANARI PATENT 注:人生、世界平和、国民意識の全てを文化芸術に帰一させる表現で、適切ではあるが、要約しても上記もように多くの語数を要する)

1-2               文化芸術の定義

1-2-1        文化芸術振興基本法は、「文化芸術とは」という形式での文化芸術の定義を定めず、「芸術」、「メディア芸術」、「伝統技能」、「芸能」、「生活文化・国民娯楽・出版物・レコ-ド等」を包括する言葉であることを前提として立法されている。(SANARI PATENT 注:「レコ-ド」は古めかしい語であるが著作権法の用語として改められていないし、古めかしいレコ-ドのアナログ価値が復活している)

1-2-2        上記「メディア芸術」の定義は、「アニメ-ションおよびコンピュ-タその他の電子機器等を利用した芸術」である。(SANARI PATENT 注:コンテンツ促進法のコンテンツの定義に包摂されることは明白である)

2.        著作物

2-1        著作権法は著作物の定義を、「思想または感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術または音楽の範囲に属するものをいう」と定めている。

2-2        従って、著作権法の対象にならない伝統文化を、WIPO(世界知的所有権機関)の知的財産として尊重する方策が現在、WIPOの課題となっている。

2-3        「感情」は、特許法、意匠法の対象化し、その解読や触発が課題となっている。

3.        コンテンツ促進法のコンテンツ(AnalogueLiveを含む)

「この法律においてコンテンツとは、『映画、音楽、演劇、文芸、写真、漫画、アニメ-ション、コンピュ-タゲ-ムその他の文字、図形、色彩、音声、動作もしくは映像もしくはこれらを組み合わせたもの』、または『これらに係る情報を電子計算機を介して提供するためのプログラム(電子計算機に対する指令であって、一の結果を得ることができるように組み合わせたものをいう)であって、人間の創造活動により生み出されるもの』のうち、教養または娯楽の範囲に属するものをいう。」この解釈については、

関連記事http://sanaripatent.blogspot.com/ 2008-1-8 娯楽コンテンツの変容ご参照

4.        SANARI PATENT所見

  定義の範囲が重複すれば所管も重複するが、官庁間の熱意競争が行われる  

というメリットがある。競合が調整されつつ、相補的に行政機能が発揮されることが重要である。

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Cultureartscontents、伝統芸能、文化芸術、WIPO

2008年1月 9日 (水)

JPO Intensifies Pro Patent Policy

JPO Intensifies Pro Patent Policy 特許庁「変化に対応したプロパテント政策の強化」(2007-12-18)の考察:「特許利益と訴訟リスク」「特許権の不安定」など

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Google検索SANARI PATENT

関連記事http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog/ (このサイト)2008-1-1 新年度知財予算

1.        特許庁の新年度政策資料

1-1        政府のイノベ-ション政策、知的財産政策などの基盤である特許行政の方向性について、特許庁は「グロ-バルな調和、透明性、予見性の確保、イノベ-ションの促進のために」として、「変化に対応したプロパテント政策の強化」と題する資料を示している(2007-12-18)

1-2        SANARI PATENTは、特許庁内の「特技懇」という会合の、広汎な視野と専門の深耕に基づく多くの貴重な論説に接してきたが、1-1の資料に付記された諸国の言論についても、実に卓越した選択記載がなされているので、先ずこれらを見ることとする。

2.        諸国のプロパテント関係言論

2-1        特許利益と特許訴訟リスク

  「1990年代までは米国企業にとって、特許権を取得することは理にかなっていた。しかし、特許権から得られる利益よりも、特許権を取ることに伴うリスクが上回ッテしまっている。」(Boston大学Bessen教授・Muller教授)

2-2        特許取得競争

「特許をより多く、より広く押さえないと、競合他社に負けてしまう。それがゲ-ムのル―ルだ。」(欧米の大手メ―カ)

2-3        特許権の不安定性

「特許権の範囲が不明確で、権利の基盤も不確実であることに起因する訴訟の増大は、明らかに経済成長を阻害している。」(2-1と同)

