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2007年10月31日 (水)

KIRIN Holdings R&D:Cooperates with Other Companies with the Goal of Developing Research Networks :来年10月に新会社「協和発酵キリン㈱」発足

 弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

関連記事http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 2007-10-31

1.        キリングル-プと協和発酵グル-プの戦略的提携

1-1     キリンの本事業年度(112)における戦略的提携として、先日(2007-10-23)協和発酵と共催して説明された両者の提携ストラクチュアは、特に注目された。

1-2    キリン(キリンファ-マとキリンHD)と協和発酵の戦略的提携のポイントとストラクチュアは、次のように説明された。(SANARI PATENT要約)

1-2-1        ポイント

1-2-1-1           本提携は、協和発酵グル-プとキリングル-プとの戦略的な事業・資本提携である。

1-2-1-2           両グル-プの事業全体を対象として、「企業グル-プ対企業グル-プ」の提携関係を構築する。

1-2-1-3           協和発酵とキリンファ-マの医療関係の統合を提携の柱とし、この両社は対等合併する。

1-2-1-4           上記合併後の存続会社は協和発酵とし、新会社は合併後も株式上場を継続する。合併の効力発生(2008-10-1予定)後、その社名を協和発酵キリンとする。この新会社の株式の50.1%をキリンHDが保有する。

1-2-1-5           両グル-プの非医薬事業についても、事業統合・連携などの具体的検討を進める。

1-3      この戦略的提携の理由か次のように説明された。(SANARI PATENT要約)

1-3-1      両グル-プの主力事業である医薬品事業は、国内外とも競争環境が激変しつつある。国内医療費の抑制、外資系企業の攻勢、新薬開発の国際競争激化など。従って、今次提携による経営基盤強化、シナジ-効果創出、事業価値最大化が必要である。

1-3-2      協和発酵のポテリジェント技術、キリンファ-マのKMマウス技術など、両社は、抗体医薬技術を中心とするバイオテクノロジ-を強みとする。

1-3-3      非医薬事業についても、食品・アルコ-ル・健康食品など共通点があり、事業統合等により事業価値を最大化する。

1-4 「協和発酵キリン」の医薬事業ビジョン

1-4-1癌・腎・免疫疾患を中心とする領域において、抗体技術を核とするバイオ技術を駆使し、新薬を継続的に創出する。

1-4-2 アミノ酸を核とする発酵技術を駆使し、発酵製品のグロ-バルリ-ディングカンパニ-となる。

2.        キリンファ-マビジョン2020

2-1         来年10月に協和発酵キリン株式会社として新発足するキリンファ-マのビジョン2020は、次のように掲げられてきた。

2-1-1        独自の医薬品を創出するオンリ-ワン企業として、世界規模での開発と販売を行うキリン医薬グル-プとなる。

2-1-2        バイオのキリンとして培った技術を強みとして、革新的な切り口の医薬品創出を事業の核とする。

2-1-3        独創的な価値を提供することにおいて、トップを走る企業を目指す。

2-1-4        アジアから欧米へも、開発・販売を拡大する。

2-2               従って、キリンファ-マの意気込みは、次の2点にあった。

2-2-1        医薬品の専業メ―カとして、世界の医薬品会社の中で評価され、存在価値を認められること。

2-2-2        グロ-バル企業として、諸国の医薬品ニ―ズに応えること。

2-3               今次協和発酵との戦略的連携によって、キリンファ-マの目標が一層強力に達成されてゆくものと、SANARI PATENTは予想する。

(この記事の修正ご要求は、sanaripat@nifty.comに送信下さい)

キリン、協和発酵、バイオ、キリンファ-マ

2007年10月30日 (火)

NOMURA IR Reports Ready-to-eat, Take-away Food :野村の「アイア-ル」が「わらべや日洋」の新工場に注目:その特許公開事例

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

関連記事http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 2007-10-30

1.        先ず「わらべや日洋」(東証1部)の現況

  野村證券・東洋経済の会社四季報は次のように概観している。

1-1  中食業界で首位。セブンイレブン向けが主体。おにぎり・弁当等の米飯類に強み。

1-2  東京工場稼動で拠点を集約し、効率化。2008-2期売上1456億円、経常利益390億円各予想。

野村IR(2007-10-20)は、次のように解説している。(SANARI PATENT要約)

1-3  わらべや日洋は、首都圏の胃袋を支える巨大工場で、グル-プ全体で1日350種類・300万食を、徹底した衛生管理体制で供給している。

1-4  セブンイレブンに特化して事業展開し、全国1万1千を超えるセブンイレブン店舗の約7割をカバ-している。

1-5  その生産力を更に高めるため、今年4月から東京(ニッサン村山工場跡地)新工場を始動した。そのコンセプトは、「徹底した衛生管理」、「作業性を重視したレイアウト」、「環境に配慮した設備」である。

1-5-1      安全性を高めるため、例えば、従業員の入退室管理にIC タグを使い、リアルタイムで状況を把握する。係員による入場チェックと組み合わせることにより常時約約300名の従業員の管理効率化を実現した。

1-5-2      工場内部の床は、加熱前食材を扱う「汚染区」と、加熱後食材を扱う「非汚染区」に色分けして、各エリア間の往来を禁止し、調理後食材を容器に詰めるトッピングエリアは、床に水を流さない「ドライエリア」とした。水を流さないため、こまめな清掃が要るが、衛生面の効率が高い。

1-5-3      動線設計は、原材料入荷から製品出荷に至る工程を、同一階で直線化した。広大な敷地の活用による。

1-5-4      2000kW級のNaS電池システム(SANARI PATENT 注:ナトリウムを負極、サルファ-を正極とし、高充放電効率と無自己放電による効率的電気貯蔵が可能)を導入して、電力負荷を平準化(電力費の低減)・停電時バックアップをする。

2.        ノウハウと特許

2-1 「中食」の綿密な定義がないから、推定ではあるが、年間7兆円を超えると概算される。「日本食文化」で伝統的日本料理のみを連想せず、現代と近未来の生活・職域に適合して、かつ、変化に富む(諸国料理の融合的)日本中食文化を、知財戦略の「コンテンツ」に包含するべきである。

2-2 わらべや日洋においても、味と食感を高めるノウハウを、「一釜かまど炊キ炊飯装置や「炭火焼き機」という名称の新鋭製造設備開発と協働させて、中食のイノベ-ションを推進していると考えられる。

2-3 わらべや日洋の特許公開の事例としては、

2-3-1 真空冷凍機器(共同特許公開)

温かいまま成形された「おにぎり」を、簡易な構成で短時間に均一に冷却する真空冷凍機器を提供する。

2-3-2        生バラコ(SANARI PATENT 注:クズ魚卵)の殺菌方法

タラコ等の魚卵、特に選別により加工処理の対象にならなかったタラコからのバラコ、および、加工処理中に発生するバラコを、タンパク質変性させることなく殺菌し、生食用食品として販売可能とするような殺菌方法を提供する。

2-3-3        おにぎり製造システムおよびおにぎり製造方法、ならびにそれらに用いる真空冷凍機

衛生的に、効率よく、おいしい「おにぎり」を製造するため、90℃以下 

70℃超の高温米飯で「おにぎり」状に成型する一次成型機と、一次成型機からのおにぎり」を70℃以下40℃以上まで真空冷却する一次冷却機などで構成するおにぎり製造方法と真空冷凍機を提供する。

2-3-4        生ごみ乾燥装置(共同特許公開)(わらべや日洋は、環境対策を強調している)

生ごみ乾燥装置において、含水率が所定値まで低下して乾燥室の加熱を止めた際に、その後もまだ発生する臭気を大気中に放出しない生ごみ乾燥装置を提供する。

(この記事の修正ご要求は、sanaripat@nifty.comに送信下さい)

わらべや日洋、中食、おにぎり、セブンイレブン

2007年10月29日 (月)

Intellectual Property Transaction Market: Theory of Patent Auction & Contents Auction: 工業所有権総合情報館の委託研究報告書を回顧

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

関連記事http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 2007-10-29

1.        特別行政法人・工業所有権総合情報館の委託研究

1-1  知的財産権の流通促進と価格形成の場として、パテントオ-クションやコンテンツオ-クションをどのように評価し位置づけるべきか、その理論的検討の起点として、古典的ではあるが、標記研究の報告書(2002-7)を先ず考察する。委託先はリンクスプロである。(以下SANARI PATENT要約)

1-2  この報告書は、知的財産取引市場の意味、技術資産の取引市場整備のメリット、関連課題についての討議内容と、これに基づく次の3モデルケ-スを提案するものである。

1-2-1        人的立会い方式による特許入札会の企画

1-2-2        「プレ市場機能」を機軸にした構想

1-2-3        市場メ―カ(ブロ-カ)参加型の流通市場構想

1-3  政府に対する提言として、市場の登録制度、公的資格の設置、裁定通常実施権の設定などをまとめた。

2.        オ-クション方式についてのSANARI PATENT所見

2-1  知的財産のオ-クションについて、パテントオ-クションとコンテンツオ-クションは、方式を別にするべきである。すなわち、

2-1-1パテントオ-クションにはネットオ-クションの方式が適切である。

2-1-2 コンテンツオ-クションには人的立会い方式オ-クション(1-2-1)が適切である。

2-2 その理由

2-2-1 パテントオ-クションのネット機構においては、対象パテントに関する情報をネット上で詳細に解析できる仕組みを具備できる。

2-2-2 コンテンツオ-クションは、オ-クションの場における現物の鑑賞等による直感依存の仕組みによることが適切である。

3.        工業所有権総合情報館の委託研究報告書における「知的財産取引市場」

3-1  知的財産の売買だけでなく、ライセンス供与を含めて、広義の知的財産移転市場をいう。すなわち、特許権・商標権・著作権など多様な材を対象とするが、この報告書では、特許権・実用新案権・営業秘密に代表される技術資産を対象とする。

3-2  ただし、市場の成熟度においては、技術資産市場は他の知的財産市場と比べて極めて未熟な段階にあり、絵画などのコンテンツ資産市場の方が進んでいる。

4.        知的財産取引市場整備の目的

   工業所有権総合情報館の委託研究報告書は、オ-クションを含めて、上記目的を次のように述べている。(SANARI PATENT要約)

4-1        事業提携の促進

新たな需要を創造するために、業種業界を超えた提携が必要であるが、知的財産取引市場の整備は、従来困難であったこのような連携を促すものであり、産業の発展に寄与すべき工業所有権制度の本質に即する。また、知的財産取引市場から得られる情報には、単品売買の権利明細書だけでなく、明細書に反映されている権利者の技術力や研究動向も含まれ、提携申入れの目安になる。株式市場と同様、価額評価・多角的指標などの事業資源情報の提供を伴うからである。

4-2        適正な取引価格の形成

技術資産については従来、取引市場が局限され、相対取引によっていた。そのため、技術資産の適正な取引価格(SANARI PATENT 注:「適正」の意味は明確でない)は形成されず、取引事例が存在しても、取引価格は、当事者以外には知り得なかった。このため、不動産などと異なり、取引の出発点としての一般的な取引価格を設定することは困難であった(SANARI PATENT 考察:この認識は誤りで、特許発明に「一般的」取引価格の存在を想定すること自体が知的財産の本質に反する)。このことが、技術資産の価値評価を困難にしている最大の要因である。知的財産取引市場が整備されれば、取引事例の蓄積を通じて、技術資産の適正な取引価格が形成され、技術資産の価値評価が容易になる(SANARI PATENT 考察:この考え方も誤りで、主観的に多様な評価にに基づく評価額が入札されて、客観的に単一の価格が示されるに過ぎず、「適正」は、落札者にとっての主観的適正述べている。とどまるが、定額評価の機会が増加することに、知的財産取引市場整備の意義がある)

4-3        技術資産の流通

従来は、特許や技術をライセンスしても、不要な特許・技術の売却は行われず、行おうとしても買い手を見出すことが困難であったが、知的財産取引市場の整備により流通が促進される。

4-4        企業ににとっての資金調達手段の多様化

ベンチャ-企業・中小企業・大企業のすべてに有用である。

4-5        投資家ににとっての資金調達手段の多様化

企業以外に、技術に詳しい(SANARI PATENT 考察:「詳しい」というより「関心」)個人投資家の知的財産取引市場参入が取引市場の規模を拡大する。

4-6        研究開発活動の活発化

従来の自前主義から、外部資源導入に発展する。

4-7        技術導入による事業化の促進

4-8        知的財産取引関連ビジネスの拡大

知的財産の価値評価業者(SANARI PATENT 考察:入札価額のアドバイス・コンサルと解する)、知的財産活用企画業者など。

4-9        保有する未活用技術の活用

異業種も含めて活用の可能性が拡大する。

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知的財産、特許、オ-クション、パテント、価値評価

2007年10月28日 (日)

TORAY*UNIQLO Strategic Cooperation Products: Heat-Tech Clothing:ユニクロと東レが戦略提携商品「ヒ-トテックシリ-ズ」の共同発表(2007-10-24)

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com

Web検索SANARI PATENT

別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 韓国半導体

1.        戦略提携発足後1年4月

1-1 異分野企業の戦略的提携の在り方として注目された東レ・ユニクロ商品提携の成果は、クリスマス商戦が近づく先日、ヒ-トテックシリ-ズの共同発表によって示された。

1-2 「化学によるイノベ-ション」(Innovation by Chemistry)の東レは、「メンズ・ヒ-トテックシリ-ズ」の特長を次のように述べている。

1-2-1 中空紡績糸による高い保温性(Strong heat-retention using spinning thread

1-2-2 カチオン可染異型(SANARI PATENT 注:星型による表面積の増大))断面ポリエステルによる速乾性と薄地化(Quick drying, sheer fabric made with cationic dye, atypical cross section polyester)

1-2-3 ステレッチ素材による最適フィット感(Stretch materials for the perfect fit feel)

1-2-4 高次加工技術による抗菌性(High level technology offers antibacterial feature)

1-3 また東レは、「ウィメンズ・キッズ・ヒ-トテックシリ-ズ」の特長を次のように述べている。

1-3-1 マイクロアクリル(SANARI PATENT 注:繊度のマイクロ化によるエアポケット数の増大)による暖かさとソフト感(Micro acrylic for greater warmer and a sofer feel)

1-3-2 ミルクプロティン含有レ-ヨンによる暖かさとソフト感(Milk-protein

  Incorporated rayon lends moist feel)

1-3-3        ストレッチ素材による最適フィット感

1-3-4        高次加工技術による抗菌性

1-3  一方ユニクロは、ヒ-トテックシリ-ズを着用した多彩なモデル映像を動画と共に提供し、次のように述べている。

「風向きが北寄りになる季節。でも家の中だけには居られない。冬のアウトドアも、もっと快適に。ユニクロが考えたのは、体の側から温かくなること。

 ヒ-トテック、それは繊維自体が発熱する機能を持った新素材。体に一番近いところで、体温を保ちながら暖かさを生み出す。そんな素材があれば、着膨れすることなく、冬を過ごせる。だから、もっと快適にファッションを楽しみ、冬をアクティブ過ごせる。

2.        SANARI PATENT所見

2-1  ユニクロを展開しているファ-ストリテイリング(東証1部)は、野村證券・東洋経済の会社四季報によれば、ユニクロの大型店新店効果で拡大し、販売計画の精度向上によって粗利率を改善している。フランスの子会社も好調、英国にも大型店出店で認知度向上、中国でも拡販、とのことであるから、東レ製品技術のグロ-バルな進出が、ユニクロをも通じて促進されよう。

2-2  上記1-2の東レと1-3のユニクロの表現を並べると、企業分野の文化風土が、同じ対象に対して各特徴をもって発揮され、ここにも戦略的連携の効果が現出するものと期待される。

2-3 上記1-2-2の異型は星型だが、帝人フザイバ-のエスク-サの三角中空テロロン・綿複合新素材の三角も、異型の原型と考えられる。

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2007年10月27日 (土)

Sotheby’s Auction Power Ups Chinese Contemporary Picture Contents:中国現代絵画コンテンツのサザビ-ス・オ-クションにおけるマネ-パワ-

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

コンテンツを含む知的財産のオ-クション市場の構築が、欧米の状況、および、知的財産の定額的価値評価額決定による財務諸表計上可能性の見地から適切と考え、SANARI PATENTは、下記所見を付して内閣知財戦略本部にその検討を要望した(2007-10-24)

  記

1.        テレビ東京「ガイアの夜明け」が示す中国現代絵画のコンテンツパワ-:

1-1        内閣知財戦略本部の平成19年度内閣知財計画は、「日本のコンテンツの強みを世界に発揮する」として、「海外を意識したコンテンツ制作」、「海外市場動向の把握」、「コンテンツ事業者の国際競争力強化」、「コンテンツの国際取引促進」、「海外との共同ビジネス展開」などを計画している。

