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2007年11月30日 (金)

METI Holds e-Distribution Workshop

 経済産業省が新設した電子流通研究会(委員に楽天社長ほか)は年度内に結論を予定(2008新年度には別途審議会)

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

  

経済産業省の上記公表文(2007/11/26)には「インタ-ネット販売」という言葉は用いられずに、電子流通産業(ネット専業、リアル兼業、その付随サ-ビス業)と、括弧書付きで表示されているが、一般に分かり易いのは、「インタ-ネット販売に伴う諸問題を研究する」という趣旨の研究会である。

1.        本月27日に発足、年度内に結論(SANARI PATENT要約―以下同)

1-1        経済産業省は、ITの進化に伴って市場拡大を続ける電子流通産業を一つの成長産業として位置づけ、

1-1-1        電子流通産業の現状把握と将来展望

1-1-2        国際競争力等、今後の発展の方途

1-1-3        電子流通産業の発達に伴う社会的責任の在り方

 を検討するため、先ず標記研究会で研究し、新年度から別途審議会で検討する。

SANARI PATENT考察)

  ネット通販の急拡大が当面の問題であるから、もっと機敏な対応態勢が必要と考える。

2.        主な論点

2-1        国境を越えた商機の拡大

2-2        個人情報保護と消費者保護

2-3        簡易・迅速・安全な代金支払手段

2-4        物流の効率化とコスト削減

SANARI PATENT考察)

  上記2-4の「コスト削減」による価格上昇抑制は、グロ-バルなエネルギ-・基礎資源・食品の需給バランスの著変に対処して極めて緊要であり、産業構造の変動にもつながるので、研究・検討の透明性が特に必要である。

3.        今次研究会の委員

  丸紅社長、ヤフ-社長、アスクル社長、菱食社長、ネットプライスドットコム社長、三越執行役員、アマゾンジャパン社長、セブンアンドワイ社長、KDDIコンテンツメディア本部長、オイシックス社長、佐川専務、ディ・エヌ・エ-社長、ファ-ストリテイリング執行役員、ヨドバシカメラ常務、楽天社長、グ-グル社長、アイスタイル代取、千趣会社長等の業界人など。

SANARI PATENT考察)

  楽天、グ-グル、ヤフ-、KDDIなど、次世代ネットワ-クの新分野発達の先達を含めて、インタ-ネット取引の問題点が考究されることを期待する。

(この記事の修正ご要求は、sanaripat@nifty.comに送信下さい)

電子流通産業、経済産業省、楽天、グ-グル、ヤフ-、KDDI

別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 太陽電池の国際競争

別サイトhttp://blog.goo.ne.jp/sanarishigenori/ 三洋電機・富士電機の太陽電池開発

2007年11月29日 (木)

HITACHI Chemicals Develops Variety of Functional Films Working on Wonders

機能性フィルム開発に多分野企業の参入

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 2007.11.28 Blue Ray vs. HD DVD

   機能性フィルムの位置付けが各社とも変化している。

1.日立化成工業の場合

  本年度上半期の事業報告を相次いで受信する時期であるが、日立化成工業

は、売上高・営業利益・計上利益とも増勢を示し、特に、エレクトロニクス関連製品部門(社内売上比率49%)において、

1-1  半導体用材料では、回路平坦化用研磨材料(SANARI PATENT 注:グロ-バルに特許出願件数が多い)が、半導体素子の高精細化に対応する高付加価値品を中心に大きく売上を伸ばした。

1-2  ダイシングテ-プ機能(SANARI PATENT 注:多様な接着特性を有する製品が開発されている)を付加したダオボンディング材料も、フラッシュメモリ-市場の好況を背景に大幅に伸長した。

1-3  エポキシ封止材は、ハロゲンフリ-製品を中心にアジア地域向けの売上が拡大した。

1-4  回路接続フィルムがパソコンと液晶TVディスプレイの生産拡大に伴い、伸長した。

1-5  半導体テスタ-用治具向けマルチワイヤ-配線板(SANARI PATENT 注:マルチコネクションが可能)、多層プリント配線板も伸長し、配線板用材料では、耐熱性に優れた銅張積層板が伸長した。

また、機能性材料関連製品:社内売上比率40%)において、

1-6  機能性フィルムは、液晶ディスプレイの光学シ-ト表面保護用等の需要増に対応し、売上が順調に拡大した。

2.機能性フィルム開発の各社状況

  上記1-6の機能性フィルムは、その機能・用途が多様に新たな展開を示し、開発企業の分野も多岐にわたっているので、ここでは最近の特許公開状況からその一端を見ることとする。〔SANARI PATENT要約〕

2-1        スリ-エム イノベイティブ プロパティズ カンパニ-「機能性フィル

ムおよびその使用方法」(特許公開日2007-11-22

 耐久性に優れ、繰り返し使用可能な、ドット状の位置符号パタ-ンを有する機能性シ-ト(可市域で実質的に透明な樹脂フィルムと、その主表面上にドット状の位置符号パタ-ンを形成する)を提供する。

2-2        藤森工業「赤外線吸収用の両面粘着フィルムおよびPDP用光学フィルタ-」(特許公開日2007-11-1

透明基材フィルムを減らして光学フィルタ-全体の厚みを薄くし、重量を軽減すると共に、基材フィルム界面から発生する反射を減らすことにより、映像を鮮明ににできる赤外線吸収用の両面粘着フィルムを提供する。

3-3  コニカミノルタホ-ルディングス「透光性電磁波遮蔽材料」(特許公開日2007-10-25

   光学ロスが改良され透光性に優れ、また剥がれ等がなく均一で平滑なPDP等の全面パネルとして用いることができる反射防止等複合機能付き電磁波遮蔽材料構成物を提供する。

3-4  日本ゼオン「光学機能性フィルム、偏光板、液晶表示装置、およびフラットパネル」(特許公開日2007-10-18

   干渉縞の発生防止などの光学特性および機械的強度に優れ、高温・高湿下での使用に対しても寸法変化の小さい光学機能性フィルムを提供する。

3-5  富士フィルム「熱可塑性樹脂フィルムおよびその製造方法」(特許公開日2007-10-4

   フィルムの流れ方向における厚みムラおよびスジ故障を抑制できるので、高品質の機能性フィルムに用いることができる光学特性の均一な熱可塑性樹脂フィルムおよびその製造方法を提供する。

3-6  旭硝子「プラズマディスプレイ用保護板、その製造方法およびプラズマディスプレイ装置」(特許公開日2007-9-27

   電磁波遮蔽能力に優れ、低コストであるプラズマディスプレイ用保護板、その保護板を生産性良く低コストで提供できる方法、プラズマディスプレイの前面から放出される電磁波が十分に遮蔽されたプラズマディスプレイ装置を提供する。

4.SANARI PATENT所見

  機能性フィルムの範囲が画定されてはおらず、新たな用途で新たな機能を営むことが確実であるから、知財創造のイノベ-ション効果を発揮させるべき戦略分野である。

(この記事の修正ご要求は、sanaripat@nifty.comに送信下さい)

機能性フィルム、日立化成工業、日本ゼオン、藤森工業、旭硝子

別サイト http://blog.goo.ne.jp/sanarishigenori/ 平成20年度内閣知財計画の想定:遺伝子組換えの安全性

2007年11月28日 (水)

IP High Court Supports Withdrawal of Stent Patent by JPO:知財高裁判決(11月22日)は「抗血管形成性組成物およびそれにより被覆されたステント」特許の取消審決を支持

I弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 2007.11.28 ENEOS-SANYO Establish Fuel Cell Company

 この判決(本文末注記ご参照)は、用語の定義、技術思想の相違の程度、物の発明と方法の発明の画定、想到阻害理由、顕著な効果の認否など、特許性判断を決定する重要な要素を含み、67ペ-ジにわたる判決文を熟読すべきであるが、この発明の分野に直接従事していない知財専門家は、先ず「ステント」の現況から理解する必要がある。

1.        ステント(Stent)

1-1            カテ-テル(細い管)を用いる検査・治療において、再狭窄を防ぐ器具として、ステントの構造・機能には新たな考案ないし発明が加えられつつある。従って、用語辞典類でも、その補正が恒常的に必要とされている。

1-2            Wikipedia12007.9.28更新版においても、ステントの項目は医学に関連した書きかけの項目で、加筆・訂正を求めると明記している。その前提でWikipediaは、現時点では次のように解説している。(SANARI PATENT要約)

「ステントとは、人体の管状部分をその内部から広げる医療機器である。多くの場合、金属製の網目筒状で、治療部位に応じたものを用いる。」

1-3            共同通信が最新医療情報として2004年に、「再狭窄防ぐ新ステント登場。血管内に溶け出す薬剤。急速に普及しそう」と題して、「狭心症や心筋梗塞の際、カテ-テルを使う治療で利用される新しい「薬剤溶出ステント」が日本でも使えるようになった」と報じているが、今次知財高裁判決(2007.11.22)の「本件発明」は、この「薬剤溶出ステント」に関するものであると、SANARI PATENTは解する。すなわち、「薬剤」および「その薬剤で被覆したステント」に関する発明である。

2.        今次知財高裁事件の争点

  本件特許を特許庁が審決により取消したのは、要するに「容易想到性」、すなわち、本件特許は、従来技術としての刊行物の記載から容易に想到できる発明に対して付与され、特許性を欠くので取消すという理由による。

  今次事件において容易想到性の認定要素としては、

2-1  刊行物記載における用語の語義をどのように解するか。すなわち、本件発明を表現する用語の語義との同一性が大であれば、容易想到性が認められ易い。

2-2  分説すれば、次の次項の判断に、用語の定義内容の対比が決定的に影響する。

2-2-1        技術思想の相違の程度

2-2-2        着想の阻害理由の有無

2-2-3        着想の動機づけの有無

2-2-4        その発明による顕著な効果の有無

2-3               「用途発明」の意義についても争われた。

3.        具体的論点について知財高裁の判断

3-1 「身体通路の再発性狭窄」および「抗血管形成ファクタ」の技術的意義の認定について、知財高裁は、特許庁審決に誤りがあると判断した。なお、「細胞増殖」の語義について知財高裁は、「細胞が細胞分裂によって増えること」と解し、「抗増殖剤は、細胞が細胞分裂によって増えることを阻害する薬剤、「抗血管形成ファクタ」は新しい血管形成を抑制するものであるから、両者の作用は異なると判示した。

3-2 刊行物には、身体通路の再発性狭窄の発生機序と発生防止方法が提案され、具体的に使用すべき薬剤について示唆している。(SANARI PATENT 注:容易想到性の認定)

3-3 ステントの被覆剤としてタキソ-ル適用の容易性について、原告はタキソ-ルについても毒性が知られていたので、容易想到でないと主張するが、この点は決定の結論に影響を及ぼすものでない。(SANARI PATENT 注:原告の主張を不採択)

3-4 原告は、「タキソ-ルといっても、薬剤としての用途が異なれば別の物であることは、わが国特許法の確立した原則であると主張するが、ステントを被覆する物質として構成されているタキソ-ルの用途・作用が何であるかは、本来、発明を特定する要素となり得ない。(SANARI PATENT 注:別発明と評価し得るほど、その技術思想が異なるとはいえないの意)

4.知財高裁の本件結論

  「抗血管形成性」に着目しなくても、「再発性狭窄の処置・予防のため」使用される血管ステントに、タキソ-ルを被覆することが刊行物から容易に想到できれば、本件発明の構成は想到容易である。

   刊行物の記載を精査し、用語の定義・内容を確認してゆくと、刊行物から保護発明を着想するについての阻害事項は認められない。(SANARI PATENT 注:従って、容易想到である)

5.SANARI PATENT所見

本件特許の査定、審決、知財高裁判決には、容易想到性の認否、刊行物発明との異同の認定について、相違点があるが、結果として特許取消の審決が維持された段階にある。

   内閣知財戦略本部の平成19年度知財計画において「特許権の法的安定性」を強調しているが、SANARI PATENTは、発明の特許性の解明が尽くされる審級制の全体機構が存続し活発に機能することが、「特許権の法的安定」であると解している。

(注)知財高裁・平成191122日判決(請求棄却):平成18年(行ケ)10303号 特許取消決定取消請求事件: 原告 アンジオテック ファ-マシュ-ティカルズ、インコ-ポレイテッド: 被告 特許庁長官

(この記事の修正ご要求は、sanaripat@nifty.comに送信下さい)

Patent、抗血管形成性組成物、ステント、再狭窄、知財高裁

2007年11月27日 (火)

J-Power Cooperate with Sumitomo for UAE District Cooling Project

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 2002.11.27 TOYOTA Develops

Robot

 J-Power(東証1部で、登記社名は現在も電源開発)の中垣喜彦社長が、投資家説明会(2007.11.26:帝国ホテルにて)において、エネルギ-知財のグロ-バルな活用ぶりを示した。

 特殊会社であった電源開発㈱(大規模水力発電・大容量送電線)の「総裁」は旧通産省OBのいわゆる指定席であったが、現「社長」が九州大学法学部卒のいわゆる「生え抜き」であることにも、時代の流れ(電力自由化対応により創出される選択肢を活用して事業機会を拡大)がある。

1.J-Powerの沿革

  特殊会社・電源開発㈱として設立されたのは半世紀以上も前のことで、戦後の地域電力体制下で卸電気事業者として電力の安定供給・全国基幹送電線の建設運用を行ってきた。

  民営化路線のもと、旧電源開発㈱の根拠法・電源開発促進法が廃止され(2003.10.2)、東証1部に上場して(2004.10)、完全民営化した。

2.J-Powerの企業理念

  同社中垣喜彦社長は、「半世紀の実績をベ-スに、日本と世界の人々にパワ-をお届けします」として、電源開発(石炭の資源的優位性の持続的発揮)のほか、次のように述べた。

2-1 海外においてJ-Powerは、途上国を中心に61国、279件に及ぶ技術協力事業を実施してきた。

2-2 J-Powerの事業環境は、国内電力需要の成長鈍化や電力自由化の進展、地球温暖化問題など、激しく変容し続けているが、これは一方で、新たなビジネスチャンスを生み出している。

3.J-Powerが取組んでいる大型技術開発(エネルギ-と環境の共生分野から次世代ビジネス)

3-1 石炭のガス化による燃料ガスを利用して、燃料電池・ガスタ-ビン・蒸気タ-ビンでトリプル複合発電する「石炭の高効率利用技術」

3-2 大規模電源への適用も可能な固体酸化物型燃料電池などの「分散型電源・電力貯蔵技術」

4.海外開発の最近の状況

4-1 中国漢江一環水力開発プロジェクトへの参画(2007.11.16発表)

4-2 アラブ首長国連邦の地域冷房会社を現地で合弁設立(2007.11.13発表)(住友商事・The National Central Cooling Co.と共同)

4-3 米国でJ-Power USA generation Co.を設立した(2007.5)

4-4 米国Green Country Gas 火力発電所買収を合意した(2007.8)