2-4 知的財産の公益性

「知的財産は排他的なビジネス資産ではなく、社外を含めたイノベ-ションネットワ-クへの投資資源と考えるべきだ。」(The Economist)

2-5 発明自体の取引ビジネス

以前は、ソフトウェアはハ-ドウェアの付属物に過ぎなったが、現在は独立した一大産業になっている。同様に今後は発明も、それ自体がビジネスの対象になる。」(米国Intellectual Ventures 社長)

2-6 パテントトロ-ル(Patent Troll)の出現

「経済学的観点から見た特許制度は、技術革新と競争力を支え保護する柱であるが、一方、特許制度が特許の藪を生み出し、パテントトロ-ルによる権利の濫用をもたらした。」(Max-blank知財研Mr.J.Straus)

2-7        世界特許庁の資源結合

  「世界中の特許出願の急増に伴う手間の重複を省くため、世界中の特許庁の現有資源を合理的効率的に結合させるべきである。」(同)

3.        SANARI PATENT所見

  上記2の諸発言を総合して検討することが必要である。例えば、2-4の公共性は、産業分野によって異なる。3-3の権利の不安定性は、進歩性・新規性・自明性などの特許性が、「当業者」という仮想人格の判断に依存することに起因する必然的結果で、「不安定性」の進化が課題ではあるが、不安定性の消去は不可能である。企業活動は、そのリスクを前提としている。

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別サイト http://sanaripatent.blogspot.com/ 2008-1-8 Amusement Content

JPOPro PatentThe EconomistPatent Troll、プロパテント

2008年1月 8日 (火)

Top R&D Topics of Agriculture

Top R&D Topics of Agriculture, Forestry and Fisheries Fields :

農林水産技術会議の農林水産研究成果10大トッピクスの知財化

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Google検索SANARI PATENT

関連記事http://sanaripatent.blogspot.com/ 2007-12-9 農商工連携

1.        新年度の産業政策は「農商工連携」

1-1 「農商工連携」が新年度産業政策考える。要めとして掲げられたのは、2つの理由によると、SANARI PATENTは考える。

1-1-1 エネルギ-増産は農業基盤のバイオに依存し、食品増産は工場方式農業と科学技術革新(遺伝子組換え、工場養殖、タンパク合成)に依存する。

1-1-2 地域・中小企業振興は、現地農商工連携に依存する。

2.        農林水産技術会議の農林水産研究成果10大トッピクス

2-1  新春の農林水産省HPには、2007農林水産研究成果10大トッピクス(農林水産技術会議)が掲載された。知財開発の標的を示したものとSANARI PATENTは解する。

2-1-1      イネでイモチ病など複数病害に強い防御機能を発揮する遺伝子を世界で初めて発見。

2-1-2      世界で始めて日本酒、ワインから原料品種を判別できる技術を開発。

2-1-3      環境への負荷がより少ない低濃度エタノ-ルを用いた低コストの新規土壌消毒法の開発。

2-1-4      自在に花を咲かせる夢のホルモン(フロリゲン)を世界に先駆け発見。

2-1-5      ニジマスしか生まない代理ヤマメ親の作出に成功し、マグロをサバに生ませることも可能に。

2-1-6      開花せず花粉を飛散し難いイネの突然変異体と原因遺伝子を発見。

2-1-7      イネの遺伝子数は約32,000と推定。うち22,500の遺伝子の位置を決定し、情報を公開。

2-1-8      オ-ストラリア産に匹敵する高品質で、しかも多収な日本麺用小麦新品種「きたほなみ」を開発。

2-1-9      シロアリが卵を認識する化学物質、卵認識フェロモンの正体を明らかに。

2-1-10  特定の除草剤に耐性を持つイネを、必要な遺伝子だけをピンポイントで組換えで作ることに世界で初めて成功。

2-2  本月29日には、「遺伝子組換え農作物に関するコミュニケ-ション」が農林水産省により開催される。

3.        SANARI PATENT所見

  エネルギ-と食品生産の革新によって、産業構造と生活基盤の超イノベ-ションを早期に実現することが、往時のJapan as No.1 に再び接近するため必須の要件であると、SANARI PATENTは考える。