1-2        しかし、標記番組(2007-10-23)が放映した実況によれば、先般ニュ-ヨクで行われたSotheby’sの現代絵画オ-クションでは、アジアの現代絵画をテ-マとして、中国の絵画が量的にも落札金額(千万ドル単位も多数)でも7割以上の比重を占め、日本現代絵画は量的に1割程度にとどまると共に、落札価格も中国のそれの1割に満たない結果であった。

1-3        日本関係者がSotheby’sの担当者にこのような大格差の事情を質問していたが、その応答は、「美術品の人気や価格は、オ-クションの落札価格の上昇振りによって定まり、それを演出できなければ関心も価値評価も高まらない」ということであった。

2.        Sotheby’sの263年の歴史

2-1        サザビ-スは1744年にロンドンで設立された超有名なオ-クション会社として知られるが、その対象物品は広汎であるとと共に、インタ-ネットオ-クションなどの新しいオ-クション方法を開発しているビジネス知財の企業と評価できる。

2-2        わが国の美術専門家も同社に役員として招聘され、日本現代絵画への関心も示されているから、このような人材との連絡を密にする体制も必要と考えられる。

3.        SANARI PATENT所見

3-1  世界各地で、日本アニメやマンガが愛好されていることは、前外務大臣が評価したところであるが、アニメ制作の基盤従業者の所得が少ないことも話題になっている。

3-2  一方、現代絵画のコンテンツは、数億円を超える競売価格をもって欧米の著名オ-クション市場で取引され、価格の漸増が価値評価の高まりを表している。コンテンツの価値とは、そのようなもの、という考え方が定着しているようである。

3-3  わが国コンテンツの国際市場展開のためには、そのような局面にも対応する必要がある。順応しないと、影が薄くなる。

3-4  知的財産全般について、定額的価値評価を透明性をもって形成し、取得価額による財務諸表記載を可能にするためにも、欧米の伝統ある著名オ-クション市場に優る「知的財産(コンテンツを含む)オ-クション市場の構築を検討することが望ましい。

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2007年10月26日 (金)

Doctrine of Equivalents on Shut Down Function of Integrated Circuit: シャットダウン機能を有する安定器用集積回路特許権に関する均等論(東京地裁判決2007-10-23)

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

関連記事http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 2007-10-16

1.        均等論の恒常性と弾力性

1-1  均等論は米国発の特許権理論で、プロパテント強化の機能をもつ理論として理解されてきた。プロパテントの語義を明確にする暇もないうちに、プロイノベ-ションの時流となり、プロパテントとプロイノベ-ションの整合を議論する暇もなく、変革の激流が溢れつつある。

1-2  特許権侵害訴訟は、侵害被疑物件・方法が、被侵害主張特許権の「特許発明の技術的範囲」に属するか否かを争うものであるが、「特許発明の技術的範囲」は、明細書の「特許請求の範囲」の「記載」に基づき定めなければならない。従って、「特許請求の範囲」に記載されていない発明は、「技術的範囲」に属さず、これを実施しても、特許権侵害に該当しない。

1-3  均等論は要するに、文言上は特許請求範囲に含まれていなくても、文言通りの発明と均等と認められる場合には侵害が成立するとするもので、この意味で、均等論は既存特許権の訴訟力を強化するプロパテント理論と、一般に理解されてきた。

1-4  特許権の独占力に対しては、反発が作用するのが常であるから、米国における均等論の適用についても、変遷が見られた。率直に言えば、寛厳のニュアンスが変動したと解する。(SANARI PATENTが米国特許弁護士に質問した結果)。

2.        今次東京地裁判決の概要

2-1 International Rectifier Co.(USA California)(以下「IR」)は、「シャットダウン機能を有する安定器用集積回路」および「抵抗をブ-トストラップ・ダイオ-ドに直列結合したモノリシック・ゲ-トドライバ・デバイス」の特許権者である。

2-2 IRは、新電元工業(以下「新電元」)が製造・販売した半導体装置が、上記特許権の特許発明の技術的範囲に属し、またはその間接侵害品に当たるとして、損害賠償金4億円等の支払いを訴求した。

2-3 東京地裁は、IRが主張する均等論の適用を否定するなどの判断により、上記侵害を否定し、IRの請求を棄却した(2007-10-23判決)

3.        均等論に関する東京地裁の判断(下記3-2および3-4)(SANARI PATENT要約)

3-1        新電元の本件ランプ安定回路1においては、コンデンサC2が抵抗R2との組み合わせにより発振周波数を定めており、コンデンサC11は、その電圧が閾値電圧より低いとシャットダウン回路を起動させるものであるとしても、発振周波数を定めているものではない。

    従って、新電元のランプ安定回路1のコンデンサC11は、IR特許の「外部タイミングコンデンサ」には当たらず、新電元のランプ安定回路1は、IRの本件特許発明1の技術的範囲は、属しない。

3-2        IRの本件特許発明は、ランプが取り外されたときに、高圧側および定圧側のMOSゲ-ト型パワ-半導体デバイスのゲ-ト駆動ICの両出力をタ-ンオフ状態にすることにより、駆動回路の構成部品を損失(故障)から保護することを目的とし、そのために、外部タイミングコンデンサに接続されたCTピンを使用した新しいシャットダウン機能を備えたものである。

すなわち、第3のコンパレ-タにより、外部タイミングコンデンサに接続されたCTピン電圧が、自己発振に対して用いられる閾値電圧VR1およびVR2のいずれよりも低い値として選択された閾値電圧VR3よりも低くなったことを検出したときは、第3のコンパレ-タがその出力をシャットダウンラッチ回路および低圧側のデッドタイム遅延回路に供給し、シャットダウンラッチ回路の出力が高圧側のデッドタイム遅延回路に供給され、両ゲ-トドライバ出力がシャットダウンする。

3-3        新電元の本件ランプ安定回路1においては、外部タイミングコンデンサに接続されたCTピンとは異なるピンにより外部タイミングコンデンサC2とは別のコンデンサC11にシャットダウンラッチ回路が接続されているのに対して、IRの本件発明においては、ャットダウン回路がCTピンによって外部タイミングコンデンサに接続されているという差異は、新電元の本件ランプ安定回路1とIRの本件特許発明との本質的な差異である。

3-4 IRの本件発明の「低位電力端子と低位側電圧源との間で直列結合された第2電源制限要素」を、新電元の本件ランプ安定回路2の低位電力端子と低位側MOSトランジスタとの間にある抵抗R3と置換しても、IRの本件発明の目的を達成し同一効果を得ることは、未だ立証されていない。

3-5 上記3-3と同一理由で、新電元の本件ランプ安定回路2の構成は、IRの本件特許発明と均等なものであるとは、解することはできない。

4.        SANARI PATENT所見

  均等の認定要件は、知財専門家が詳しいし、米国判決の推移にも留意されていると考えるが、新電元の現況と共に、http://d.hatena.ne.jp/SANARI/に補完する。

2007年10月25日 (木)

Patent Examination Highways Between USA, United Kingdom, Germany and Republic of Korea: 特許審査ハイウェイが米国・英国・ドイツ・韓国の4国間に成立の意義

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

関連記事http://d.hatena.ne.jp/SANARI/

1.世界諸国特許出願のトップ10

1-1 WIPOは、「The Total Number of Patent Application Filings in the Top 10 Patent Offices from 1883 to 2003」のチャ-トを示しているが、このトップ10は、Japan, USA, Germany, Soviet Union/Russian Federation, United Kingdom, France, Canada, EPO, Republic of Korea, Italyである。

WIPOは更に、「Total Number of Filings over the Last 50 Years」と題して、「1956年から2005年」のチャ-トを示しているが、このトップ10は、日本、米国、ロシア、ドイツ、英国、欧州特許庁、フランス、韓国、カナダ、中国であって、「120年間」と「50年間」を比べると、「50年間チャ-ト」に中国が入ってイタリ-に代わっている。

1-2  最近のトップ10特許出願件数(2005年、フランスは、2004年)

   WIPO統計によれば、日本42万7078件、米国39万0733件、中国

173327件、韓国160921件、EPO12万8713件、ドイツ60222件、カナダ39888件、ロシア32253件、英国27988件、フランス17290件と表示されている。

1-3  上記の「トップ10」は、正確には、「トップ10特許庁」であって、「トップ10国」ではない。それは欧州特許庁がその加盟各国特許庁と並存している(SANARI PATENT 注:従って、特許権も並存している)という欧州独特の体制に由来する。

2.日独特許審査ハイウェイの試行開始(トップ10のうち4国の特許庁がわが国との特許審査ハイウェイ参加)

2-1 特許庁は、「日独特許庁間における特許審査ハイウェイの試行開始の合意について」(2007-10-19)において、次のように述べている。(SANARI PATENT要約)

2-1-1 日独特許庁は、両国間の特許審査ハイウェイの試行を、2008年3月に開始することを本日、合意する。特許審査ハイウェイは、出願人の海外での早期権利化を実現して、グロ-バルな権利取得を促進すると共に、両国特許庁での審査負担を軽減し、質の向上を図るものである。

2-1-2 すなわち、企業等のグロ-バルな活動の拡大に伴い、複数国で特許権を取得するニ―ズが高まり、同一内容の出願が複数地域に出願されているが、このような状況のもとで、各国がサ-チ・審査結果を相互に利用し、国際的なワ-クシェアリングを進めることにより、審査の効率化と迅速な権利化を目指す。

2-1-3 具体的には、出願人の選択に応じて、第1国の特許庁で特許可能と判断された出願については、第2国の特許庁において簡易な手続により早期審査を受け得ると共に、第1国の特許庁でのサ-チ・審査結果を活用するものである。

2-1-4 日米間では、2006年7月に試行プログラムを開始した。日韓間では2007年4月から開始、日英間では2007年7月に試行を開始した。今次日独特許審査ハイウェイ合意は、わが国にとって4番目の対象国を得たこととなる。

3.        今後の展開

上記に続いて特許庁は、今後の展開について次のように述べている。

3-1  わが国以外の第3国間においても、米英両国は、2007年9月に試行を開始した。このような各国間取組の拡大により、複数国間を網の目のようにカバ-する二国間特許審査ハイウェイの世界的なネットワ-ク実現が期待される。

3-2  今後、わが国特許庁は、現在交渉中の欧州特許庁、デンマ-ク、カナダ、オ-ストラリアの各特許庁間で特許審査ハイウェイを実現すると共に、対象国を更に拡大する。

4.SANARI PATENT所見

  特許制度については、諸国の産業発達の段階に即応する属地主義が各国の国策に適するという立場がある。わが国も、戦後の相当期間、化学物質特許を付与しなかった。中国では近年まで、属地主義的発言が知財専門家においてもなされる場合があった。

  産業発達の段階を同一にする先進国間では、特許法の若干の相違にもかかわらず、技術の新規性・進歩性の評価は同一であるはずという見地から、特許審査ハイウェイを拡大することは、世界のイノベ-ション資源(従来技術・人材)を効率的に共有し活用する素晴らしい政策である。

2007年10月24日 (水)

Innovation of Automatic Operation Device: SAGINOMIYA Wins at IP High Court: 鷺宮製作所の知財開発と訴訟力(対LANCO Inc. of Delaware)

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

1.「流体システム内の流れの方向を変更する方法」発明の特許性

1-1 ランコ インコ-ポレ-テッド オブ デラウェア(以下「ランコ」)(今次訴訟代理人・福田親男弁護士ほか)所有の標記特許の無効審決を、鷺宮製作所(今次訴訟代理人・谷 義一弁理士ほか)が求め、特許庁は無効審決したが、ランコはこの「特許無効審決の取消」を知財高裁に訴求し、知財高裁は、ランコのこの取消請求を棄却した(2007-10-16判決)。

1-2 特許無効審決およびこれを維持する知財高裁判決が示した特許無効理由は、「容易想到性」である。

2.鷺宮製作所の業容

2-1 この際、自動制御機器分野の技術開発動向を、鷺宮製作所の例によって考察する。先ず鷺宮製作所の現況を同社のホ―ムペ-ジで見ると(SANARI PATENT要約)、

2-1-1 自動制御部門は、温度制御(温度スイッチ・電子サ-モ・温度センサ)、湿度制御(湿度スイッチ・電子ヒュ-ミ)、圧力制御(圧力スイッチ・デジタルコントロ-ラ・圧力センサ)、流体制御(フロ-スイッチ・流量計・流量センサ・コントロ-ラ)、電磁弁(冷媒用・汎用・特殊用途)、膨張弁(温度・定圧・電子の各膨張弁)にわたり、総合自動制御に対応する。

2-1-2 「高度情報社会への対応」、「地球環境保全への対応」、「福祉・高齢社会への対応」、「グロ-バル化への対応」をキ-ワ-ドとする。

2-1-3 海外法人を、中国・シンガポ-ル・メキシコ・ポ-ランド・タイに有する。海外販売先は約60国。

2-1-4 年間売上高405億円(2006年度)

3.最近における鷺宮製作所の特許公開事例

   本年に入ってからも、24件(2007-10-23現在)を数えるが、事例として(SANARI PATENT要約)、

3-1        サ-ボ装置およびその設定方法(特許公開日2007-10-18

ピックアップごとにサ-ボ特性を変更する機構、および、最適なサ-ボ特性を容易に設定する方法を提供する。

3-2        開閉バルブ(特許公開日2007-9-27

外部の作動制御機構と流体源とを接続するキャピラリ-チュ-ブおよびパイロット管を、弁本体に強固にロウ付け固定でき、パイロット管の破損を防止できる開閉バルブを提供する。

3-3        制御弁および容量可変型圧縮機および冷凍サイクル装置(特許公開日2007-9-27

可動ロッドの摺動部の増加による動作不良、圧力バランス不良を生ずることなく、差圧応動の圧力流動制御が安定して行われる機器・装置を提供する。

3-4        電動弁および電磁弁(特許公開日2007-8-23

ケ-ス肉厚の増大による励磁力効率の低下を招来することなく、溶接熱影響による許容応力の低下を補償し、所要の耐圧破壊強度を達成した上で、ロ-タ-ケ-スの材料費節減、高生産性による低廉な電動弁および電磁弁を提供する。

3-5        圧力センサ(特許公開日2007-7-28

ダイアグラムと基板を確実に接合し、リ-ド部材と電極との接続の信頼性を高めた圧力センサを提供する。

3-6        演算装置および試験装置(特許公開日2007-7-6

スイ-ブ波を入力したときの応答波の位相と振幅を演算する装置を提供する。

3-7        渦流量計の製造方法および渦流量計

渦検出器の相対的な位置決めを精度良く行うことができる渦流量計およびその製造方法を提供する。

4.SANARI PATENT所見

 自動制御連合講演会が1124/25日に予定されているが、日本機械学会、計測自動制御学会、システム情報制御学会、化学工業会、精密工学会、日本航空宇宙学会を主催者とし、情報メディア学会、日本シミュレ-ション学会、日本原子力学会、日本神経回路学会など、既に約50学会の協賛が予定されて、自動制御分野のイノベ-ションの波及効果の広大と深度を示している。

 内閣知財戦略本部の平成19年度内閣知財計画は、知的学会の活用を促進する旨を計画しているが、上記のような連合学会に、イノベ-ションの強力なパワ-を期待すべきである。

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2007年10月23日 (火)

Level of Ordinary Skill in the Art: USPTO MPEP (Revised in Sept.2007) States Factors to Consider in Determining Level of Ordinary Skill:当業者論

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

1.        仮想(仮説・仮定)人物としての当業者

1-1        米国特許商標庁の特許審査基準(MPEP: Manual of Patent Examining Procedure)は、当業者を「the hypothetical person having ordinary skill in the art」と呼んでいる。Hypotheticalは、Actualの対語であるから、直訳すれば、「仮想の人物」である。 

1-2        わが国特許庁の特許審査基準は、「その発明の属する技術分野における通常の知識を有する者」に括弧書して、以下「当業者」というと定めており、わが国法体系で特許法体系のみが用いる(審査基準によって)用語を造成しているが、米国特許商標庁では、わが国の「当業者」に当たる造語は用いず、「a person having ordinary skill in the art」で通している。

1-3        しかし、日米欧ともに、「当業者」も「a person having ordinary skill in the art」も、従来技術からの容易想到性の認否において決定的判断をくだす人物として法定され、司法判断においても、同様であるから、ここでは「当業者」と統一呼称することとする。(SANARI PATENT 注:英文の「a」は、この場合、単数を意味せず、「one of」を意味すると解する)

2.        当業者の判断の決定的重要性

2-1  米国特許審査基準が記述するように、当業者は仮想の人物であるが、この仮想人物が従来技術から容易想到であれば発明の特許性jは否定され、容易想到でなければ、特許性が肯定される。

