最近のトラックバック

2016年8月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
無料ブログはココログ

« 2007年6月 | トップページ | 2007年8月 »

2007年7月31日 (火)

Non-Obviousness in the Fields of Nano-Technology 「不連続で飛躍的な成果をもたらし得るイノベ-ション促進型科学技術」であるとの期待

Nano-Electronics Technology  量子効果などナノ特有の現象を制御する新たな動作原理のデバイス

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

(この記事に対する修正ご要求は、patent@sanari.nameにメ-ル下さい)

 

  ナノテクノロジ-は、内閣知財戦略本部の来年度計画・4重点分野のひとつであるが、SANARI PATENTは、次のように同本部に要望する。

1.        ナノテクノロジ-はナノメ-トルの領域にまで、物質の組織制御と合成を及ぼすことにより、物質の新たな機能を開発すると共に、「新物質」の創出を実現する源泉であるから、特許性の審査基準において、機能特許と物質特許の双方にわたる進歩性等の判断基準を精緻化することが必要である。

2.        ナノ薬物送達技術については、医療関係発明の特許付与要件に該当させるよう、論理構成を明示すべきである。すなわち、キャリアについて「物発明の特許」を付与し、これを用いる診断・治療技術について、「物の作用」として特許性を構成するよう措置されたい(SANARI PATENT 注:ナノテクノロジ-を駆使した生体に優しい医用デバイス、人工心臓・人工骨等の失われた生体機能を再建・回復・代替するデバイスの発明が期待されている)

3.        ナノテクノロジ-に対する「不連続で飛躍的な成果をもたらし得るイノベ-ション促進型科学技術」であるとの期待からは、「非容易想到性」のハ-ドルが高められることも予測されるが、「不連続・飛躍的」と「「非容易想到性」の見合わせ方を、慎重に検討されたい。従来ナノテクノロジ-技術の延長による開発にも、「非容易想到性」を認めるべき場合を明示されたい。

4.        21世紀に入って、欧米ではナノテクノロジ-を国家戦略として推進し、情報通信・環境・ライフサイエンス等との融合分野に戦略を及ぼし、中国・韓国も同様であるから、特許審査ハイウェイの運営において、これら諸国の特許審査基準との調和を整え、出願相手国の選択による損得がないよう配慮されたい。

5.        第3期科学技術基本計画は、「ナノ領域で初めて発現する特有の現象・特性を活かすテクノロジ-がナノテクノロジ-である」とした上で、さらにナノテクノロジ-を「True Nano」とそれ以外のナノに分けた。「True Nano」の定義は、「従来の延長線上ではない、不連続な進歩(ジャンプアップ)が期待される創造性を有するナノテクノロジ-」、「大きな産業応用が見通せるナノテクノロジ-」と示されているが、択一条件か全部充足条件か、明示されていない。いずれにせよ、例えば、「純粋ナノテクノロジ-」、「純ナノ」のような訳語をわが国知財業務では用いるように配意されたい。

6.        ナノエレクトロニクスの領域については、製造の方法特許に重点を志向し、製造コスト低減に資することが適切であるが、ナノ領域特有の物理現象・化学現象を積極的に利用したセキュリティ関係等の政策課題発明については、「顕著な効果」を特許性判断において認めるべきである(SANARI PATENT 注:特許性判断において「顕著な効果」の評価がしばしば問題になる。積極的にこれを評価すべき技術として、「従来のシリコン半導体を超える次世代シリコンベ-スナノエレクトニクス技術」、「電子・光ナノエレクトニクス技術」、「ナノスケ-ルに対応したエレクトロニクス製造技術」、「ナノエレクトニクス部材の低価格化技術」、「環境と経済を両立する省エネルギ-・環境調和ナノエレクトニクス技術」、「セキュリティエレクトニクス技術」が想定される)

2007年7月30日 (月)

Carbon Nano-Tube 松下電器産業の「磁気抵抗効果素子など、およびそれらの製造方法」、NECの「異物質内包カ-ボンナノチュ-ブとその製造方法」

Titanium Oxide Optical Catalyst 三井化学の「ルチル型酸化チタン超微粒子光触媒」、東邦チタニウムの「酸化チタン光触媒塗膜形成用組成物、その製造方法、光触媒用塗膜および光触媒用塗布物」

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

(この記事に対する修正ご要求は、patent@sanari.nameにメ-ル下さい)

