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2007年8月11日 (土)

Convergence of Hard and Soft 第3期科学技術基本計画は「ソフトウェアを包含したハ-ドウェア」を志向: 改めて「ものづくり」とは?

Creation, Protection and Exploitation of MONODUKURI Technology  「ものづくり技術」の創造・保護・活用のための知財戦略

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

(この記事に対する修正ご要求は、patent@sanari.nameにメ-ル下さい)

1. 「ものづくり」の再登場:

ものづくり基盤技術振興基本法が平成11年に制定されてから8年を経過したが、内閣知財戦略本部の知財推進計画07に至っても、「ものづくり」という用語は見られず、その用語集にも搭載されていない。

  しかし、知財推進計画08は、第3期科学技術基本計画の重点分野について、分野別知財戦略を計画すべきことになっているから、第3期科学技術基本計画の重点分野である「ものづくり」について、計画することは当然である。

2.「ものづくり基本法」は8年前:

実は、ものづくり基盤技術振興基本法にも、「ものづくり」とは何か、定めていない。同法の第2条は「定義」規定であるが、「ものづくり基盤技術」の定義に始まっていて、「ものづくり」の定義は置いていない。「ものづくり基盤技術」の定義は、次のように定めている。

この法律において「ものづくり基盤技術」とは、工業製品の設計、製造または修理に係る技術のうち汎用性を有し、製造業の発展を支えるものとして政令で定めるものをいう。

3. 第3期科学技術基本計画における「ものづくり」:

   同計画では先ず、次のように述べた。

第3期科学技術基本計画においては、従来の製造技術の開発にとどまることなく、「もの」の価値を押し上げるような科学技術の発展を目指す、価値創造型ものづくり力強化という視点を明確にするため、「製造技術分野」から「ものづくり技術分野」に名称を改めて推進することとする。

   次いで次のように述べた。

産業においては、既に、製造業が提供する製品自体や、製品開発のプロセスにおいて、ソフトウェアの占める役割の重要性は増加の一途を辿っており、ユ-ザ-に向けたサ-ビスまで一貫した製品戦略を打ち出すなど、製品におけるソフトとハ-ドの価値は益々一体化しつつある。

  更に次のように述べている。

産業界は、このような製品の付加価値の多様化や(SANARI PATENT 注:ここで多様化とは、ハ-ドに多様なソフトが一体化することによる多様化と解すべきである)、社会の要求に合わせて事業の体質を変換しつつあり、産業を支えてきた製造技術もハ-ドウェアだけでなくソフトウェアも包含した技術にシフトすべき時期を迎えた。

  日本型ものづくり本来の強みは、現場の優秀な技術者・技能者が、協調的な現場環境で、チ-ムワ-クを発揮してパラメ-タの相互調整を行う統合的組織能力とすり合わせにある。

  ものづくり技術は、情報通信、ナノテクノロジ-・材料、エネルギ-等、他の7分野におけるプロダクトイノベ-ションを具現化する、ものづくりのプロセスイノベ-ションに関する技術である。

4.第3期科学技術基本計画における「ものづくり」知財政策:

  同計画は次の2項目を掲げている。

4-1 知的財産の保護と活用 ものづくりの技術に関する知的財産が安易に模倣、乱用されることを抑止するための施策と、成果が徒らに埋没することなく活用されるための施策の推進

4-2 標準化の推進  知的財産の活用、技術や製品の普及、国際標準化の強化の観点から、特許戦略と連動した戦略的国際標準化の推進

5.SANARI PATENT所見その1

   上記の「ものづくり」政策の経緯と動向から考えて、知財専門家としては次のような事項に重点を志向すべきである。

5-1  ものの外部形状から内部物性情報に至る統一的デジタル情報に立脚した「ものづくり基盤技術」の構築

5-2  最高性能のス-パ-コンピュ-タによる画期的な次世代材料の設計や新薬の革新的な設計などを可能とするシミュレ-ションの実現

5-3  人的協調等の日本型すり合わせ「ものづくり」の強みを加味したITシステム基盤技術の構築

5-4  航空機・人工衛星等の巨大製品の要素技術のインテグレ-ション技術構築による製品品質・低コストの確保

5-5  微生物・植物機能を活用する有用物質生産プロセスの開発

5-6  製鉄プロセス等の省エネルギ-

5-7  超電導現象を活用する国際競争力の革新的強化

6.SANARI PATENT所見その2

  「ものづくり」振興政策は、率直に言って、わが国中小・ベンチャ-企業独自の職人的・秀才的な技能・発想に磨きをかけ、また「すり合わせ」を行って、世界市場占有率の高い日本独自製品を展開することから着想された。「ものづくり」と「製造」の相異を議論するよりも、適時、「ものづくり」の内容を形成することが得策である。

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