2-2  実際上、特許審査の段階では審査官、審決の段階では審判官、司法の段階では裁判官が実在して、仮想人物である当業者にとっての容易想到性の有無を判断する立場にあることは、日米欧ともに特許法制度の定めるところである。

2-3  やや短絡的に表現すれば、一つの発明について、当業者が、審査官・審判官・裁判官と、3名登場するのであるから、各当業者が容易想到性について異なる判断をなす可能性があることは当然であり、また、異なる判断を請求できることによって、特許制度の公正が維持されている。

3.「非自明性(進歩性)判断の高度化」と「当業者のレベル」との関係

3-1 当業者の「通常有する知識」を高度に解すると、容易想到性が容易に判断され、特許性が成立し難い。低度に解すると、容易想到性の判断が困難になり、容易想到性が否定されて、特許性が容易に判断される。

3-2 非自明性(進歩性)(SANARI PATENT 注:特許性に関する用語が日米同一でないが、ここでは、米国の「非自明性)」とわが国の「進歩性」を同義とする)の判断について、当業者のレベルはこのように決定的であるので、以下、米国特許商標庁の特許審査基準(MPEP)の「当業者のレベル」の項を本年9月改訂版によって考察する。

4.        MPEPの「当業者のレベル」(SANARI PATENT要約)

4-1        当業者のレベル決定における考慮要素

4-1-1        発明者の学修レベル(educational level)

4-1-2        発明対象技術分野における課題の類型(type of problems encountered in the art)

4-1-3        上記課題の従来技術による解決

4-1-4        上記解決により達成できたイノベ-ションの速度

4-1-5        その技術分野の精巧性(sophistication)

4-1-6        その技術分野の従業者の学修レベル

4-2               仮想人物(hypothetical person)として当業者が具有すべき要件は、請求項に係る科学技術の理解能力を有することであって、博士レベルの技術者であることとか、「少なくとも毎週40時間以上、その分野の技術研究所・開発に従事していること」とかの要件には、必ずしも馴染まない。

4-3               上記理解能力は、発明時点における能力である。

4-4               自明性判断(特許付与を否定する判断)の客観性を保持するために、当業者のレベルを明らかにすることは重要である。審査官は、発明がなされた時点において、当業者にとって自明であったことを確かめなければならない。それは、発明者、裁判官などにとって、ではない。

5.        わが国の当業者も、想定人物

5-1  わが国特許庁の特許審査基準は、「当業者とは、その発明が属する技術分野の出願時の技術常識を有し、研究・開発の通常の技術的手段を用いることができ、材料の選択や設計変更などの通常の創作能力を発揮でき、かつ、その発明のの属する技術分野の技術水準(従来技術・技術常識・技術的知見等から構成される)にあるもの全てを自らの知識とすることができる者を「想定」した者」と定めている。

5-2  わが国特許庁の特許審査基準は、さらに、「当業者は、その発明の課題に関連した技術分野の技術を自らの知識とすることができる」、「個人よりも、複数の技術分野の専門家チ-ムとして考えた方が適切な場合もある」と定めている。

6.        SANARI PATENT所見

日米特許審査ハイウエイが既に発足し、当業者のレベルは日米共通と考えられるから、それは上記4および5を総合した、高度の水準と考えられる。換言すれば、非容易想到性のハ-ドルが高度に設定され、特許の質が高度に維持されることになると考えるが、技術分野別に、高度性の考え方が異なってきたことも、この際、認識しなければならない。

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2007年10月22日 (月)

Developing Second Life in 3D Virtual World: Mizuho Bank Community Space: 「新たなサ-ビス展開」(内閣知財戦略本部)の一環:仮想空間セカンドライフの業界利用進む

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

 大学では「慶應大学」、銀行では「みずほ銀行」が、わが国でのセカンドライフ実用化において先駆していると、SANARI PATENTは考察する。

 先日(2007-10-11)、「脳内イメ-ジ(脳波)でセカンドライフ内操作する技術の開発に成功」と発表(実証実験の動画も)した慶應大学は、セカンドライフ全般についての研究グル-プを早期に構築し、検討の結果を、本年8月からの慶大セカンドライフ開設に活かしている。

 みずほ銀行は、平成18度の経済産業省委託研究事業として、セカンドライフの課題に関する国際的な調査研究を行い、「仮想空間セカンドライフみずほ銀行コミュニティスペ-ス」を本月2日に発表したが、SANARI PATENTは更に、みずほ銀行から関連メ-ル受信(2007-10-18)した機会に、平成20年度内閣知財計画の策定における「新たなサ-ビス展開」の課題の一環として、これを考察する。

1.「仮想空間セカンドライフみずほ銀行コミュニティスペ-ス」の自己紹介(SANARI PATENT要約)

1-1 みずほ銀行は、三次元の仮想空間が、リアル店舗での対面取引と、インタ-ネットバンキング等の非対面取引各のメリットを同時に享受できる取引チャンネルとなることを期待し、今後、その可能性を検証してゆく。

1-2 「仮想空間」セカンドライフは、米国リンデンラボ社が開発・運用するインタ-ネット上の三次元の仮想社会で、世界中でユ-ザ-数が急増している。日本語版のサ-ビスは今年7月に開始した。

1-3 当面、みずほ銀行のコミュニティスペ-スには、観覧車等を順次設置し、みずほ銀行の商品・サ-ビスに関するクイズに正解することにより乗車可能となる。

1-4 みずほ銀行がコミュニティスペ-スを設置した場所は、電通が開設した仮想空間都市「バ-チャル東京」内のゾ-ンであるが、この「バ-チャル東京」は、電通と水口エンタ-テインメント代取のコラボレ-ションで実現する「元気*未来*TOKYO」をコンセプトとする総合仮想都市である。「バ-チャル東京」は、東京がもつイメ-ジ・エネルギ-を凝縮し、生み出されるポップカルチャ-を世界に発信する。

2.仮想世界・仮想経済の可能性

  みずほ銀行は、「セカンドライフ」に見る仮想世界・仮想経済の可能性を、Web2.0に続くインタ-ネットの新たな進化として把握している(2007-5-24 Mizuho Industry Focus)。すなわち、(以下SANARI PATENT要約)

2-1  世界諸国の人々(SANARI PATENT 注:米国リンデラボ社の最近のホ―ムペ-ジによれば既に1000万人超。同社の設立が1999年であるから、増勢顕著である)がセカンドライフ内でリアルタイム」でのコミュニケ-ションを行い、リンデンドルと呼ばれる仮想通貨(SANARI PATENT 注:米ドルに交換できるから、「仮想」の語が適切か、疑問になってくる)によって経済活動が営まれている(2007-4 時点では年間約350億円相当の取引規模と推定)。

2-2  現状の急成長が継続すれば、2008年末には、総加入者数は全世界で2億5千万人に迫り、仮想通貨の年間総取引額は1兆2500億円相当額の可能性もあると試算されている。

2-3  新たなマ-ケッティングやプロモ-ション活動、電子商取引の場として、諸国企業・組織のセカンドライフ進出が相次ぎ、トヨタ、ニッサン、ソニ-等も進出している(SANARI PATENT 注:現時点では主として米国版セカンドライフ)

2-4  仮想通貨の外貨交換、仮想経済活動に対する課税、リアル社会のコンテンツの模倣による著作権等の問題も伏在する。

3.経済産業省の委託調査

3-1 経済産業省は、平成18度情報家電活用基盤整備事業中、「情報活用力の強化に関する調査研究」の一環として、セカンドライフ等についての調査研究をみずほ銀行に委託したが、その報告書には、「セカンドライフのプラットフォ-ム機能」、「セカンドライフを運営するリンデンラボ社のビジネスモデル」、「個人利用者の状況」、「企業やその他組織の活動とセカンドライフ経済圏」、「セカンドライフの課題とアバタ-(分身)・メタバ-ス(SANARI PATENT 注:三次元コンピュ-タグラフィクスによる仮想空間))がもたらす可能性」などの考察が含まれている。

3-2 上記報告の記述は40ペ-ジ以上にわたり、例えば、「利用者に与えられるコンテンツ創造の最大限自由度」、「地球全体をデジタル表現し、新しい国を創造するビジョン」、「仮想通貨と現実通貨の交換マッチングサポ-ト」、「セカンドライフ内の役務に対する対価支払い」などに及んでいる。

4.SANARI PATENT所見

  平成20年度内閣知財計画コンテンツの章において、セカンドライフに対する評価と対応を示すことが望まれる。

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2007年10月21日 (日)

Inventions of Semiconductor by Sumitomo Oosaka Cement Co.:創業90年:セメント工業界の技術戦略・経営戦略の事例として

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

  住友大阪セメント(東証・大証1部)の近況資料を受信した機会に、歴史が古いセメント業界の先端例として、同社の技術戦略・経営戦略を考察する。

1.        電脳コンクリ-トの開発等

  坂村健東大教授が所長の研究所と共同で、ICタグを内蔵する電脳コンクリ-トを開発した。読取機により、強度などの記録情報を文字・音声で受信し、品質情報管理の効率化を実現したが、更に進化させる。

  また、他産業発生廃棄物の原燃料を利用しつつ、海砂含有塩分に対する電気防食システム、超速硬セメント、単回吹付厚付ポリマ-セメント、水熱合成セラミック成形体、全断面透水性舗装材、藻場などを開発・商品化している。

2.        セメント流通ネットワ-クの構築

  セメント製造の立地は、原料石灰石鉱山に付帯し、僻地傾向があるが、全国需要に迅速確実に対応するため、高度情報システム、最適物流計画(輸送経路)、サ-ビスステ-ションを総合する流通ネットワ-クを構築している。

3.        セメント製造ノウハウの輸出

  香港・フィリピンにおける新鋭生産ラインの稼動など、アジア諸国を中心に、セメント工場操業の技術指導を含むエンジニアリング業務を行っている。

4.        光電子事業の新領域展開

  LN光変調機(SANARI PATENT 注:ニオブ酸リチュムの光学定数、熱拡散、イオン交換能を活用した光変調デバイス)、レ-ザ-光源(タンパク質の構造解析、DNA含有量検査)などを開発・商品化している。

5.        ナノ粒子製造技術の応用とテラビット情報技術の開発

  ナノ粒子酸化亜鉛、ナノ粒子炭化珪素のほか、特徴ある形状・サイズを有するナノ粒子を開発し、デジスプレイ、コ-ティング、電極、半導体製造に応用すると共に、テラビット通信分野に進出する。

6.        住友大阪セメントの最近の特許公開事例(SANARI PATENT要約)

  本年初来、半導体関係に限定しても、同社の特許公開が活発である。

6-1        外部共振型半導体レ-ザおよびそれを備える光源(特許公開日2007-8-30

高出力のレ-ザ光を安定に出力することが可能な外部共振型半導体レ-ザ、および、それを備える光源を提供する。

6-2        静電チャック装置(特許公開日2007-8-2

静電チャック部材と温度調節用ベ-ス部材とを接合する接合層の耐久性・伸び性に優れ、よって装置自体の耐久性も優れ、しかも半導体ウエハ等の板状試料への汚染源となる虞れもない静電チャック装置を提供する。

6-3        粒子形状の制御された高結晶性アナタ-ゼ型酸化チタン超微粒子、および、その製造方法(特許公開日2007-7-12

新規酸化チタン製造方法によって、特異な結晶面をもつ、結晶性の高い5nm100nmの粒子径の、高結晶性アナタ-ゼ単相酸化チタン超微粒子、および、その製造方法を提供する。

6-4        発光素子封止用組成物および発光素子ならびに光半導体装置(特許公開日2007-6-28

封止材としての透明性を維持すると共に、光散乱性を効率的に向上させることが可能な、所定形状の星形酸化チタンを含有する発光素子封止用組成物および発光素子ならびに光半導体装置を提供する。

6-5        発光素子封止用組成物および発光素子ならびに光半導体装置(特許公開日2007-4-19

封止材としての透明性を維持すると共に、屈折率および靭性を向上させることが可能な発光素子封止用組成物および発光素子ならびに光半導体装置を提供し、LEDチップから放出される光の透過領域を封止する。

6-6        スクリ-ン印刷用の酸化物光半導体ペ-スト、そのペ-ストを用いた酸化物光半導体多孔質薄膜電極および光電変換素子、ならびに、スクリ-ン印刷用の酸化物光半導体ペ-ストの製造方法(特許公開日2007-2-1

塗布した際の「たれ」が非常に小さく、厚膜印刷、自動印刷を可能にすると共に、このペ-ストを用いた均一な厚さの酸化物光半導体多孔質薄膜電極、この酸化物光半導体多孔質薄膜電極を有する光電変換素子および色素増感太陽電池、色素増感型太陽電池モジュ-ルを提供する。

7.        SANARI PATENT所見

  事業を多角化しているが、現在では、売上構成でセメント事業が8割を占め、光電子・新材料事業は6.6%と報告されている。経営戦略の見地からは、光電子・新材料事業分野のうちプラズマディスプレイ向け前面板用フィルム等の販売競争激化で、営業利益への寄与には分野別格差が見られる。しかし、鉱産品技術は応用分野が多岐にわたり、光電子・新材料分野と共に、住友大阪セメントの技術戦略・経営戦略の発揮どころであると考える。

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2007年10月20日 (土)

Sony’s Mr.K.KIMURA Presents World IPTV Market:「IPTV市場は現在、欧州勢がリ-ド」「コンテンツ流通の劇的変化の可能性」:内閣のコンテンツ企画WG(2007-10-11)にて

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

  コンテンツ流通の高度化は、イノベ-ション促進の主戦力であるが、総務省・情報通信審議会の議事経過に見るように、その構成要素は多岐にわたる。 IPTVに関する政策は、通信と放送、有線と無線の融合をコンテンツ流通の見地から、どのように計画すべきかに関する。

  ソニ-の木村敬治 執行役・EVP・技術戦略・知的財産・エレクトロニクス事業担当が、内閣知財戦略本部・コンテンツ企画ワ-キンググル-プ委員として、同WGのスタ-トに当たり提示(2007-1011)した「欧州IPTVの現況」を考察する。

1.        ソニ-木村氏の説明内容(SANARI PATENT要約および英文意訳)

1-1        今年3月に、AT&TFrance TelecomTelecom ItaliaEricsson

Nokia SiemensPanasonicPhilipsSamsungSonyの9社が、IPTVフォ-ラム(Open IPTY Forum)を設立した。テレコムオペレ-タ、インフラメ―カ、家電メ―カにより構成されている。

1-2        このフォ-ラムの目的は、次世代IPTVをグロ-バルな一般市場に導入するため、全端末間の相互運用性・互換性を確保するオ-プンな諸規格を定めることである。

1-3        このフォ-ラムは、電気通信とエンタテインメント産業の関係者の参加に対して全くオ-プンとし、消費者、ネットワ-クオペレ-タ、コンテンツ供給者、インタ-ネットサ-ビスプロバイダ、家電製造業者、インフラプロバイダなどの関係者が、IPTVの便益を最大限に享受できるよう、IPTV技術の開発と普及に資するオ-プンスタンダ-ドを構築することを主眼とする。

1-4        IPTV市場は現在、欧州勢がリ-ドしている。IPTVの全世界サブスクライバ数は、2006年実績で390万人、2010年予測20007500万人、2011年予測1億300万人であるが、2006年の390万人の内訳(単位千人)は、フランスのFree1402、香港のPCCW750、フランスのFT577、スペインのTelefonica400、イタリ-のFastweb258、その他511である。

1-5        上記その他を含めて、英国、ロシア、ポルトガル、ポ-ランドなど、欧州各国でIPTVは既に始まっている。

1-6        欧州におけるこのようなIPTV成長の背景を、テレコムオペレ-タ、コンテンツプロバイダ、エンドユ-ザ-の各立場から見ると、

1-6-1 テレコムオペレ-タの事情としては、「固定事業系、特に音声サ-ビス収入の低下を補う新収入源の必要性」、「ケ-ブルテレビ、衛星放送、ISP等の音声サ-ビス参入への対抗、インタ-ネット、IP音声サ-ビス、IPTVのトリプルプレイによる顧客維持の商略」、「パイプ提供者からサ-ビスプロバイダ-に進展の戦略」

1-7        コンテンツプロバイダの事情としては、「従来のテレビ視聴パタ-ンの変化、特にテレビ離れへの対応」、「IP技術による新しいコンテンツ流通形態へのチャレンジ」

1-8        エンドユ-ザ-の事情としては、「トリプルプレイのパッケ-ジにテレビは含まれており、追加料金を支払っているという感覚が薄い」

 などが考えられる。

2.        ソニ-木村敬治執行役の警鐘(SANARI PATENTの理解)