  ナノテクノロジ-は、内閣知財戦略本部が知財推進計画08において分野別知財戦略策定の対象とする4主要分野のひとつである。

  第3期科学技術基本計画は、「わが国のナノテクノロジ-は、現時点において世界のトップレベルにあるが、特にカ-ボンナノチュ-ブや酸化チタン光触媒などに代表されるナノ材料が全体を牽引している」と述べている。

  そこで先ず、最近の特許公開の事例を見る。

1.松下電器産業の「電気配線、電子デバイス、磁気抵抗効果素子、磁気ヘッド、磁気媒体、記録装置、およびそれらの製造方法」

1-1 課題: カ-ボンナノチュ-ブ配線を実現する。

1-2 解決手段: 外部がカ-ボンナノチュ-ブより成り、内部が金属元素を主成分とする金属もしくは合金部から成る構造を有し、この金属もしくは合金部が電気伝導を担う。この電気伝導を担う金属もしくは合金部の長さが、その部分の電子の平均自由行程より短い電気配線により、電極もしくは素子間を網の目状に接続したことを特徴とする電子デバイス。

2.日本電気の「異物質内包カ-ボンナノチュ-ブとその製造方法」

2-1 目的: 炭素以外の物質を、入れ子構造のカ-ボンナノチュ-ブの中心部にある中空の穴に導入したことを特徴とする異物質内包カ-ボンナノチュ-ブという新材料とその製造方法を提供する。

2-2 構成: カ-ボンナノチュ-ブの先端に異物質またはその化合物を蒸着あるいは接触させた状態で加熱処理することにより、カ-ボンナノチュ-ブと異物質との反応を利用してカ-ボンナノチュ-ブの先端を開き、さらに入れ子構造のカ-ボンナノチュ-ブの中心部にある中空の穴の中に異物質を詰め込んだ異物質内包カ-ボンナノチュ-ブと称する新物質(SANARI PATENT 注:カ-ボンナノチュ-ブは、ダイアモンド、グラファイト、フラ-レンに続く炭素の第4形態として、その構造の特異性と諸特性の向上、例えば、表面機能化が開発されてきたが、上記発明は、内空間利用により「新物質」を提供するものと解する)

3.三井化学の「ルチル型酸化チタン超微粒子光触媒」

3-1 課題: 光触媒活性を有する、分散性の良好なゾル液にも調整可能なルチル型酸化チタン超微粒子光触媒を提供する。

3-2 解決手段: チタンに対するモル比が0.0012の粒成長抑止剤化合物の共存下、Ti濃度が0.075mol/lのチタン化合物溶液をPH-13の範囲で反応させて得られるルチル型酸化チタン超微粒子を、100~700で焼成することにより製造されることを特徴とするルチル型(SANARI PATENT 注:酸化チタンの結晶構造のひとつで、正方晶系の高温型)酸化チタン光触媒。

4.東邦チタニウムの「酸化チタン光触媒塗膜形成用組成物、その製造方法、光触媒用塗膜および光触媒用塗布物」

4-1 課題: 可視光領域において高い光吸収特性を発現する酸化チタン粉末を含む塗膜形成用組成物、その製造方法、これを基材に塗布した際、硬度および密着性に優れる光触媒用塗膜および光触媒用塗布物を提供する。

4-2 解決手段: 硫黄含有酸化チタン粉末、オルガノシラン化合物および分散媒を含有する酸化チタン光触媒塗膜形成用組成物、その製造方法、光触媒用塗膜および光触媒用塗布物

5.True Manoの開発

  第3期科学技術基本計画は、「True Mano」について次のように述べている。

 「ナノテクノロジ-が、従来の原理や常識を覆して科学技術の新しい世界を切り開き、その飛躍的な発展のみならず、産業競争力の強化や大きな新産業の創出に結びつく可能性のある技術であることを踏まえ、そのような範疇に含まれる真のナノテクノロジ-を「True Mano」と名付ける。」

  わが国の特許発明が、この「True Mano」分野において輩出することが、知財推進計画08の目的であるべきである。

2007年7月29日 (日)

IP Strategies in the Fields of Info-Communications 高性能不揮発メモリ、非シリコンデバイス、磁束量子回路、ヒト・ロボット界面技術など

Fields of Network, Ubiquitous, Device, Display, Security, Software, Human Interface, contents, Robotics  内閣知財戦略本部が各領域ごとに知財戦略を計画

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

(この記事に対する修正ご要求は、patent@sanari.nameにメ-ル下さい)

  内閣知財戦略本部は、新たな課題に機敏に対応しつつ、施策を一層深堀することを志向し、知財推進計画08においては、科学技術基本計画の重点推進4分野の知財戦略を計画することを意図している(SANARI PATENT 注:厳密には、科学技術基本計画は4分野に重点を限定してはいない)

