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2007年9月 2日 (日)

Create Innovative Drugs in a Unique Way: 中外製薬の本年上半期連結営業報告(2007-1-1~6-30): 遺伝子組換えヒトG-CSF製剤「イノトロジン」活況

Roche Farm-Holdings. B.V.(F. Hoffmann-La Roche)の日本提携会社として、英・仏・独で共同販売促進: 「がん対策基本法」(2006-6)への即応:

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

  暦年決算会社のうち、中外製薬の本年上半期連結営業報告を受領した。中外製薬の株主構成で、ロシュ(Roche Farm-Holdings. B.V.)が50.09%の持株比率を占める。

  抗インフルエンザウィルス剤「タミフル」(SANARI PATENT 注:2005年に蔓延した鳥インフルエンザウィルス拮抗薬の種類は多いが、「経口」投与剤として、グロ-バルに実際投与上の便益から、必須薬品として求められた。途上国のうちには特許権の強制実施措置を指向する国も見受けられた)の名称と共に、日本におけるロシュ提携先としての中外製薬の名もマスコミを通じて全国に浸透した観がある。2005年に比べて2006年のインフルエンザ流行が小規模にとどまったことから、本年上期は前年同期に比べればタミフルの売上も増加しているようである。

  しかし中外製薬の本質的なプロフィルは、「今までにない医薬品を、今までにない力で創り出す創薬基盤にあり、独自に培った研究開発基盤をロシュとの戦略的アライアンスにより一層強化し、癌、腎、骨・関節の3領域を中心に、抗体医薬品を始めとする新薬創出を加速していること」である。

1.        遺伝子組換えヒトG-CSF製剤「イノトロジン」の活況等について:

1-1  中外製薬の今次報告では、海外売上高が前年同期比43.1%の大幅増を示し、連結売上高の全円同期比12.0%を遥かに上回って、海外売上比率10.9%を達成したことが目立っている。

1-2  今次報告では、このほか、抗悪性腫瘍剤・抗HER2ヒト化モノクロ-ナル抗体「ハ-セプチン」、骨粗鬆症治療剤「エスピタ」の好調を述べている。

2.        中外製薬昨年来の経営戦略・知的戦略の考察

2-1        昨年の薬価引下げ(業界平均6.7%)の影響を、中外製薬は、癌領域の営業機能強化等により早期に克服した。

2-2        生産における自社技術の維持・強化とコスト効率追求のため生産部門を分社化し、中外製薬工業株を新設した。

2-3        「ハ-セプチン」の乳癌術後補助療法への適応拡大について、ロシュ主導の大規模グロ-バル臨床実験の中間解析結果の活用など、ロシュとの効果的な連携の成果を収めた。

2-4        製品のラインアップが飛躍的に拡充する癌領域でのプレゼンスを強化するため、癌製品に関する営業機能を集約した「オンォロジユニット」を新設した。

2-5        新たな作用機序を持つ製品の上市について、患者の安心のため、強力な「医薬品安全性ユニット」と「市販後調査推進室」を設置した。

2-6        中外製薬からロシュに、癌および糖尿病関係の研究テ-マ3品目を導出し、中外製薬とロシュのWIN-WIN関係(シナジ-)構築を強化した。

2-7        癌領域の中外製薬の国内シェアを12.1%(第3位)に維持している。

2-8        「がん対策基本法」の成立(2006-6)により、日本の患者が世界の標準または最先端治療薬にアクセスできない、いわゆる「ドラッグラグ」問題について未承認薬使用問題検討会議がカ委細されるなど、日本の癌治療環境の変容に即応にあしこれを先導すべく、集学的・専門的双方の研究開発を具体化している。すなわち、「分子標的治療薬の作用機序など、高度医療情報の提供」、「拠点病院を中心とする医療連携」などを進めている。

2-9        製品別戦略を深耕する(SANARI PATENT 注:内閣知財戦略本部の戦略が分野別化することに相応する)。例えば、世界90余国で承認されている「ハ-セプチン」については、癌再発抑制の顕著な効果が得られたことにより、術後補助療法の拡大適用を推進する。

2-10    腎不全の透析患者が毎年4%増大して25人を超える趨勢に対応し、貧血対策を含め、エリスロポエチン製剤「エポジン」の適正使用を推進する。

2-11    骨粗鬆症剤「エビスタ」の婦人科系副作用を抑えた特性により、日本イ-ラリ-との共同販売額が2005年比45.7%増の規模に達し、世界90国承認骨粗鬆症剤としてNo.1ブランドに成長した。

2-12    遺伝子組換えヒトエリスロポエチン製剤「エポジン」が、未熟児貧血への適応および用法用量の追加承認を受けた。

2-13    上記を総括して、中外製薬は、ロシュグル-プが有する開発候補品の日本における開発・販売に第1選択権を持ち、戦略領域におけるロシュ研究テ-マの積極的な導入や、中外製薬独自の研究活動の進展に伴う開発ラインを引続き充実する。

2-14     日本では今後、欧米で得られた臨床試験研究の活用(SANARI PATENT 注:特許審査結果の日米間等相互承認案と軌を一にする考え方である)や、日本を含むグロ-バルで実施した臨床試験の結果を用いた申請が活発化すると予想されるので、中外製薬は、ロシュと提携してこの趨勢に即応する。

2-15    知財戦略については、研究テ-マの初期段階から知財部が共同している。

2-16    特許取得戦略の実行においては、ロシュグル-プとの共同開発を要素とする出願国選定を行う。

2-17    職務発明対価の上限を撤廃した。

2-18    中外製薬の「エポジン」、「ノイロジン」に対する味の素提起の特許侵害訴訟については、東京地裁に続き、知財高裁において中外製薬が勝訴した(2007-2判決)(SANARI PATENT 注:中外製薬報告による)

3.        SANARI PATENT所見

  製薬業界の内外にわたる企業連携、M&A,経営統合などが進捗してきたが、知財戦略を含めて、それらのシナジ-効果が発揮されることが、わが国製薬工業ならびに人類福祉のために希求され、これに即応する中外製薬の成果が注目される。

(この記事に対する修正ご要求は、patent@sanari.nameにメ-ル下さい)

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