  上記の把握に基づいてソニ-木村敬治執行役が、欧州IPTVの動向を踏まえて、わが国の情報通信イノベ-ションに対する遅滞ない政策の必要を示唆したことは、極めて注目される。すなわち、同氏の指摘は、

2-1  欧州IPTVの現状は、「ネットワ-クのオ-ルIP化の威力が現実味を現し」、「デジタルホ-ムとIPTVをどう繋げるかに関心が高まり」、コンテンツ流通の劇的変化の可能性と、家電・IPコミュニケ-ションの融合が予測される。

2-2  従って、わが国においては、

2-2-1      欧州では、オ-ルIPを活かしたIPTVサ-ビスが既に始まっていることを十分に認識すべきである。

2-2-2      単純なビデオ配信から、よりユ-ザ-にとって価値の高いサ-ビスの提供への速やかな進化を志向すべきである。

2-2-3      コンテンツ流通の劇的変化の可能性に対応すべきである。

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2007年10月19日 (金)

PANASONIC GP3 Plans, Global Progress, Global Profit, Global Panasonic:

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

  総合電機メ―カの経営戦略が、「総合性」の変革をめぐって、個性を発揮しつつ展開している。ここには松下電器の対投資家説明(2007-9-21 野村證券にて)を事例として考察する。下記内容は、SANARI PATENTが要約した。

1.        松下電器の1株当たり年間配当額は、継続的な業績伸長に基づいて、2004年度15円、2005年度20円、2006年度30円と推移し、2007年度は35円を予定している。

2.        ABCD4戦略事業として、Appliance Solutions(生活快適実現事業)、B.B.Devices(半導体・デバイス事業)、Car Electronics(カ-エレクトロニクス事業)、Digital AV Networks(デジタルAV事業)を拡大する。

以下括弧内は、20062009の売上実績→目標

2-1 Appliance Solutions(2兆5800億円→3兆円)

2-1-1 個々の機能価値ある「強い商品」を創出する。

2-1-2 オ-ル電化など、商品連携による新たな空間価値・くらし価値を創造する。

2-1-3 製販連携によるソリュ-ション体制を強化する。(製造側の研究・開発、企画・設計、調達・生産と、販売側の提案・販売、設置・工事、サ-ビス)

2-1-4 家まるごとセキュリティを提供する。(センサ-、ル-タ-など)

2-2 B.B.Devices(1兆6800億円→1兆9200億円)

2-2-1 シェアNo.1商品としてデバイスを拡販する。(2006年度売上高1兆7千億円)(ALIVH、角速度センサ-、システムLSI、電子バラストなど)(SANARI PATENT 注:ALIVHは樹脂基板の1種で、Any layer inner Via Hole。電子バラストは、蛍光灯用などの安定器)

2-2-2 グル-プ内に半導体を持つ強みを発揮する。(DVDレコ-ダ-のシステムLSI集積度革新により高速・低消費電力・低コストの急速な進捗)

2-3 Car Electronics(7500億円→9500億円)

2-3-1 小型・軽量化技術、各種センサ・カメラ技術による環境と安全・安心の快適車室空間を、グル-プの総合力で実現する。

2-3-2 高精度の距離測定、物体や人の感知、音の感知、路車・車車間通信、インフラとの提携による多発事故原因への対処

2-3-3 小型ステレオカメラ、危険予測アラ-ム、統合HMIシステムにより安全運転システムの将来像を確立する。(SANARI PATENT 注:HMIは、Human Machine Interface)

2-4 Digital AV Networks(1兆円→1兆7000億円)

2-4-1 テレビの薄型化・デジタル化の加速を先導する。

2-4-2 プラズマ500万台、液晶400万台を2007年度に販売する。

2-4-3 プラズマ尼崎第5工場を2009年5月に稼動開始する。

2-4-4 フルHDをビエラにリンクする。

2-4-5 世界シェア目標(2009年度)を、37インチ以上薄型TV25%、デジタルカメラ15%、ハイビジョンム-ビ-40%、ブル-レイ35%とする。

3.        松下電器の海外商品戦略と海外地域戦略

3-1        商品戦略

3-1-1      デジタル重点5商品(プラズマテレビ、液晶テレビ、デジタルカメラ、ハイビジョンム-ビ-、ブル-レイディスクレコ-ダ-)を拡販する。

3-1-2      先端技術により白物商品のブランドを構築し拡販する。

3-2  地域戦略

3-2-1      欧米の有力量販店とのパ-トナ-シップを強化する。

3-2-2      先端商品、中古商品で、新興国の富裕層に拡販する。

3-2-2-1           インド

3-2-2-1-1    ブランドショップ展開によりファンを作ると共に、量販店で拡販する。

3-2-2-1-2    重点品目に特化し、薄型テレビは徹底拡販、白物は高級商品に絞り込む。

3-2-2-2           ベトナム

3-2-2-2-1    ビエラのタ-ゲットは都市部富裕層、ルミックスのタ-ゲットは 都市部若者世代とする。

3-2-2-2-2    大型小売店20店の販促、ブランドショップ設立、メディア宣伝強化など、6大都市にフォ-カスする。

4. SANARI PATENT所見

  野村證券・東洋経済の会社四季報によれば松下電器は、総合電機首位。ただし、テレビはプラズマ主力で、シャ-プが「液晶テレビの世界大手、太陽電池も世界首位」と評価されている。

  韓国のメ―カ-を含めて、内外の電機メ―カ-との競争・分野画定・標準化(デファクト)・知財戦略等が展開されつつある。

  わが国自動車の原価構成で7割以上が電子機器に属するから、電機以外に画定されてきた分野に対する「分野別知財政策」(平成20年度内閣知財計画の中核)においても、松下電器のポリシ-は極めて注目される。

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2007年10月18日 (木)

KDDI Appeals Virtual World, Second Life, DVD Burning, au one: 内閣知財戦略本部「新たなサ-ビス展開に関する現状と課題」 (2007-10-11)の具体的サ-ビス例を提供

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

1.「新たなサ-ビス展開に関する現状と課題」

1-1 これは内閣知財戦略本部コンテンツ企画ワ-キンググル-プに同本部事務局が提出した資料(2007-10-11)の標題である。その内容は、「通信と放送に関する知財法制の在り方」という制度論から始まっている。

1-2 関係業界においても、「新たなサ-ビス展開」は多様である。

例えば、KDDIは、その広報誌「TIME & SPACE 2007-10/11」に、「セカンドライフ」(オンライン仮想世界)、「コグニティブ無線」、「au one」、「auデザイン」(INFOBAR2)、「DVD Burning」などを具体的に紹介・解説しているが、いずれも、サイバースペ-スと従来スペ-スの融合において展開しつつある「新たなサ-ビス」を、主としてそのユ-ザ-の利便の見地から明示しているので、消費者にとって魅力的であり、併載された同誌文化記事と相俟って、国際電信電話会社以来のKDDIの、グロ-バルな文化的基盤を改めて高評価させる内容である。

1-3 知財専門家としては、上記1-2の視点を踏まえつつ、上記1-2の具体的展開を考察すべきである。

2.セカンドライフ

2-1 KDDIは、「仮想世界の課題と可能性」という題のもとに、「これまでにないコミュニケ-ション体験をもたらすオンライン仮想世界」として、セカンドライフを解説している。SANARI PATENTのパソコンにもセカンドライフの美麗なアイコンが待ち受けていて、既に全世界で愛好者が著増している模様であるし、電脳雑誌などにもしばしばセカンドライフの記事がみられるが、KDDIの解説の特徴的事項を箇条書きにしてみる。

2-1-1 画面はコンピュ-タゲ-ム類似だが、特定の目的が設定されず、ユ-ザ-の行動の自由と可能性が本質である。

2-1-2 すなわち、「自由行動可能な3次元世界」、「ユ-ザ-発信型コンテンツ」、「現実世界同様の経済システム」が、セカンドライフの新しさである。

2-1-3 現実世界の再現以上に、名画や小説の中を歩くなどの想像世界を体感できる。

2-1-4 ユ-ザ-が創作した想定3次元世界での行動を体感できる。

2-1-5 ユ-ザ-発信型コンテンツで構築された世界である。

2-1-6 セカンドライフ上で創作した動産・不動産を、仮想通貨により商取引し、米ドル決済などにより、セカンドライフ経済と現実経済の双方向取引が可能である。

2-1-7 セカンドライフのコミュニケ-ション機能を利用して、社員や、社交不自由者の交流を、アバタ(SANARI PATENT翻訳では「分身」)操作を介して活発にできる。

2-1-8 非計画的な行動を衝動的に行うような「アナログ感覚」も発揮される。

2-1-9 多様な社会実験を行うことができる。

3.DVDバ-ニング(SANARI PATENT要約)

3-1 KDDIは、これまでにないスタイルの映像配信サ-ビス「DVDバ-ニング」(DVD Burning)を提供開始している。DVDバ-ニングは、映画・アニメ・ドラマ・音楽などの多彩なコンテンツを、ブロ-ドバンド回線により配信し、ユ-ザ-がPCによりDVDに焼き込んで視聴できるというサ-ビスである。(SANARI PATENT 注:「焼き込む」とは、録音録画の意と解する)

3-2 焼き込んだDVDは、PCだけでなく、テレビに接続したDVDプレヤ-・レコ-ダや車載DVDプレヤ-で視聴可能であり、視聴回数・期間の制限がない。(SANARI PATENT 注:複製も可能か、記述がない)

3-3 DVDのプレスや物通コストが節減できるから、市販DVDよりも低価格である。

3-4 廃盤になった作品の拭く復刻販売も容易であり、市販DVDよりも多様なコンテンツを流通できる。

3-5 世界で始めて、著作権保護技術であるPRM技術(SANARI PATENT 注:ヒュ-レットパッカ-ドが詳細に解説している)を利用している。

4.SANARI PATENT所見

4-1 セカンドライフからウェブサイトへリンクを張るなど、セカンドライフにおけるイベント映像のウェブ上視聴を活発化することにより、コンテンツ流通の新たな形態が発達する。

  従って、内閣知財戦略本部の「新たなサ-ビス展開に関する現状と課題」に指摘されている「著作権」、「著作権隣接権」、「送信可能化権」、「電気通信役務利用放送法」、「ネット検索サ-ビス」などに係る問題のほかに、技術的・法律的・経済的・倫理的な課題が続出すると予想される。例えば、セカンドライフで流通するリンデンドルと米ドルとの交換、ユ-ザ-によるコンテンツ改変コンテンツの流通、異文化国域への自由拡大、セカンドライフ間のコンテンツ流通など。

4-2  遺伝子組換えやキメラ動物・謎の生物の生成・育成によるヒト集団の構造変革をセカンドライフで現出する行動の倫理的評価も課題である。

4-3  DVD Burningについては、PRM技術を理解することが必要である。

2007年10月17日 (水)

Structure of Sanitary Napkin (Menstrual Napkin) Discussed at IP High Court: 花王と大王製紙の生理用ナプキン発明

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT 

   平成19年度内閣知財計画は、「知的財産権の安定性を高める」として、特許審査の質の向上を計画しているが、生理用ナプキンのようにグロ-バルに汎用性の快適選好商品においては、実用新案の表示が選択の一つの決め手となるから、その法的安定には関心が持たれる。以下、今次判決の背景から考察する。

1.        生理用ナプキンについての技術開発

  快適な生理用ナプキンの開発は、グロ-バルな恒常的課題であると共に、開発技術が新生児のほか、著増する認知症高齢者にも応用可能という商業性に富むことから、最近の特許公開事例も相次いでいる。例えば、(以下SANARI PATENT要約)

1-1        花王「吸収性物品」(特許公開日2007-9-20

サイド防漏部とウイング部(SANARI PATENT 注:吸収部)とが別材料で形成され、生理用ナプキンとして、肌触りが良好な吸収性物品を提供する。

1-2        花王「吸収性物品の装着補助具」(特許公開日2007-8-16

吸収性物品が装着者の排泄部等の所望の位置と密着するように、吸収性物品が装着者の肌に向かって凸となる形状を形成・維持する生理用ナプキンを提供する。

1-3        花王「吸収性物品」(特許公開日2007-8-9

長手方向に伸縮性を有し、着用者の肌にフィットして、着用者の動きに柔軟に追随してヨレない生理用ナプキンを提供する。

1-4        大王製紙「吸収性物品製造用エンボス付与ロ-ル」(特許公開日2007-7-12

エンボス(SANARI PATENT 注:紙面に加える凹凸の型押し加工)付与ロ-ルの共用化により、吸収性物品製造のコストを低減する。

2.        今次事件の経緯

2-1        大王製紙(訴訟代理人・永井義久弁理士ほか)が有する「生理用ナプキン」実用新案登録(1999-12-3)について、花王(訴訟代理人・竹田稔弁護士ほか)が無効審判請求したところ、特許庁は、結局、本件実用新案登録を無効とする旨の審決をした。

2-2        大王製紙は、この審決の取消を知財高裁に請求したが、知財高裁は、大王製紙の請求を棄却した(2007-10-9)

3.        争点と知財高裁の判断

3-1  審決は、「本件考案は、引用例に記載された考案に基づいて、当業者が極めて容易に考案することができたものであるから、旧実用新案法3条2項に違反し、37条1項1号により無効とすべきもの」とした。

3-1  大王製紙は、この審決が、「本件考案と引用例の一致点の認定を誤り」、「引用考案の認定を誤り」、「相当関係の認定を誤り」、「相違点の判断の誤り」によると主張した。

3-2  知財高裁は、「弾性要素と圧縮線長について、審決の一致点認定は誤りでない」、「隆起の形成について、審決の一致点認定は誤りでない」、「凸状突出部と隆起部との相当関係について、審決の相当関係認定は誤りでない」、「吸収材と吸収要素を別部材とすることは相違点に当たらないとする審決の判断は誤りでない」として、大王製紙の請求を棄却した(2007-10-9)

4.        内閣知財戦略本部に対する要望(以下はSANARI PATENTから同本部あてに発信済 2007-10-14)。

5.        「知的財産権の安定性を高める」ご計画につきまして、生理用ナプキンの実用新案登録無効審決取消請求を知財高裁が棄却(2007-10-9 判決)されました事件は、実用新案権表示を購入時の選択肢とする多数消費者の便益を配慮する参考事例と考えます。

    このような事例にもかんがみ、実用新案権・特許権を通じて、容易想到性等の判断基準を一層精細に定められますよう、要望申しあげます。特に、現行特許審査基準の「発明の定義において、高度の語は、主として実用新案法における考案と区別するためのものであって、発明に該当するか否かの判断においては、考慮する必要はない」という記述については、非自明性(進歩性)の程度との関係を明細に示されたく存じます。

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2007年10月16日 (火)

USPTO Publishes Examination Guidelines for Determining Obviousness in Light of the Supreme Court’s KSR v Teleflex Decision (2007-10-10):非自明性(進歩性)判断基準

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

 標記について、内閣知財戦略本部に下記のように送信した。

    記

非自明性(進歩性)判断の日米調和について  2007-10-15

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

日米特許審査ハイウエイ計画のご推進について、非自明性(進歩性)判断基準の日米調和が重要と存じますが、米国特許商標庁のガイドライン公表(2007-10-10)への対応について、要すれば、平成20年度内閣知財計画にお示いただきたく、同公表内容を要約してみましたので、送信申しあげます。

         記

1.米国特許商標庁の今次ガイドライン(Examination Guidelines for Determining Obviousness in Light of the Supreme Court’s KSR v Teleflex Decision )(2007-10-10公表:同日施行)の背景と経緯:

1-1  特許付与の要件として、非自明性(進歩性)については、日米欧共に、具体的適用の在り方が課題とされてきたが、要するに、非自明性(進歩性)該当の有無に関し、「どのような客観的判断基準(容易想到性など)を示し得るか」、および、「非自明性(進歩性)要件を厳格に(高度の非自明性・進歩性を有する発明にのみ特許を付与する)適用すべきか、緩和すべきか」の問題であって、かつ、この二つの設問は、有機的に関連している。

1-2  この問題に関する米国最高裁KSR事件判決(2007-4-30)(関連記事SANARI PATENT 2007-5-5)は、電子アクセル(ペダル)に関するTELEFLEX所有の特許が、自明性(非進歩性)の理由で無効とされたが、米国連邦巡回控訴裁判所がこれを覆し、自明性(非進歩性)の認定を否定して特許を有効としたことに関する。

1-3  KSRは、TELEFLEXから、特許権侵害をもって提訴されており、KSRは、米国最高裁に上告した。

1-4  米国最高裁は、「米国連邦巡回控訴裁判所の特許有効判決は、米国特許法103条、および、自明性に関する最高裁判例に反する」と判示した(1-2)