  そこで先ず知財推進計画08においては、分野別の知的財産の特異性、すなわち、「情報機器の分野では個々の製品に多数特許権が総合され、従って、包括クロスライセンス契約が慣用されるが、医薬等のライフサイエンスでは個々の製品に少数単独の特許権が行使される」、「情報通信分野では、デファクト国際標準化の基盤となる必須特許権の取得が緊要であるが、他の分野では特許権が必ずしも国際標準化と直結しない」などの分野間相異を、内閣知財戦略本部の見解として示すことが望まれる。

  ここには、上記4分野のひとつ、「情報通信分野」の知財戦略についてSANARI PATENTの意見を述べる。

  

1.        特許審査の促進政策において、わが国がリ-ドしている電子タグ、光ネットワ-ク、ロボット、コアデバイス、情報家電、高機能ケ―タイに重点を置くべきである(SANARI PATENT 注:内閣「IT新改革戦略」の重点対象)

2.        第3期科学技術基本計画・情報通信分野の記述において、「イノベ-ション」の定義を「連続的な技術革新」としているが、これを「経済的社会的革新を結果する技術革新」と改め、このようなイノベ-ションに直結する情報通信分野の知的財産開発を目標として明示すべきである。

3.        情報通信に関する既存技術の限界を補完する組織・人間系の管理手法、法律等の社会システムの高度化も併せてバランス良く実施する必要性にかんがみ、これらに関連するビジネスプログラムの知的創造に対し、「自然法則の利用」に限定せず、米国と同様に、特許性を認めるべきである。

4.        特許付与における進歩性の判断基準を、ネットワ-ク領域(構成要素の相互接続による新機能の創造)、デバイス・ディスプレイ領域、ソフトウェア領域、コンテンツ領域(情報の収集・集約)、研究開発基盤領域(検索技術)、ヒュ-マンインタ-フェイス領域(SANARI PATENT 注:脳科学の進歩に基づく理解性測定機器の開発等)、セキュリティ領域、ユビキタス領域(電子タグ)、ロボット領域に分けて、容易想到性の有無の判断要素を示すべきである。

5.        わが国企業および企業グル-プが、国際市場においてデファクト標準を形成するための必須特許発明を創出できるよう、研究助成国費の重点的投入をなすべきである(SANARI PATENT 注:ITUの合意形成過程を充分に考察する必要がある)

6.        デジタルコンテンツの流通を普遍的かつ高度化するために役立つ特許付与が、著作権保護と相克することがないよう、制度の調整を早急に行うべきである。

7.        通信と放送、有線と無線、固定と移動の各融合を電気通信制度面で促進し、融合系による新たな情報通信技術の開発を知的財産制度をもって奨励すべく、電気通信・知的財産両行政の緊密な連携を行うべきである

8.        知財推進計画08のコンテンツの章に、「技術知財とコンテンツの相互作用を高める」と題する節を設け、次のように記述することが望まれる。

「知財戦略においてコンテンツ領域では、コンテンツを支える情報通信技術とコンテンツの供給のバランスある発展による相互作用の高揚が必要である。例えば、わが国のハイビジョン映像や高品質音源の技術が世界最先端を維持したために、グロ-バルに流通するコンテンツを創出する環境を形成し得た。」

9. 情報通信分野の人材育成において、大学教育課程に関連特許出願の実務を必須とし、発明者が迅速に本人出願し、または弁理士の利用を効率的になし得るよう措置し、特許権取得を研究開発のインセンティブとなすべきである。

2007年7月28日 (土)

Peculiar IP Problems of Life-Science Fields (Neuro-Informatics etc) 知財推進計画08は分野別知財戦略で新局面を展開

Current Serious Task is IP on Genetically Modified Organisms  遺伝子組換バイオ製品に関する発明の創造・保護・活用がグロ-バルな優先課題

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

(この記事に対する修正ご要求は、patent@sanari.nameにメ-ル下さい)

1.        内閣知財戦略本部が直面する新局面

1-1  毎年約400項目の知財戦略を掲げて、その修正を反復してきた内閣知財戦略本部の知財推進年次計画は、新たな局面を示すべく、2008年度計画において知財戦略の分野別特異性を指摘し、政策の深化を図る(SANARI PATENT 注:「深化」の内容として重要なものは、特許権と他の価値との調和である。他国の事例として、カナダモンサントの種子耐性特許権抗争では、モンサントが勝訴)

