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2007年8月 1日 (水)

Innovation or Improvement, from the Standpoint of Company Management 花王の後藤卓也会長が「革新よりも改良」「ホ-ムランばかり狙っては、ヒット商品は生まれない」

 Variety of IP Strategies for Variety of Fields  分野別特性を分野別知財政策にどのように反映させるべきか

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

(この記事に対する修正ご要求は、patent@sanari.nameにメ-ル下さい)

1.        花王24期連続増益は「アタック」等の「改良」で:

1-1 テレビ東京の人気番組カンブリア宮殿(2007-7-30)に佐藤卓也・花王会長画像が再登場し、「革新より改良」、「イノベ-ションのホ-ムランのみを狙ってもヒット商品は必ずしも生まれず、着実なインプル-ブメントの累積(例えば、洗剤アタックの改良累計20回)が好業績の継続を生む」という趣旨の発言によって、「トップ金言大賞」の8位に入賞した。(SANARI PATENT 注:62名の会長・社長の発言中。なお第1位は、全日空大橋洋治社長の「楽しくコストカット」)

1-2 第3期科学技術基本計画は、「非連続的・飛躍的技術革新による社会・経済の革新」をイノベ-ションの定義として、知財の開発もこれに重点志向しているが、「改良」の累積を同様に重要とし、前提としているものと解する。基本特許のみならず、改良特許の進歩性が強調されるべきである。

1-3 花王の洗剤に関する特許公開事例を、2007年度以降公開のものについて見ても、本年7月に公開された「粉末洗浄剤組成物の製造方法」(陰イオン界面活性剤の酸前駆体による洗剤粒子の色相への影響を低減して粉末洗浄剤組成物を得ることができる製造方法の提供)、「粉末洗剤の製造方法」(溶解性と保存安定性に優れた粉末洗剤が得られる製造方法を提供)、「粉状洗剤入り容器」(内部に粉状の洗剤を入れた容器から、吐出位置に精度良く洗剤を吐出して、周囲にこぼすことを回避すると共に、洗剤の詰め替えを容易に行い得る「粉状洗剤入り容器」の提供)、「発泡吐出容器」(内容液が吐出された被吐出面の広い範囲に泡を付着させて、吐出器による吐出毎の付着面積を目視によって精度良く確認できるようにする発泡吐出容器を提供)等を含めて434件(特許433、実用新案1)に達し、不断の「改良」がトイレタリ-首位(野村證券・東洋経済会社四季報2007-6による)の市場占有基盤を構築していると考える(SANARI PATENT 注:ただし、「トイレタリ-」という用語の定義は流動的であり、国際的にも異同がある)

2.経営戦略と知財戦略:

   企業評価の指標として、研究開発費の対総経費比率や対前年度増加率が主要な要素とされている場合が多いく、特許出願数やその増加率を要素とするのもその類型に属し、いずれも、経営戦略との整合なくしては、本来、意義がない。経営戦略に適合しない研究開発や特許出願は、経営資源の浪費に帰し、経営指標を悪化させる。

  従って、「イノベ-ションの散発」と「インプル-ブメントの累積」との併進が通常の企業戦略であり、そのバランス保持が経営戦略の要と考える。

3. 基本特許、必須特許、革新特許(イノベ-ション特許)、改良特許(インプル-ブメント特許):

  これらは知財戦略上、重要な概念であるが、厳密に定義されたものとはいえない。最近の用例を見ると(要旨)、

3-1        ロイタ-配信によるヤフ-ニュ-ス(2007-7-11)

   「アジェンスMGは11日、遺伝子治療などで遺伝子の運搬役を果たすHVJ-Eのベクタ-の基本特許を取得したと発表した。HVJ-Eのベクタ-は既に研究用試薬として他社にライセンスされ商品化されているが、今回の特許庁取得で権利関係が確定し、今後の同社の研究開発の基盤を強化する見通し。」(SANARI PATENT 注:リサ-チツ-ルのパテントポリシ-に関連すると考える)

3-2        NTTドコモホ-ムペ-ジ(2007-7所見)

   「弊社は、第3世代移動通信システムW-CDMA方式(SANARI PATENT 注:広帯域符号分割多重接続方式)について、弊社が持つ必須特許をライセンスしております。ライセンス条件は、W-CDMA方式の普及を目的として、妥当な条件にてライセンスいたします。」(SANARI PATENT 注:世界電気通信連合国際標準化関連)

3-3        群馬大学共同研究イノベ-ションセンタ-・ホ-ムペ-ジ、大谷 杉・名誉教授(2007-7)

「私は、ピッチ系炭素繊維についての基本特許だと自他ともに認める特許を二つも三つも持っていました。その後、改良特許に当たるものが数え切れないほど出され、それを頼りに幾つかの企業が工業化を試みておりました。私自身は、それらの改良特許は全部基本特許に抵触していると思っています。」

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