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Agriculture IP、農林水産技術会議、イネ、イモチ、サバ、遺伝子組換え

2008年1月 7日 (月)

EPO Scenario for IP Innovation

EPO Scenario for IP Innovation  欧州特許庁の将来シナリオによる知財政策

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Google検索SANARI PATENT

関連記事http://sanaripatent.blogspot.com/ 2008-1-5 日米特許審査ハイウェイの本格的開始

 日本のGNP成長が停滞しているのに、欧州先進諸国のGNPは、英国を始め着実に増大している。知財戦略は、どのように動いてゆくか。

1.        EPO(欧州特許庁)のシナリオ

  特許庁の新年度政策資料は、次のように述べている。(SANARI PATENT要約)

1-1  EPO(欧州特許庁)の将来シナリオでは、知財の在り方を規定する4つの要因について分析している。

1-1-1        市場メカニズムが進んだ場合の知財政策

1-1-2        途上国対先進国という構図の国際関係が続く場合の知財政策

1-1-3        著作権や医薬品アクセスをめぐる社会の多様な価値観が反映される場合の知財政策

1-1-4        科学技術が急速に進歩する場合の知財政策

1-2               上記に対するSANARI PATENT所見

1-2-1        EU加盟国の拡大は市場メカニズムを進め、ESTI(欧州電気通信標準化機構)による欧州企業の電気通信デファクト標準化など、知財政策がEUの国際競争力強化に向けて調整されてゆくと見る。

1-2-2        途上国が新興国と残存途上国に2分されてゆくが、相手国の立場の相違を理解した現実的政策が展開されるると見る。

1-2-3        多様な価値観は、経済水準と表裏一体をなすから、価値観の多様性を前提とする政策の継続が必然的である。

1-2-4        誘導多能性幹細胞(iPS)関係など、ライフサイエンス知財の国際調和を日米欧三極のどの極が主導するかの競争になる。

2.        新春のEPO(欧州特許庁)

2-1  元旦のEPO(欧州特許庁)は、元日付けでCroatiaNorwayが欧州特許条約(EPC: European Patent Convention)に加盟し、加盟国数が34に達したことをメッセ-ジした。

2-2  旧年末(2007-12-24)EPO(欧州特許庁)は、2007年間の欧州特許裁判における控訴審判決(Desition)24件を更新送信している。そのトップ」に「玉蜀黍(maize:とうもろこし)への遺伝子導入」、「ボツリヌス菌の神経毒性」など、ライフサイエンス関係の主題が並んでいることに、欧州特許の趨勢が見られる。

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EPO、欧州特許庁、EPCESTImaizeNorway

2008年1月 6日 (日)

IP for Energy Economy

IP for Energy Economy:資源エネルギ-庁のエネルギ-新政策に同調する知財開発

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Google検索SANARI PATENT

 省エネも代替エネも、知財開発,TCT化、バイオに直結している。省エネは環境とも直結するので、今年のサミットのエコイノベ-ション即応で、家電の省エネ新構造戦略が活発である。

この冬の「湯たんぽ」大流行は復古調で知財開発ではないが、空調電力と湯沸しガスとのエネルギ-比較を主婦が考える契機にはなった。

代替エネは、バイオマスや非シリコン太陽電池の開発を含む知財開発の標的そのものである。

 丁度、芝浦工大校友会から、豊洲キャンバスで、「産学官・再チャレンジ学習支援協議会」の「SOHOによる都市再生」講座を開く通知があったが、このテ-マは省エネにも最適である。豊洲キャンバスの先端性デザインと交通利便性は、この講座の別の項目「『伝える』から『伝わる』」の演題通り、受講者からクチコミされるから、芝浦工大にとっても省エネである。

 要するにSANARI PATENTが言いたいのは、資源エネルギ-庁の省エネメニュ-以外にもメニュ-は豊富ですということである。

 そこで先ず、経済産業省・総合エネルギ-調査会・省エネルギ-部会の「今後の省エネ対策の方向性」(2007-12-12)を考察する(SANARI PATENT要約)。