4-5  インドネシア国有電力会社と協力協定を締結した(2007.5)

5.J-Powerの特許公開事例

5-1 太陽光発電設備の充電制御装置(特許公開日2007-11-1

短時間で蓄電池を満充電でき、満充電後は蓄電池からの電力の使用量を抑える、蓄電池の効率的運用が可能な太陽光発電設備の充電制御装置を提供する。

5-2 法面緑化工法(特許公開日2007-9-6

法面に形成された植生基材が降雨や風等によって浸食・飛散することなく、植物の繁殖が良好で、しかも施工費用も安価な法面の緑化工法を提供する。

5-3 石炭ガス化排水の処理方法(特許公開日2007-8-30

石炭ガス化工程において発生するガス洗浄排水中に含まれるCOD起因物質を、効率良く除去できる石炭ガス化排水の処理方法を提供する。

5-4 汚染物質含有廃水の処理方法および処理装置(特許公開日2007-8-30

化学薬品や触媒を用いずに、安価で環境に悪影響を与えない汚染物質含有廃水の処理方法および処理装置を提供する。

5-5 ガス精製システムおよびガス精製方法(特許公開日2007-7-19

ガス中の硫黄分を低温で除去でき、しかも燃焼させずに脱硫剤を再生できるようにしたガス精製システムおよびガス精製方法を提供する。

5-6 酸素燃焼ボイラの燃焼制御方法および装置(特許公開日2007-6-14

既存の空気燃焼ボイラに容易に適用して燃焼を安定かつ容易に制御できる酸素燃焼ボイラの燃焼制御方法および装置を提供する。

6.SANARI PATENT所見

6-1 内閣知財戦略本部は「ジャパンブランド」を推進している。電源開発㈱の登記も「ジャパンパワ-」と改称して、グロ-バルにハ-ド・ソフト両面のエネルギ-知財パワ-を発揮されたい。

6-2 バイオマス発電に注力されたい。

6-3 ODAと異なり、J-Powerがグロ-バルに海外持分利益を増していることにも注目する。

(この記事の修正ご要求は、sanaripat@nifty.comに送信下さい)

J-PowerUAE、電源開発㈱、住友商事、中国、燃料電池、地域冷房

2007年11月26日 (月)

Tokyo Small and Medium Business Investment & Consultation Co.(SBIC 東京中小企業投資育成㈱荒井寿光社長に期待

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 2007.11.26 Synergy of TAKARA-TOMY

  前内閣知財戦略本部事務局長・元特許庁長官・荒井寿光氏が先般、東京中小企業投資育成〔㈱〕の代表者に就任されたので、知財開発に熱意ある中小企業の同社に対する期待も高まると考える。以下同社の現況を見る。

1.        東京中小企業投資育成〔㈱〕の性格

  同社の「会社概況」よりも、Wikipediaの紹介が分かり易い。8SANARI PATENT要約)

1-1        同社は1963年に設立された、日本で最も歴史あるベンチャ-キャピタルである。厳密にはベンチャ-キャピタルではないと言われることもあるが、日本のベンチャ-キャピタルの草分け的存在であることは間違いない。

1-2        主に静岡以東、北海道まで担当し、他の地域は姉妹会社である大阪・名古屋の各中小企業投資育成〔㈱〕が担当している。

1-3        同社は、1986年に民営化され、現在は政府関与の少ない特殊会社扱いになっている。

1-4        投資スタイルは長期保有で育成を重視し、先端・成長産業だけでなく、製造・卸・小売の成熟産業への投資も多い。

1-5        上場よりも安定配当を期待すること、地方への投資が多いこと、長期保有することが、他のベンチャ-キャピタルとの相違点である。

2.        中小企業投資育成〔㈱〕の実績

2-1  今年3月末までの中小企業投資育成〔㈱〕3社の投資累計は、1644社、895億4千万円である。投資先企業の現在資本金規模は、5千万円以下が210社であるが、3億円超も175社を数える。

2-2  投資育成3社の投資先のうち、上場企業は174社、倒産企業は217社である(本年3月末現在)。

3.        中小企業投資育成〔㈱〕の審査基準

3-1        投資先選定基準

3-1-1        事業が成長発展する見込みがあること

3-1-2        経営基盤力の努力が認められルこと

3-2               審査項目

3-2-1        経営者・経営管理層のマネジメント能力

3-2-2        設備・技術の優位性・独自性

3-2-3        事業の特徴・競争優位性・成長性

3-2-4        営業・販売力

3-2-5        財務の健全性

3-2-6        収益力・事業計画の実現可能性

4.        SANARI PATENT所見

4-1 「投資育成」の「育成」については、コンサルティングのほか、投資先企業の優秀点を示して参考に供していること、中小企業投資育成〔㈱〕の社屋内に貸会議室・貸研修室を用意していることなど、キメ細かい配慮がうかがわれる。

4-2 知的財産の個別評価は行わず、経営総体の適格性を審査しているものと推測する。

(この記事の修正ご要求は、sanaripat@nifty.comに送信下さい)

東京中小企業投資育成〔㈱〕、Wikipedia、倒産企業、貸し会議室、荒井寿光

2007年11月25日 (日)

Top Search Engine, Google in USA, Yahoo in Japan:日米検索エンジンの動向

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 2007.11.25  WiMAX vs.NGPHS

 わが国平成20年度内閣知財計画の策定原案において、分野別知財戦略の検討が進捗しているが、情報通信分野については、検索機能の高度化など、ネットワ-ク・サ-ビスのイノベ-ションが戦略目標とされる。

 日米両国の検索エンジンの動向についても、一般の関心が深まっている。

1.検索エンジン・ランキング

1-1 デジタル世界(Digital World)の評価(measuring)リ-ダ-と目される米国comScoreの発表(2007.11.21)によれば、今年10月の検索エンジンランキングで、米国首位のグ-グルが相変わらず好調・増勢を示した。10月の米国各検索エンジンのシェアは、グ-グル58.5%(9月は57.0%)、ヤフ-22.9%(23.7%)、マイクロソフト9.7%(10.3%)、アスクネットワ-ク4.7%(4.7%)、タイムワ-ナ-ネットワ-ク4.2%(4.3%)と表示された。

1-2 この%は、米国における検索クリック数(Search Queries)の%である。本年10月の検索クリック総数が全米144億5700万(9月130億0180万)、うちグ-グルが74億6800万(9月65億9300万)で、米国における検索活動の増勢が示されている。

2.ヤフ-は、「ライフエンジン」として:

2-1 わが国のインタ-ネットに「Yahoo ! Japan」が登場して11年目に入り、検索エンジンとして、わが国では首位を占め続けている。最近は「ライフエンジン」として、「たとえば あなたが、何かを探したくなったとき、誰かと話をしたくなったとき、何かを伝えたくなったとき、何かが欲しくなったとき、そして日々の暮らしのなかで、のんびりと眺めてみたり、新しい発見をしたり、思いきり楽しんでみたり、何をするにも、いつもそこにYahoo! Japan」と標榜しているが、ヤフ-の活動範囲の広汎さから見て適切な表現であるし、更にその内容が豊富・広汎・高度化しつつあることは、わが国コンテンツ政策の全国民浸透にも即応している。

2-2 法人向けのは、Yahooビジネスセンタ-を設けている。

2-3 知財専門家のグル-プ内交信にはYahooグル-プのシステムが活用されている。

2-4 最近のYahoo Japanトップメッセ-ジ(井上雅博社長)は次のように述べている。(SANARI PATENT要約)

2-4-1 今年は、インタ-ネットサ-ビス開始から11年目を迎える。この間、日本のインタ-ネット普及率は68.5%に達し(総務省:200.6末)、主要メディアの地位を確立した。当社は今後、パソコンだけでなく、多様なデバイスを通じて遍在し、ユ-ザ-の特性・環境に適合する個別提供の情報メディアとしても機能するという、これまでにない新しいメディアの地位を構築したい。

2-4-2 広告、ビジネスサ-ビス(求人・不動産など)、パ-ソナルサ-ビス(オ-クションなど)ともに好調に伸びている。(SANARI PATENT 注:Yahoo Japanは、毎月業績報告を発表しているが、本年10月分も伸長を見せている)

3.SANARI PATENT所見

   ユ-ザ-側から見ると、GoogleYahooも検索エンジンとしてのアクセス件数が多いが、Yahoo側からは、今後の事業の柱はインタ-ネット広告とeコマ-ス市場ということになる。インタ-ネットのメディアとしての価値が飛躍的に高まってゆくことが確実と考えられるからである。例えば、インタ-ネット広告は、全国版一本から地域版が発達する。eコマ-スについても、アフェリエイト広告のような機軸が創案されると共に、オ-クションを含めて、インタ-ネット決済機能が合理化されてゆく。

  更に、モバイルインタ-ネットのオ-プン化が進めば、現在のPC利用者数5千万人に対してケ―タイは8千万人という増勢せあるから、ケ―タイを事業基盤とする価値は大きい。

(この記事の修正ご要求は、sanaripat@nifty.comに送信下さい)

2007年11月24日 (土)

Invention of Human Cell, its Application to Reclamation Medical Treatment and its Patentability:ヒト皮膚由来「万能細胞」と再生医療・特許性の関係

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 2007,11,24. AT&TBellSouth獲得効果

  英国BBC放送(2007.11.21)が、米国Wisconsin大学および京都大学の各研究者による「ヒト皮膚由来万能細胞」の作製について、「再生医療における飛躍的進歩」と謳い、米国New York Timesや英国Independent紙が、「ヒト受精卵由来万能細胞をめぐる倫理問題」解決の可能性を指摘しつつ、従来のES細胞への依存をも指摘するなど、「万能細胞」に対するグロ-バルな関心が、今次両大学の研究発表を契機として一層高揚した。

 わが国のマスコミも、それぞれの視点から、「米大統領、万能細胞研究を歓迎、再生医療へ倫理の壁回避」(産経)、「ヒト皮膚から万能細胞作製に京大などが成功したが、安全面等で課題も」(毎日)など、一斉に関心を深めた。

 日米の国際競争という視点からは、今次発表の対比で、わが国はヒト成人体細胞由来、米国はヒト胎児・新生児体細胞由来で、わが国の成果の方が、応用対象が広いと高評価する意見も見られる(朝日)。

 知財専門家としては、生物発明の特許性、再生医療に関するわが国特許審査基準の改正経緯、今後の医療関係特許制度の検討、ライフサイエンス知財政策等の見地から、深耕すべき対象である。

1.        当面の論点

1-1  再生医療ではなく、今次万能細胞をインビトロ(試験管内)試験研究に用いる場合は、非代替性リサ-チツ-ルに関する問題を伴うかどうかが、当面の論点である。(SANARI PATENT所見は、特許されればRAND条件の問題になる)。

1-2  患者本人由来の今次万能細胞を、その患者に移植する再生医療については、その万能細胞およびその製作方法について、特許性を認め得るかが当面の論点である。(SANARI PATENT所見は、現在の特許審査基準により特許性が認められる)。

1-3  前項1-3で、今次万能細胞の由来ヒトと、患者が別であればどうか。「SANARI PATENT所見は、現在の特許審査基準では認められない」。

1-4  ヒト生殖細胞由来の万能細胞の製作と移植には倫理問題があるが、ヒト皮膚細胞由来の万能細胞の移植には、倫理問題はないか。(SANARI PATENT所見は、受精卵を使わないから、臓器移植が認められる対象器官を目的とする移植については、論理問題は生じない)。

1-5  臨床応用における癌関連遺伝子活性化の副作用可能性について、どのように対処するか。(SANARI PATENT所見は、現在の制癌剤にも、標的器官と別器官に対する発癌性が認められるものもあり、リスク・ベネフィットの考量の問題ではあるが、使用する遺伝子・ビィ-クルの選定について、研究され解決されると考える。)

2.        今次万能細胞の特許性の検討

2-1  生物特許の審査基準と医療関連特許の審査基準の両面から検討を要すと共に、欧米、特に米国の制度との整合・調和も考慮することが必要と考える。

2-2  現在の医療関連行為の特許保護に関する審査基準は、内閣知財戦略本部の「医療関連行為の特許保護の在り方に関する専門委員会」報告(2004.11.22)に基づいており、同報告に、先端医療技術の開発に即応する検討の継続が要請されているのに、その後、この委員会は再開されていない。今次万能細胞研究成果の日米発表を契機として、早急な再開が望まれる。

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万能細胞、遺伝子、再生医療、医療関連特許、癌遺伝子、京都大学

2007年11月23日 (金)

Various IP Charasterics of Various Fiels:「パテントフロンティアの開拓に向けて」(分野別知的財産戦略)(内閣知財戦略本部 2007.11.21)

Various IP Charasterics of Various Fiels:「パテントフロンティアの開拓に向けて」(分野別知的財産戦略)(内閣知財戦略本部 2007.11.21

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

関連記事http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 2007.11.23. 重点4分野の知財特性

1.        平成20年度内閣知財計画原案

内閣知財戦略本部の「知的財産による競争力強化専門委員会」が標記案を作成したが、平成20年度内閣知財計画の原案となるから、以下に要約・考察する

1-1        緒言

 (要約)

   わが国が競争力を維持し持続的に経済成長するため、イノベ-ションを伴う独創的・革新的な研究開発を推進し、その成果を社会に還元するメカニズムの構築が不可欠である。これは「知の創造活動を活性化し、成果を適切に保護・活用し、そこから得られた収益を新たな知の創造活動につなげていく」という「知的創造サイクル」の実現に向けた取組に他ならず、その意味で知的財産戦略がわが国成長戦略の鍵を握っているといえよう。

 (考察)

  知的財産戦略がわが国成長戦略の鍵の「一つ」を握っているのであって、イノベ-ション戦略、経営戦略という他の鍵との「整合性」が課題である。知的財産戦略という「一つ」の鍵だけで、イノベ-ションも実現し、経営も好調という成果は得られない。

  従って、平成20年度以降の内閣知財計画の、例えば、「成果」の章には、大学TLOが幾つできたとか、知財高裁の判決が幾つ出たかというようなことよりも、知財サイクルの結果が、どのようなイノベ-ションをもたらす過程にあるのか、企業経営やGDPに、どのような成果をもらしつつあるのか、を主体として記述されることが適切である。

1-2        重点4分野

 (要約)

  わが国経済社会の諸問題を克服し、将来にわたり大きな発展性を有する技術分野として、「ライフサイエンス」、「情報通信」、「環境」、「ナノテクノロジ-・材料」の4分野について、競争力強化の観点から分野別の知財戦略を策定する。

この4分野においては、知的財産戦略が技術・市場・ビジネスモデルの開拓、競争力強化に対して大きく影響する。今次4分野の知的財産戦略の構築は、「強い部分の競争力の維持発展」、「弱い部分の競争力の強化」、「開拓不十分な技術力の発掘」を目的とする。

 (考察)