1-2  このため内閣知財戦略本部は、科学技術基本計画で定めた重点推進4分野等における知的財産に係る課題およびその知的財産戦略の在り方についての意見を公募している。本日のSANARI PATENTは、先ず4分野の冒頭に掲げられているライフサイエンス分野の知財戦略について考察する。

2.        ライフサイエンス分野の知財戦略についてのSANARI PATENT意見(第3期科学技術基本計画において既に指摘されている事項、例えば、リサ-チツ-ルパテントポリシ-等を除く)

2-1 医療関係発明について、審査基準改正により特許付与対象を拡大してきたが、国民医療政策上および「産業上利用可能性」を認め得る限界まで、「医療機器の作動方法」、「医薬の製造・販売のために医薬の新しい効能・効果を発現させる方法」に準じて、特許対象を拡大すべきである。例えば、Neuro-Informaticsを活用した「失われた人体機能を補完する医療」など、萌芽・融合領域や、再生医学・遺伝子治療に係る発明の特許性について、進歩性要件を含めて促進に向けた審査基準改正を行うべきである。

2-2 医療行為自体については、米国特許法が特許性を認めると共に、特許権由来の独占性・差止請求権を認めず、変形変質された特許権となっていること、および、医療の国情の相異にかんがみ、特許付与の対象とはせず、診療報酬制度等の体系内において、医療行為自体に関する発明の適切な対価を付与するシステムを構築すべきである(SANARI PATENT 注:内閣知財戦略本部員・武田薬品工業・長谷川閑史社長は、「医療関連行為が産業として認められていないのは日本のみである」と述べた。2007-3-29)

2-3 医薬品の用途発明の進歩性基準をさらに明確にすべきである。

2-4 遺伝子組換バイオ製品に関する特許審査基準を新たに制定し、遺伝子組換バイオ製品の創造・保護・活用を促進する政策を明示すべきである(SANARI PATENT 注:遺伝子組換バイオ製品の有害性を主張する実験例も発表されてきたが、これら実験の不当性を指摘し、遺伝子の水平伝播や雑種形成との実質的同等性の概念に基づく結論が妥当と考えられる)

2-5  微生物・動植物を用いた有用物質の生産について、生産方法特許を広く認め、希少資源対策等に資するべきである。

3.上記意見の理由

3-1 米国特許法と同様に、医療関係発明を全てに特許性を認めるべきであるという主張は、内閣知財戦略本部発足当初から、医系有識者本部員によって強調されたが、慎重かつ漸進論によって先送りされてきた。しかし、医療行為自体の発明を奨励することも国際競争上・福祉上必要であり、国情に適する選択肢の選択をこの際、確立すべきである。

3-2 2005年4月の審査基準改訂と同一手法(物・方法の特許として、かつ産業上利用該当と改認する)により特許付与対象を拡大することは、この分野の進歩を促す。

3-3 2010年ごろまでに、特許期限が満了する医薬品数が著増することに伴い、同一物質の別薬効(副作用を含む)を用途発明として特許出願する別企業の行動が、米国等で目立っている。進歩性の判断基準を明確にして、混乱を予防すべきである。

3-4 食料とエネルギ-のグロ-バルな需給安定を図るため、遺伝子組換バイオ製品の開発と、低コストによる増産が緊要である。遺伝子組換バイオ製品のうち食品については、例えば、在来農産物の遺伝子を微生物の殺虫毒素分泌遺伝子で組換えることの対ヒト安全性(毒性)を懸念し、また、特定除草物質に反応しない遺伝子組換農作物の制覇が、除草費用削減の半面効果として天然の遺伝子種を消滅させ、種の多様性を減殺するという、ヒト安全性、環境保全を理由とする反対意見を解消するに至っていない。

  これら反対に対する所要の説得を科学技術政策の基盤としつつ、遺伝子組換バイオ製品に関する発明の創造・保護・活用を促進する計画を明示すべきである。

3-5 ライフサイエンスによる希少資源の開発を、知財政策面から推進する必要がある。

2007年7月27日 (金)

FMC (Fixed-Mobile Convergence) 固定網と移動網の差異をなくしてゆく: 総務省案の考え方を公表(7月25月)

Revision of Telecommunication Regulation for FMC  総務省がFMC関係規則改正案について意見を公募(7月25月)

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

(この記事に対する修正ご要求は、patent@sanari.nameにメ-ル下さい)

  「ケ―タイとテレビとパソコンと固定電話」の融合案について、総務省がパブリックコッメントの募集を開始した、と聞けば、応募数は忽ち数百万を超えるであろうが、7月25日の総務省公告(政府合同公告)は、「電気通信事業法施行規則等の一部改正案について」意見を募集しますという表示であるから、取り付き難い、あるいは中味を了知せずに意見表明の機会を逃したケ―タイファンも多いと考える。