1.        省エネの背景

1-1        わが国は石油ショックの1973年以降、30%を超えるエネルギ-消費効率の改善を実現した。

1-2        一方、世界的なエネルギ-需要の急増、産油国の供給余力低下のため、エネルギ-の安定供給と燃料資源の有効利用が諸国の重要な国家戦略として位置づけられている。

1-3        IEA(国際エネルギ-機関)は、中国・インド等のアジア諸国の経済成長により、世界のエネルギ-需要は2030年には対1905年比で55%増加すると試算している(SANARI PATENT 注:「アジア諸国の」とあるが、人口の絶対数からは巨大であるが、BRICSの拡大を考えれば、「新興国の」と改める方が適切である)

1-4        他方エネルギ-供給については、米国・北海等の非OPEC地域の石油・天然ガス供給量低下に加えて、石油生産量のピ-クが2030年代以前になる可能性も指摘される。

1-5        わが国では、民間企業においては、生産量の増加にもかかわらず、エネルギ-消費量は横ばいであるが、民生(業務・家庭部門)・運輸部門では、平成2年対比で、民生部門では4割、運輸部門では2割、エネルギ-消費者量が増加している(SANARI PATENT 注:部門の分け方は、工業部門とその他部門とするか、業務部門と家庭部門を分かつかしないと、誤解を招く)

2.        規制面の抜本的見直し

2-1  ス-パ-等の小売業、外食産業、学校、ホテル、病院等では多くの事業体が規制対象外で、エネルギ-使用量から見た省エネ法のカバ-率が低い。

2-2  従って、従来の「工場単位」だけでなく、「事業者単位」の取組に着目し、業態に応じた効率的エネルギ-管理に取組むべき規制体系に改める。

2-3  業務部門に対する省エネ規制を強化する。

2-4  フランチャイズチェ-ンについて、本部に対しチェ-ン全体のエネルギ-管理体制を求める。

2-5  ビルのオ-ナ-とテナントの協力省エネを求める。

3.        SANARI PATENT所見

   生産・業務を通じて企業構造全体に対する規制を考えるという方針と解するが、更に基本的に産業構造・立地構造・生活構造の在り方から検討すべきである。例えば、大都市およびその周辺における工場方式大規模農水産によるエネルギ-原単位と輸送エネルギ-の低減、鉄道輸送と自動車輸送の役割分担、IT化の徹底による人移動をおよび情報媒体物の削減など。

  一方、光文化・空調文化ともいうべき高度の光彩文化、健康環境は、わが国の先端コンテンツないし先端生活基盤として、わが国の対外ソフトパワ-となるから、省エネ高度技術と共に知財開発すべきであり、「価値のバランス」を考える必要がある。

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芝浦工大、IEA、省エネ、中国、インド、資源エネルギ-庁

2008年1月 5日 (土)

IP Policies of America and Europe

IP Policies of America and Europe 米欧諸国知財政策の方向性

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Google検索SANARI PATENT

関連記事http://sanaripatent.blogspot.com/ 2008-1-5 プロパテント論

1.        特許庁の所見(SANARI PATENT要約)

1-1            世界動向

1-1-1        世界の特許出願が急増し、WIPO統計によれば、年間166万件に達した(2005)

1-1-2        グロ-バル化の進展により、世界出願の約4割が非居住者による。

1-1-3        世界の特許庁に同一内容出願の重複提出傾向が続く。

1-1-4        途上国における特許出願のほとんどが先進国発で、途上国にとっては、「他国の特許庁権保護のため特許制度を導入した」という結果になる。これが知財分野における南北対立の原因になる。

1-1-5        模倣品・海賊版対策として、途上国での権利付与・保護が必要である。

1-1-6        米国では研究開発投資の増勢を上回る特許出願の著増が見られる(1990年代から)