標記報告は、冒頭の「はじめに」において上記要旨を述べた後、直ちに分野別記述に入っているので、表題の「パテントフロンティアの開拓」という、今までの内閣知財戦略本部戦略計画に登場しなかった用語の新たな意味が解説されていない。「開拓不十分」という言葉が「はじめに」の終わりに出現するが、これでは、「開拓し残し」の意味となり、「フロンティア」の「前方全未踏」という意味と一致しない。「パテントフロンティアの開拓」という表題を用いるならば、特許発明のわが国における要件である「自然法則要件」の撤廃(米国特許法と同様に)、科学的進歩性要件を有用性(イノベ-ション性)要件(ないし米国類似の商業的成功要件)に、医療発明が「産業上利用可能性を欠く」というような審査基準からの限定の撤廃、というような、「フロンティアの開拓」にふさわしい内容に、この際、踏み込むことを前提とすべきであると考える。

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2007年11月22日 (木)

Thermal Paper Technology’s Synergy of Oji Paper and Mitsubishi Paper:情報用紙の技術と販売シナジ-:王子製紙・三菱製紙の業務連携:IT社会の情報用紙需要 

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 2007.11.22.エ-ザイの米国ベンチャ-買収、CAFC被控訴

  IT社会,デジタル社会をペ-パレス社会と囃した時期もあったが、デジタル化の進捗による情報量の著増は、グロ-バルには、情報記録用紙の需要増大をもたらしている。しかし、感圧紙需要が減退して感熱紙需要は増大し、多色化・高度化するから、MFP(多機能プリンタ)のイノベ-ション動向とも関連づけて注目したい。

1.        先ず製紙業界の相関図として注目

1-1  王子製紙と三菱製紙の業務提携が、Fuji Sankei Business(2007.11.21)asahi.com(2007.11.21) によって報道されたが、いずれも製紙業界の相関図という観点からの関心が先行し、次いで、感熱紙等の情報用紙市場における両社提携の効果が注目された。以下SANARI PATENTが諸報道を要約する。

1-1-1      三菱製紙は、王子製紙から今次増資資金(約18億円)を受入れて、三菱製紙・高砂工場(兵庫)と八戸工場(青森)ノ-カ-ボン用紙の年産能力5万トンを増強する(2008年度)

1-1-2      三菱製紙は王子製紙に、OEM (SANARI PATENT 注:Original Equipment Manufacturing:王子製紙のブランドにより三菱製紙が生産)供給する。伝票の電子化によりノ-カ-ボン用紙の市場は毎年数%の縮小を続けており、市場シェアが各2割を占める王子製紙と三菱製紙が連携することによって、効率化により収益力を高める。

1-1-3      三菱製紙は、王子製紙が能力を増強しているタイ子会社に約10億円を出資し、アジアで需要が堅調な感熱紙のOEM事業を強化する。具体的には、タイ子会社の感熱紙年産3万トンを、王子製紙・三菱製紙双方のブランドで中国・東南アジア市場で販売する。

1-1-4      感熱記録紙も国内市場は頭打ちだが、中国・東南アジア市場では年5~10%ほど成長している。

1-2  製紙業界は、原燃料費の高騰を製品価格に転嫁し切れず、大手5社の2007年9月中間決算は経常減益であって、対策として連携が進み、例えば、三島製紙は日本製紙グル-プ本社の完全子会社になる(2008.2予定)

2.        SANARI PATENT所見

2-1  上記は要するに、感圧紙の需要は縮小するので、連携による効率化を進め、感熱紙の需要は増加するので、連携による技術高度化を進めるという路線である。

2-2  王子製紙の特許公開件数は6203件(2007.11.21)、三菱製紙の特許公開件数は6308件(2007.11.21)に達するが、感熱紙に関する特許公開事例を見る。(SANARI PATENT要約)

2-2-1        三菱製紙「多色感熱記録材料」

加色型多色感熱紙において、低温印字部と高温印字部との色分離がよく、画像部の耐可塑剤性、耐熱性などの報告損安定性に優れ、かつ長期保存による地肌着色が少ない「多色感熱記録材料」を提供する。

2-2-2        三菱製紙「可逆感熱紙とその情報書込み方法」

可逆感熱紙の寿命を延ばし、かつ弱い光で書込みできる可逆感熱紙とその情報書込み方法を提供する。

2-2-3        王子製紙「感熱記録体および新規な顕色剤化合物」

感熱紙の白色度が高く、耐環境性試験において、特に夏季炎天下の自動車内や、電子レンジでの加熱調理を想定した高温環境下においても、白紙部の発色が起こらず、耐油性、耐可塑性等の発色画像の長期保存性に優れた高感度の感熱記録体を提供する。

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Thermal Paper、王子製紙、三菱製紙,感熱紙、ノ-カ-ボン用紙

2007年11月21日 (水)

IP Synergy Effects of DAIICH SANKYO, Aiming at Global Pharma Innovator :4月に完全統合した第一三共の営業・知財開発シナジ-効果:ベンチャ-買収予定

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 2007.11.21 フェムトセル

関連記事http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 2007.11.22予定:エ-ザイのモルフォテック買収の発効

1.        第一三共が完全事業統合(2007.4)後の研究開発(SANARI PATENT要約)

1-1  国内の研究開発本部1500名、製薬技術本部400名、アスビオファ-マ300名と、Munich 100名(開発・製薬技術)、London 30名(開発)、NJ 200名(開発)、CA 10名(研究開発)、北京 20名(開発)、上海 15名(開発)の海外開発・製薬技術を擁し、第一三共の研究開発最高意思決定機関・GEMRAD(Global Executive Meeting of Research and Development)の優先度評価等基にづいて、営業・ライセンス・製品ポ-トフォリオを含む広い 視野もとで、迅速な創薬を行う。

1-2 上記GEMRAD2000.12に、開発パイプラインの優先度評価を実施した結果、抗血小板板剤2件、降血圧剤1件、抗血液凝固剤1件の4プロジェクトを最優先として選定し、資源の投入により開発を迅速化する。

2.        Q&A

2-1-1Q 国内営業のシナジ-効果の源泉は何か。

2-1-2A すでに統合準備期間・1年半で、クラビットとオルメテックをコラボレ-ションした経験が活きている。また製品研修を十分行ってから、新しい営業体制を作った。卸の取引口座が減少しないよう努力し、加えて、クロスワイズ体制が奏功している。

2-2-1Q 排尿障害改善剤ユリ-フの今期目標について、80億円を超えることもあり得るか。

2-2-2A 長期投与に関する制限が解除されるインパクトは大きい。80億円の目標はストレッチした目標ではあるが、第一三共にとって適正な数字である。

2-3-1Q バイオ医薬品について、他社もように買収・提携の予定はどうか。

2-3-2A 第一三共は、米国に保有するファンドを通じて数多くのベンチャ-に出資しており、その中で魅力的な創薬ソ-スがあれば起動的に取り込める仕組みを構築している。

2-4-1Q 癌領域を、柱の一つとしてゆくか。

2-4-2A 第一三共は、4つの領域、血栓症・糖尿病・癌・自己免疫/関節リュ-マチを研究開発の重点領域としている。癌領域に関する現状のパイプラインは必ずしもリッチとはいえないが、外部とも連携しつつ強化する。

2-5-1Q バイオ企業のM&Aに関して、マガファ-マによる2兆円に迫る金額での買収が成立するなど、取引金額が高騰し、もはや適当な買収先はないのではないか。

2-5-2A バイオ医薬に関しては、メガ企業の参入が比較的遅く、現在、競って技術やシ-ズを探している。競争激化・買収金額高騰は承知しているが、第一三共として取組むべきものに取組む準備はでぃている。

3.最近の特許公開の事例

今年に入ってからの特許公開件数23件(2007.11.20まで)の事例を見る。

3-1ロキソピロフェンナトリウム含有外用製剤の製造方法(特許公開日2007-11-8

皮膚真皮層に存在するケトン還元酵素によって、プロドラッグ(SANARI PATENT 注:生体内代謝により薬理活性を示す医薬)であることが知られている、非ステロイド性抗炎症剤、ロキソピロフェンまたはその医学的に許容できる塩を、トランスOH体に変換する方法を提供する。

3-2 痔疾用噴霧製剤(特許公開日2007-11-8

衛生面また使用時のスマ-トさに問題がある痔疾用軟膏剤・坐剤に代えて、噴霧用ゲル製剤により、衛生的かつスマ-トに痔疾用薬物を塗布する方法を提供し、併せて、薬事上、外用痔疾用薬の用法として承認され得るものを提供する。

3-3 医薬組成物(特許公開日2007-11-8

新規なインフルエンザウィルス感染症の予防および/または治療用医薬組成物を提供する。

3-4 催眠用医薬組成物(特許公開日2007-11-8

抗ヒスタミン性物質の催眠作用を増強する物質による催眠用、睡眠障害の改善用、または睡眠改善医薬組成物を提供する。

3-5 抗酸化剤および/または消炎鎮痛剤組成物(特許公開日2007-11-8

活性酸素・フリ-ラジカル等起因疾病を予防・治療する新規な抗酸化剤および消炎鎮痛剤組成物を提供する。

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第一三共、血栓症、糖尿病、癌、自己免疫、関節リュ-マチ、バイオベンチャ-

2007年11月20日 (火)

JAIPA (Japan Internet Providers Association) States ICT Policy:日本インタ-ネットプロバイダ-協会が「次世代ネットワ-クの接続ル―ルについて意見」(総務省にて2007.11.16)

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 2007.11.20 ニュ-ヨ-クで無印良品店の人気

  日本インタ-ネットプロバイダ-協会が、本月16日の情報通信審議会電気通信部会・接続委員会において、多角的に意見を述べた(後記2)。

 インタ-ネット接続サ-ビスが、現在および次世代社会において世界共通のインフラサ-ビスであることは、グロ-バルに認識されている。しかし、個々の契約インタ-ネット接続サ-ビス業者(以下「ISP」)とは、企業や個人の情報通信機能の大部分を受委託する極めて密着した関係にあっても、ISP業界全般については、動向を詳知しないという場合が多い。そこで、ISP業界全体の現況と意見をこの際、考察する。

1.        社団法人日本インタ-ネットプロバイダ-協会(以下「JAIPA」)

1-1  JAIPAの正会員は、SANARI PATENTが属するニフティ、NTTコミュニケ-ションズ(OCN)ほか186社に達している。IPTV始め、次世代ネットワ-クにおいてインタ-ネットプロトコルがネットワ-ク接続を全面的に支配して、有線無線・通信放送・固定ケ―タイの融合を急進させてゆくから、ISP業界の在り方や、その要望の受入られ方は極めて重要な課題であるし、ファイル交換システムにおけるISP除外の接続方式や、ISPが好まない有害情報の流入なども、ISPの関連問題である。

1-2  JAIPAのコンセプトは、渡辺武経会長によって次のように述べられている。(SANARI PATENT要約)

1-2-1        わが国でインタ-ネットが一般に使われ始めてから十余年を経たが、この間、インタ-ネットはわが国の社会に最も大きな変化を及ぼした。インタ-ネットの最大の功績は、個人に力を与えたことであり、個人の活性化が今日の社会の活性化をもたらした。

1-2-2        現在インタ-ネットは、わが国人口の7割近くが利用し(SANARI PATENT 注:間接利用を含むと解する)、不可欠の社会インフラとなった。

1-2-3        インタ-ネット関連の新たなビジネスが創出されて活況を増す一方、多様な問題も派生しており、JAIPAは利用者に近い立場からこれらの状況に対応する。

2.        次世代ネットワ-クの接族ル―ルに関するJAIPAの意見〔SANARI PATENT要約〕

2-1        地域IP網は、その上でサ-ビスを提供するISPにとっては、ボトルネックとなる。

2-2        次世代ネットワ-クは、ISPにとって、地域IP網と同じ機能と位置うけられる。

2-3        地域網が指定電気通信設備なら、次世代ネットワ-クも同様と考えられる。

2-4        次世代ネットワ-クのアンバンドルは、アクセス網、コア網、プラットフォ-ム網といったレイヤ-ごとに機能単位でアンバンドルされることが望ましい。

2-5        次世代ネットワ-クのプラットフォ-ム機能(認証・課金・サ-ビス紛失制御など)については、特にアンバンドルされるべきである。

2-6        次世代ネットワ-クは発展途上にあり、今後多様な機能が追加されるから、アンバンドルも随時・定期に見直すべきである。

2-7        分岐回線単位のダ-クファイバ-(SANARI PATENT 注:光ファイバ-の未利用送受信能力)接続料設定は、市場競争の活性化による光ファイバ-の利用拡大をもたらす。

2-8        フレッツの卸の実現による、柔軟な価格設定によって市場を活性化すべきである。

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次世代ネットワ-ク、ISP,インタ-ネットプロバイダ-協会、ニフティ、OCN

2007年11月19日 (月)

Microsoft Patent Licensing Program:Microsoft and Kyocera-Mita Enter Comprehensive Patent Cross-Licensing Agreement ::マイクロソフトのライセンスプログラムと京セラミタの特性

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 2007.11.19 レアメタルの代替

 Microsoft PressPass(2007.11.13)によって、標記Patent Cross-Licensing Agreementが、リナックスベ-スの技術の一部を含めて、ハ-ドウェア・ソフトウェアの両製品に含まれる知的財産を包括する「包括クロスライセンス契約」であることが公表され、京セラミタの今後の発展が改めて注目された。

1.        京セラグル-プにおける京セラミタ

1-1        三田工業として会社設立されたのは1948年で、京セラミタと社名変更したのは2000年である。事業内容はモノクロおよびカラ-デジタル複合機、デジタル広幅複合機、アナログ複写機、および、サプライ品の製造・販売である。

1-2        京セラミタは、「ト-タルドキュメントブランド」を目指して、次のように述べている。〔SANARI PATENT要約〕

1-2-1        現在、京セラグル-プでは事業戦略として、「価値ある事業の多角化」を推進している。その中で京セラミタは、情報機器事業を担当し、グル-プ全体の規模の中核を担うに至った。

1-2-2        京セラミタは、プリンタ事業と複写機事業を統合して以来、独自の「エコシス」コンセプトで事業を展開してきた。エコシスとは、機械の信頼性を高め消耗品の長寿命化により、パ-ツの交換頻度を極小化して「エコロジ-」と「エコノミ-」を同時達成する「システム」である。

1-2-3        オフィス環境のIT高度化進展により、常に変動する市場ニ―ズに柔軟に対応し、優れたソリュ-ションを提供できるコンサルティング体制を構築している。

2.        今次包括クロスライセンス契約の考察

2-1京セラミタとマイクロソフトの共同発表(2007.11.13: OSAKA:REDMOND Wash.)は次のように述べている。(英文をSANARI PATENT要約)

2-1-1 マイクロソフトと京セラミタは、両社保有特許の相互利用を認める包括クロスライセンス契約を締結した。

2-1-2 この契約により京セラミタは、その現在および将来の製品群(多機能プリンタ、一般プリンタ、コピ-機、リナックスベ-スのデバイスの一部を含む)について、マイクロソフトの特許権にアクセスできる。

