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2007年8月25日 (土)

Loci of Patent Trends  「 PATENT TREND記事」の軌跡: 知財戦略と経営戦略の整合と乖離: 商標登録できない標章が貴重: 孫に優性遺伝しない種子が貴重

Inspection of Strategies by their Results: 知財戦略の妥当性の検証: 常識的と非常識的の逆転

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

(この記事に対する修正ご要求は、patent@sanari.nameにメ-ル下さい)

  「イノベ-ションに直結する基本特許の取得戦略」は通説化しているが、経営戦略上、「改良特許の累積」を「革新のホ-ムラン」に優先させた成功例など、一見、通説に即しない知財戦略選択の適否と、その普遍性を検証すべき場合も多い。

  SANARI PATENTの従来の記事について、随時、検証を試みる。

1.「革新より改良」の経営戦略

   花王の「革新より改良」(SANARI PATENT070801記事)に対する、他業界の「ハイテクよりロ-テク」情報を要約する。

  「ゲ-ム機で、ソニ-のPS3は、高性能プロセッサや次世代DVDなどの最先端技術を搭載した超ハイテクゲ-ム機であるが、製造コストは従来機より遥かに高く、2006度のゲ-ム部門の営業赤字は2323億円に達する。2007年度も、少なくとも数百億規模の赤字が確実である。

  ソニ-と対照的に、任天堂のWiiのハ-ドは、枯れた技術を集めたロ-テクマシンであるが、日本国内で既にPS3の約3倍、276万台を販売し、北米でも間もなく普及台数のトップに立つ。2007年度の任天堂の業績は、過去最高益を大幅に更新する見通しである。」(週刊東洋経済070728による)。

2.「ICチップ活用」の普遍化

くらコ-ポレ-ション(東証1部)の「ビジネス特許権の累積取得による回転寿司店経営の成功」(SANARI PATENT070725記事)で、「ICチップの活用」が要素のひとつであるが、寿司業界全体の「高価寿司と100円寿司」の知財対照情報を要約する。

「寿司市場は1兆円規模で、回転寿司がそのうち4000億円程度を占める。一皿100円の「かっぱ」「スシロ-」「くら」のトップグル-プによる寡占化が進んでいる。「スシロ-」は、皿の裏にICチップを付けて、ネタ毎の売上数を把握することにより、仕入れを効率化している。「くら」は、「スシロ-」よりも更に原価率が低く、「びっくりゲ-ム機」に食後の皿5枚入れる仕組みで「もう一皿」を喚起している。」(週刊東洋経済070707による)。

3.「会計基準高度化下のディスクロ-ジャ-業務へのビジネス方法特許による対応」

  宝印刷(東証1部)の「ビジネス方法特許を基盤とする会計基準高度化への即応」(SANARI PATENT070707記事)で、有価証券取引法等に基づくディスクロ-ジャ-高度化へのノウハウと知財の蓄積による業務拡大を述べたが、ディスクロ-ジャ-関係業務の変革と拡に関する情報を要約する。

 

「金融庁は、2008年4月から、同庁が運営する有価証券報告書開示システム(EDINET: Electronic Disclosure for Investor’s Network)に、ビジネスレポ-ティング言語として世界的に普及しつつあるXBRL言語を導入することを明らかにした。

  XBRL(Extensible Business Reporting Language)は、XML(SANARI PATENT 注:Extensive Markup Language:拡張可能なマ-ク付け言語)から派生したコンピュ-タ言語で、財務諸表などを作成について言語として、証券市場や銀行監督の世界で事実上の世界標準になりつつある。

  金融庁は、2006年8月からEDINETの最適化計画を進めてきたが、その基本案の中で、開示された財務諸表がより高度に使用されることを目的として、XBRLの導入を明示した。」(journal.mycom:070622による)

  「会計基準は、2000年来、連結会計導入、税効果会計導入、退職給付会計導入、公認会計士監査審査会設立、品質管理基準導入と高度化・複雑化し、2008年度には四半期決算・内部統制ル―ル義務付け、リ-ス会計導入も予定されて、中小監査法人の監査体制整備が課題になっている。」(週刊ダイヤモンド:070602による)。

4.知財産学連携における国立大学の特異性の有無

   国立大学協会の意見(SANARI PATENT070718記事)で、産学連携における「国立大学の立場を明確にすること」が要望されており、SANARI PATENTは、独立行政法人の本質から、国立大学協会みずから明確に意思決定すべき課題であると述べた。

  さらに抜本的に、慶大・竹中平蔵教授の「東京大学の民営化論」を要約する。

  「公務員制度改革により、民間から優秀な人材を入れるべきである。大学については、東大を民営化し、知的な付加価値を高め、留学生が多数来るようにしなければならない。東大でも世界ランキングでは20位で、せめて5位以内に入るためには、民営化し、私立大学に対する刺激ともすべきである。(週刊東洋経済:070728による)

5.SANARI PATENT所見

5-1 KDDIがケ―タイのブランドを決定する際に、「アルファベット2文字」という、商標登録できない標章「au」を選んだ知財戦略の優秀さを、朝日新聞・安井孝之編集委員が同紙の「会社再考」コラムに「時間がない、苦肉のau」と題して紹介された(2007-8-22)。NTTの独占体制に競争するブランドの選定は、他社の商標権登録の可能性や類似性が争われる惧れある標章を絶対に避けねばならず、そのためには、商標登録が拒絶される標章でなければならない、という明断である。

5-2  優良な新植物品種を開発できた場合、その種(しゅ:Species)が遺伝的に安定して、孫世代以降にも遺伝されれば経済的なようであるが、育成者権を侵害する国内外の農産業者に対処することが実際上、困難である。美味著名で特別顕著性ある「夕張メロン」(登録商標)の場合、1代目雑種には優性遺伝子が発現するが、2代目には発現せず、この生物学的機構が「侵害」を不可能にしていると、パテント誌(2007-7)が紹介している。「攻めの農政」において注目される。

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