1-1-7        特許紛争増加のため、競合他社牽制目的の出願も増加している。

1-1-8        特許権の不安定性が、ビジネスリスクを増加している。

1-1-9        技術の高度化・複雑化に伴いグロ-バルな研究開発が拡大している。

1-1-10    業種の特性に対応するイノベ-ション動機付けの制度設計が必要である。例えば、医薬品・バイオ分野とICT分野では、イノベ-ションの創出構造が相違する。

1-1-11    水平分業が進み、研究開発においても自前主義からオ-プンイノベ-ションへと動きが進んでいる。

1-1-12    標準化の推進と、ライセンス交渉コスト削減のため、パテントプールの取組が必要である。

2.        SANARI PATENT所見

2-1        上記1-1-2の非居住者出願の割合は、世界総数ではなく、各途上国についてその高率を考察することが重要である。

2-2        上記1-1-4の途上国の立場は、「途上国が知財制度について先進国と同調することのメリット」と、「先進国企業のために知財制度を整備する結果となることのディメリット」を、十分に把握して具体的に理解することが必要である。

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WIPO、途上国、オ-プンイノベ-ション、海賊版

2008年1月 4日 (金)

New Year Greetings to IP Specialists

New Year Greetings to IP Specialists and IP Friends 内閣知財戦略本部事務局および知財関係各位  2007-1-4

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Google検索SANARI PATENT

関連記事http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 2007-1-1 経済産業省新年度新規予算項目

新年 明けまして おめでとうございます

今日が「仕事始め」ですが、「御用納め」の1228日に特許庁が、「特許審査実務に関する三極比較研究」の英文原文や「重点8分野特許出願状況」を更新Webされ、総務省がICT関係パブコメを相次いで今月半ば期限で募集され、また各省も、従来予算を削減して「新規予算項目」を増やされるなど、新年も繁忙と予測されました。

中小企業の知財関係各位も、ご健勝にて御迎春のことと存じますが、特許庁の統計にも、出願の「個人・法人別」はあっても「中小企業・大企業別」はないので、「中小企業出願は総出願数の10%」という程度の把握しかできないのですね。米国の個人発明家団体の政治力は強いようですが、発明力も強いようで、諸国の個人・中小企業の内容も多様ですから「分野別」のほかに「態様別」政策が必要と存じます。

そこで、中小企業のための「仮出願制度」新設という、中小企業にとって魅力多い提案がありますが、韓国の特許庁長官が「出願人に不便な制度を、特許庁の顧客の目線に合わせて改善する」と言明された旨、旧年末にP.K.Kim特許事務所から受信し、国際競争力の見地からも検討を急ぐ必要を感じました。

地域の対面研修会合も、企画が活発ですが、「対面研修の暇もない」または「内容が重複する」という声もあるように承ります。米国特許庁の公表には、審査官の在宅勤務、ホテル勤務を増やすという効率化策強化が強調され、韓国も同様を志向しているようですが、経済産業省の新年度予算「団塊対策」も活用して、知財専門家の隔地IT勤務ができると良いと考えられます。研修も、小生が勤務していた電気通信の国際協力機構では、新興国の地域で、TV教育が国策として推進されていました(教育人材も不足ですから、教員はTV受講を補助する役割です)。

総務省の上記新年度計画でも、ASP・SaaSサ-ビスなど中小企業ICT対策として計画(一部すでに実施)されていますので、知財関係各位と共に、総務省の新計画も活用したいと存じます。

改めて、本年もよろしくお願い申しあげます。

SaaS、経済産業省、団塊、研修、中小企業

2008年1月 3日 (木)

Patent License Service

Patent License Service by CYBERNET 知財活用戦略としてライセンス業務の推進:サイバ-ネット社の業歴と動向に注目

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Google検索SANARI PATENT

関連記事http://sanaripatent.blogspot.com/ 2007-12-17 知財フロンティア

1.        知的財産をイノベ-ションに活かすライセンス

1-1        事業体が知財を創造・取得する意義

「今さら」という感じの問題提起であるが、その認識を新たにすることが実は重要である。事業体は多様であり、例えば、大学はTLOにより企業にライセンスして収入を増大すれば良いというものではなく、大学に期待される基本知財基盤の研究開発は、企業にとって即時ライセンス支出に結びつく収益にまで至らないから、「不実施補償」のような大学・企業間問題を派生する。企業の業種業態の多様性から、知財の自社開発、知財の買収(M&Aを含む)など知財取得の戦略も多様化し、また、保有知財の活用も自社単独、ライセンス,包括クロスライセンス,パテントプールなど多様化する。

