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2007年8月13日 (月)

Business Report of NIPPON KAYAKU: 日本化薬の五月期事業報告における「選択と集中」「創生と融合」

Co-Effects of IP Strategy and Management Strategy:  創薬もジェネリックも: ル-ツの火薬技術が、人工ダイヤ量産や高機能スクイブ開発にも:

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

(この記事に対する修正ご要求は、patent@sanari.nameにメ-ル下さい)

  五月期決算会社のうち、日本化薬の今次営業報告(2006-6-12007-5-31)を受領した。

  「日本火薬」と誤記する人はいないが、日本化薬のル-ツは火薬であり、その関連技術を活かしたセイフティシステム事業(エアバック膨張のためのガスを瞬時に発生させるインフレ-タ、スクイブすなわち点火具、マイクロガスジェネレ-タなどが世界トップレベルの評価を受け、米国・チェコに生産拠点を設置し、グロ-バルシェア30%志向)が、社業の一翼を担っている。

  今次報告には、「選択と集中」および「創生と融合」が併進して、財務面から見ても堅実な業績向上を得たことが、具体的に開示されている。研究開発の活発が業績に結びつく「経営戦略と知財戦略の整合」が、産業界全体では必ずしも実現していない現状から見て、日本化薬の好調が注目される。

1.        日本化薬の研究開発活動(SANARI PATENTが要約)

1-1  企業グル-プが保有する技術を融合し、次世代事業の創生を、「研究開発・事業創生エリア」の構築、「コ-ポレ-トテ-マ推進制度」・「先端技術プロジェクト」に基づく「選択と集中」により推進している。

1-2  機能化学品事業の注目点

1-2-1        半導体封止材用エポキシ樹脂の好調

1-2-2        電子情報材料、特にインクジェットプリンタ用色素、偏向フィルムの好調

1-2-3        アクリル酸・メタクリル酸製造用触媒の好調

1-2-4        セイフティシステム、特にエアバッグ用インフレ-タ、シ-トベルトプリテンショナ-用マイクロガスジェネレ-タの好調

1-2-5        電子・情報関連機能材、特にケ―タイ・薄型TV・DVD等のデジタル家電用機能材料の開発

1-2-6        高機能触媒の開発

1-2-7        半導体技術を応用した次世代スクイブの開発(SANARI PATENT 注:スクイブすなわち点火具について、日本化薬の千分の1秒単位で爆発を制御する技術が世界的に評価されてきた)

1-3               医薬事業の注目点

1-3-1        抗がん剤の好調

1-3-2        ジェネリック医薬品原料の好調

1-3-3        医薬品全体の営業利益が対前期比35.9%増。

1-3-4        抗がん剤の卵巣癌・悪性胸膜中皮腫への追加適応申請ないし承認取得

1-3-5        高分子担体により、ナノ粒子化DDS(Drug Delivery System)技術を抗がん剤に応用などの臨床実験

1-3-6        欧州におけるOrphan Drug(希少疾患薬)開発

1-3-7        米国における糖尿病診断薬の展開

1-4               化成品事業の注目点

1-4-1        農薬等アグロ事業の好調

1-4-2        色材事業の好調、特に海外市場

1-4-3        総合的病害虫管理により防除に即する生物農薬等の開発

1-4-4        色材等、繊維・紙用機能性薬剤の開発

2.        日本化薬の特許公開事例

  医薬品に限定して2005年以降の公開事例を見ると

2-1 「新規[2,3-d]ピリミジンー4-オ-ル誘導体およびその用途」(既存抗がん剤との交叉耐性(SANARI PATENT 注:同一薬剤の連用によりその薬剤に対して生ずる抵抗性を耐性いうが、化学的に関連性ある複数薬剤により相互に生ずる耐性を交叉耐性という)がない新規な抗がん剤を提供する)

2-2 「新規なピラゾ-ル誘導体とそれを有効成分とするHSP90阻害剤(医薬品として有用なHSP90阻害活性を有する低分子化合物を提供する)

2-3 「SEPT11遺伝子発現抑制物質」(癌、特に積極的な術後補助化学療法を必要とする予後不良乳がんの治療薬を提供する)

2-4 「新規酵素阻害剤」(医薬、特にC17-20リア-ゼ阻害剤として有用な新規ナフタレン誘導体を提供する)

2-5 「カプセル剤の保存容器と保存方法」(カプセル剤の好ましい特徴を損なわず、カプセル剤の経時的な溶出性の悪化を防止する手段であり、医薬品の開発途中または上市後のどの段階でも変更可能な、前記従来技術より簡便・効果的な方法を提供する)

2-6 「RA13遺伝子発現抑制物質」(癌、特に積極的な術後補助化学療法を必要とする予後不良乳がんの治療薬を提供する)

2-7 「光学活性-エリスロ-3-シクロヘキシルセリンの製造方法」(医薬品の中間体、例えば、抗HIV薬として有用なことが知られている薬剤W001/40227の中間体である光学活性-エリスロ-3-シクロヘキシルセリンもしくはそのBoc体を簡単かつ効率良く取得する方法を提供する)

2-8 「ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤」(ヒストンデアセチラ-ゼ阻害剤を提供する)

(以下略)

3.        SANARI PATENT所見

 「選択と集中」が経営戦略として唱導されているが、日本化薬が、これと併せて、「創生と融合」に知財戦略を結集し、かつ、例えば医薬分野では、創薬とジェネリック原薬の双方に注力しているところに、医療経済ニ―ズ即応の戦略を見る。

  なお。冒頭記載の火薬技術については、その活用により産業用ダイヤの量産技術開発に成功した(野村證券・東洋経済会社四季報2007-6による)。

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