2-1-3 マイクロソフトは、その現在および将来の製品群(ウィンドウズ、オフィスその他のIT製品群を含む)について、京セラミタの特許権にアクセスできる。

2-1-4 マイクロソフトの知的財産・ライセンス総括マネbbbジャ-であるMr.David Kaeferは、この契約は両社に広汎な技術の相互アクセスを可能にすることにより、両社の製品を高度化してユ-ザ-を利すると共に、ITエコシステムにイノベ-ションをもたらし、更に、オ-プンソフトウェアと専用ソフトウェアを架橋するという両社の意図に資するであろう。

2-2 この共同発表においてマイクロソフトは、その積極的技術ライセンスプログラムについて、次のように述べている。

  「マイクロソフトが技術ライセンスプログラムに着手したのは2003年の12月であったが、現在までに200件のライセンス契約を締結した。その相手方には、Cadence Design Systems Fuji XeroxKenwoodLG ElectronicsOlympusNovellSamsung ElectronicsSeiko EpsonTurbolinuzが含まれている。

3.        SANARI PATENT所見

プリンタ、特に多機能プリンタは、多数特許の集合体であり、わが国内でも包括クロスライセンス契約が多く締結されている。しかし、その態様は契約双方のいわば「特許力」により多様であって、ライセンス料を相殺するという簡明なもののみではない。キャノンの場合のように、包括クロスライセンス契約に対する評価が関連する知財訴訟判決において、その内容が明示される結果になったケ-スもあるから、「特許力」の差額計算などに関心がある知財専門家は、関係判決に即して研究することが適切である。

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MicrosoftKyocera Mita、京セラミタ、包括クロスライセンス契約、多機能プリンタ

2007年11月18日 (日)

User Oriented (User Originated), Simple Network: 新世代ネットワ-クのコンセプト: ユ-ザ-オリエンテッド、スケ-ラブル、サ-ビスポ-タブル

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 2007.11.18 ナノテクの産学連携

  総務省が新世代ネットワ-クのコンセプトとして先ず挙げているのが「ユ-ザ-に優しく、シンプルに使えるネットワ-ク」である。情報通信の知的財産開発も、このコンセプトに沿うことが望まれる。以下、このコンセプトの内容を要約・考察する。

1.        ネットワ-クにユ-ザ-が合わせるのではなく、ネットワ-クがユ-ザ-に合わせる。

1-1        要約

1-1-1人々がネットワ-クに対して何を望むか、すなわち、ユ-ザ-それぞれの要望と利用環境に応じてユ-ザ-の状況を判断するネットワ-クが実現する。この「ネットワ-クがユ-ザ-に合わせる」という発想が新世代ネットワ-クのコンセプトである。例えば、サ-ビスの品質については、ユ-ザ-要求に応じて、ネットワ-クの回線状況・端末能力等のリソ-ス条件を考慮し、経済性・信頼性を含めて、最適品質を提供する。ユ-ザ-の要求条件の変化にも即応し、ユ-ザ-オリエンテッドなネットワ-クが提供される。(SANARI PATENT 注:「ユ-ザ-オリエンテッド」は、「ユ-ザ-に向けて」よりも、「ユ-ザ-が方向づけた」のUser OrientedUser Originatedと解する)

1-1-2 ユ-ザ-にとってト-タルな品質を提供するという意味では、ユ-ザ-における満足度(Quality of Satisfaction)だけでなく、ユ-ザ-の生活の品質(Quarity of Life)の向上に、ネットワ-クが合わせることである。)

1-1-3 ユ-ザ-インタ-フェイスは、簡単に、直感的に、柔軟に利用できるものとし、情報発信が双方向で、コンテンツ価値を相互に高め合う。

1-2 考察

  ユ-ザ-オリエンテッドであるためには、ユ-ザ-がその要求を的確に発信できなければならない。ユ-ザ-インタ-フェイスの設計とシンプルの要件を、この的確性と調和させる知財が開発されなければならない。

2.        スケ-ラブルなネットワ-ク(コンセプトの第2)

2-1        要約

2-1-1 社会インフラとしてネットワ-クへの依存が高まり、あらゆる情報がネットワ-クに流入するが、微細なデ―タ(例えば、センサ-や電子タグから創出される微小容量のデ―タ)から超大容量コンテンツまで、同一ネットワ-クで効率良く伝送できるシステムを実現する。

2-1-2 消費電力とトラフィックのバランスを調整しつつ、ト-タルのパフォ-マンスを最適化する。

2-1-3 サ-ビスやアプリケ-ションに最適な伝送方式が自動的に選択される。

2-2 考察

   光ファイバ-ネットワ-クとADSLネットワ-クの選択、無線通信方の選択、および、有線・無線融合方式の選択について、言及が望まれる。

3.        サ-ビスポ-タブル・ネットワ-ク(ケ―タイネットワ-ク)

総務省のコンセプトの第3は、「サ-ビスを持ち歩けるネットワ-ク」であるが、SANARI PATENTは上記のように言い換えてみた。

3-1        要約

3-1-1        個人のIDカ-ドを端末に非接触入力するのみで、端末がネットワ-クと連携し、ネットワ-ク上の「知の集合体」に簡単にアクセスできるようになる。(SANARI PATENT 注:「非接触入力は原文では「かざす」で、JR東日本のスイカが用途を拡大・高度化した形と推定されるが、金融機能など、IDカ-ドセキュリティの問題が最近発生した)

3-1-2        このようにポ-タブルネットワ-ク上に「知の集合体」が創造され、豊かなサ-ビスコミュニヶ-ションが得られる。

3-1-3        また、豊かなサ-ビスやコミュニケ-ションのため、ネットワ-ク上で自分の創作情報を「知の集合体」と、自在に交信できる。

3-1-4        端末の自律コンピュ-タとソフトウェアロボットによる自律的情報収集・有害作用の自動遮断がなされる。

3-1-5        他人の端末や公共の端末でも、ICカ-ドにより自分の環境を即時再現できる。

3-2               考察

    ユ-ザ-の利便は著増が予想され、現に、フェムト基地局の個人設置が近く可能になる。セキュリティが課題。

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NGN、新世代ネットワ-ク、総務省、トラフィック、IDカ-ド、スケ-ラブルネットワ-ク

2007年11月17日 (土)

Leader of ICT Shift to User and Contents from Telecom Provider:総務省「新世代ネットワ-クはユ-ザ-主導、コンテンツ主導」

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 2007.11.17 大同メタルの世界市場シェア

  総務省は、新世代ネットワ-ク推進の基盤を多角的に示唆しているが、このような多角的視点は、新世代ネットワ-クに関連する知的財産開発のための多角的視点でもある。以下これらを要約し考察する。

1.        ユ-ザ-主導、コンテンツ主導サ-ビスへの移行

 (要約) 

(1) 従来、情報通信サ-ビスは、技術的な制約や、企業戦略、各種規制等により、サ-ビス提供者の論理で構築される場合が多かった。

   しかし、インタ-ネットの急速な普及に伴い、ユ-ザ-のニ―ズを直接反映したサ-ビスが出現し、ユ-ザ-主導、コンテンツ主導型のサ-ビスが提供されるようになってきた。

(2)   今後予想されるユ-ザ-主導、コンテンツ主導型の流れの増大に対処し、自由なサ-ビス提供や新ビジネス創出が不可欠である。

(3)   情報通信サ-ビスに求められる品質は、用途によって異なる。例えば、You

Tubeの画像の品質は、娯楽目的の場合にはユ-ザ-が理解しても、医療目的の場合には不十分な場合がある。多様化するユ-ザ-ニ―ズに応じて、ネットワ-クが最適コンテンツを提供することが求められる。

(考察)

   イノベ-ションの本質は、「デマンドプルの技術革新」であり、「技術革新によって社会経済の飛躍的改革がもたらされる」という通説の逆方向であるべきものとSANARI PATENTは理解しているので、ユ-ザ-主導、コンテンツ主導型の流れは、まさにイノベ-ションの本旨に適合すると考える。

2.        情報爆発への対処

 (要約)

(1)    ブロ-ドバンドの進展に伴い(SANARI PATENT 注:「情報通信サ-ビスの多様化・高度化」と同義)、全く新しいコミュニケ-ションやコミュニティが出現し、通信トラフィックの著増が予想される。

(2)    国内主要IX(Internet Exchange)でのトラフィックは、直近3年間では3.5倍、直近5年間では約30倍に著増している。今後さらに、P2P(Peer to Peer)ファイル交換、動画配信サイトのユ-ザ-増、新サ-ビス創出により、年率1.5~2.0倍の増加が予想されている。

(3)    さらに、将来のユビキタスネットワ-ク社会の到来により、ユビキタスアプライアンスが発信するM2M(Machine to Machine)のトラフィックが、従来以上のペ-スでネットワ-クに流入する。

(4)    このようにトラフィックが著増すると、トラフィックの総量だけでなく、接続制御の処理がボトルネックことが危惧される。一方、トラフィック需要の著増に対応すべく、インフラ事業者はネットワ-クを急速に増強しているが、これに伴い発生するネットワ-ク機器、および、関連空調機器の消費電力の増加も課題となっている。

(考察)

 総務省は、「爆発」という非連続的激増の表現を用いているが、「累積的著増」といった「連続的著増」が実際の現象と考えられる。

 上記2-(4)後段の消費電力著増については、新世代ネットワ-クのア-キテクチャは電力使用の合理化をを伴うものであるべきであるし、指摘された電力面の課題も、イノベ-ションの一環として検討されると考える。

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ICT、ユビキタスネットワ-ク社会、M2MP2P、トラフィック、総務省

2007年11月16日 (金)

Idle Master by Bandaivisual Displays ANIME Operators:バンダイビジュアルの新作「アイドルマスタ-」が、アニメオペレ-タ女性グル-プのアフレコ現場を紹介

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 2007.11.16. NTT兼東大教授・岸上順一氏のIPTV解説

  「コンテンツを活かした文化創造国家づくり」は、内閣知財戦略本部。平成19年度知財戦略計画の5つの柱(章)の一つで、そのデジタル化局面は、ICT知財創出 の急進と相俟って、わが国文化のイノベ-ションと、わが国ソフトパワ-のグロ-バルな展開を駆動する核心局面である。

 この分野の人材育成も、上記計画が強調するところであるが、このたびSANARI PATENTが、バンダイビジュアルからプレゼントされた新作・アイドルマスタ-のDVDには、アニメキャラクタ-を演ずるオペレ-タ(SANARI PATENT 注:声優)約30名の個性豊かな素顔のスピ-チと、アフレコ(SANARI PATENT 注:吹込み現場)実況が収録されており、内閣知財戦略本部員各位を始め、知財専門家が認識を新たにされる効率的な資料である(SANARI PATENT 注:内閣知財戦略本員や知財専門家の多くは、デジタルコンテンツを論じても、その人材の実況に接する機会がすくないので)

1.        わが国アニメの国際的地位

1-1  グロ-バルに普及し、数十カ国語版がネットワ-ク流通している「フリ-百科事典Wikipediaが、アニメについて次のように述べていることに徴しても、わが国アニメ文化の先導性が認識される(SANARI PATENT要約)。

1-1-1        日本国外で「アニメ(Anime)」という場合は、日本で制作されたセルアイメ-ション作品、あるいはそれと同種の作風を持つ作品をいう場合が多い。「マンガ(Manga)」も、しばしば、紙媒体でないセルアニメと同義語である。

1-1-2        一方、米国のディズニ-アニメという呼び方があるが、結局、日本では「アニメ」は全てのアニメ-ションを指し、日本以外ではAnimeといえば日本のアニメ-ションを指すということである。

1-1-3        アニメのジャンルとして、

1-1-3-1           媒体別: テラビアニメ、アニメ映画、ビデオアニメ、インタ-ネット配信アニメ

1-1-3-2           対象層別: 子供向け、女性向けなど

1-1-3-3           題材別: SF,萌え、ロボットなど

2.        バンダイビジュアル

2-1        野村證券・東洋経済の会社四季報によれば、バンダイネットワ-クスの子会社で、ガンダム等の映像著作物の企画・制作・販売・ライセンス事業を行う。キャラクタ-品の販売を開始。Webマガジン連載小説のアニメ化も構想している。

2-2        上記バンダイネットワ-クスは、野村證券・東洋経済の会社四季報によれば、バンダイナムコグル-プのケ―タイコンテンツ配信会社で、ケ―タイ端末を使った臨床研究の情報管理システムなども開発している。

3、SANARI PATENT所見

3-1 バンダイビジュアルの川城和美社長は、「斬新な発想と、あくなき情熱で、ハイクォリティな作品、付加価値の高い商品を創出し続ける」と述べているので、「文化価値の高い」創作の続出と内外での活況が熱望される。

3-2 「アイドルマスタ-」を演じた若い女性オペレ-タの発音の明瞭と発声表現の豊富、スピ-チの表情・動作の優雅・高洗練は、どのようにして培われたか。具体的回答のヒントの一つとして、十数年前に参観した桜蔭女子高校の文化祭の放送部の演出が、「アイドルマスタ-」のアフレコ場面と同一のスタイルであったことが回想される。すなわち、コンテンツ人材の育成は学校教育に起点を置くべきである。

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Bandai、バンダイビジュアル、Anime、アイドルマスタ-、キャラクタ-

2007年11月15日 (木)

Disney to Offer Cellphone Service Using Network of Softbank Mobile (IHT/Asahi 2007.11.13) : ディズニ-のMVNO (Mobile Virtual Network Operator)方式

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/(高島屋のワンブランド戦略)

 次世代ネットワ-クの一環としてMVNO方式の活用は、合理的なコンテンツ流通メディアの新たな構築と考えられてきた。すなわち、わが国について見れば基幹無線通信サ-ビスの免許を受けたNTT、KDDI、ソフトバンクの3大手の設備を利用することによって、免許のない事業者も無線通信サ-ビスを提供することができ、コンテンツの流通に益するところが大である。

 MVNO方式、すなわち、Mobile Virtual Network Operator 方式は、「仮想移動体通信事業者」と訳されているが、このような生硬な用語を用いるまでもなく、ディズニ-・ソフトバンク連携によってMVNOのまま通用することになろう(SANARI PATENT 注:この場合は、ディズニ-がMVNOである)

1.        ディズニ-の今次発表

  IHT/Asahi.com Nov.13,2007の「Telecommunications: Sisney to enter Cellphone market」を要約する(IHT=International Herald Tribune)。

1-1        Walt Disneyは、Softbank Mobileと提携して(in conjunction with),

来春までに、日本でケ―タイサ-ビスを始めると発表した。

1-2 米国エンタテインメント業界の巨人は、「ディズニ-のケ―タイサ-ビスはディズニ-の確固たるブランドを資本として、ディズニ-キャラクタ-その他のディズニ-魅力満載のケ―タイにより、アニメを配信する。