1.        電気通信分野における「融合」の諸局面

1-1  デジタル化が急速に進展し始めた20世紀後半から、「電気通信」は「情報通信」と改称されると共に、「無線と有線の融合」、「放送と通信の融合」、「固定電話と移動電話の融合」、「移動通信と固定通信の融合」、「電力線と通信線の融合」等々、諸般の角度から「融合」が志向され実現してきた(SANARI PATENT 注:例えば、放送にも通信にも有線・無線が併用され、放送・通信の両者に交信対象の特定や、放送における双方向性が逐次加わってきたから、上記の各表現は次第に重複の度合いを増してきた)

1-2  今次案も、副題としては、「FMCサ-ビスの導入に向けた関係省令等の整備」とされているが、括弧書の「Fixed-Mobile Convergence」だけでは、志向の内容が、音声電話に留まるのか、映像、さらにはインタ-ネット機能全般に及ぶのか、推察し難い。

2.        今次総務省案

  そこで先ず総務省が意見募集公示(2007-7-25)で示した「改正案」の概要を見る。

2-1   近年、ブロ-ドバンド化・IP化(SANARI PATENT 注:IPはIntellectual PropertyではなくてInternet Protocol)が進み、ネットワ-ク構造やビジネスモデルも大きく変わりつつあり、こうした競争環境の急速な発展に対し、競争ル―ル等の在り方について柔軟に対応してゆくことが求められる。

2-2   FMCサ-ビスの実現は、固定網と移動網とのネットワ-クの差異をなくし、水平的な市場統合が進展してゆくものと考えられており、これまでの競争ル―ルの在り方等の見直し等も必要になる。

2-3   総務省は現在、FMCサ-ビスの導入に向けて、060番号等をFMCサ-ビスに用いる方向で電気通信番号規則の改正手続を進めているが、これにより、他の電気通信事業者と提携して、多様な形態でFMCサ-ビスを提供する事業者が登場することが予想される。

2-4   そこで先ず、FMCサ-ビスの提供事業者およびその市場動向を正確に把握できるよう、電気通信事業法施行規則の一部を改正する。

2-5   すなわち、

2-5-1      ケ―タイ電話の電気通信番号080または090、PHSの070、およびIP電話の050の用途を拡充し、FMCサ-ビスを提供するために、これらの番号を用いることができる旨の規定を追加する。

2-5-2      このための手続、番号指定取消などを定める。

3.        SANARI PATENT所見

  新たな知財開発を伴う多様な融合が展開されることを期待する。

2007年7月26日 (木)

Importance of Type-Style 書体・フォント・タイプフェ―スの知財価値

Protect and Make Use of Typeface  デジタルコンテンツを表現するタイプフェ―スの知財法制は、内閣知財戦略本部の総合調整課題

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

(この記事に対する修正ご要求は、patent@sanari.nameにメ-ル下さい)

  商号・商品名・著作者名・ブランド名・デジタル画面とデジタル広告など は、いずれもその書体によって、第一印象の好感を記憶づけ、現物購買・クリックリピ-トを誘引する。従って書体の創造は知財の創造であるが、それが知財権として保護対象となるか否かは、別の問題である。特に文字の公用性・汎用性と、複数知財権への該当性が関連する。

1.        内閣知財戦略本部・知財推進計画07の対応

1-1  タイプフェ―スを知財推進計画07は、「書体デザイン。統一的なコンセプトに基づいて作成された文字や記号等の一組のデザイン」と定義している。

   これを若干字句修正して、「印刷文章に組むことを主目的として、統一したコンセプトに基づき制作された一組の文字書体である」とする定義も見られるが、主目的を「印刷」「文章」に限定することは現実に即しない(集会ポスタ―や商用イラストに使用する場合など)。

1-2  知財推進計画07は「タイプフェ―スの保護を強化する」と題して、次のように述べている。

「デジタル化の進展に伴い、各種メディアにおけるタイプフェ―ス(書体デザイン)の重要性が高まっているが、現在の著作権法の解釈では、プログラム等に具体化されていないタイプフェ―ス自体の著作物性は認められていない。2007年度も引き続き、タイプフェ―スに関する保護の在り方について検討し、必要に応じ適切な措置を講ずる。」