1-5  米国特許商標庁は、この最高裁判決について検討した結果、今次ガイドライン改訂に至った。

2.今次米国特許商標庁ガイドラインの要旨(SANARI PATENT要約):

2-1 米国特許商標庁は最高裁のKSR事件判決にかんがみ(in view of)、米国特許法に基づく非自明性(進歩性)判断のガイドラインを公表する。

  今次ガイドラインは、米国特許法に対する米国特許商標庁の現在の理解

(current understanding)に基づき、かつ、準拠すべき最高裁の判示(binding precedent of the Supreme Court)に完全に合致するものと確信される。

2-2  今次ガイドラインは、特許審査官の判断が、「従来技術の範囲と内容」、「請求項と従来技術との相違点」、「関係技術における当業者のレベル」、および、「非自明性(進歩性)に関する客観的立証」に基づくことは、今後も同じであると示している。

2-3  今次ガイドラインはまた、自明性(非進歩性)の理由で拒絶査定する場合には、その法的結論に至る理由付けを明示しなければならないことを示している。この理由付けには、「従来技術による教示、示唆、動機付けがあると審査官が判断する場合」には、自明性(非進歩性)が認められることも含んでいる。

2-4  しかしながら、今次ガイドラインは、最高裁のKSR事件判決に即して、「審査官が、適法な自明性(非進歩性)依拠拒絶判断(a proper obviousness rejection)を行うため、従来技術による教示、示唆、動機付の有無を調べることへの制約(requirement)はないと説明している。

2-5  さらに今次ガイドラインは、従来技術による教示、示唆、動機付の有無調べができない場合でも、自明性(非進歩性)の判断はなし得る、と指摘している。

2-6  今次ガイドラインは、審査官が相応な事実と理由によって自明性(標記進歩性)依拠拒絶を行うことに資する(help)ため、最高裁のKSR事件判決の示唆に即して、拒絶理由例を具体的に示した(SANARI PATENT 注:この例示が、今次ガイドラインの米国官報10ペ-ジの記載の約5分の1を占めている)

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2007年10月15日 (月)

Innovating Contents Power: By Fusion of Telecommunication and Broadcasting::内閣コンテンツ企画WG::小学館・久保雅一氏の委員発言

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

1.        内閣知財戦略本部「コンテンツ企画ワ-キンググル-プ」(以下「コンテンツ企画WG」の始動

1-1  コンテンツ企画WGの第1回会議(2007-10-11)においては、「新たなサ-ビス展開に関する現状と課題」が検討されたが、次の項目で構成している。

1-1-1        通信と放送に関する知財法制の在り方

1-1-2        新サ-ビスの展開

1-1-3        現行の著作権法制度

1-1-4        今後の検討の視点

1-2               SANARI PATENTの所見として、1-1-4に掲げる視点を先ず、コンテンツ企画WGの課題として掲げることが適切である。すなわち、

1-2-1        通信と放送の垣根を越えたサ-ビスの展開が本格化する中、著作権法について、放送と通信の区分に基づいて権利関係を規定するのではなく、利用者が享受するサ-ビスの形態や特質に応じて、検討関係を規定する方向で見直すべきではないか。

1-2-2        その際、例えば、ストリ-ミング型サ-ビスとダウンロ-ド型サ-ビスによる区分も考慮すべきではないか、

1-2-3        また、サ-ビス提供事業者の公共性の視点についても検討すべきではないか。

2.        上記1-1の会議で、久保雅一委員(小学館キャラクタ-事業センタ-長・東京アニメセンタ-長)は次のように述べている。(SANARI PATENT要約)

2-1  日本のコンテンツ輸出を阻む多様な要因を迅速に解消しないと、世界は日本を追い越してゆく。

2-2  著作権法は、「文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作権者等の権利の保護を図り、もって文化の発展に寄与すること」を目的としている。この究極目的を周知させるべきである。

2-3  YouTubeのような新しいネットビジネスを、法律的にゲレ-だからという理由で否定し続けることは不可能である。近い将来、国民的合意のもとで、法改正に至ると信ずる。その時のために今一度、法の原点を国民に周知させる必要がある。

2-4  米国の放送局にテレビ番組を販売しようとすると、放送権の付帯を必ず求める。人気コンテンツは、Web上で1シ-ズン分まとめて販売され、コンテンツホルダ-の重要な放送外収入になっている。要するに米国のテレビ局は、送信可能化権のないコンテンツには見向きもしなくなっている。

2-5  一方日本では、著作権者、著作隣接権者間の調整が不十分なため、テレビ放送がネット世界に流れてゆかない状況が続いている。コンテンツの海外販売を促進するためには、国内における権利調整が急務である。(SANARI PATENT 注:調整対象に関する権利の所管官庁が、電気通信・著作権・産業財産権別に、総務省・文化庁・経済産業省に分属し、協議の速度が「急務」の速度に追随できない)

2-6  コンテンツ製作者の意識において、国際市場への配慮が欠けている。韓国の方が、「海外でリク-プ(SANARI PATENT 注:投下資金回収)する必要性」の意識に富んでいる。

3.        SANARI PATENT所見

3-1  久保雅一委員(小学館・東京アニメセンタ-)のほか、委員ごとに多様な見解が述べられている。(別途考察)

3-2  通信と放送の融合による著作権・著作権隣接権の2次利用が、新しいサ-ビスとして展開する。

3-3  IPマルチキャスト(自動公衆通信)が活発化する。

3-4  ケ―タイ向けマルチメディア放送が進展する。

3-5  インタ-ネットラジオが発達する。

3-6  現行著作権法では、放送は「著作権」、通信は「送信可能化権」に画定されているが、放送と通信の融合に即応できない。

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2007年10月14日 (日)

Developing Technical Standarfds Through Collaboration With Asian Countries: 総務省がアジア・太平洋電気通信標準化機関の国際標準化対処について公表(2007-10-9)

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com

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   平成19年度内閣知財計画は、「アジア等の諸外国との国際標準化に関する連携を強化する」として、次のように計画している。

  「アジア・太平洋地域における国際標準化活動の水準引き上げ、人的ネットワ-ク強化、国際標準案の共同提案等を柱とする「アジア・太平洋標準化イニシアティブ」を2007年度中に策定し、その推進に取組むなど、国際標準化活動におけるアジア・太平洋地域との連携を強化する。」

  国際的に技術標準化が不可欠とされるのは国際電気通信の分野であって、その相互接続性の確保が国際社会の優先インフラであることについては、グロ-バルに疑念がない。

  国際電気通信の標準化は総務省の所管に属し、ITU(international Tele-communication Union)の事務総長に同省出身者が選出されるなど、国際活動を活発に展開してきた。

1.        来年10月開催の世界電気通信標準化総会への準備

1-1        総務省の公表(2007-10-9)要旨(SANARI PATENT要約)

1-1-1      来年10月の世界電気通信連合総会に向けて、アジア・太平洋電気通信標準化機関としての準備その他の事項について、総会が開催された(2007-10-5)

1-1-2      今次総会では、次の審議結果が得られた。

1-1-2-1           アジア・太平洋地域における標準化格差の是正に向けた行動計画として、途上国と共に具体的問題点を抽出・分析し、その解決方策を検討すること、アジア・太平洋諸国が共有する問題意識を国際電気通信連合(ITU)の場に提案することを合意した。

1-1-2-2           産業界からの参加の促進を含むアジア・太平洋電気通信戦略計画案(20092011)を作成した。

1-1-2-3           スマトラ地震を契機として、わが国の提案により「災害管理無線通信システム」についてアジア・太平洋電気通信標準化機関案を採択した。

1-1-2-4           わが国の提案により、音声翻訳システムの標準化に関する検討を進めることとなった。

1-1-2-5           サイバ-攻撃に対する情報共有システムを構築する上で必要な標準化事項を検討することを合意した。

2.        SANARI PATENT所見

2-1        アジア・太平洋電気通信標準化機関は、10年前(1997-11)に設立されたが、現在加盟数は、34国・4地域、103企業・団体で、議長はオ-ストラリア、副議長2名のうち1名が日本(総務省)である。

欧州でETSI(欧州電気通信標準化機構)が20年ほど前に発足したのと比べると、発足は遅いが、「後発者の利益」を享受できる面(例えば、無通信回線地域に光ファイバの敷設など)も多いと考えたい。

2-2        ネットワ-クグル-プ、ワイアレスグル-プ、情報通信アプリケ-ショングル-プの3グル-プを置いているが、ワイアレスグル-プの議長は日立製作所の小山氏で、富士通の小森氏や三菱電機の大場氏が同グル-プに所属している。

2-3        日本ITU協会が毎月定例会合で電気通信国際標準化の動向を検討しており、聴講と質疑を一般にも開放していることは、国際電気通信連合(ITU)においても高く評価している。

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2007年10月13日 (土)

Chemical Reactions on Solid Surfaces: Gerhard Ertl, Emeritus Professor at the Max Plank Society in Berlin, Wins Nobel in Chemistry: 固体表面化学反応ノ-ベル化学賞とイノベ-ション

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com

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1.        固体表面化学反応活用によるイノベ-ション

1-1  固体表面化学反応は触媒作用として活用されるが、触媒が物質反応・生理反応を促進(場合により抑制)することにより、新たな物質の開発や医療に極めて重要な機能を果たしてきたことは学校教育においても周知されている。

1-2  しかし、触媒の定義は、「化学反応方程式の両辺の物質と、構成分子の授受なくして、反応を促進または抑制する物質である」という定義から、「反応の過程においては、両辺の物質と構成分子の授受が生起するが、反応の完了時点においては、構成分子の授受が原状に復帰して、構成分子の変化がない物質である」という定義に発展していた。

1-3  このような触媒機能の機序については、固体表面化学反応の解明に俟つことが必要であり、触媒機能という一つの分野においても、そのイノベ-ティブな開発は、固体表面化学反応研究の深耕に依存してきたし、今後も同様であると解する。

1-4  E.Prof. Gerhard Ertlの固体表面化学反応研究の成果は、「燃料電池や窒素リッチな新化学肥料の製造、自動車の排気処理、超薄層半導体(ultra-thin layers of semiconductors)の開発、塩素の触媒機能(オゾン層破壊)解明など広汎な分野(across a broad array of fields)に役立ってきた」と評価され、さらに今後のイノベ-ションに貢献する(will help us tap new sources of renewable fuels for instance, and produce smaller, more powerful electronics products)と期待されている。(SANARI PATENT 注:上記括弧内はThe New-York Times 2007-10-10)

2.        最近における固体表面化学反応関係の特許公開事例(SANARI PATENT要約)(旭化成と東レの事例)

固体表面化学反応の一つの分野である固定触媒の機能について、燃料電池に限定して、特許公開事例を見る。(SANARI PATENT要約)

2-1        旭化成「燃料電池電極用触媒」(特許公開日2007-7-12

白金を使用せず、埋蔵資源量の制約を受けることなく、かつ、燃料電池用触媒として優れた性能を有する固体高分子型燃料電池用電極触媒を提供する。.

2-2        旭化成「燃料電池用触媒およびその製造方法」(特許公開日2007-7-5

材料が安価で、製造工程が複雑化せず、低コストである固体高分子型燃料電池用カソ-ド触媒を提供する。 

2-3        旭化成「燃料電池用電極触媒」(特許公開日20076-12-7

  燃料電池用電極触媒として、新規の非金属化合物を提供するため、炭素・窒素・硼素から構成されるB-C-Nヘテロダイアモンドを主触媒として含有することを特徴とする燃料電池用電極触媒を提供する。

2-4        東レ「燃料電池用触媒、燃料電池用電極、膜電極複合体および触媒」(特許公開日2007-8-2

燃料電池用触媒における、これまでにない高活性なカソ-ド触媒を提供するため、白金を含んだ燃料電池用触媒であって、0.5Mの硫酸水溶液中でのサイクリックボルタンメトリ-を行い、水素原子吸着波から求めた白金表面積が所定値内の触媒を提供する。

2-5        東レ「膜電極複合体ならびにそれの製造方法および高分子電解質型燃料電池ならびにそれらの製造方法」(特許公開日2007-6-7

高性能を長期に維持できる膜電極複合体およびそれを用いた固体高分子型燃料電池を提供するため、アノ-ド電極触媒層、電解質膜、カソ-ド電極触媒層の順に配され、このアノ-ド電極触媒層と電解質膜との間、およびカソ-ド電極触媒層と電解質膜との間に、イオン性基を有する炭化水素系高分子膜をそれぞれ有する膜電極複合体であって、このイオン性基を有する炭化水素系高分子膜の少なくとも一方の面積が、それと隣接するアノ-ド電極触媒層あるいはカソ-ド電極触媒層の面積より大きい膜電極複合体、また、この膜電極複合体を用いて構成された高分子電解質型燃料電池を提供する。

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2007年10月12日 (金)

The Society for Information Display Reports Sony World’s First OELD TVs:本年12月1日、ソニ-が有機ELTV発売にグロ-バルな注目

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

1.        ディスプレイのイノベ-ション

1-1  液晶・プラズマの各特徴が発揮されつつあるが、有機ELDのテレビ実用化がグロ-バルな関心を集めている。

1-2  その一例として、SID(The Society for Information Display)は、有機ELDテレビの世界最初の発売として、次のように報じている。(SANARI PATENT要約)

1-2-1      久しく待望されてきた世界最初の有機ELDを、ソニ-が、本年12月1日に発売する。ソニ-は、この新テレビを「XEL-1」と命名した。

1-2-2      Public Manager for TV for Sony Electronics Mr. Greg Belloni によれば、この12月には日本のみで発売され、他国での発売は、未だアナウンスされていない。(SANARI PATENT 注:歴史的に、東芝がノ-トパソコンを米国市場先行で新発売したのと逆である)

1-2-3      有機ELDテレビ27.3インチ型の実験モデル(prototype)をソニ-は、カルフォルニア・ロングビ-チで去る5月に開催されたSID2007年ディスプレイ週間に展示したが、XEL-1は21インチ(対角)で、価格は1700米ドル程度、当初生産は月産2000セットとそれぞれ予想される。

1-2-4      ソニ-によれば、XEL-1の発売はソニ-の有機ELDビジネスの第1段階である。ソニ-は、その拡販の長期にわたる過程で有機ELDテレビの一層の革新を続けると共に、有機ELD関連産業全体を先導し、有機ELD市場全体の拡大を実現してゆく、と述べている。(SANARI PATENT 注:SIDが今月11-12日に開催のSID Vehicles and Photons 2007, Dearborn Michiganにおいても、ソニ-の関連発表がなされると考える。)

2.有機EL関連の最近の特許公開事例(東芝、松下、ソニ-の例)(SANARI PATENT要約)

2-1 東芝松下ディスプレイテクノロジ-「発光装置」(特許公開日2007-10-4

   光の取り出し効率を向上させるため、基板、前面電極、背面電極、発光層を含む有機EL素子、回折格子を具備することを特徴とする発光装置を提供する。

2-2 東芝松下ディスプレイテクノロジ-「アクティブマトリックス型表示装置」(特許公開日2007-9-27

   信号駆動回路の大型化を要せず、画素回路内の薄膜トランジスタの特性を維持しつつ、低諧調の表示ムラを抑制できる表示装置を提供する。

2-3 東芝松下ディスプレイテクノロジ-「表示装置、アレイ基板、および表示装置の駆動方法」(特許公開日2007-9-13

   画素に映像信号として電流信号を供給する表示装置において、低諧調画像を表示した場合における表示ムラの発生を解決する。

2-4 東芝松下ディスプレイテクノロジ-「有機EL表示装置および座標入力方法」(特許公開日2007-9-6

   コンパクトかつ安価に、画像表示と画像取り込みできる平面表示装置を提供する。解決手段として、表示領域にイメ-ジスキャンする対象物を密接配置し、表示画素のEL素子が発光し、発光した光は対象物に照射される。対象物で反射する光の強度は、画像により変調されてホトセンサ画素に到達する。

2-5 ハリソン東芝ライティング「有機EL発光装置」(特許公開日2007-8-30

   素子基板の1主面上に配設した有機EL素子を封止基板により気密封止し、この有機EL素子の電極端子を素子基板に貫通させて、その他主体面に安定して取り出す装置を提供する。

2-6 ソニ-「ディスプレイ装置」(特許公開日2007-10-4

   ディスプレイ装置に関し、例えば、有機EL表示装置等の電流駆動による自発光のディスプレイ装置に適用して、各画素における輝度レベルのバラツキを防止するため、信号レベル保持用コンデンサの一端に接続されるダブルゲ-トトランジスタの直上に、発光素子の駆動側端しより低電圧の配線層を設ける。

2-7 ソニ-「表示装置の製造方法」(特許公開日2007-9-20

   製造設備を大型化することなく、薄い保護膜を介して封止を貼り合わせる構成であっても、ダ-クスッポトの発生を防止でき、トップエミッション型に適する有機ELディスプレイを、低コストで歩留まり良好に得ることが可能な製造方法を提供する。