1-3 ディズニ-は、日本で第3位のケ―タイ通信事業者であるソフトバンクの通信網を活用する。

1-4 ディズニ-は更に、ケ―タイ機器をソフトバンクと共同開発し、ソフトバンクの日本国内2400の拠点によって拡販する。

2.        総務省のモバイルビジネス研究会

2-1  今春来、総務省のモバイルビジネス研究会は、MVNOに関する検討を加速している。ITpro.comは、その2007.3.19会合の内容を次のように報じていた(SANARI PATENT要約)。

2-1-1        ウィルコムはPHS事業者として、「ケ―タイ事業者とは違ったビジネスを先取してこと」と述べ、同社のネットワ-クをオ-プンにしてMVNOに提供してきたこと」、「他方、無線機能をモジュ-ル化したW-SIMを提供して、多様な端末を短期・安価に開発する体性を構築したこと」などを説明した。

2-1-2        MVNOとケ―タイ事業者のネットワ-ク接続について、「約款で条件を明確にすること」(SANARI PATENT 注:画一性に繋がる)が提案されたが、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルは、「MVNOが千差万別で多様性を特質とするから、個別の対応にならざるを得ない」という見解を示した。

3.        SANARI PATENT所見

    MVNOの活動活発化によって、内閣知財戦略本部のコンテンツ政策、内閣IT本部の情報通信政策の双方が、新たな実施局面を展開することとなる。

  それは更に、ケ―タイ機器製造業界にとっても、極めて強力な参入者を迎えることとなる。

2007年11月14日 (水)

Vitality of SOFTBANK in IP Creation: ソフトバンクの営業益著増と知財開発の活況(ケ―タイの動作環境、コンテンツ開発など)

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ (リアル・バ-チュアル融合)

 本年度上半期の各社中間決算が相次いで公表され、通信大手3社(NTT、KDDI、ソフトバンク)のうち、ソフトバンクの売上高・営業利益・当期純利益の著増が特に目立った。

SANARI PATENTは、ソフトバンクの今後のコンテンツ分野展開に特に注目する。本月23日に発売する「科学忍者ガチャマンモデル」(本月17日発売の「水木しげるモデル」などに続く)、「玉置成美モデル」などである。

 ソフトバンクの知財開発も活発で、本年に入ってからの特許公開が128件を数える(2007-11-12)。以下、その事例の内容を外観する(SANARI PATENT要約)。

1.        移動体通信端末および外部装置(特許公開日2007-11-8

利用者のキ-操作における様々な動作を、外部装置から実行できる移動機および外部装置を提供する。

2.        通信中継システムおよび通信中継方法(特許公開日2007-11-8

移動体通信において、安価な設備により、屋内受信状態を向上させると共に、屋外通信と屋内通信をシ-ムレスに継続するシステムと方法を提供する。

3.        デ―タ送受信管理システムおよび転送制御装置(特許公開日2007-11-8

ファイルの誤送信があっても、その転送を制限するシステムと方法を提供する。

4.        移動体通信端末(特許公開日2007-11-6

ケ―タイ等の移動体通信端末において、アプリケ-ションプログラムの動作遅延を最小限に抑制しつつ、アプリケ-ションプログラムを適切に動作させる端末を提供する。

5.        情報通信端末(特許公開日2007-3-23

部品点数増加によるコスト増を抑制しつつ、カメラ機能・照明ランプ機能と共に画像投影機能をも有する情報通信端末を提供する。

6.        情報端末装置(特許公開日2007-10-25

元デ―タのレイアウトに沿った表示を行うことができる情報端末装置を提供する。

7.        遠隔操作方法、通信システム、情報通信端末装置および遠隔サ-バ(特許公開日2007-10-18

ケ―タイ等の移動体通信端末における音楽・動画像等の視聴利便性を向上するシステム・装置を提供する(ケ―タイが遠隔サ-バを操作する通信セッションを開設するなど)。

8.        オンラインストレ-ジ認証システム、オンラインストレ-ジ認証方法、および、オンラインストレ-ジ認証プログラム(特許公開日2007-10-18

オンラインストレ-ジサ-ビスにおいて、アプリケ-ションサ-バ側でクライアントを認証できると共に、異なるセキュリティポリ-シの要求に応ずる認証方式を採用できるシステム・方法・プログラムを提供する。

9.        コンピュ-タ装置におけるプログラム処理方法、コンピュ-タ装置、およびデ―タ転送装置(特許公開日2007-10-18

基本ソフトウェアが非管理者権限で動作しているコンピュ-タ装置に、様々な外部接続装置を接続・使用する場合に、接続時に用いるドライバプログラムを確実にインスト-ルできるコンピュ-タ装置におけるプログラム処理方法、コンピュ-タ装置、およびデ―タ転送装置を提供する。

10.移動通信網およびマイクロセル装置(特許公開日2007-10-11

インタ-ネット網を利用してマイクロセルのエリアを設置する通信網および装置を提供する(マイクロセ装置を既設のLANに設け、ル-タ等を介してコアネットに接続する安価な装置。)

11. デ―タ転送装置(特許公開日2007-10-11

複数種類の情報端末機についてデ―タ転送を行う場合の、操作性に優れたデ―タ転送装置を提供する。

12.デ―タ転送装置およびそのデ―タ転送装置に用いるアダプタ-装置(特許公開日2007-10-11

利用者の誤動作を防ぐと共に、設置場所を省スペ-ス化するデ―タ転送装置およびそのデ―タ転送装置に用いるアダプタ-装置を提供する。

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ソフトバンク、水木しげる、ケ―タイ、マイクロセル、デ―タ転送、コンテンツ

2007年11月13日 (火)

2008 Fiscal Year IP Budget for Agriculture, Forestry and Fishery:平成20年度・農林水産省の知財予算案: 農林水産省・経済産業省の知財連絡会議発足

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ (現在ネットワ-クの限界)

1.        来年度農林水産省・知財予算案(SANARI PATENT要約)

知財による農林水産業の潜在力を発揮し、競争力強化・地域活性化を図るとして、23億円(19年度18億円)を要求しているが、その内容を次のように述べている。

1-1        農林水産分野の知的財産

「農業技術」、「植物品種・動物品種」、「遺伝品種」、「ノウハウ」、「ブランド(地域・日本・企業の各ブランド)」、「食文化・伝統文化」、「農山漁村景観」で構成され、その保護手段として、育成者権、特許権、実用新案権、商標権、意匠権等がある。

1-2        農林水産知財政策の目標

「農林水産業の知財を、農林水産業の国際競争力強化のため有効に活用すること」、「地域ブランド化を促進すること」、「食物新品種の保護を国内外で強化すること」を目標とする。

1-3        農林水産知財政策の内容

1-3-1        知財の活用

1-3-1-1           知財の創造・発掘・活用の促進

農林水産知財ネットワ-クを構築し、現場の技術・ノウハウの文書化・権利化・許諾・流通という一連の流れを創出する手法を開発する。

1-3-1-2           研究成果の活用

公的研究機関と産地・企業の連携による新食品・新素材の安定供給システム確立、および、技術移転を支援する。

1-4                      地域ブランド・日本ブランドの戦略的推進

1-4-1地域が、「真に力のある農林水産物・食品の地域ブランド」を確立できるよう、生産・品質管理・名称管理・マ-ケッティグ力向上の一貫した取組に対し、人的・物的に支援し、先進的な産地形成を促進する。

1-4-2 知的財産としての保護活用事例を調査する。

1-4-3 海外における日本食の信頼性を高め、日本ファンを世界に広げる。

1-5 植物新品種・ブランドの保護強化

1-5-1 東アジア植物新品種保護フォ-ラムを設置し、制度の共通基盤を構築する。

1-5-2 DNAによる品種識別を促進する。

1-5-3 家畜遺伝資源の保護・活用体制を強化する。

1-6 海外商標権の情報収集

2.        農林水産・経済産業両省の連絡会議設置を決定(2007-10-30)

2-1        地方農政局・地方経済産業局が連携して相談機能を強化する。

2-2        両省は、情報を相互に提供・共有する。

2-3        両局でセミナ-を共催する。

2-4        人材育成に協力する。

2-5        両省の知的財産分野の制度を調和する。

2-6        海外の模倣品問題の情報を共有する。

2-7        地域団体商標制度を活用する。

2-8        農林水産省技術総括審議官・特許庁長官等をメンバ-とする連絡会議を設置する。

3.        SANARI PATENT所見

3-1 上記連絡会議の議事では、弁理士依存も多いと考えるが、農林水産業の全国分布から考えて、広汎な農林水産知財専門家の総力結集が望まれる。

3-2 グロ-バルなエネルギ-および食料需給対策のための、バイオサイエンスに関する知的財産の開発・活用という世界的課題への取組を具体的に実行する農林水産省予算編成を望む。

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農林水産省、経済産業省、育成者権、特許権、植物新品種、バイオサイエンス

2007年11月12日 (月)

{Seiko Epson vs. Ecorika}, {Cannon vs. Recycle assist} , Two Decisions on Ink Cartridge 最高裁8日、9日判決

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

関連記事 2007-11-10 (キャノン最高裁判決の後)

 プリンタのインクカ-トリッジは、グロ-バルに消費が著増してゆくから、その品質・価格もグロ-バルな関心事であるが、ブランド重視のわが国においても、インクカ-トリッジ市場で1割(asahi.comによる)に達したリサイクルインクカ-トリッジの品質・価格・適法性が、関心を高めている。

 

 この関心も、リサイクルインクカ-トリッジを含むインクカ-トリッジの国際市場流通規模の拡大、諸企業生産の諸外国分布、特許権に関する「用尽」特に「国際用尽」概念の難解性、特許要件の本質的部分に関する判断など、グロ-バルに拡散してゆく。

 そこで以下に今次最高裁の両判決について概観する。

 

1.プリンタインクカ-トリッジのリサイクル製品業者のうち最大手・エコリカ(asahi.comによればシェア8割)は、最高裁においてセイコ-エプソンに勝訴し(11月9日判決)、LBPLaser Beam Printer)最大手・キャノン(野村證券・東洋経済の会社四季報によればシェア6割)は、最高裁においてリサイクルアシストに勝訴した(11月8日判決)。

2.インクカ-トリッジリサイクル業界の側から見れば、最高裁において、エコリカは勝訴し、リサイクルアシストは敗訴したが、リサイクルアシストは最高裁判決当日、「既にリサイクル製法を変更してリサイクル製品を拡販し、日比谷パ-ク法律事務所の弁護士各位の尽力等に感謝しつつ、今後一層、環境保護の社会貢献に尽くす」趣旨を公表した。

3.最高裁判決に係るリサイクルアシストの製品のキャノン特許権侵害性については、東京地裁は否定し、知財高裁および最高裁は肯定した。

  最高裁判決に係るエコリカ製品のセイコ-エプソン特許権侵害性について、東京地裁は、セイコ-エプソンの特許権を無効とし、侵害の成立を否定したが、知財高裁、最高裁ともに、東京地裁判決を維持した。

4.セイコ-エプソンの本件特許を無効とする知財高裁・最高裁の判断の核心は、セイコ-エプソンの本件特許出願における分割出願の許容要件を充足していないという判断である。すなわち、セイコ-エプソンの本件原出願の当初明細書等は、「インクタンクの取り出し口を封止する部材」を「先端が鋭くないインク供給針でも貫通できるフィルム」とするインクタンクにおいて、「インクタンク取り出し口の外縁をフィルムより外側に突出させる」との構成を具備しない技術には課題が残されていることを明示して、これを除外していると解される。従って、セイコ-エプソンの本件原出願の当初明細書等のいかなる部分を斟酌しても、上記構成を必須構成要件としない技術思想は一切開示されていないと解するのが相当である。セイコ-エプソンの主張、「インク取り出し口の外縁をフィルムより外側に突出させる」との構成を必須構成としない本件発明が本件原出願の当初明細書等に記載されているとの主張は採用できない、という判断である。

5.リサイクルアシストの本件製品について最高裁は、「リサイクルアシストの加工等の態様は、単に費消されたインクを再充填したというに留まらず、使用済みのキャノンインクカ-トリッジ本体を再使用し、キャノン発明の本質的部分に係る構成を欠くに至った状態のもとについて、これを再び充足させるものであるということができ、キャノン発明の実質的な価値を再び実現し、開封前のインク漏れ防止というキャノン発明の作用効果を新たに発揮させるものと評せざるを得ない」と判断した。

6.なおSANARI PATENTは、「リサイク製品に係る特許権の安定性についての要望」として、内閣知財戦略本部に次のように要望した。

 「特許権の安定性を高めることにつきましては、平成19年度内閣知財計画において計画されたところでありますが、本月8日、9日のリサイクインクカ-トリッジに関する最高裁の両判決は、リサイクル製品の特許侵害性判断が審級によって異なり、または特許権の無効判断が維持され、欧米における同様製品に関する法的制度と実際との調和、国際消尽の構成要件など、グロ-バルに流通・消費されます製品についての法的安定性が、国際環境政策との関連も含めて、懸念されます。

 平成20年度内閣知財計画のご策定におきましては、これらのことにもご高配・言及を要望申しあげます。」

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最高裁、セイコ-エプソン、リサイクルアシスト、キャノン、エコリカ、インクカ-トリッジ

2007年11月11日 (日)

Forum for Promoting New Generation Network :総務省の「新世代ネットワ-ク推進フォ-ラム」が発足:IPネットワ-クの高機能化と、その次ぎ

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ (オ-プンソ-スソフトウェア)

  総務省の新世代ネットワ-ク推進フォ-ラムが発足(2007-11-6)した。既にその設立発起人会(2007-10-2)後、フォ-ラムの趣旨も公表されたが、知的財産開発と極めて密着した分野であるから、活発な検討と迅速な結論を期待する。

1.        発起人

  代表は、東大・斉藤忠夫名誉教授。ほか、企業から、KDDI小野寺正社長兼会長、富士通・黒川博昭社長、沖電気・篠塚勝正社長兼CEO、三菱電機・

下村

節宏社長、ソフトバンク・孫正義社長、東芝・西田厚聡社長、日立製作所・古川一夫社長、独立行政法人情報通信研究機構・宮原秀夫理事長、NTT三浦さとし社長、NEC矢野薫社長。官庁・団体から、総務省・寺崎明・総合通信基盤局長、社団法人情報通信技術委員会・井上友二理事長、独立行政法人情報通信研究機構・宮原秀夫理事長。

2.        設立の趣旨(SANARI PATENT要約)

2-1        ブロ-ドバンド環境の拡大や、情報通信サ-ビスの高度化・多様化に伴い、情報通信ネットワ-クは社会・経済活動の根幹を支える社会インフラとなった。今後、安全・安心な社会の構築、新規産業創出の基盤となる。

2-2        このため、IPネットワ-クの更なる高機能化の検討が進められているが、一方、IPネットワ-クの次の世代を見越した新しい設計思想・技術による新世代ネットワ-クの実現に向けた活動の早期開始が求められている。