1-2        いずれにせよ、知財は活用によってのみ社会経済のイノベ-ションに寄与し得るから、平成20年度内閣知財計画においても、ライセンスによる知財活用の方向性が明確に示されると、SANARI PATENTは予測する。この意味でSANARI PATENTが先般受信したサイバ-ネット社の社報は、示唆に富むものである。

2.        サイバ-ネット社ライセンス業務のユニ-ク性

2-1  先ず、「サイバ-ネット(東証1部)は、CAE(Computer Aided Engineering)分野だけで76000ライセンス以上の顧客ベ-スを抱えています」という記述で、そのユニ-ク性が知られる。

2-2  以下同社の今次報告を見る。(SANARI PATENT要約)

2-2-1        サイバ-ネットの沿革は、1967-1 ス-パ-コンピュ-タのパイオニアControl Data社がControl Data Far Eastの東京支社を開設。1971-5米国Control Dataが日本法人「日本CDC」を設立。1985-4 日本CDCがサイバ-ネット事業を独立させてサイバ-ネットを設立。1984-4 神戸製鋼がサイバ-ネットの全株式取得、資本金4億円に増資。1999-10 富士ソフトがサイバ-ネットの全株式を取得。(SANARI PATENT 注:現在は51.8%)2005~2006、サイバ-ネットが複数企業の全株式を取得。2006-8 上海に現地会社を設立。

2-2-2        新製品の市場投入に至る検証過程では、CAEによる開発期間の短縮とコスト削減が重要である。サイバ-ネットは、多くの海外ベンダ-によるCAEソフトウェアの国内への提供を中心に、技術支援、コンサルティング、ITソリュ-ションを提供している。

2-2-3        今期の成果は、制御系、機械系、光学系、エレクトロニクス系のCAEソリュ-ションの販売がいずれも2桁成長したことである。自動車の電子化に伴う電子制御システム開発ソフトウェア、フラットパネルディスプレイ市場向けの照明ソフトウェア、輝度・照度・色度測定システムのソフトウェアの販売が大きく伸長した。

2-2-4        初めての自社開発製品である大規模音響解析ソフトウェアも販売開始した。

2-2-5        プリント回路基板設計業界の技術者集団であった「京浜ア-トワ-ク」からの営業譲受によってエレクトロニクス分野の高付加価値ソリュ-ションに業務拡大した。

3.        SANARI PATENT所見

3-1 上記2-2-1の富士ソフト(東証1部)も、完全な独立系として、広汎な諸分野で組込系テクノロジ-等を提供している。

3-2  平成20年度内閣知財計画にはICTの展開として「SaaS(Software as a Service)が例示されるが、サイバ-ネットの業務は、同社では「SaaS」という語を用いていないけれども、高度なSaaSに属する部分もあると、SANARI PATENTは解する。その大規模な展開事業であって、「ものづくり」の高度化に直結する「ソフトウェア総合提供事業」として伸長することが期待される。

(この記事の修正ご要求は、sanaripat@nifty.comに送信下さい)

CAE、サイバ-ネット、神戸製鋼、富士ソフト、ソフトウェア

2008年1月 2日 (水)

Special Mission Minister H. KISHIDA

Special Mission Minister H. KISHIDA Presides IP Headquarters  岸田内閣府科学技術政策特命担当大臣司会㎡内閣知財戦略本部会議(2007-12-13)考察

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Google検索SANARI PATENT

関連記事http://sanaripatent.blogspot.com/ 2007-12-17 知財フロンティア

関連記事http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 2007-1-1 新年度新規予算項目

1.        相沢益男内閣知財戦略本部員の「知財フロンティア開拓」説明(SANARI PATENT要約:以下同)