1-3  上記で「2007年度も引き続き」とあるのは、知財推進計画06が、題名も記述も全く同様で、「2006年度から」検討すると計画していたのを受けている。

1-4  しかし、経済産業省および特許庁のホ-ムペ-ジで各サイト内の検索を試みても、「タイプフェ―ス」のヒット件数は零である(2007-7-2)

1-5  知財推進計画06・07とも、検討と計画の担当省庁として「経済産業省」  単独に明示しているから、ここでは先ず、タイプフェ―スと著作権法の関係を見る。

2. タイプフェ―スと著作権法

2-1 著作権法上、著作物は、「思想または感情を創作的に表現したものであって、文芸・学術・美術・音楽の範囲に属するもの」であるから、印刷用書体がこの著作物に該当するためには、それが従来の印刷用書体に比べて顕著な特徴を有するといった独創性を備えることが必要であり、かつ、それ自体が美術鑑賞の対象となり得る美的特性を備えていなければならないと解されている。

2-2 上記の解釈は、「美的特性を備えていればタイプフェ―スに著作物性を認める」ものであり、美的特性の認否の客観性が問われることとなる。

3.タイプフェ―スと意匠法

3-1 本年施行の改正意匠法は、ケ―タイ画面の意匠を対象とするが、そこに使用される書体にも創作がなされることは、競争上、必至である。画面表示の美感は意匠権の要素で、その主観性を極力客観的審査基準により標準化することが、国会答弁で公約されている。

3-2 改正前の意匠法は、量産有体物そのもの(物品)のデザイン保護を目的とし、物品の生産に直接関係ない文字のデザインを意匠法で保護することは困難という考え方が支配的であったが、改正意匠法における考え方は、再考を要する。

3.SANARI PATENT所見

   デジタル情報の発信が、グロ-バルに万人によって多目的に行われるTRENDのもとで、タイプフェ―スの自由使用と独創保護のニ―ズが共に増大する。かつ、ケ―タイの場合を考察しても、タイプフェ―スのユ-ザ-と創作者の立場を、ケ―タイ機器メ―カ・ケ―タイコンテンツ創作者・ケ―タイコンテンツ流通者が分有について場合と併有する場合が混在してゆく。

  上記の著作権法・意匠法のほか、商標法・不法行為法・不正競争防止法の各改正動向を踏まえて、各省にわたる総合的な指針を示すことは、内閣知財戦略本部の総括機能の職責と考えられる。

2007年7月25日 (水)

Patent Based KURA SUSI as Japan High Tech Food Culture:: 寿司のグロ-バルな高評と国内パテント事情

Spreading Safe and Secure Japanese Foods Around the World:内閣知財戦略本部知財推進計画07の食文化政策

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

(この記事に対する修正ご要求は、patent@sanari.nameにメ-ル下さい)

1.  わが国のソフトパワ-増強のため、内閣知財戦略本部のコンテンツ戦略には、「日本食の魅力を世界に発信し、日本食人口の倍増を目指す」、「日本食材のブランド化を促進する」など、先ず世界へ向けての発信が掲げられているが、既にグロ-バルに好評な寿司についても、美味・美麗・安全・安価の食品基本要素を充足するプログラムを更に開発してゆくことが必要である。

2.テレビ東京の人気番組カンブリア宮殿が、多くの特許技術を基盤とする「くら回転すし」の田中邦彦・くらコ-ポレ-ション社長を招いて、数多の特許権・商標権を核心とする「美味・美麗・安全・安価な回転寿司」の知財を聴いたこと(2007-7-23放映)は、生ものを主体とする日本食の安全と安価を確保しつつ、国民食文化を世界食文化に進展させる上に、示唆に富むものであった。

3.なお、くらコ-ポレ-ション(東証1部)は、野村證券・東洋経済の会社四季報(2007-6)によれば、ロ-ドサイド型の回転すし店「くら寿司」を直営展開(現在約200店、首都圏に拡大中)、パ-ト・魚価高をこなし増収増益続く(SANARI PATENT 注:パ-トの比率が一般すし店よりも高いのは、主要工程のロボット化を急速に実現・革新していることによる)。携帯予約システムの利用を促し、店舗の機会ロスを削減している。

4.最近の同社特許公開例を見ると、「飲食物搬送装置用回転体」の要旨は、

4-1 課題: 搬送体上に載せるだけで、この搬送体の移動に伴い、自動的に、しかも確実に回転させて飲食物の案内などに有効に活用できる飲食物搬送装置用回転体を提供する。

4-2 解決手段(発明の内容:SANARI PATENT再要約): 「ハウジングに配置された搬送体上に載せて用いる飲食物搬送装置用回転体」であって、次の特徴を有する。

