Innovation of Automatic Operation Device: SAGINOMIYA Wins at IP High Court: 鷺宮製作所の知財開発と訴訟力(対LANCO Inc. of Delaware)
弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT
1.「流体システム内の流れの方向を変更する方法」発明の特許性
1-1 ランコ インコ-ポレ-テッド オブ デラウェア(以下「ランコ」)(今次訴訟代理人・福田親男弁護士ほか)所有の標記特許の無効審決を、鷺宮製作所(今次訴訟代理人・谷 義一弁理士ほか)が求め、特許庁は無効審決したが、ランコはこの「特許無効審決の取消」を知財高裁に訴求し、知財高裁は、ランコのこの取消請求を棄却した(2007-10-16判決)。
1-2 特許無効審決およびこれを維持する知財高裁判決が示した特許無効理由は、「容易想到性」である。
2.鷺宮製作所の業容
2-1 この際、自動制御機器分野の技術開発動向を、鷺宮製作所の例によって考察する。先ず鷺宮製作所の現況を同社のホ―ムペ-ジで見ると(SANARI PATENT要約)、
2-1-1 自動制御部門は、温度制御(温度スイッチ・電子サ-モ・温度センサ)、湿度制御(湿度スイッチ・電子ヒュ-ミ)、圧力制御(圧力スイッチ・デジタルコントロ-ラ・圧力センサ)、流体制御(フロ-スイッチ・流量計・流量センサ・コントロ-ラ)、電磁弁(冷媒用・汎用・特殊用途)、膨張弁(温度・定圧・電子の各膨張弁)にわたり、総合自動制御に対応する。
2-1-2 「高度情報社会への対応」、「地球環境保全への対応」、「福祉・高齢社会への対応」、「グロ-バル化への対応」をキ-ワ-ドとする。
2-1-3 海外法人を、中国・シンガポ-ル・メキシコ・ポ-ランド・タイに有する。海外販売先は約60国。
2-1-4 年間売上高405億円(2006年度)
3.最近における鷺宮製作所の特許公開事例
本年に入ってからも、24件(2007-10-23現在)を数えるが、事例として(SANARI PATENT要約)、
3-1 サ-ボ装置およびその設定方法(特許公開日2007-10-18)
ピックアップごとにサ-ボ特性を変更する機構、および、最適なサ-ボ特性を容易に設定する方法を提供する。
3-2 開閉バルブ(特許公開日2007-9-27)
外部の作動制御機構と流体源とを接続するキャピラリ-チュ-ブおよびパイロット管を、弁本体に強固にロウ付け固定でき、パイロット管の破損を防止できる開閉バルブを提供する。
3-3 制御弁および容量可変型圧縮機および冷凍サイクル装置(特許公開日2007-9-27)
可動ロッドの摺動部の増加による動作不良、圧力バランス不良を生ずることなく、差圧応動の圧力流動制御が安定して行われる機器・装置を提供する。
3-4 電動弁および電磁弁(特許公開日2007-8-23)
ケ-ス肉厚の増大による励磁力効率の低下を招来することなく、溶接熱影響による許容応力の低下を補償し、所要の耐圧破壊強度を達成した上で、ロ-タ-ケ-スの材料費節減、高生産性による低廉な電動弁および電磁弁を提供する。
3-5 圧力センサ(特許公開日2007-7-28)
ダイアグラムと基板を確実に接合し、リ-ド部材と電極との接続の信頼性を高めた圧力センサを提供する。
3-6 演算装置および試験装置(特許公開日2007-7-6)
スイ-ブ波を入力したときの応答波の位相と振幅を演算する装置を提供する。
3-7 渦流量計の製造方法および渦流量計
渦検出器の相対的な位置決めを精度良く行うことができる渦流量計およびその製造方法を提供する。
4.SANARI PATENT所見
自動制御連合講演会が11月24/25日に予定されているが、日本機械学会、計測自動制御学会、システム情報制御学会、化学工業会、精密工学会、日本航空宇宙学会を主催者とし、情報メディア学会、日本シミュレ-ション学会、日本原子力学会、日本神経回路学会など、既に約50学会の協賛が予定されて、自動制御分野のイノベ-ションの波及効果の広大と深度を示している。
内閣知財戦略本部の平成19年度内閣知財計画は、知的学会の活用を促進する旨を計画しているが、上記のような連合学会に、イノベ-ションの強力なパワ-を期待すべきである。
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