1-1        ライフサイエンスでは一製品が少数特許で保護され、基本特許の役割が大であり、情報通信では非常に多数の特許が一製品に集中するので、クロスライセンス等による相互接続性の確保が重要である。

1-2        環境については、ニ―ズ指向という特徴があり、政策の影響が大きい。

1-3        ナノ・材料は、シ-ズ指向である。

1-4        技術、制度、市場の各フロンティアが世界に向かって拡大されることを要し、総合して知財フロンティアという。

1-5        技術フロンティアについては、上流基本特許から下流技術まで幅広く抑える。

1-6        制度フロンティアについては、特許権の存続期間の延長、ネットワ-ク社会における著作権法の各在り方を考える。

1-7        市場フロンティアについては、優れた技術を共通基盤化して活用する。

1-8        経団連では、環境について世界に広くライセンスすることを重要としている。

2.        甘利経済産業大臣

  リサ-チツ-ル特許のデ―タベ-ス構築を早急に進める。

3.        岡村 正本部員

3-1        東芝製品のCTスキャナ-を例にとると、臨床応用での国際的産学連携が、外国特許の取得が必要である。

3-2        東芝は、この製品により世界初の真の立体イメ-ジングを実現した。

3-3        医療分野では日本の特許対象範囲が欧米より狭く、拡大して国際調和されたい。

4.        角川歴彦本部員

4-1  米国発Web2.0の企業が全世界を席巻しようとしているが、和製Googleを育成する必要がある。(SANARI PATENT 注:Web2,0については、後記10-2ご参照)

4-2  経済産業省考える。「情報大航海プロジェクト」が重要である。

5.        佐藤辰彦本部員(弁理士)

5-1  新開発技術が知財制度で保護されても、市場競争力を欠けば国際競争力たり得ない。

5-2  市場競争力を得るためには、多数国での特許取得を要する。特許制度の世界統一を指向する必要がある。

5-3  地域・中小企業の知財開発のため、農商工連携が重要である。

6.        里中満智子本部員(漫画家)

在外公館機能の発揮などにより、海賊版対策を強化されたい。

7.        中山信弘本部員

7-1 コンテンツの利用・流通を妨げない法的整備が必要である。

7-2 国際的にも進んだ著作権制度を、官庁横断的な大戦略で構築すべきである。

8.        長谷川閑史本部員(武田薬品)

8-1 わが国の万能細胞利用をサポ-トすべきである。

8-2 医療関係特許付与対象を、米国制度に匹敵するよう、拡大を検討すべきである。

9.        三尾美枝子本部員(弁護士)

9-1 ES細胞の製造のみならず、活用を円滑にする特許制度を検討されたい。

9-2 最高裁発表の特許訴訟件数が減少しているが、特許権者が侵害訴訟提起を躊躇わないよう、制度を検討されたい。

10.山本貴史本部員

  わが国の産学連携は、大学のロイヤリティ収入では米国に及ばないが(米国1500億円、日本10億円)ベンチャ-・中小企業支援には、率としては、米国のそれに近い比重で寄与している。

10.SANARI PATENT所見

10-1 情報通信分野でNGN(Next Generation Network)の展開が語られるとき、その例示の一つとして登場しているWeb2.0は、Next Generationを待たず既に始動している。

先ずWeb2.0の意味を確認すれば、通常次のように述べられている。

「情報通信分野で従来、情報受信者であったユ-ザ-が、ネットワ-ク上で情報の発信者ともなり、そして、このような発信者の増加によるコラボ レ-ションによって、従来以上に広汎・有用な情報が創出されるなど、新たな現象が生起しつつある。このような次世代Webの現象をWeb2.0と総称している。」

しかし、上記現象の例示として挙げられるブログは、既に社会生活の全ての局面に浸透している。このことは、ユ-ザ-がブログ発信する場合に通常選択するジャンル別の多様多岐にわたることにも、また現にブログ発信しているユ-ザ-は、著名な学識経験者、タレント、政治家などこれまた多様多岐であることに示されている。