4-2-1 「搬送体上に載置するベ-ス部材」、「このベ-ス部材に対して横方向に移動可能に設けられる移動部材」、「この移動部材をベ-ス部材に対して横方向に付勢させる付勢手段」、「前記移動部材に対して回転自由に設けられた回転部材」を備える。

4-2-2 回転部材の外周には、搬送体の側方に位置するハウジングにの側壁に当接可能な円周状の被駆動面が設けられている。

4-2-3 回転部材の上面には、物品の載置面が設けられている。

5.同社特許公開の別例「飲食店用飲食物搬送装置」の要旨は、

5-1 課題: 各客席からの特定の飲食物の注文に基づいて、出来上がった注文の飲食物を搬送する際に、配送先が自動的にプリントされたものを作成できる飲食店用飲食物搬送装置を提供する。

5-2 解決手段(発明の内容:SANARI PATENT再要約):「客席に沿って配置される飲食物の搬送路を備えた飲食店用飲食物搬送装置」であって、次の特徴を有する。

5-2-1 「各客席に設けられて、好みの飲食物を注文するための注文装置」、「厨房室側に設けられて、前記注文装置により注文があった客席番号および飲食物の種類を表示する表示装置」、「厨房室側に設けられて、表示装置に表示されている客席番号中の任意の客席番号を指定する指定装置」、「前記指定客席番号のプリント装置」、「上記各装置の制御装置」を備えている。

5-2-2 この制御装置には、指定装置により指定された客席番号をプリント装置にプリント指示するプリント制御部が構築されている。

6.SANARI PATENT所見

   くらコ-ポレ-ションの社長自身が多くの発明を特許化し、商標権によりブランドを確立すると共に、天草の地域ブランドある魚類(その餌の品質も限定)の直接買付け、米の品質の厳密なチェック、多数店舗の全空間をモニタ-するビデオカメラシステムによる問題の即時解決などの創意工夫が、ロボットの寿司製造工程利用と相俟って、今日の成果を得たものと考えるが、他の食文化領域の参考とすべきである。

2007年7月24日 (火)

ご通知

7月25日の記事は、ココログメンテナンスのため、掲載が午後3時以降になります。

Developing Generic Resources: 文部科学省がライフサイエンス等の「知的基盤整備案」を策定:「科学的・経済的・社会的インパクトの波及効果を評価」

Encouraging Life-Science for Global Multi-Purposes::「生命情報統合化デ―タベ-スの構築」、「ゲノム・RNA・タンパク質・糖鎖・代謝産物の構造・機能・相互作用の解明」 

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

(この記事に対する修正ご要求は、patent@sanari.nameにメ-ル下さい)

1.文部科学省(研究振興局研究環境・産学連携課)が、知的基盤整備計画案  を策定した。SANARI PATENTは、次のように意見を同省に送信した(注記は除く)。

  この案は、知的基盤の整備について、量的観点のみならず、利用者ニ―ズへの対応の度合いや利用頻度といった質的観点を指標とした整備を行い、選択と集中を進めつつ、2010年に世界最高水準を目指すとしている。

    記

  案の第3章「知的基盤整備のあり方」の「Ⅰ 知的基盤の戦略的な重点整備」の「1整備の重点化」の方針の冒頭に、「科学的インパクト、経済的インパクト、社会的インパクトを軸とした将来的な波及効果を客観的に評価すること」が掲げられ、知的基盤整備をイノベ-ション(経済的・社会的革新を実現する技術革新)に結びつけることが志向されているものと理解いたします。この見地から、ライフサイエンス分野に関する貴案の記述に、次のように付加されますよう、要望申しあげます。

1-1 ライフサイエンスは、食料・エネルギ-のグロ-バルな需給の均衡、医療・環境に係る全人類福祉の維持増進に直結するので、「生物遺伝資源の確保と維持」、「ライフサイエンス分野における標準化」、「生命情報統合化デ―タベ-スの構築」、「ゲノム(SANARI PATENT 注:生物がもつ遺伝情報の全体)RNA・タンパク質・糖鎖・代謝産物の構造・機能・相互作用の解明」、「IT・ナノテクノロジ-との融合領域の開発」、「発生過程を含む生命のプログラムの再現」、「生体の構造・機能の分子レベルイメ-ジング」、「生命システムの要素の相互関係の解明の各項目について、例えば、遺伝子組換食材の安全性確認による世界増加人口(現在60億人に加えて、毎日20万人)に対する食料供給の革新と、バイオエネルギ-の効率的増産ならびに食料バイオ資源との需要競合緩和のため、具体的重点項目(例えば、上記遺伝子組換食材の安全性試験施設の新設)を例示されたい。