3.SANARI PATENT所見

3-1 SIDは、ディスプレイに関する研究・設計・デザイン・製造・応用・販売の全ての面にわたって、6000名余の専門家をメンバ-とする国際機構であり、その年次および随時会合を通じて、有機ELDの発達によるイノベ-ションが、グロ-バルに展開することが期待される。

3-2 有機ELDの「薄型」の活用局面が、多様に紹介されることが望まれる。

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2007年10月11日 (木)

Culture Policy Council (Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology) Deliberating Innovated Copyrights Act:コンテンツ政策の選択肢

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

   デジタルコンテンツの活用・流通の革新と高度化が起動して、著作権論議の早期決着が不可避となっている。文化審議会の担当小委員会段階の動きも活発だが、平成20年度内閣知財計画の策定までに、相当程度の結論が期待される。

 

1.「コンテンツ」と「著作物」とは、実質的に同義語化:

1-1 コンテンツ振興法や内閣知財計画の「コンテンツ」は、デジタル・アナログ・ライブの区別なく、「思想・感情の創作的表現」であるから、著作権法の「著作物」と実質的に同義語と解することが政策立案に適合する。従ってここでは、「コンテンツ・著作物」という「中ポツ併記」の用語を試用する。

1-2 「コンテンツ・著作物」の法的基盤は、サイバースペ-スの急速な開発と活用の発達によって、質的・量的に著しい変革を遂げつつある。かってVirtual Realityが「仮想現実」と直訳されたが、e-CommerceNet-Bank & SecuritiesNet-AuctionSecond-Life Transactionなど、著作物の売買や享楽を含めて、現実に金銭授受の権利義務を発生するから、「仮想現実」を「在来現実」と区別する理由は、先ず法的に消滅している。

2.文化審議会の9月活動状況:

2-1 文化審議会・著作権分科会のデジタル対応ワ-キングチ-ムは、9月5日に、「検索エンジンに係る法制度上の課題」について検討した。

2-2 同じく私的録音録画小委員会は、9月5日に、「新たな私的録音録画補償金制度が仮に必要であるとした場合の、制度の在り方」を検討した(SANARI PATENT 注:録音録画専用機器の時代から、新しい複合機の時代に進んでいることが、問題の背景である)

2-2-1 対象機器の範囲: 機器の機能が変革していることに対処する。

2-2-2 対象記録媒体の範囲: 新しい記録媒体を含めて、録音録画用とその他の用途用に仕分けできるかなどを検討する。

2-2-3 基本的な考え方: 次の2つの考え方がある。

2-2-3-1 分離型専用機器は減少傾向にあるが、他用途と共に録音録画機能を有する機器が増加しており、補償金額に差を設けても、対象には加えるべきである(SANARI PATENT 注:補償金は包括的制度であるという考え方)

2-2-3-2 多用途機器にも補償金制度を適用すると、録音録画しない者からも補償金を徴収することになり、制度の問題点を拡大するから不適切という考え方。

2-2-4 現行制度の問題点: 技術を指定する現行制度は、指定に時日を要し、権利者の補償に欠か、また、消費者が理解し難い。さらに、録音録画機能を有する機器が多様化した。

2-2-5 現行制度見直しの基本的方向性(SANARI PATENT 注:「おおむね了承された」としているが、2-2-5-3以下は、「おおむね」まで到達していないのではないか)

2-2-5-1 補償金制度の対象とする技術・用途など一般的な基準を法令で定めるが、具体的な対象は、公的な評価機関の審議を経て文化庁が定める(SANARI PATENT 注:複数機能機器の多様性と、決定の透明性の両方に対処する案)

2-2-5-2 評価機関は、著作権利者、製造業者、消費者、学識経験者で構成する。

2-2-5-3 わが国の現行制度は、補償金の支払義務者を利用者とし、機器製造業者をその協力者としているが、わが国以外の国は、機器等の製造業者を支払義務者としている。販売利益者か、録音録画受益者かの問題である(SANARI PATENT 注:未決着)

2-2-6 私的「録音」補償金管理協会と私的「録画」補償金管理協会の現行2本立ての一本化については、異論がない(SANARI PATENT 注:当然のことで、今まで見直さなっかったことが不当であるが、抜本的に検討すべきである)

2-3 私的録音録画小委員会は、さらに9月13日および26日に、論点整理の会議を開催しているから、一応の結論は近く導出されると期待する。

2-4 著作権分科会の「過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会」は、9月27日に「主な議論のポイント」について、前回に引続き検討した。

2-4-1 ポイント(例示)

2-4-1-1 「パブリックドメイン化」と「保護期間延長」と、いずれが「情報の豊富化・文化の発展」に役立つか。

2-4-1-2 他国と平準化する必要性があるか。保護期間が国ごとに異なることによる弊害は何か。

2-4-1-3 著作者の死後の作品の著作権延長インセンティブが増すのか。

2-4-2 検討の内容は多岐にわたっているが、例えば、慶応大学准教授・金 正勲委員は次のように述べている(SANARI PATENT要約)。

2-4-2-1 保護期間延長によって発生し得る障害、例えば、著作権関連情報へのアクセス、その検索費用、契約費用、その後のモニタリング費用というような取引費用が増嵩する。ポ-タルサイトや裁定制度の改善で対処するというのであれば、先ずそれらの構築・改善を実現すべきである(SANARI PATENT 注:裁定制度の改善が従来から議論されながら実効性を挙げていないとの見地からの発言で、順序論は正当と考える)

2-4-2-2 「裁定制度については、文化庁にアイディアを求める」ということで、この回は終わっている。

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2007年10月10日 (水)

Patentability of Digital Contents Broadcasting Process:「デジタルコンテンツの配信方法、配信装置、再生装置、コンピュ-タプログラム」知財高裁判決

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

  デジタルコンテンツ配信方法の特許要件に関する知財高裁判決(2007-9-27)について、争点のうち、明細書における「発明特定事項実現のための明確・十分な記載」要件に関する知財高裁の判断を考察する。

1.        事案の概要(SANARI PATENT要約)

1-1  スタ-コラボレ-ション(今次訴訟代理人・鈴木正剛弁理士ほか)は、「デジタルコンテンツの配信方法、配信装置、再生装置、コンピュ-タプログラム」発明について特許出願し(2001-8-6)、拒絶査定を受けたので(2003-11-25)、不服審判請求したが(2004-2-3)、審決請求不成立の審決がなされたので(2006-10-2)、この審決の取消を知財高裁に請求した。

1-2  知財高裁は、スタ-コラボレ-ションの請求を棄却した(2007-9-27)

2.        本願発明の要旨(SANARI PATENT要約)

2-1        次の受信装置と配信装置で行う「放送によるデジタルコンテンツの配信方法」である。

2-1-1      受信装置:「デジタルコンテンツの再生機能」と、「制御プログラムの実行環境を形成する機能」とを備える。

2-1-2      配信装置:「受信装置においてデジタルコンテンツが再生可能になる複数の時間帯」を定めたタイムテ-ブルに従って、コンテンツ配信を行う機能を備える。

2-2  配信装置は、次の段階を有する。

2-2-1      タイムテ-ブルにおける一つの時間帯で再生可能な複数種類のデジタルコンテンツを、順序性・地域性・天候の各ル―ル、あるいはこれらの組合せを適用した、コンテンツ提供者が望む再生内容を表す再生ル―ルに従って、関連づけて編集すると共に、編集された複数種類のデジタルコンテンツと、受信装置に編集された複数種類のデジタルコンテンツのいずれかを再生ル―ルに基づいて選択させ、選択されたデジタルコンテンツを再生させるための制御プログラムを、一つの時間帯に一斉に放送することによりコンテンツ配信を行う段階

2-2-2      放送された一つの時間帯で、複数種類のデジタルコンテンツと、制御プログラムを受信した受信装置が、上記実行環境を形成して制御プログラムを実行することにより、再生ル―ルに従って複数種類のデジタルコンテンツのいずれかを選択し、選択したデジタルコンテンツを当該時間帯で再生する段階

3.        明細書における「発明特定事項実現のための明確・十分な記載」要件に関する審決の理由の要旨(SANARI PATENT要約)

3-1  発明の詳細な説明には、請求項に記載された発明特定事項を実現するために、制御プログラムの送信、受信、実行環境形成と実行、および、複数種類のデジタルコンテンツの送信・受信・選択・再生をどのように行っているかが、明確・十分に記載されていなければならない。

3-2  本願明細書には、主制御部に展開されたプログラムがどのタイミングで起動されるのか、具体的に特定されていない。

3-3  しかし、ある時間帯において、複数種類のデジタルコンテンツと、制御プログラムが多重化された信号を受信すると、受信装置は、これを分離し、分離した制御プログラムを、主制御部に展開することにより実行環境を形成するが、その形成機関中も、複数種類のデジタルコンテンツが選択可能な状態で分離され、入力されているが、実行環境の検討異性が完了するまでは、複数種類のデジタルコンテンツを選択することは不可能であるから、どのデジタルコンテンツを再生の対象とするのかを、受信装置がどのように制御しているのか、不明である。

3-4  よって、発明の詳細な説明には、制御プログラムの送信、受信、実行環境形成・実行、複数種類のデジタルコンテンツの送信・受信選択・再生をどのように行っているかについて、明確・十分に記載されておらず、拒絶査定に理由がある。

4.        スタ-コラボレ-ションの上記3に対する反論(SANARI PATENT要約):

4-1  審決は、発明特定事項の把握を誤ったため、明細書の記載について判断を誤った。

4-2  すなわち、本願発明の課題は、例えば広告コンテンツの場合に、広告主が描いたスト-リ-通りの順にユ-ザ-が広告コンテンツを視聴すること(例えば、ユ-ザ-に商品名を覚えてもらうため、知名度向上用コンテンツ、商品内容の理解度向上用コンテンツ、販促のための需要喚起用コンテンツを、この順に1度ずつ視聴してもらうこと)が望ましいというような様々な事情に応ずるものである。

4-3  特許庁は、本願発明の課題・解決手段を正解しないため、判断を誤った。

5.        上記に関する知財高裁の判断(SANARI PATENT要約):

5-1        スタ-コラボレ-ションは、審決が、「デジタルコンテンツを、コンテンツ提供者が望む再生内容を表す再生ル―ルに従って、関連づけて編集する」というような、本願発明を把握する上で重要な規定を除外して把握し、認定を誤ったと主張する。

5-2        しかしながら、1個の発明は、通常、まとまりのある複数の部分に区分することができ、区分されたそれぞれのまとまりのある部分を構成する各構成要件が、それぞれの部分を特定する発明特定事項となるのである。

5-3        そのようにして特定された各部分は、必ずしも、出願人が重要と考える構成要件を含むとは限らないが、一つでも実施可能でない部分があれば、その発明は全体として実施可能でない。

5-4        審決が特定した発明特定事項は、「複数種類のデジタルコンテンツと制御プログラムを、一つの時間帯に一斉に配信すること」、「制御プログラムの実行環境を形成して実行することにより、複数種類のデジタルコンテンツのいずれかを選択して再生すること」というものであるが、これが実行可能でなければ、本願発明全体が実施可能でないことは明らかである。

6.        SANARI PATENT所見

デジタルコンテンツの流通が多様化・高度化する趨勢において、スタ-コラボレ-ションの着想は情報通信イノベ-ションの促進に資すると考えるが、発明の構成要素の全てについて、実施可能性を立証することが必要であるとする知財高裁の判断に対し、対応することが必要である。

2007年10月 9日 (火)

Policy for Recruit Law Attorneys : 日弁連会費月額1万4千円を新人弁護士は7千円に:日弁連決定の朝日新聞解説(2007-10-5):内閣知財戦略本部は知財弁護士増員

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

1.        朝日新聞の解説(SANARI PATENT要約)

1-1  弁護士試験に合格して司法修習を完了しても、日弁連に弁護士登録しなければ、弁護士としての活動はできない。登録後に納めるべき会費について日弁連理事会は、月額1万4千円を新人弁護士に限って半額の7千円にすることを決めた。

1-2  全国の登録弁護士数は、現在2万4千人であるが、司法試験の合格者は今後も増加し、「新人の労働条件が悪くなったりする」と見られている。

1-3  日弁連の加毛修副会長は、「経済状態が厳しい若手の弁護士が出てくることも考えられ、少しでも負担を軽くできれば」と話している。

2.        内閣知財戦略本部の弁護士大幅増員計画

2-1        平成19年度内閣知財計画は、弁護士について次のように計画している。

2-1-1        法曹人口の大幅な増加が図られている中で、2007年度も引き続き、知財に強い弁護士を増加させる。

2-1-2        知財法を含む選択科目別の司法試験合格者数を調査するなど、知財に強い法曹人材の養成が適切に行われているか検証する。

2-1-3        知財に関する研修への参加や受講等、弁護士の自己研鑽により、知財に強い弁護士が増加することを期待する。

2-1-4        弁護士が企業内で知財業務に直接携わることができるよう意識の改革や環境の整備を促す。

3.        知財戦略における弁護士依存領域の拡大

  産業の国際競争力を強化し、また、デファクト国際標準化を推進するためにも、特許権・商標権等の訴訟力完備が、それら知的財産の創造段階から意図され、保護・活用の各段階において訴訟力を防衛的・攻撃的に発揮できることが必要である。ライセンス契約の多様化、知財提携のための企業法的活動の活発化がこれを加重する。

  国策として、知的財産の範囲をコンテンツ全般に拡大し、ブランド政策をグロ-バルに展開する計画であるから、著作権その他のデジタル・アナログ・ライブ各態様における法的紛争の未然防止と発生時の即応が不可欠であり、訴訟力の具備が知財政策の基本となるから、弁護士依存領域は内外にわたり急速に拡大する。

4.        米国弁護士数との比較

内閣知財戦略本部の人材政策は、「知的財産人材育成総合戦略」(2006-1-30)に詳述されているが、弁護士については次のように述べている。(SANARI PATENT要約)

4-1  弁護士については、米国の弁護士登録者数が約100万人であるのに対し、日本の弁護士数は約2万人である(SANARI PATENT 注:米国の50分の1。米国では弁護士が各州に散在している。わが国では中央に集中して一部に弁護士過剰感を生み、地方では単独訴訟代理権を得た認定司法書士が、ある程度、弁護士不足を補っている)

4-2  わが国では、法律・知的財産権・技術に精通した弁護士が決定的に不足している。

5.        SANARI PATENT所見

5-1  日弁連は、最近、著作権制度の在り方や、知的財産権侵害に対する懲役刑法定の在り方について、時には内閣知財戦略本部の大勢を抑制する趣旨をも含みつつ、適時、見解を公表されてきたことに深く敬意を表したい。

5-2 今次、新人弁護士に対する月会費7千円に軽減の措置については、内閣知財戦略本部始め、大方の謝意が寄せられることと予想する。

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2007年10月 8日 (月)

Tokyo Metro Disputes Trade Mark TOKYO METRO:「東京メトロ」商標権の取消審決を知財高裁が取消(商標権者はX氏:2007-9-27判決)

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

1.        被告・東京地下鉄株式会社が敗訴の今次判決

1-1  知財高裁が「東京メトロ」の現商標権者であると認めた原告を、知財高裁判決文は「X」と表示しているが、特許庁の公示には、「登録4609287:東京メトロ:2002-1-18出願:2002-10-4登録(指定商品「新聞、雑誌」:権利者・前川恵司(

渋谷区

)」と明示されている(2007-10-7現在)から、ここでは「前川氏」と呼ぶ。

1-2  一方、東京地下鉄は、「東京メトロ」の商標出願を「電子出版物」「印刷物」を指定商品・指定役務として、2004-2-4に行ったことが、特許庁により公示されている(2007-10-7現在)

1-3 前川氏の登録商標、東京地下鉄の出願商標のいずれも、東京メトロの標準文字商標である。

2.        前川氏の知財高裁出訴(2007-1-11)に至る経緯と今次判決

2-1 前川氏の「東京メトロ」商標権登録を取消した審決の理由は、「東京メトロ予告登録前3年以内に日本国内において、指定商品について東京メトロの商標を使用したといえないこと」である。

2-2 前川氏は、無料紙であっても「商品」には該当し、ロンドンの「メトロ」  紙にならって(新聞社定年退職までの経験を活かし)、発行したので、審決は不当と主張した。