角川グル-プにおけるWeb2.0について、SANARI PATENTが受信した角川グル-プの今次中間事業報告には、同グル-プの角川歴彦会長の、「飽くなきコンテンツ創出の追及が、Web2.0時代新事業の根底を支えています」と題する挨拶が掲載されているが、具体的例示が貴重である。 

10-2 国や制度の支援の程度ではなく、企業その他事業体(大学を含む)の競争エネルギ-の強弱が日米格差の主要原因であると考える。このエネルギ-が強烈であれば、制度革新の遅滞も即決ないしは事実上解決されると考える。

(この記事の修正ご要求は、sanaripat@nifty.comに送信下さい)

岸田文雄特命大臣、相沢益男、岡村 正、中山信弘、東芝、角川、長谷川閑史、武田薬品

2008年1月 1日 (火)

Happy New Year for Happy IP Budget

Happy New Year for Happy IP Budget 新年度知的財産戦略予算のコンセプトと外国出願助成新規計上

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Google検索SANARI PATENT

関連記事http://sanaripatent.blogspot.com/ 2008-1-1 経産省2008年度予算

関連記事http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 2007-1-1 新規計上の新年度経産省予算項目

謹んで新春のお慶びを申しあげます

 先ず2008年度の知的財産政策予算のコンセプトと内容を考察します。

1.        企業活動のグロ-バル化と世界知財動向

1-1        この10年間に、世界の特許出願件数は略倍増して160万件に達した。

1-2        企業活動のグロ-バル化に伴い、各国に重複して出願されるケ-スが増加した。

1-3        わが国では審査請求期間を7年から3年に短縮したことにより、平成15度に22.9万件であった審査請求件数が、平成18年度には38.0万件に急増した。審査待ち期間は26.7ケ月に長期化した。

1-4        順番待ち期間の解消は欧米でも共通する課題であり、特許審査官を増員中であるが、「官から民へ」の流れの中で、民間への業務委託を拡大する必要がある。

1-5        全世界での模倣品取引額は約81兆円と推測される。

1-6        わが国中小企業の知財活動は脆弱で、特許出願の約10%にとどまる。

1-7        従って、知財の知見や意識の格差も踏まえた相談体制の充実や、知財支援策の一層の普及が必要である。

1-8        地方には、多様なニ―ズを満たす知財支援人材が不足している。

1-9        中小企業の出願から活用まで、地域から海外まで、網羅的かつキメ細かな支援を強化する必要がある。

1-10    外国出願助成や訪問型相談の拡充など、地域中小企業の支援メニュ-を拡大する必要がある。

1-11    特許関係料金の引下げに対する企業ニ―ズが大きい。

1-12    ブランド等、無形資産の経済価値が高まっている。(SANARI PATENT 注:このことと予算の関係が明確でない)

1-13    技術開発コスト回収の必要性が増大している。

2.        上記に対応する新年度予算の骨格(SANARI PATENT要約)

2-1        世界最高水準の迅速・的確な特許審査m実現のため、668億8000万円(対平成19度比8.4%増)。

2-2        グロ-バルな権利取得の促進と模倣品対策の強化のため、26億6000万円(同3.1%増)。

2-3        地域・中小企業等の知的財産活用に対する支援のため31億6000万円(同

7.1%増)。(うち新規に、特許の外国出願助成を110~180社に対して計1億4000万円(SANARI PATENT 注:1社当たり77万円ないし

127万円となるが、テレビ東京WBSで鬘の外国特許取得に外国弁理士費用を含めて800万円、しかもアジアで模倣被害と中小企業者が嘆いていたので、いかがなものか。また、中小企業の年間出願数約3万件に対して、初年度とはいえ社数が少ない)

3.        SANARI PATENT所見

    経済産業省本省、中小企業庁を始め、諸官庁の産業政策費と、地方公共団体の産業対策費から、直接・間接に知財政策に資する額を増額して、国と地方公共団体の知財予算総額を拡大する必要がある。

(この記事の修正ご要求は、sanaripat@nifty.comに送信下さい)

中小企業、外国出願、模倣品、特許審査官

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