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2007年8月 8日 (水)

Infringement of Copyrights 著作権侵害の非親告罪化に日本弁護士連合会を始め、内閣知財戦略本部に対する個人意見は全て強烈に反対

An Offence Subject to Prosecution only upon Complaint 侵害処罰論に対しても、著作権管理体制への不信(不信の当不当は別問題)が深刻に影響

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

(この記事に対する修正ご要求は、patent@sanari.nameにメ-ル下さい)

  内閣知財戦略本部が知財推進計画07の策定に際して意見を公募した結果は、個人・団体別に公表されたが、特に、300ペ-ジを超える個人意見の半ばが著作権保護制度の強化に対する強烈な反対意見である。(SANARI PATENT 注:この公表内容が網羅的かどうかは、疑問である。例えば、団体意見の中に日本弁護士連合会の意見が掲載されていない)

 その主要な論点は、「著作権存続期間の延長」「著作権侵害の非親告罪化」「音楽著作権管理協会の在り方」の3項目であるが、ここでは「著作権侵害の非親告罪化」について考察する。

 なお、内閣知財戦略本部による上記公表に先立ち、日本弁護士連合会は、「著作権存続期間の延長」および「著作権侵害の非親告罪化」に対する反対意見を政官関係機構に提出すると共に、公表している。 

1.        日本弁護士連合会の反対意見

1-1        日本弁護士連合会は、「著作権罰則の非親告罪化に関する意見書」(2007-2-9)公表に至った事情を次のように説明している。(要旨)

1-1-1      内閣知財戦略本部の知的創造サイクル専門調査会(2006-11-7)において、著作権法における親告罪の見直しが議題に上程され、現在も継続検討されている。

1-1-2      日本弁護士連合会は、著作権侵害等の犯罪を非親告罪とすることに対し、反対意見を提出した。

1-1-3      著作権侵害等の罰則は、ほとんどが親告罪とされているが、その理由は、

1-1-3-1           著作権侵害等の犯罪は数が多く、それを発見するためには、権利侵害に最も敏感な著作権者等の告訴によることが効率的であること

1-1-3-2           著作権の権利としての性質上、権利者の意思に反してまで刑罰権を行使することは適切でないことなどである。

1-1-4               上記のことは、立法当時から現在まで、特に変化がなく、従って、いま、著作権侵害を非親告罪とする理由はない。

1-1-5               悪質な著作権侵害に対処するため、非親告罪化が必要であるということも、認められない。権利者の告訴と、それに対する適切な対応があれば充分である。

1-1-6               そこで日本弁護士連合会は、上記趣旨の反対意見書を、内閣知財戦略本部等に提出した。

2.        内閣知財戦略本部が公表(2007-5-30)した個人意見(要旨)

2-1  非親告罪化は、作り手と受け手の断絶に繋がる。私はあるテレビゲ―ムのキャラクタ―のイラストをネットで発表し、メ―カに喜ばれた。このような交流すら刑事監視下に置かれることは不当である。

2-2  「営利目的」「商業規模」該当が、当事者間合意に関係なく取締対象となり、同人文化、二次創作の死滅という不当な結果を来たす。

2-3  表現活動の萎縮に繋がるので、絶対反対する。

2-4  二次創作物と呼ばれる日本独特のサブカルチャ―を絶滅させ、日本のイメ―ジを構成するプラス要因(国益)を損なう。

2-5  著作権者がどこまで許容できるかは千差万別で、他者、特に権力をもつ者が恣意的に勘案することは非常に危険である。

2-6  著作権者が親告するなら道理だが、赤の他人がどうこう言う筋合いでなく、さらに、JASRACのような利権団体が増勢する。

2-7  著作者が認めているから同人の世界が活性化しているのに、敢えてそれを潰すなど愚の骨頂だ。

2-8  現在親告罪であることに大きな意味がある。違法の画定が曖昧な法律ほど民衆を苦しめるものはない。大まかに法改正して、あとは担当機関に丸投げで何とかなるという問題ではない。

3.        SANARI PATENT所見

  個人意見294ペ-ジの39ペ-ジまでの記載にとどめても、このように強烈な反対意見が、他の知財問題を圧倒して数多い。内閣知財戦略本部が、日本弁護士連合会の意見と共に、充分勘案され善処されることを切望する。「美しい国」のソフトパワ―の基盤は国民のコンテンツ意識であり、コンテンツのネットワ-ク流通を阻害しないために、刑罰で差し止める工夫ではなく、自由な流通に「使用料」を付帯させるビジネスモデルの開発等を、内閣知財戦略本部が主導されたい。

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