2-3        そこで、この新世代ネットワ-ク推進フォ-ラムには、通信事業者、通信機器製造業者、学識経験者等、広範囲の分野からの参加により、オ-ルジャパンの体性で新世代ネットワ-ク実現を推進する。

2-4        既存技術にとらわれず、多様な分野の知見を結集し、戦略的・総合的に研究開発を推進」して、国際的検討における先導的主導的役割を果たす。

3.        活動内容

  新世代ネットワ-クに関する「研究開発戦略の検討」、「社会・経済的側面の検討」、「テストベットネットワ-ク、実証実験等の推進」、「新世代ネットワ-ク推進フォ-ラムのビジョンの共有・発信、啓蒙活動」、「国際連携の推進」を行う。

4.        新世代ネットワ-ク推進フォ-ラムの体制

  総会、新世代ネットワ-ク推進委員会、幹事会、研究開発・アセスメント・テストベットネットワ-ク推進・企画推進の各ワ-キンググル-プをおき、庶務は、総務省と情報通信研究機構が担当する。

   役員として、会長は、東京大学・斉藤忠夫名誉教授、副会長は、慶應大学・青山友紀教授、KDDI・伊藤恭彦副社長、NTT宇治則孝副社長。

5.        SANARI PATENT所見

本年8月に報告された総務省「ネットワ-クア-キテクチャに関する調査研究会」の「新世代ネットワ-クア-キテクチャの実現に向けて」に提示された次の事項が検討されると考える。

5-1  新世代ネットワ-ク検討の背景(ネットワ-ク構造の変化、諸外国の取組、わが国の取組)

5-2  現在の出願の課題(インタ-ネットの諸問題、情報爆発、ユビキタスネットワ-キングの進展、端末の多様化、安全性・信頼性への不安)

5-3  新世代ネットワ-クのインパクト(生活・社会への浸透、端末概念の変化、高度社会インフラ化)

5-4  新世代ネットワ-クのコンセプト(シンプル、スケ-ラブル、ケ―タイ、ノンストップ、リアル・バ-チュアル交信、未来予測)

5-5  技術課題(ダイナッミク性、スケ-ラブル性、ポ-タビリティ性、ディペンダブル性、リアル・バ-チュアル融合性)

5-6  総合推進方策(研究開発プロジェクト、研究開発推進体制、検証、国際展開と標準化)

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新世代ネットワ-ク、総務省、慶應大学、社会インフラ、NTT、三菱電機

2007年11月10日 (土)

Recycle- Assist. Co. Produces New Recycle Ink Cartridge by New Process:キャノン・インクカ-トリッジ最高裁判決の後: 産経と朝日の「裁量幅」報道

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ (ナノ・ライフサイエンス)

  キャノンとリサイクルアシスト間のインクカ-トリッジ特許権訴訟は、原審・東京地裁がリサイクルアシスト勝訴判決し、知財高裁がキャノン勝訴判決し、最高裁がキャノン勝訴判決した(2007-11-8)。取敢えず今次判決後の、リサイクルアシストとマスコミの対応(リサイクルアシストは、「既にリサイクル方法を変更等」を表明、マスコミは、「リサイク業界強気」等と報道)を見る。

1.        リサイクルアシストの意見表明 (2007-11-8) (SANARI PATENT要約)

1-1 「特許権者は、純正品を販売する際に特許の対価を取得しており、インクカ-トリッジのリサイクル品までは特許権を行使することができない」というリサイクルアシストの主張を退ける判断が、最高裁でなされたことは、誠に遺憾である。

1-2 本件は、平成16年4月にキャノンにより、東京地裁に訴訟提起されたことに端を発するが(SANARI PATENT 注:東京地裁平成16年ワ85572005-11-4 口頭弁論終結、リサイクルアシスト勝訴)、現在は当時よりも環境問題の社会的重要性が著増している。リサイクインクカ-トリッジの普及は、環境対策の一つであり、今次最高裁判決がそれに悪影響を及ぼすことを憂慮する。

1-3 一方、今次訴訟が社会的注目を浴びることにより、インクカ-トリッジがリサイクルに値する商品として、消費者に認識され、インクカ-トリッジ市場全体におけるリサイクルインクカ-トリッジのシェアは、約10%にまで大きく成長した。(SANARI PATENT 注:リサイクルアシストの売上総額を同社は、2005年度10億円、2006年度10.億8千万円、2007年度12億円と公表している)

1-4 数年間にわたるキャノンとの係争に尽力した結果、リサイクルインクカ-トリッジ普及の一助となったことを誇りに思う。

1-5 また、日比谷パ-ク法律事務所のリサイクルアシスト弁護が、高度の専門的知見をもってベストを尽くされたことに、深謝する。

1-6 東京地裁・知財高裁の判決後にも、消費者多数の激励を受けたことにも深謝する。

1-7 リサイクルアシストは、今次裁判で問題視されたリサイクル製法を既に変更し、現在取扱っている商品は新しいリサイクル製法によるものであるから、安心して使用されたい。

2.マスコミの解説

 産経新聞や朝日新聞が詳論したが、朝日新聞の記事を要約する。

2-1  リサイクル品が市場を圧迫すれば、純正品メ―カの技術開発の意欲は削がれる、安いリサイクル品は、消費者の利益に適するという折り合いについて、最高裁はメ―カ-勝訴としたが、リサイクル業界には、今次判決を見越した対抗手段を講ずる動きもあり、論議は続くと見られる。

2-2  リサイクインクカ-トリッジのシェアで最大手のエコリカも、リサイクル製法が別個で、影響ないとし、「今次判決は知的財産保護に偏し、競争原理を働き難くしてユ-ザ-の選択肢を狭める」と述べた。

2-3  今次判決は、東京地裁と知財高裁で判断が相違した命題について、「取引の実情」などにも配慮し、「裁量の幅がある基準」を示して、製品の特徴に応じた結論の導入を考えたと見られる。

3.SANARI PATENT所見

  リサイクルの2類型を示した知財高裁判決を支持した最高裁判決であるが、リサイクルの態様が製品分野によって著しく異なるから、例えば、「本質的部分」への該当性は、個々の案件ごとに判断されることになる。

  米国等のインクカ-トリッジ・リサイクル品・詰替えインクの流通状況や、消費者の価格選択も、今後の参考にすべきである。

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キャノン、インクカ-トリッジ、リサイクルアシスト、最高裁、エコリカ

2007年11月 9日 (金)

Standardization Project of KEIO University Digital Media Contents Research Organization Hold Strategic Forum: 慶應大学の標準化戦略フォ-ラム

関連記事http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ (総務省・新世代ネットワ-ク推進フォ-ラム)

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

  内閣知財戦略本部の平成19年度知財戦略計画は、「知的財産の活用」の章の4つの節(企業の知的財産戦略活用、国際標準化活動強化、中小・ベンチャ-企業支援、知的財産による地域振興)の第2節に、国際標準総合戦略の実行、産業界の国際標準化取組強化、国際標準化活動支援、国全体として国際標準化強化、国際標準人材育成、アジア等諸外国との連携強化、国際標準のル―ルづくりに貢献の7項目を計画した。

 SANARI PATENTは、慶應大学Digital Media Contents 機構の専任講師・上条由紀子弁理士から、同機構(DMC)の14プロジェクト(デジタル知財、Digital Archives for Anything in Space等)の一つとして設置された「戦略的標準化人材育成プロジェクト」 の活動状況について受信したので、この機会に、国際標準化に関する所見を述べたい。

 なお上記の慶應大学DMCは、文部科学省科学技術振興調整費によって設立された。

1.        国際標準化と国内標準化

1-1  上記平成19年度内閣知財計画の標準化の節は、もっぱら「国際標準化」を標榜し、「国内標準化」に言及していない。言及する場合には先ず、「標準化」の多義性を明確にする必要だある。

1-2  わが国民が「標準化」という用語に馴染んだのは、JIS法を通じてであった。JISマ-クは、経済産業省がJIS規格を恒常的に維持できると認定した工場に、申請によってその製品上表示が許容され、任意に表示すれば、消費者は、一定規格の充足を信頼できた。すなわち、一定の品質(製品によっては相互接続性を含む)・形状の保証機能を営むもので、特許法的な進歩性の概念は全くなかった。

1-3  現在、情報機器等の分野で、先端技術が特許戦略をもって競争され、国内企業を2分するような方式設定がなされる事例も多いが、その国内標準化は、戦略化していない。SANARI PATENTが理解するとこれでは、このよな場合、国内の企業各企業グル-プが外国企業とそれぞれ包括クロスライセンス契約などにより提携化、国際企業グル-プ間の世界市場制覇競争によるデファクト標準が成立して、そのいずれか、または双方がデジュ-ル国際標準として設定される。双方の場合には、両デファクト標準がファミリ-コンセプトのもとに両立し、互換性の創造と企業グル-プ間差別化(独自特許等)が別途遂行されて、競争のメリットを維持する。

2.        国際標準化の分野別特性

2-1  総務省の新世代ネットワ-ク推進フォ-ラムが発足したが、その課題提起のうちには、「新世代ネットワ-クのイノベ-ションに向けて欧米企業群のデファクト標準化への戦略が始動している」旨を述べている。

2-2  国際電気通信の分野は、相互接続性・互換性の確保が明白な国際的利益であるから、百年余にわたり、ITUによる標準化勧告が行われてきた。20数年前までは、主要国の多くが電気通信を国営していたから、ITUは政府機関をメンバ-とし、その合意を勧告して、加盟国の任意の採択に委ねた。しかし、実質は、有力な(国際電気通信市場支配的な)国営事業体の、またはその国際グル-プの規格を承認するもので、それ以外に、設定の方法はなかった。

2-3  諸国の国営電気通信事業が民営化後は、有力民営企業が「寄書」(Contribution)提出の方法で技術を競うが、世界市場制覇的なデファクト標準の形成に至っていない場合には、国際標準化の合意に至らない。

2-4  国際標準化がデジュ-ルに到達した場合に、RAND条項が運用上の問題になるが、電気通信分野のRANDと、近年薬品工業会が定めたRANDとは、製品当たり特許権数の著しい懸隔など、分野の特性に由来する歴史と実際の相違があると考える(先日の慶應大学標準化フォ-ラムで講演された経済産業省情報産業局・江藤 学・認証課長がご出身の、大阪大学生物工学科の分野における標準化としては、毒性試験のGLPなどを想起するが、これも別の意味で重要な標準化である。)

2-5  ITUのジュネ-ブ本部・事務総長には、元郵政省国際部長が2期にわたり在任し、第3世代無線通信システムの世界2大企業グル-プのデファクト標準並存を主導したなどの実績もあり、平成19年度内閣知財計画の「産業界の意識を改革し、経営者の理解の増進を図る」という計画は、少なくとも電気通信分野については、該当しない。

3.        学会への期待

  大学、特に慶應大学のような、医学部をも含む総合大学が、社会経済・国際・業際・企業戦略の全てを総合する標準化の理念、戦略、プロセスの確立に寄与することが期待される。

4.        内閣知財戦略本部に要望

  上記についてSANARI PATENTは、内閣知財戦略本部に、次のように要望した(2007-11-8)

「平成19年度内閣知財計画において計画されました標記のことについて、慶應大学の標準化戦略フォラム開催など、即応体制が活発化と存じますが、上記計画には、国内標準化と国際標準化との関連、デファクト・デジュ-ル両標準化の関係、および、業種分野別の標準化基盤の相違について言及されておりませんので、平成20年度内閣知財計画において、ご高配を要望申しあげます。」

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国際標準化、慶應大学、ITU、電気通信標準化、RAND、製薬工業会

2007年11月 8日 (木)

Foebs.com Reports Google’s Mobile Move:グ-グルが基本ソフト・Androidを公開してケ―タイOSに参入: 新型ケ―タイ機の意匠競争にも注目

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ (郵政公社に日立ソフトがSaaS

  情報通信分野プロジェクトチ-ム(内閣知財戦略本部)は、平成20年度内閣知財計画策定のための報告(2007-10-30)において、「検索機能の展開」をイノベ-ションの一つの起動力として挙げて考察が、検索「機能」と共に、検索「企業」の新たな展開が、イノベ-ションのグロ-バルな展開の起動力と考えられる。

 

 検索企業から急速に業容を拡大しつつあるグ-グルが、ケ―タイへの大規模な展開を始動したことを、Forbes.com.(2007-11-05)Forbs Sillicon Valley Bueau ChiefMr.Quentin Hardyの動画と共に発表した内容は、上記の見地から極めて注目される。上記Forbes.comit.nikkeiasahi.com等の情報を以下に総合・要約する。

1.        グ-グルは、ケ―タイ・Dream Phoneのソフトウェアを構築するため、主要企業との連盟(Open Handset Alliance: OHA)を構成した。NTTドコモ、KDDI、クアルコム(米国)、スプリント・ネクステル、Tモバイル、モトロ-ラ、サムスン、HTC〔台湾〕等、世界主要通信企業33社以上と提携する。ノキア、アップルなど影響力の強い企業で、現時点では参加していない企業もあるが、閉鎖的なアライアンスではない、としている。

2.        新しい基本ソフトAndroidは、ケ―タイシステムに必要なソフトウェア一式を含み、これを無料で公開する。インタ-ネットとケ―タイの技術革新を相互に利用できる包括的プラットフォ-ムを目指す、としている。

3.        Androidは、リナックスをベ-スとするオ-ピンソ-スによるケ―タイOS (SANARI PATENT 注:内閣知財戦略本部の用語集には、オ-プンソ-スソフトウェアを「ソ-スコ-ド、すなわち人間が読むことができるプログラムの内容が公開され、誰でも複製・改変・配布を自由に行うことができるソフトウェア」と解説している)と、ミドルウェア、プラウザ、メ-ルなどのソフト群の統合基盤ソフトである。

4.        ユ-ザ-がグ-グルにアクセスする機会が動的に急拡大し、ブラウザのパワ-がケ―タイにもたらされ、ネットのコンテンツ、検索、広告の機能をもつ。

5.        ケ―タイ向けOSは現在、リナックスやシンビアンなどが主流であるが、マイクロソフトのスマ-トフォン、アップルのアイフォンなども拡大を指向し、競争によるイノベ-ションも期待される。

6.        Androidによる新型ケ―タイ機も諸国各社が待機ないし準備中で、意匠競争も予想される。

7.        SANARI PATENT所見

   グ-グルの活動領域は現に、Advertising Programs(Google AdWordsG大具体的ぇAdSense)Business Solutions(Google Business MapWebsite Optimizer)などの広汎な分野にわたっているが、ケ―タイへの拡張は、従来領域の活動と相乗効果をもたらすと考える。

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グ-グル、ケ―タイ、オ-プンソ-スソフトウェア、NTTドコモ、KDDI、クアルコム

2007年11月 7日 (水)