2-3 東京地下鉄は、無料紙面は「新聞」と認められないと主張した。

2-4 知財高裁判決(2007-9-27)は、前川氏の請求を認容し、審決を取消した。

3.        知財高裁の判断

3-1  前川氏は、2005-4-25創刊とした「とうきょうメトロ」8000部を2005-4-29から同5月にかけて無料配布したことが認められる。

3-2  「くらしの友」社が同紙を利用している。(SANARI PATENT 注:判決には全く述べられていないが、くらしの友社は、割賦販売法基づく経済産業大臣の特定前払割賦販売許可事業体で、冠婚葬祭互助事業を約40年営んできた。関東経済産業局管内で最優良として最優先に許可され、会員数も拾数万と想定されるから、読者にとっては無料ながら、くらしの友社にとっては有償に値する 「とうきょうメトロ」であったと推測する。)

3-3  商標法には、「商品」を定義した規定はないが、商標法は商標による出所表示機能を保護するものであり、商標法上の「商品」といえるためには、商取引の対象せあって、出所表示機能を保護する必要のあるものでなければならない。

3-4  しかし、商取引は売買に限られず、対価と引き換えに取引されなければ商標法上の商品ではないということはできない。取引を全体として観察し、商品を対象とした取引が商取引といえるものであれば足りる。

3-5  無料紙の読者は、広告と記事の双方に注目し、記事の価値が広告媒体としての価値をも左右するから、無料紙についても、出所表示機能の保護を否定できない。

3-6  審決は、前川氏の無料紙が「他人の広告を掲載し、頒布するために用いられる印刷物に過ぎない」というが、前川氏の新聞は「社会の出来事の報道・解説・論評」が主要部分で、これを誘引力として広告が掲載されているから、単なる印刷物ではなく、新聞の一種である。

3-7  従って、前川氏の新聞を商標法上の商品ではないとして、「指定商品についての使用がない」とした審決の判断は誤りである。

4.        SANARI PATENT所見

  平成19年度内閣知財計画には、「知的財産権の安定性を高める」という項目があり、「商品・役務の類否判断に関する審査基準の見直し」を計画しているが、今次判決のように「一日の乗降客・延べ600万人に達する東京メトロ(東京地下鉄の回数券等に全て記載)」の表示不安定が危惧される場合への対応を、平成20年度内閣知財計画に明示されるよう要望する。(東京地下鉄構内の各種営業への開放利用が計画されていることにもかんがみて)。

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2007年10月 7日 (日)

SHIBAURA Institute of Technology Celebrates the 80th Anniversary of its Founding:Holds Asia Area Forum 2007 TOKYO:豊洲の新築キャンバスにて

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

1.        芝浦工大創立80周年

1-1  本年11月に芝浦工大は、創立80周年を迎えるが、その記念事業として既に、豊洲キャンバスを竣工した。同窓生約12万人。うち東京総支部に約4万人(現総支部長は昭和38年電子卒のキャノン電子・酒巻久社長(前キャノン常務)。

1-2  昨日(2007-10-6)は、豊洲とクアラルンプ-ルおよびバンコクをテレビ会議システムで結び、国際連携・国際協調についての地域フォ-ラムを開催した。タイとマレ-シアは、芝浦工大が特に技術者教育面で協力してきた国である。両国は更にその諸大学に、アジア始め世界各地から学生・研修生を迎えているので、両国に対する芝浦工大の協力は、その効果と影響力が広汎に波及する。

2.キャノン電子・酒巻久社長の講演

  校友会東京総支部長として同社長は、1-2のフォ-ラムに先立って、「環境保全と経営」と題し講演した。事例としてキャノン電子の秩父工場における電力・水等の使用合理化の顕著な効果が計数的に示された。

3.イノベ-ション直結の産学連携を提案

   芝浦工大が提案している事例として:

3-1 機械系では、大ひずみ加工を利用した高機能材料製造(高強度材料を用いた構造用部品、マイクロマシン)、固体酸化物形燃料電池の分散電源としての実用に向けた要素技術(バイオます、熱交換)

3-2 金属材料系では、無重力実験、新物質創製

3-3 無機化学系では、酸化物セラミックスの合成、酸化物無機蛍光体

3-4 有機化学系では、バイオセンサ、環境ホルモン検出センサ

3-5 ソフトウェア系では、情報ポ-タルサイト

3-6 ハ-ドウェア系では、圧電アクチュエ-タ、超音波計測

3-7 マルチメディア系では、色と形状情報に基づく対象の検出・追跡

3-8 ネットワ-ク系では、複合情報システム、など

4.最近における芝浦工大の特許公開事例(SANARI PATENT要約)

4-1 パルスドプラ計測装置、その方法およびプログラム(特許公開日2007-8-30

      対象物の速度を、超音波パルスの反射波の位相差により計測する際に、位相差における位相の折り返しによる誤計測を防止することを可能にしたパルスドプラ計測装置を提供する。

4-2 光ファイバのブリルアンスペクトル測定方法、および、その方法を利用した装置(特許公開日2007-2-8

   BOTDA(SANARI PATENT 注:高性能ブリルアン分布計測)の距離分解  能を向上させる。

4-3  オルソフタル酸と無水フタル酸とイソフタル酸の回収方法および回収装置(特許公開日2007-1-25(SANARI PATENT 注:芝浦工大と山梨県との共同開発)

    不飽和ポリエステル樹脂からオルソフタル酸、無水フタル酸およびイスフタル酸のうちの一つ以上を得るための回収方法および回収装置を提供する。

4-4 神経細胞の三次元形態解析方法(特許公開日2006-12-21(SANARI PATENT 注:芝浦工大と理研との共同開発)

    神経細胞の微細構造の三次元形態の解析(形状の分析や機能の分類)を高速・高精度に行う、神経細胞の三次元形態解析方法を提供する。

4-5 自動給油装置(特許公開日20076-3-16

     自動車の停車位置を正しく誘導でき、画像処理により給油口フタの位置を正確に認識し、給油口キャップの傾き、および、給油口の位置を計測できる自動給油装置を提供する。

4-6 巻線試験装置(特許公開日2006-3-9

   供試巻線に通電させる電流の波形パタ-ンが変化しても、判別結果に影響が及ぶことなく、供試巻線の良否の判別を正確に行うことができる巻線試験装置を提供する。

4-7  形状記憶装置(特許公開日2005-10-20

     形状記憶をナノスケ-ルに縮小し、1分子単位でその形状を記憶させることが可能な形状記憶素子を提供する。

4-8 弾性表面波デバイスおよびIDタグ(特許公開日2005-9-29

   分解能やS/N比が高く、デバイス自体を小型化できる弾性表面波デバイスおよびIDタグを提供する。

4-9 柔軟媒体搬送適性評価方法および柔軟媒体搬送適性評価装置(特許公開日2005-9-29(SANARI PATENT 注:芝浦工大と国立印刷局の共同開発)

   多様な材質、形状、表面処理等の構造を呈する銀行券・クレッジットカ-ド等を構成する紙・プラスッチック等の柔軟媒体自体の搬送適性、および、柔軟媒体と柔軟媒体搬送装置の搬送適合性を、設計者の検討意見や勘に依存せず客観的に評価可能な柔軟媒体搬送適性評価方法および柔軟媒体搬送適性評価装置を提供する。

4-10 挿入管(特許公開日2005-9-22

   血管、気管、消化管などの体内の管内の目的位置に留置するまでの操作が容易で、かつ、管路面積を大にし、更に、接触管壁面に対する負荷を低減できる挿入管を提供する。

5.SANARI PATENT所見

   メトロ有楽町線

の豊洲駅

外郭を含む新装の街を徒歩7分、同駅から有楽町駅まで7分という立地(計約14分)の芝浦工大新キャンバスは、先端科学を象徴するデザインと先進装備で構築されており、前学長・江崎レオナ博士のノ-ベル的発想も加わっているかと想像される。。内外諸大学と比べて、おそらく随一の新キャンバスと考えるが、立地の優秀は、車用族には実感し難く、内外の真の開発者・大志者を吸引すると考える。

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2007年10月 6日 (土)

Promoting Local Areas Foods-Agricultural-Marine Products Brand Conf. 近く、「食と農林水産業の地域ブランド協議会(仮称)」が発足

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

  農林水産省は、ブランド、育成者権等の知的財産を基盤とする地域食品・農林水産業振興のため、「食と農林水産業の地域ブランド協議会(仮称)」が発起されていることを公表した(2007-10-2)

1.        発起人

1-1  団体は、魚価安定基金、食品安全センタ-、全国農協連合会、全国木材組合連合会、農林水産先端技術振興センタ-

1-2  個人は、キリンホ-ルディングス会長で経団連脳性問題委員会の荒蒔康一郎合同委員長、上原征彦明大教授、渋沢栄農工大教授、土肥一史一橋大教授、林良博東大教授の産学のほか、大木美智子消費科学連合会会長、金子和夫日本総研研究員、荒井寿光知財評論家(元特許庁長官)が名を連ねている。

2.        発起趣意書(SANARI PATENT要約)

2-1  地域ブランド化の取組は、地域の特性を活かした付加価値を付けて、特徴あるものや品質の高いものを販売し、消費者の支持・信頼を得て、それにより地域の農林水産業・食品産業の競争力や地域活性化につなげてゆこうとするものである。

2-2  平成18年4月に始まった地域団体商標制度により、各地域の地域ブランドに対する意識が高まっている。

2-3  各地域の地域ブランド化に向けた取組を効果的なものとし、全国に広げるためには、農林水産物・食品の地域ブランド化に取組む主体や地域ブランド化を支援する者が参集し、情報提供・交換、交流等を行い、連携の促進と個々の取組の進展を図ることが必要である。

2-4  このため、「食と農林水産業の地域ブランド協議会(仮称)」を設立し、次    の事項を実施する。

2-4-1      真に力のある地域ブランドを確立するための情報・ノウハウの提供・交   換

2-4-2      先進的な地域ブランド化の取組の紹介等

2-5 会員は、農林水産物・地域食品の地域ブランド化に取組む個人・法人・団体と、この取組を支援する個人・法人・団体を、全国から募集する(SANARI PATENT 注:本月30日が応募期限であるから、この分野に有志有能な知財専門家等が多く参加することが望ましい。応募フ-ムは農林水産省のホ―ムペ-ジに掲載されている)

3.        SANARI PATENT所見

3-1        地方自治団体の関与について:

地域観光に限定せず、地域産品が全国ないし海外に進出することが必要である。このためには、例えば、県の水産試験所が水質等の地域特性と、独自品種改良による魚類の加工品を「信州すし」等として、ロ-ソン等の全国販売網に載せてゆくなど、いわゆる「蜘蛛の居構」のみでなく、「蜂の出動」態勢を採ることが必要であるが、この場合、地方行政の長の域外出動を始め、地域行政の先達が望まれる。

3-2        地域総合性の一環としての位置づけについて:

上記の場合、その地域の特性が農林水産物・地域食品に特化されるような印象を内外に与えることは、農林水産物・地域食品の地域振興にとっても必ずしも有利でない。観光・工業・商業・交通を含めて、「地域のブランド」を総合的に内外に確立してゆくことが得策である。換言すれば、「地域そのもののブランド」に、特定分野の産品が牽引される体制を、地方自治体は構築すべきである。

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2007年10月 5日 (金)

How Shall We Translate “PRODUCT” as a Term of IP ? :「物」と「プロダクト」の相異など、日米特許制度における「発明のカテゴリ-」関連規定の相異

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

  先日の島津製作所「ホログラフィック・グレ-ティング」発明に関する知財高裁判決(2007-9-20)(関連記事SANARI PATENT9-25)には、「いわゆるプロダクト・バイ・プロセス・クレ-ム」という用語が多用され、米国特許法の用語「Product by Process Claim」への該当性が判決の決定的要素になっている(関連記事SANARI PATENT2007-9-25)。すなわち、わが国特許法では、発明のカテゴリ-が「物の発明」と「方法の発明」とに2分され、プロダクト・バイ・プロセス・クレ-ムは「物の発明」のクレ-ムに属することに関する判決である。

1.        米国特許制度の「プロダクト」

1-1        米国特許の付与対象Subject Matter)、すなわち、特許性ある発明(Inventions Patentable)は、新規で有用な「プロセス」と「プロダクト」に2大別されていると解する。米国特許法では、プロセス、機械、製品、組成物(machinemanufacturecomposition of matter)と定めているが、米国特許審査基準(MPEP)において、「プロダクト・バイ・プロセス・クレ-ム」の項は、「プロセス」の対象を「機械・製品・組成物」として規定しているからである。

1-2        参考資料として、MPEPが「Product by Process Claim」を「プロダクトの請求項である」と明示している部分を、下記に引用する。

Even though Product by Process Claims are limited by and defined by the process, determination of patentability is based on the product itself. The patentability of a product does not depend on its method of production. If the product in the Product by Process Claim is the same as or obvious from a product of the prior art, the claim is unpatentable even though the prior product was made by a different process.(SANARI PATENT 注:この趣旨は、わが国特許審査基準においても同一である。)

2.        わが国特許制度の「物」

2-1 わが国特許法では発明のカテゴリ-が「物」と「方法」に2分されているから、「方法」が米国特許制度の「プロセス」に合致するとしても、「物」を米国特許制度の「プロダクト」と一致すると見做し得るか、「物」の通常の語義から疑問が生ずることは当然であり、「物」と「方法」に次ぐ「第3のカテゴリ-」を新設すべきであるとして検討された経緯がある。    

2-2 すなわち、わが国特許法の「物」に、「プログラム」を含むという改正を行うに際しては、次のように検討されてきた。

2-2-1 第3のカテゴリ-として「支配管理可能な無体物」、「電子情報」などの案が考えられる。

2-2-2 遺伝子情報やサ-ビス自体の発明が今後、どのようにカテゴリ化されるか、想定する必要がある。

2-2-3 基本的に、有体物と無体物の考え方があって、その上で、特許法では「物」と「方法」のカテゴリ-の問題があると考える。「物」を有体物とすると、「方法」は無体物になり、「方法」以外の無体物について、「物」に入れるのか、第3のカテゴリ-として物と方法以外の無体物を入れるのかという課題になる。

2-2-4 例えば、プログラムをクレ-ムするときに、「コンピュ-タにより手順A、B、Cを実行する方法としてクレ-ムすることもできるし、手順A、B、Cを実現するためのプログラムというように、物の発明としてもクレ-ムできる。プログラムを自動作成する方法は、「物」を生産する「方法」の発明の一つとなる。

2-2-5 バイオの遺伝子配列は一種の機能的情報であるが、コンピュ-タプログラムとは異なるけれども、遺伝子操作の新しい技術により新しい遺伝子配列を作れば、その増殖には共通な側面がある。

3.        SANARI PATENT所見

  単に国語の「物」の英訳は、thing object substance matter article

  などであるが、特許対象としての「物」は創作物であり、米国特許法の「製品」の方が適切である。換言すれば「成果物」である。最近は「ものづくり」が強調されるが、平仮名の「もの」の印象は「物」より広い。

  日米特許審査ハイウエイが進捗し。かつ、平成20年度の知財計画ではライフサイエンス分野における遺伝子情報、情報通信分野におけるSaaS(

Software as a Service)等の機能情報が戦略の重点となることからも、発明のカテゴリ-の日米整合は重要である。

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2007年10月 4日 (木)

CitiGruop-NIkkoGroup: Triangle Merger for Brand & Patent Strategies:Citi Announcement on Oct.2/2007 :「包括的戦略提携の一層の強化」(技術関係1-2-8、2、3について):

  弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

  シティグル-プと日興コ-ディアルグル-プの共同報道会見(2007-10-2)では、「日本の証券関連ビジネスにおける日興ブランドが、今次戦略提携によって更に発展してゆく」ことなどが強調されたが、ビジネスパテントン分野で、両グル-プとも多くの特許公開発明を有し、SANARI PATENTは、パテント戦略としても注目すべき連携と考える。

   従って、経済産業省・特許庁の「知財戦略」事例集に、本件を追加されることを要望する。(内閣知財戦略本部あて昨日、送信済み)

  なお、わが国のマスコミは、「三角合併」の第1号として、今後、「外資による日本企業買収加速」の可能性に注目しているが、「買収」という用語が適切か、SANARI PATENTは疑問としている。

1.        シティグル-プの発表(2007-10-2)(SANARI PATENT要約)

1-1  シティグル-プは、本日、日興コ-ディアルグル-プ発行済株式のうち、シティグル-プが現在保有していない分について、シティグル-プ・インクとの株式交換により取得することに、日興コ-ディアルグル-プと合意した。

1-2  シティグル-プと日興コ-ディアルグル-プは、2007年3月に包括的戦略提携を締結し、以来、共同のステアリングコッミッティのもとで、事業統合の取組を進めてきた。日興コ-ディアルの全株式を取得することにより、両社は以下の取組を一層推進・強化する。