Establishing Test System for Prediction of Allergic Potentials of Food Proteins:(財)食品薬品安全センタ-が遺伝子組換え食品の安全性評価に対応

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ (ネット上の知財保護)

  遺伝子組換え技術が人類の福祉に寄与する可能性は、広汎な分野にわたって期待されているが、遺伝子組換え食品の安全性に関する危惧は、わが国を含めて諸先進国民の念頭から消えていない。その原因は、遺伝子組換え食品の安全性についての立証システムが確立しておらず、わが国では、遺伝子組換え食品であることの表示によって、消費者の選択に委ねている面がある。

 SANARI PATENTは先日、〔財〕食品薬品安全センタ-(厚生労働省所管)から、その最新研究所年報の送付を受けたが(2007-11-5)、免疫毒性学分野の巻頭論文「経口感作および経口惹起によるマウスの食物アレルギ-モデル」(Murine Food Allergy Model with Oral Sentization and Oral Challenge)は、同研究所・小島幸一所長ほかの研究成果で、厚生労働科学研究費補助金「食品の安心・安全確保推進研究事業:バイオテクノロジ-応用食品の安全性確保に関する研究」によって実施されたものである。

 毒性学(Toxicology)の専門分野に属するが、遺伝子組換えがライフサイエンス分野の知的財産開発の核心であることにかんがみて、以下にその要約を試みる。

1.        遺伝子組換え食品の安全性の評価においては、導入された遺伝子組換えタンパクのアレルギ-惹起性の有無を調べることが重要である。

2.        遺伝子組換えタンパクを含む食品は、経口で摂取されることから、そのアレルゲン性を評価する方法としては、経口投与したタンパク質によって感作(SANARI PATENT 注:生体を抗原に対し感じ易い状態にすること)が成立し、特異抗体の産生や、そのタンパク質を再投与したときのアレルギ-の臨床症状を指標として、成立した感作を検出できる試験系(「以下「食物アレルギ-モデル」が適していると考えられる。

3.このためこれまでに、次の研究を行った。

3-1 経口投与したタンパク質に対して、感作が成立する実験条件を検討した。先ず、アトピ-性皮膚炎、喘息、食物アレルギ-などのアレルギ-への関与が報告されている要因の中から、複数のアレルギ-の併発、腸管からの物質の吸収を高める作用をもつ薬剤の併用、あるいは、摂取する脂肪酸量の増加や摂取時の性状の変化等の条件を検索した。

3-2 次いでアレルゲン性タンパク質である卵白アルブミンをマウスに経口投与する実験系に、検索した条件を単独あるいは重複して用いた。

3-3 その結果、投与媒体としてリノ-ル酸とレシチンの乳化液を用いることにより、脂肪酸の摂取量を高めたことに加えて、乳化液の性状で摂取する条件、および、腸管からの高分子量物質の吸収を高める作用を有するサリチル酸ナトリュ-ムを併用する条件によって、マウスの血清中にOVA特異抗体(SANARI PATENT 注:卵白アルブミンに選択的に反応する抗体)を認めた。

3-4 さらに、LL(SANARI PATENT 注:前項3-3の乳化液)を用いた卵白アルブミンの投与に、サリチル酸ナトリュ-ムを併用したところ、単独条件では認められなかったアレルギ-反応の惹起による全身性アナフィラキシ-症状(SANARI PATENT 注:抗原抗体反応の一つで、特定抗原により免疫を得た生体が、同一抗原の再投与に対して、ショック症状などの過敏反応を示すこと)の発現、および、消化管の変化を認めた。

3.        SANARI PATENT所見

  この論文は実験結果についての考察として、「ヒトが日常生活において摂取する可能性ある物質の組合せによって作製した食物アレルギ-モデルは、ヒトの食物アレルギ-の機序解明への利用も期待できると考えられる」としている。

遺伝子組換え食品の必ずしも全てではなく、特定の遺伝子組換えタンパク等について抗原性を認める場合にも、また認めない場合にも、機序、すなわち感作惹起の生理学的因果・経路の学理が必須であり、その国際的納得のもとに、遺伝子組換え食品の活発な知財開発・活用が、人類福祉の確保に寄与することが望まれる。

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遺伝子組換え、食品薬品安全センタ-、抗原、抗体、アレルギ-

2007年11月 6日 (火)

Nano –Technology in Lifescience:バイオテクノロジ-とナノテクノロジ-の融合による高性能・低副作用の薬物送達システム(DDS)用キャリアを開発

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ (シャンプ-ブランド)

  重要4分野の知財開発として、ナノテクノロジ-・材料分野のシ―ズを活用し、ライフサイエンス、医療、食料、環境の各分野のニ―ズを実現する技術の創出が求められている。知財専門家の立場においても、この業際・学際・技術際の、境界分野・融合分野は、最々先端または非連続的進歩の領域であるから、例えば、新しい用語を創作する必要がある場合もあり(米国特許商標庁の特許審査基準・MPEPは、発明者は、用語の著作者または用語辞典の編纂者でなければならないと定めている)、また、わが国特許審査基準も、非自明性。進歩性の判断主体である「当業者」の性格について、境界・融合領域の発明については、当業者は各分野の当業者のチ-ムである場合があると定めていて、特異な配意を要する分野である。

 そこで、平成20年度内閣知財計画が準拠する科学技術基本計画の、この分野に関する計画を要約し考察する。

1.        ナノバイオテクノロジ-・生体材料領域

 (要約)

1-1        医療分野では、バイオテクノロジ-とナノテクノロジ-の融合による高性能・低副作用の薬物送達システム(DDS)用キャリアを開発する。更に、DDSの標的技術と生体分子イメ-ジング技術の融合、半導体の超微細加工技術、生体親和性材料技術により、革新的医療技術を開発する。対象疾患としては、癌・循環器疾患・糖尿病等の生活習慣病、認知症、運動器系疾患等、高齢社会の重要疾患に重点をおいて革新的予防・診断・治療技術を開発する。

1-2        食品分野では、ナノ粒子の物理化学的特性を利用して、腸管吸収特性が高く、機能性成分含有率の高い安全・高品質食品を開発する。また、家畜用動物を対象とするナノDDS技術の開発により、抗生物質依存を低減した管理技術を開発する。

1-3 環境分野では、ナノバイオテクノロジ-・生体材料領域の多様な基盤技術を環境測定のセンサ技術に応用し、環境リスクを最小化する。

1-4 計測分野では、ライフサイエンス分野を支える基盤技術として、分子イメ-ジング技術等の計測技術を開発し、生体の構造・機能を分子レベル解明する。

 (考察)

   この領域は、ナノテクノロジ-・材料分野の基盤技術を、出口分野での実用化を目的として開発する対象であり、知財専門家は、特許発明の有用性・商業的成功の可能性・特許権の訴訟力を意識しつつ発明の創出と権利化に協働することとなる。同時に、医療関係など行政関与の多い分野であるから、その協調が不可欠であり、平成20年度内閣知財計画にその明示を要望する。

2.        ナノバイオテクノロジ-・生体材料領域の具体的課題

 〔要約〕

(2)-1 生体の構造・機能を解明する分子イメ-ジング技術

ナノレベルでの生体の構造・機能を精密に理解するため、分子イメ-ジング用のハ-ド・ソフト・プロ-ブ技術を開発する。

(2)-2 生体内分子操作技術

生体における細胞や臓器の構造・機能を分子レベルで直接操作する技術を確立する。

(2)-3 DDS・イメ-ジング技術を核とする診断・治療法

超早期に病変を診断するイメ-ジング技術と、高性能・低副作用DDSキャリアを開発する。また、DDS技術により、細胞および細胞内の核・小器官をタ-ゲティングする治療法を確立する。

(2)-4 超微細加工技術利用機器

低侵襲診断・治療機器、バイオプロセスに応用する「半導体加工技術を基本とするナノマシニング技術利用デバイス」を開発する。

(2)-5 極微量物質検出技術

体内極微量物質検出の精度を飛躍的に向上し、重要疾患の早期診断、環境モニタリング高度化による環境リスクの最小化を達成する。

(2)-6 高安全・高機能生体デバイス

人工心臓、、人工骨などなど、生体機能の回復・代替デバイスを開発する。

(2)-7 再生誘導材料

移植によらず臓器の機能回復を可能にするため、生体組織の再生に不可欠な再生誘導材料を開発する。

(2)-8 ナノバイオテクノロジ-応用食品

ナノ粒子の物理化学的特性を利用して、腸管吸収特性が高く、機能性成分含有率の高い安全・高品質の食品を開発する。

 〔考察〕

  上記いずれも、わが国ないしグロ-バルな経済社会イノベ-ション効果をもたらすものであり、医療行政、医療関係特許性制度の革新と国際調和、また、その推進を支える知財専門家の知見の充実が必要であり、平成20年度内閣知財計画は、これら具体的意義を示して、政策の重要性を強調・推進されることが望ましい。

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2007年11月 5日 (月)

Encouraging Software Innovation:Contents of IP Strategic Program 2008:

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

関連記事http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 11-5(情報通信分野の特性)

1.        ソフトウェア・イノベ-ションの促進と知的財産制度

1-1  内閣知財戦略本部・情報通信プロジェクトチ-ムの報告(2007-10-30)には、「今後も、知的財産制度が新たなビジネスの障害とならないよう、議論が深められるべきである」という記述が見られるが、「知的財産権すなわち産業・ビジネス進歩」という一般人の既存観念から考えれば、異様な印象を与えかねない。そこで、この報告の内容を要約しつつ考察する。

1-2  SaaS (Software as a Service)について

(要約) SaaSは、SaaS業者のプラットホ-ム上に乗せられたアpリケ-ションソフトウェアの機能(サ-ビス)を、ユ-ザ-が契約により、オンデマンド方式で提供を受けるビジネスモデルである。ユ-ザ-はアプリケ-ションを購入することなく所要のサ-ビスを受けることができ、アプリケ-ションソフトウェアの供給者は、顧客開拓の手間を省くことができる。

(考察)1-1の報告が指摘するように、

(1) SaaS業者とユ-ザ-との関係では、ユ-ザ-による情報処理過程で発生する新たなデ―タの権利の帰属が明確でない。

(2) SaaS業者とアプリケ-ションソフトウェアの供給者との関係では、プラットホ-ム上でサ-ビス化されたソフトウェアの改革・転用について明確な規定がない、などの懸念がある。

  同報告は、契約の雛形や知的財産の取扱のガイドライン作成を必要としているが、平成20年度内閣知財計画の策定を待たず、経済産業省、特に中小企業庁(SANARI PATENT 注:SaaSは、中小・ベンチャ-企業にとって導入メリットが大と考えられている)が早急に立案すべきである。

1-3  検索エンジンについて

(要約) 検索サ-ビスにおいては、検索結果の迅速な表示のため、予め検索用のインデックスや結果情報を作成するが、その過程における内部処理として、Web上のデ―タがサ-バ-に格納される。これが著作権法の複製権侵害に該当するか、サムネイル等の検索結果情報作成が著作権法の同一性保持権侵害に該当するか、などの問題が、法的に不明確である。

米国ではその著作権法にフェアユ-スの原則が明定されているが、わが国著作権法では不明確で法的リスク的を伴う。そのため、わが国の事業者はサ-バ-を日本国内に設置することができず、検索エンジン技術開発のネックになっている。ナショナルセキュリティの立場からも、こらは不適切である。

 (考察)ケ―タイに検索機能が付加されることになって、わが国民の検索機能活用は各界・各分野にわたり益々活発化するが、このような著作権法上の問題意識なく活用している。

  わが国の著作権法に、米国と同様のフェアユ-ス原則を確立することは、可能かつ緊要と考えられ、平成19年度内閣知財計画にも、「ネット検索サ-ビスが国民生活の利便性の向上のみならず、産業政策や文化政策上重要であることにかんがみ、ネット上での検索サ-ビス等に伴うサ-バ-の複製・編集等や検索結果の表示に関する著作権法上の課題を明確にし、所要の法整備の検討を行い、2007年度中に結論を得る」と期限を示しているのであるから、平成20年度内閣知財計画に持ち越すこと自体、感心できないことである。

(関連記事)11-2 情報通信分野総論

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2007年11月 4日 (日)

Inventions Relating To Recombinant DNA:: 米国特許商標庁の特許審査基準における政策配慮

USPTO Manual of Patent Examining Procedure Refers to NIH: 遺伝子工学の成果に対する安全性認識浸透の必要性

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ ICT新サ-ビス

  平成20年度の知的財産政策は、ライフサイエンスを筆頭に掲げて重点4分野の分野別競争力強化を計画することとしているが、例えば、「DNAとゲノムと遺伝子」の明確な定義から出発するのか、内閣知財戦略本部の従来からの流儀では、認識の一致を確認することはなく、検討が進められると予想される。

1.        分野別政策の計画方式(法ではなく、審査基準):

1-1  特許権の機能が分野ごとに異なる態様で作用し、イノベ-ション起動の在り方も多様であることは、共通の認識であるが、特許制度を分野別に定立することは、特許制度全体の統一性を保持する見地から、想定されていない。従来立法されたプログラム著作権、半導体集積回路配置権、種苗育成者権などは、創作権の特殊分野としても理解可能であるが、「新特許権」ともいうべき地位にある。

1-2  そこで分野別計画の策定方式は、特許審査基準の分野別規定の新設ないし拡充によることとなる。

2.        米国特許商標庁の特許審査基準におけるDNA:

  USPTOMPEP( Manual Of Patent Examining Procedure)は、「組換えDNAに関連する発明」(Invention Relating To Recombinant DNA)について次のように述べている。

  「近年、組換えDNAを含む革新的な遺伝子研究が展開され、組換えDNA研究は、人類に巨大な利益をもたらす潜在力を有すると見られている。例えば、この分野の研究は、癌や遺伝子疾患の制御ないし治療の道を拓いてゆく可能性がある。

  遺伝子技術は更に、農工業生産に活用されてゆく可能性がある。従って、そのインパクトは、核分裂・核融合にも比肩するとされている。

  同時に、このタイプの研究にはその安全性についての懸念も表明されてきた。

  米国国立衛生院(US National Institute of HealthNIH)は、 組換えDNAの研究実施についてガイドラインを公表し、障害発生の可能性と、これに対する安全性確保の行動を定めるべく主導している。

  組換えDNA技術の絶大な重要性(Exceptional importance)と、この分野の迅速な開発・展開が示されることへの願望にかんがみ、米国特許商標庁は、組換えDNA分野の研究の安全性に関連する特許出願に対し、特段の配意を行う(USPTO will accord special status to patent application relating to safety of research in the field of Recombinant DNA)。」

3.        第3期科学技術基本計画の認識:

  組換えDNA分野 (SANARI PATENT 注:同計画では「遺伝子組換え分野」と呼称)のイノベ-ション機能を積極的に高く評価z、次のように述べている。

  「新たなライフサイエンス研究の成果を円滑に実用化する上で、国民の理解を得ることは重要である。わが国では、例えば遺伝子組換え作物については、一部の自治体において栽培の規制を設ける動きがあり、遺伝子組換え作物がもたらす、厳しい条件下での良好な生育や施肥量の軽減などの便益が実感されるに至っていない。国民の理解を得るためには、リスク管理や安全性審査などの情報開示、便益や安全性に関する科学的根拠の十分な説明を行うなどの取組を進め、国民の中に安全性やリスク・便益両面に対する正しい認識的、技術に対する安心感をひろげてゆく必要がある。」

4.        わが国の特許審査基準における{生物関連発明}:

4-1 遺伝子工学の節を設け、この分野に特有な判断・取扱が必要な事項を説明している。ここでの「遺伝子工学」とは、遺伝子組換え・細胞融合等により人為的に遺伝子を操作する技術である。(SANARI PATENT 注:遺伝子組換えと共に、細胞融合を併記したことは、米国特許審査基準よりも進んでいる。)

4-2 特許請求の範囲について、「遺伝子は、塩基配列により特定して記載することができること」、「構造遺伝子は、その遺伝子によってコ-ドされたタンパク質のアミノ酸配列により特定して記載することができること」などを明示している。

4-3 実施可能要件について、物の発明については、「実際に取得された遺伝子、および、これに対し著しく相同性が低い遺伝子を含み、かつ機能により特定されている請求項において、著しく相同性が低い遺伝子の中に、実際に取得された遺伝子と同一の機能を有しない遺伝子が多数含まれることとなる場合には、それらの遺伝子の中から、取得された遺伝子と同一の機能を有するものを選択するためには、通常、当業者に期待うる程度を超える試行錯誤や複雑高度な実験等を行う必要があるので、当業者がその物を作ることができるように、発明の詳細な説明が記載されていなければならない」などと例示している。

5.        SANARI PATENT所見

   米国特許商標庁の特許審査基準のように、イノベ-ション目的、他政府機関との関連、特段の特許行政措置に至るまで、わが国の特許審査基準において言及することには、体系の純粋保持のため、SANARI PATENTとしては反対する。しかし、出願者の便益のために、審査基準のうちに注記する程度の配慮は、分野別政策指向の路線に即すると考える。

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遺伝子組換え、ライフサイエンス、米国特許商標庁、USPTOMPEP

2007年11月 3日 (土)

More Brain Training all over the World by NINTENDO Game:任天堂の「脳トレ」、欧州、米国で活況:岩田 聡社長の経営方針説明(2007-10-26)

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ ライセンスの類型

1.        任天堂のゲ-ムコンテンツが欧米で急成長

1-1 わが国知的財産戦略は、コンテンツ輸出の増大を日本ソフトパワ-強化の原動力として、種々の計画を掲げているが、任天堂の「脳トレ」ゲ-ムコンテンツ等が、欧米、特に最近は欧州において、日本国内以上に急速な普及を示している模様である。

1-2 任天堂の岩田 聡社長が先日、グランドプリンスホテル高輪で、今後の経営方針を説明したが(2007-10-26)、40分間にわたる明晰・流暢なスピ-チが、その内容と共に魅力的で、説得力に富むと考える。以下SANARI PATENT要約。

1-2-1 任天堂の基本戦略は、世界ゲ-ム人口の拡大により年齢・性別・ゲ-ム経験にかかわらず楽しめることで、このため、固定・携帯の各特質を活かしたハ-ド・ソフトを開発・拡販する。

1-2-2 日本市場の出荷台数は、2000万台を超えたが、欧米にはその4倍近い輸出が見込まれる。

1-2-3 任天堂Wii(据置型ゲ-ムシステム)の本年度上半期出荷先は、Hardwareは41%、Softwareは51%が北米で、残余を日本と欧州その他が概ね折半している。

1-2-4 「もっと脳トレ」の販売数は、日米欧とも急速に増大しているが、米国を上回って欧州で著増している。(SANARI PATENT 注:「Keep Your Brain Young and Sharp」、「Keep on Training your Brain with More Exercises, More than 10 Million Users Worldwide ! 」に惹かれている模様)

1-2-5 任天堂の本年度業績予想は、売上高1兆5500億円、営業利益4200億円、経常利益4600億円、当期純利益2750億円に、上方修正する。(SANARI PATENT 注:野村證券・東洋経済の会社四季報によれば、任天堂は、ゲ-ム機のハ-ド・ソフトで総合首位、携帯型ゲ-ム機が北米等で本格的普及期に入り、全体として絶好調である)

1-2-6  DS(携帯型ゲ-ム機)は、その手軽な持運び性に加えて、プログラムの無線配信、インタ-ネット接続などにより、利用シ-ンが拡大する。

1-2-7 TV番組表チャンネル、プレゼント機能などの新機能を、年度内に付加する。

2.        SANARI PATENT所見

2-1  任天堂の製品が、家族に1台から個人に1台へと、生活に密着すれば、日米欧とも拡販の余地が巨大に存在し、日本コンテンツの普及に顕著な成果を示すこととなる。

2-2  任天堂の特許開発も活発で、本年初来の特許公開件数も121件に達するが(2007-10-26現在)、その事例を見る(SANARI PATENT要約)。

2-2-1      ゲ-ム機、ゲ-ムデ―タのバックアップ制御プログラムおよびバックアップ制御方法(特許公開日2007-10-25

  ゲ-ムデ―タの喪失防止手段を提供する。

2-2-2      通信ゲ-ムシステム(特許公開日2007-10-25))

この発明によるネットワ-クを介して通信可能な、親機・子機として機能する複数のゲ-ム装置を含み、子機では、プレイヤによるポインティングデバイスの入力に応じて操作対象オブジェクトの移動軌跡が取得されて親機に送信され、親機では、移動軌跡によってオブジェクトの移動が制御され、このオブジェクトを含む仮想空間を描画するための描画情報が子機に送信される。子機では、受信した描画情報によって操作対象オブジェクトを含むゲ-ム画面を生成し表示する、システムを提供する。

2-2-3 ゲ-ムシステム、ゲ-ムプログラム、および、ゲ-ムカ-ド読取装置(特許公開日2007-10-18))

ゲ-ムカ-ドを利用するゲ-ムシステムにおいて、ゲ-ムカ-ドの使用条件設定を可能にし、ゲ-ムカ-ドの現在までの読取完了デ―タに基づく処理を行い、複数のゲ-ムカ-ドに記録されたデ―タを合成してゲ-ムデ―タを生成する装置を提供する。

2-2-3      ゲ-ム機システム(特許公開日2007-10-11

複数の記憶媒体を用いた場合でも、情報処理を確実に行うゲ-ム機システムを提供する。

2-2-4      傾き算出装置、傾き算出プログラム、ゲ-ム装置、および、ゲ-ムプログラム(特許公開日2007-10-11

入力装置の傾きを検出することによる操作入力において、加速度から傾きを検出する利点を活かしつつ、高精度の傾き検出を行う装置・プログラムを提供する。

2-3 デジタルコンテンツを受動的・座視的に悦楽するのみでなく、能動的・挙動的に悦楽するゲ-ム機が、「脳トレ」のような学習機能の向上満足感も伴って、日米欧諸国を通ずる任天堂ゲ-ム機人気を急増させている。

2-4 固定型・携帯型の双方の特質を活かし、かつ、プレゼント機能による「愛好者が愛好者を増殖する」(SANARI PATENT の表現)システム、テレビ番組表示システムのように、テレビと共栄しつつ個人所有を促すシステムの付加によって任天堂の固定・携帯双方の需要が更に増加すると考える。

2-5 特許権等の知的財産開発の極めて活発であることが、企業としての優位を維持すると考える。

(この記事の修正ご要求は、sanaripat@nifty.comに送信下さい)

任天堂、ゲ-ム機、脳トレ、ゲ-ムカ-ド

2007年11月 2日 (金)

IP Strategy for Info-Telecom Fields:内閣知財戦略本部・知的財産による競争力強化専門委員会・情報通信分野プロジェクトチ-ムの報告(2007-10-30)総論

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

関連記事http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 環境分野

 標記プロジェクトチ-ムの報告は、その主査、加藤幹之・富士通経営執行役、倉永 宏・NTT知的財産センタ-渉外担当部長、慶大・小泉 直樹教授、情報処理推進機構・田中秀一オ-プンソ-スソフトウェア・センタ-長、キャノン・田中信義専務、阪大・平松幸男教授によって構成された。その総論を要約し、考察する。

1.        検討の視点(情報通信分野の特性)

1-1        平成17度のわが国実質GDP成長率に対する情報通信産業の寄与率は、42.4%で、全産業中、最高である。

1-2        情報通信産業は、「継続的イノベ-ションの牽引役」、「産業の生産性向上の鍵」、「ネットワ-ク・情報家電浸透による国民生活向上」の、重要なインフラである。

1-3        情報通信分野は、「先端技術開発のグロ-バルな競争」、「接続性・相互運用性・開発投資の効率化・市場の獲得のため、標準化活動の重要性」を特性とする。

1-4        従って、「特許権・著作権等の活用」と「標準化への取組」が、技術開発・ビジネスモデル・産業競争力に影響する。

1-5        技術革新が高速である。

1-5-1        ハ-ド分野では、大型メ-ンフレ-ム→ワ-クステ-ション→パソコン

1-5-2        ソフト分野では、パッケ-ジソフトウェア記録媒体の売買→所要ソフトウェアのダウンロ-ド→ソフトウェアサ-ビス(SANARI PATENT 注:ソフトウェアをサ-ビスとして提供するビジネスモデル)

1-6        競争力の現状は、

1-6-1        組込ソフトウェアは、機器と一体化して競争力を維持している。

1-6-2        ソフトウェアのイノベ-ションは、欧米の創出をわが国が導入という構図が残存している。

1-7               上記視点の総括

1-7-1 わが国が上記諸課題を解決するため、知的財産制度について、企業の事業推進手段および国際競争力強化の重要政策手段と認識し、最大限有効に活用することが必要である。特に、新たなカテゴリ-の技術・サ-ビスの出現に対する法制度の対応を、イノベ-ションと公益の両面から示す必要がある。

1-7-2 加えて、情報通信分野は、通信ネットワ-クのように越国境の特性を有する技術が多く、グロ-バルな観点から知的財産制度を設計・運用する必要がある。

1-7-3 また、追い上げが急な新興国との関係を考慮すれば、知的財産重視戦略を基本的に維持しつつ、諸外国の取組のうちわが国にも適用すべきものは積極的に取り入れ、各国共通の問題として国際的に克服すべき問題については、解決のため積極的に協力すべきである。

2.        SANARI PATENT所見

  上記総論(報告では「視点」)のうち、電気通信分野の国際標準化については、国際電気通信連盟(ITU)による実質「デファクト標準のデジュ-ル標準化」体制が樹立され、わが国の対応もほぼ確立されている(ただしITUは、総務省専管)。

  情報通信制度内部の調整(通信・放送の融合)、情報流通と著作権との調整が、国内制度当面の課題である。

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情報通信、国際標準化、ITU、電気通信、著作権

2007年11月 1日 (木)

AnGes MG’s Basic Patent for HVJ-E Granted in Japan: バイオベンチャ-「アンジェスMG」の知財開発と、株式上場後の公募増資ファイナンスの順調

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

関連記事http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 2007-11-1

  アンジェスMGの社名は、医療関係者以外にはそれほど有名になっていないと考えられるが、その創業者である大阪大学医学部・森下竜一教授の令名は、内閣知財戦略本部発足当初からの学識者本部員等での活躍と共に、有名である。

  野村證券・東洋経済の会社四季報のアンジェスMGの記事にも、「特色」として先ず、「大阪大学医学部・森下竜一氏が創業した医療ベンチャ-で、遺伝子治療薬の技術を開発・販売」と強調している。

  バイオベンチャ-の一つの典型として、その軌跡を考察する。 

  なおSANARI PATENTは、下記1以下を付して、内閣知財戦略本部に対し、次のように要望した(2007-10-31)

  「平成19年度内閣知財計画におきましては、「知的財産を活用した資金調達の多様化を図る」、「中小・ベンチャ-企業の知的財産の創造を支援する」などの項目を掲げられましたが、知財信託、日本投資政策銀行・民間銀行融資を具体策として示されるにとどまっているように存じます。しかしながら、内閣知財戦略本部前本部員・大阪大学医学部・森下竜一教授が創業されましたアンジェスMGのほか、東証マザ-ズ市場において、数十億円前後の公募増資を達成している事例も、野村證券等によって把握されておりますので、平成20年度内閣知財計画には、このような資金調達と、そのために有効な知的財産開発状況の開示について促進方を付加されますよう、要望申しあげます。」

    記(バイオベンチャ-の資金調達成功事例)

1.        アンジェスMGが東証マザ-ズに上場後の公募増資

1-1  アンジェスMGは、1999-12に会社設立し、2002-9に東証マザ-ズに上場し、IPO(Initial Public Offering:新規公募)により35億円増資、2003-10,2007-3に公募増資して135億円を調達し、株式時価総額(野村證券・東洋経済の会社四季報2007-4集による)682億円に達している(2007-7-31現在116,000株)。

1-2  この資金を、HGF(hepatocyte growth factor:肝細胞増殖因子)、PAD(peripheral arterial disease:抹消動脈疾患)などの研究開発に充当して、企業価値を向上させてきた。

1-3  研究開発の成果は、ロイヤリティ収入や、自社販売収入に結びつくが、野村證券・東洋経済の会社四季報は、「末梢性血管疾患治療薬が有効性評価確認を終了し、早ければ年末にも製造承認申請へ」と述べている。

1-4  アンジェスMGの最近取得プロダクトパテントとしては、「Basic Patent for HVJ-E Granted in Japan : A Patent Covering HVJ-E Vector」を内外に

発表(2007-7-11)している。

2.        SANARI PATENT所見

2-1        内閣知財戦略本部の平成19年度内閣知財計画は、「知的財産を活用した資金調達の多様化を図る」、「中小・ベンチャ-企業の知的財産の創造を支援する」などの項目を掲げているが、知財信託、日本投資政策銀行・民間銀行融資を具体策として示すにとどまっている。

2-2        最近、野村證券・野村リサ-チ・アンド・アドバイザリ-が集計した結果によれば、バイオベンチャ-について、増資による資金調達達成の具体的事例47件が把握され、うち40件が3億円以上、うち10億円以上が16件と把握された模様であるが、この達成理由として35件が、製品市場の現在・招来規模、競争力、新規性と共に、知的財産を、「高い事業性」の認識要素として挙げている模様である。

2-3        上記の事業性は、バイオベンチャ-が増資公募対象(個人株主等)に対して誠実に示すことが、円滑な増資達成のため必要である。アンジェスMGは、特許権の取得等、公表を高頻度に実行している。

(この記事の修正ご要求は、sanaripat@nifty.comに送信下さい)

バイオベンチャ-、アンジェスMG、東証マザ-ズ市場、公募増資

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