1-2-1      日興コ-ディアル証券の個人向け証券業務と、シティの銀行およびクレジットカ-ド業務を組合せ、また、シティがグロ-バルに展開する、よりよい個人向け商品およびサ-ビスを活かすことによって、シナジ-効果を生み、商品提供能力を拡充する。

1-2-2      日興コ-ディアル証券、日興コ-ディアルグル-プ、シティバンク銀行の強みを合わせることによって、法人顧客および機関投資家に対し、統合的なアプロ-チで、商品、サ-ビス、ソリュ-ションを提供する能力を高める。

1-2-3      日興コ-ディアルの法人営業の強みと、シティのグロ-バルなネットワ-クを活かし、海外に事業展開する日本の法人顧客に対し、よりよい商品、サ-ビスを提供する。

1-2-4      両社考える。グル-プ会社のテクノロジ-および管理部門の機能を集約することにより、効率性を高め、両社の優れた部分をグル-プ全体に取り込む。

1-2-5      強固な経営管理態勢、コンプライアンス態勢を確立し、資本および資金調達の効率を高める。

2.        シティグル-プの特許公開事例

2-1  電子オォレットによる商取引代行処理をしようして電子商取引を実行するためのシステムおよび方法(特許公開日2005-7-14

2-2  デ―タの安全性を保証するためにベイジアン・ビリ-フ・ネットワ-クを使用する方法およびシステム(特許公開日2001-7-6

3.        日興コ-ディアルグル-プの特許公開事例

3-1  退職給付管理システム、コンピュ-タシステムにより退職金給付処理を行わせるためのコンピュ-タプログラム記憶媒体、退職金給付管理方法(特許公開日2002-6-28

3-2  社債の処理方法およびコンピュ-タシステムに社債の処理を実行させるためのソフトウェアプログラム(特許公開日2002-4-12

2007年10月 3日 (水)

2008 IP Strategy for Info-Communication Fields: 平成20年度内閣知財計画の策定:情報通信分野内で知財戦略の態様の相異:国際競争についても優位性の相異

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

平成20年度内閣知財計画は、情報通信など重点4分野の分野別知財戦略を主軸として策定されるが、その依拠するところは第3期科学技術基本計画である。

  この基本計画の情報通信に係る章は、情報通信という巨大な分野の要所を摘出するために、多くのエネルギ-を費やしている。すなわち、「三つの理念」、「二つの重点」、「四つの役割」、「四つの国際競争力」、「五つの特徴」、「五つの研究開発領域」、「九つの研究開発領域」、「多岐にわたる情報通信戦略技術の課題」などである。

  これらが48ペ-ジに及ぶ情報通信技術関係の計画の総論の内容であるが、これを基盤として情報通信各分野の知財戦略を検討するのであるから、先ず上記の「理念と重点」を再整理する必要がある。

1.        第3期科学技術基本計画が掲げる情報通信技術の理念等(SANARI PATENT要約):

1-1 情報通信分野の「三つの理念」

1-1-1 情報通信技術の「構造改革力」による社会的課題の解決

1-1-2 情報通信技術の「社会展開」による新たな知的価値・文化価値の創出

1-1-3 情報通信技術の「問題解決モデル」による国際貢献と国際競争力強化

1-2 情報通信研究開発の「二つの重点」

1-2-1 国際競争力強化

1-2-2 他分野の基盤構築

1-3 情報通信技術の「四つの役割」

1-3-1 構造改革力による「社会的役割」

1-3-2 国際競争力強化による「産業的役割」

1-3-3 研究開発の加速と知財創出基盤形成による「科学的役割」

1-3-4 集情報通信社会の安全・安心確の基盤提供による「安全・安心確保役割」

1-4 わが国の情報通信技術における「四つの国際競争力類型」

1-4-1 優位類型: 世界トップレベルの現状で、継続投資により、その維持が可能な領域

1-4-2 プロセス不全類型: 世界トップレベル技術の産業化のプロセスが不全な領域

1-4-3 キャッチアップ必須類型: 他国に大きくリ-ドされつつある領域

1-4-4 産業状況と無関係に必須類型: セキュリティ、人材育成領域

1-5 情報通信研究開発の「五つの特徴」

1-5-1 広い基盤性・学術研究と実用化研究の境界の曖昧性

1-5-2 情報通信管理技術・社会システム高度化への適用技術への投資不足

1-5-3 国の研究開発投資における情報通信の比率の低位

1-5-4 知財戦略との密接な関係

1-5-5 人材不足

1-6 情報通信の「五つの研究開発領域」

1-6-1 構成要素を相互接続して新たな機能を生み出す領域

1-6-2 多様な論理、方式、手順、プロセス、機能を実現する領域

1-6-3 情報の集積、集約、検索の領域

1-6-4 情報通信の観測、解析、安全の領域

1-6-5 ヒト・社会に作用するアプリケ-ションの領域

1-7 情報通信の「九つの研究開発領域」(SANARI PATENT 注:前項を再編成している)

1-7-1 ネットワ-ク領域

1-7-2 デバイス・ディスプレイ領域

1-7-3 ソフトウェア領域

1-7-4 コンテンツ領域

1-7-5 コンピュ-ティング領域

1-7-6 ヒュ-マンインタフェイス領域

1-7-7 セキュリティ領域

1-7-8 アプリケ-ション領域

1-7-9 ユビキタス領域

1-8 「多岐にわたる情報通信戦略技術の課題」

1-8-1 ネットワ-ク領域:

 「ダイナミックに最適環境の提供」、「100億個」以上の端末の協調制御」、「越高画質コンテンツの高速・大容量・低電力消費配信ネットワ-ク」、「ワイヤレス・ユビキタスモビリティ」、「デペンダブルセキュア・ネットワ-ク」、「ユ-ザ-フレンドリ-ネットワ-ク」、「総合技術課題」

1-8-2        ユビキタス領域:

 「ユビキタス創造的生活支援基盤」、「実世界状況認識技術」、「ユビキタス指向ネットワ-ク開発」、「先進ユビキタス・デバイス開発」、「ユビキタス・セキュリティ基盤」

1-8-3        デバイス・ディスプレイ等領域

 「COMS(SANARI PATENT 注:論理回路の一種)-LSI用超微細化プロセス技術」、「単体デバイス・LSI・モジュ-ルに至る飛躍的設計・開発支援技術」、「高性能不揮発メモリ・先端ストレ-ジ技術」、「通信・ネットワ-ク用デバイス」、「知的財産権・設計リソ-ス有効活用・再利用のためのプラットフォ-ム作り」、「デバイスからシステムに至る低消費電力化技術」、「非シリコンデバイス」、「有機ディスプレイ(SANARI PATENT 注:発光体に有機物を用いるElectro Luminescence Display )を含む次世代ディスプレイ技術」、「超電導デバイス等の将来デバイス」、「System on a Chip技術・組込ソフトウェア技術」

1-6-4        セキュリティ領域

 「情報セキュリティ技術の高度化」、「より強固なセキュリティ基盤構築のための管理手法研究」、「

1-6-5        ソフトウェア領域

 「高信頼・高安全・セキュアな組込ソフトウェア設計開発技術」、「次世代オ-プン・ア-キテクチャの開発と整備」

1-6-6        ヒュ-マン・インタフェ-ス・コンテンツ領域

 「クリエイティブ人材の養成」、「感動を共有するインフラの充実」、「多国間ス-パコミュニケ-ションの実現」、「エンハンスト・ヒュ-マン・インタフェ-スの実現」、「情報の巨大集積化とその活用」

1-7               ロッボット領域

 「生活用ロボット」、「先端ものづくりロボット」、「安全・安心実現ロボット」、「安全・快適移動用ロボット」、「円滑・直感対話可能ロボット」、「RT(SANARI PATENT 注:Robot Technology)システム統合連携技術」、「RTモジュ-ル高度化技術」、「ヒト・ロボット界面科学技術」

1-8               研究開発基盤領域

 「世界最高水準ス-パコンピュ-タ開発」、「適切コストの情報資源調達」、「高付加価値製品を持続的に創出するプロセッサ・システム技術」

1-9               諸領域の融合領域

2.        SANARI PATENT所見

  情報通信の分野においても、ハ-ド・ソフトの両分野の知財戦略の相異は著しい。キメ細かい知財戦略の策定が必要である。

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2007年10月 2日 (火)

Mr.R.KADOKAWA, President of Kadokawa GHD, States Contents Policy for 2008 Cabinet IP Strategies:コンテンツ・日本ブランド専門調査会(2007-9-28) 

弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT

    昨日(2007-10-1)の所信表明演説で福田首相は、「世界最先端を目指す知的財産戦略を推進します」と述べたが、その双璧をなすものが、重点技術とコンテンツの知財である。

1.        内閣・コンテンツ・日本ブランド専門調査会発足:

1-1  平成20年度内閣知財計画の策定におけるコンテンツ・日本ブランド分野の原案を作成するため、標記調査会が発足した。内閣知財本部の閣僚本部員がオブザ-バとして名を連ねている。

1-2  業界から、イッセイミヤケ・太田伸之社長、角川GHD・角川歴彦会長、ソニ-・木村敬治執行役、マンガ家・里中満智子、テレビマンユニオン・重延浩会長、ディ-エヌエ-・南陽智子社長、服部学園・服部幸応理事長、NHK・原田豊彦専務理事、コロンビアミュ-ジックエンタテインメント・広瀬禎彦社長、フジテレビ・村上光一相談役、サウクェアエニックス・和田洋一社長が名を連ねている。

2.        角川歴彦委員の第1回会合意見(SANARI PATENT要約)

2-1コンテンツ市場拡大のためアフィリテイビジネスの創造が必要

2-1 -1 コンテンツ市場を、2004年実績の13兆6千億円から2015年18兆7千億円という経済財政諮問会議の目標まで拡大するためには、コンテンツのアアフィリエイト(SANARI PATENT 注:新しいコンテンツビジネスを含めて、諸種メディア間の連携の意と解する)による新たなビジネスの創造が必要である。 

2-1-2 SNS(Social Networking Service)やCGM(Consumer Generated Media)(SANARI PATENT 注:いずれも過年度内閣知財計画の用語集に掲載されておらず、訳語も内容も流動的段階の言葉だが、内閣の会議では頭字語のみで通用している)が、新しいコンテンツビジネスのメディアとなる。

2-1-3 コンテンツのアフィリエイトビジネスは、著作法上の課題も多く、海外にサ-バを置いてのビジネスが中心である(SANARI PATENT 注:著作権法上の課題多大は周知であるが、SNS,CGMについては未だ国内システムの意識が強く、意識の変革が必要と考える)。最近のコンピュ-タはクラウド(グリッド)コンピュ-タといわれており、グロ-バルネットである。このようなWeb2.0時代においては、サ-バを制するものが世界を制するので、サ-バを日本に置かせる環境づくりが重要である。

2-1-4 また、これらのビジネス展開において、地方の活性化を計画すべきである。

2-2  ネット放送の権利と義務

2-2-1      放送と通信の垣根がなくなり、ネット放送が多様に生まれる環境下で、障害となる制度・課題の解決、知財法制の見直しが求められている。

2-2-2      ネット放送事業者に対しては、そのマスメディア化に伴って公共性の自覚が求められる。

2-3  知財高裁の成果の検証

一層の利用増加、使われ方の検証が必要である(SANARI PATENT 注:先日9月27日に、デジタル放送システムに関する発明について判断を示した。関連記事2007-10-1)

2-4  次世代DVD(SANARI PATENT 注:Digital Video Diskの頭字語とする考え方と、Digital Versatile Diskの頭字語とする考え方とが並存してきたが、用途の多様性が益々進むから、後者が適切である )の普及に向け、日本独自のDRM(SANARI PATENT 注:Digital Rights Management)を導入する必要がある。

3.        SANARI PATENT所見

デジタルコンテンツの創造・保護・活用が多様かつ高度に展開されるサイバ-スペ-スは、宇宙空間を含む多次元・ボ-ダレスな様相をもって展開し、メディアの融合も急速であるから、秩序と制度の整備を追随させるためには、論点の広汎な整理が先ず必要である。

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2007年10月 1日 (月)

JFTC (Japan Fair Trade Committee) Explains Innovated IP Policy Relating to Anti-Monopoly Act:「知的財産の利用に関する独占禁止法上の指針」(2007-9-28公取公表) 

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

標記についてSANARI PATENTは、公正取引委員会事務総局から、その内容等について受信したので、次のように謝意と要望を同局に送信した(2007-9-30)

公正取引委員会事務総局あて

 弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

 「知的財産の利用に関する独占禁止法上の指針」(2007-9-28公表)について、

 ご通知に御礼および指針細則ご策定の要望

 標記ご公表につきましては、早速ご通知いただきますと共に、「パブリックコメントに基づいて原案の一部を修正したこと」、「この指針を事業者等に周知させること」、「相談に対応すること」、および、「違反の未然防止と事後対応の迅速適切」に関しお示し下さいましたことに、厚く御礼申しあげます。

 このたびは、4章15節にわたる誠にご懇切な指針と存じますが、なお下記の諸点につきまして、指針細則ご制定等の方法により、今後運用のご方針の細目をお示しいただきたく、要望申しあげます。

1.        今次指針が「知的財産のうち技術に関するもののみを対象とされたこと」について:

1-1        著作権法との関係について:

今次指針「2.本指針の適用対象」に、「本指針において技術とは、特許法、実用新案法、半導体集積回路の回路配置に関する法律、種苗法、著作権法、および、意匠法によって保護される技術ならびにノウハウとして保護される技術を指す」と定められましたが、注記によって、著作権法についてはプログラム著作物に限定されました。

このことに関連いたしまして、現行著作権法には「技術」という用語が用いられておりませんが、次の点の明示が望まれます。

1-1-1 「著作権法によって保護される技術ならびにノウハウ」の範囲は、「著作権法では、プログラム著作物として保護される技術がこれに当たる」と注記されましたが、著作物の定義には、「思想を創作的に表現したもので学術の範囲に属するもの」が含まれることに基づいて、このように注記されたものと解します。

しかしながら、著作権法は「表現」を保護する法であり、その結果、表現された技術が保護されると解しますので、著作権法が定める著作物全般、実演、レコ-ド、公衆送信、放送、複製等の定義規定や、二次著作物、デ―タベ-ス、編集著作物等の規定による「技術の結果的保護」についても、今次指針の対象とされることが当然と存じます。従って、「プログラム著作物」の注記は例示であることを、細則等で示されますよう、要望申しあげます。

1-1-2 デジタルコンテンツの複製・翻案・流通の技術が多様化かつ高度化の速度を高めますが、米国著作権法の「公正な利用」(フェアユ-ス)の法理を、どのように積極的に、わが国著作権法の解釈上、確定されるご方針か、細則等で示されますよう、要望申しあげます。

1-2 競争政策と「技術」限定の関係について:

1-2-1 「知的財産のうち技術に関するもののみ」対象にされましたが(知的財産権が独占を要素とする以上、競争政策との関係からは、「知的財産のうち技術に関するもの」と「知的財産のうち技術に関しないもの」とを区別する理由はないように存じます。

特にイノベ-ション(社会的・経済的革新をもたらす技術革新)の促進が国際競争力強化の要とされておりますから、今次指針の「技術」は、いわゆる社会工学・経済工学の技術や文理の境界・融合領域を含む極めて広汎な内容を含意することを、細則等で示されますことを、要望申しあげます。

1-2-2 今次指針が引用されました知的財産基本法第10条の「公正かつ自由な競争の促進」が、「技術」に限定されていないことからも、今次指針の「技術」は「知的財産」とほぼ同義であることを、細則等で示されますことを要望申しあげます。

2.        国際標準化政策との関係について:

2-1  内閣知財戦略本部の知財推進計画は、国際競争力強化のため、「多様な国際標準スキ-ムの活用」、「公平でオ-プンな国際標準化システムの実現」を計画項目とされていますが、今次指針の「競争政策」との整合ないし関係について、細則等で示されますことを、要望申しあげます。

すなわち、「制度的標準化」は、実質的に、標準化技術以外の技術の活用を抑制するおそれを有しますが、国際電気通信連合(ITU)の例に倣い、ITUの国際標準化勧告は「それに従うことが任意であること」などを、標準化関連パテントプール・クロスライセンス等の運用について周知させることを、細則等で示されますよう、要望申しあげます。

2-2  国際標準化の現実は、「事実上標準化」であり、包括クロスライセンス契約等による企業群間競争によって国際市場占有が競争され、複数の国際標準が並立して、互換性・相互運用性等が工夫されると共に、企業別差別化のための知的財産の創出により、標準化の自由競争制約性を超える競争効果が達成されつつあるとは考えますが、今次指針において数多く例示されましライセンス類型のそれぞれについて、制度的標準化目的が公正自由な競争を阻害するおそれがないよう、細則等で示されますことを要望申しあげます。(以上)

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