1-2 国の役割と民間の役割について、「公共性・中立性の高いものは国が主体的に整備する」とされていますが、3年前に国立大学が独立法人化して以来、産学連携の在り方をめぐって、国立大学と私立大学との立場の相異の有無が明確でありません。その明確な記述を要望申しあげます。

1-3 非代替的リサ-チツ-ル(SANARI PATENT 注:リサ-チツ-ルのうち非代替的なものが独占ないし高額ライセンス料の対象となることにより新たな開発を阻害することに対処し、日本製薬工業会は2年前にパテントポリシ-を策定した)の知的財産権性について、知的基盤整備の見地から言及されるよう要望申しあげます。

1-4 知的基盤整備の過程で創出される知的財産権の独占権を公共目的に適応させる制度基盤についても言及されるよう要望申しあげます。

2.SANARI PATENT所見

   メタゲノム解析への期待が、http://aspara.asahi.comに紹介されている。多様な環境から微生物の集合を採取して、在来の方法よりも遥かに多数の有用遺伝子の塩基配列を決定できる手法として、本件の案にも例示が望まれる。

2007年7月23日 (月)

IP on e-Money プリペイド、ポストペイド、ジャストペイド、諸類型電子マネ-の活況と関連知財(三菱電機・日立製作所など): 野村総研は、5年後市場規模を3兆円と予測

NHKTV, asahi.com Reports Rapid Progress of Various Type e-Money スイカ、パスモ、イコカ、エディ、ナナコ、ワオン、アイディ、ビザタッチ、アイディ、クイックペイ、ジェイデビット、ペイジ-など

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

(この記事に対する修正ご要求は、patent@sanari.nameにメ-ル下さい)

NHKTVasahi.com等が、うち揃って電子マネ-の活況(使えるシ-ンの著増とポイント付加)を放映・送信した(2007-7-21)。電子マネ-システムが広汎な知財(ICチップの構成、ブランド、ビジネス方法等を含めて)を基盤とすることは、ハ-ド・ソフト両面にわたる技術の複合性とセキュリティ要求性から必然的である。すなわち電子マネ-は、電子決済の一分野としてその知財基盤に立つと共に、従来の電子決済機能に、新たな機能を付加するものである。

発明の名称や課題に「電子マネ-」を掲げる特許公開の事例としては、三菱電機の「電子マネ-、電子販売店および電子銀行」、日立製作所の「電子マネ-収納庫」などが見受けられる。

日立製作所の発明「電子マネ-収納庫」の課題は、「電子マネ-システムにおいて、不正・犯罪等の人的犯罪、地震・火災等の自然災害等から電子マネ-を防御することができる電子マネ-収納庫を提供することとしている。同社の「電子財布システム」も、「電子マネ-情報を格納するICカ-ド等により構成し」、安全性が高く使い勝手の良い電子財布システムを提供するとしている。

なお、日本電子決済推進機構(Japan Electronic Payment Promotion Organization)が、2005-4-1に発足したが、本年5月現在で、郵政公社、銀行を含めて141企業・団体が会員である。

1 電子マネ-が1年間で1.5倍に増加

   NHKTVは、野村総合研究所の調査(2007-7-中旬時点)に基づき、電子マネ-の急速な成長の模様を全国放映した(2007-7-21)。その要旨は、

1-1  国内で発行された電子マネ-は6600万枚に達し、この1年間で1.5倍に増加した。6年前に先駆したエディが3100万枚で最多であるが、電子マネ-として使用できる東日本JRのスイカが1700万枚を超えた(SANARI PATENT 注:郵貯カ-ドとの連携効果が注目される)。大手流通グル-プの電子マネ-も、ナナコ(セブン&アイ・ホ-ルディングス)が、導入後わずか3か月で400万枚に達した。

1-2  電子マネ-システムは、利用対象(場所)が急速に拡大すると共に、利用ごとのポイント付加などのサ-ビスを次々に考案している。

1-3  野村総研は、2007年度の市場規模を6800億円と見ているが、5年後には、4倍強の3兆円規模に達すると予測している。

2.電子マネ-の類型

   Asahi.com(2007-7-21)は、次のように各類型の特徴を解説している。括弧内記載の発行済枚数は本年6~7月時点の概数。記事の一部は1と重複。

2-1        プリペイド型

2-1-1      JR東日本のSuica(2121万枚)には、ファミリ-マ-ト、ロ-ソン、ミニストップ、イオンなどが加盟(SANARI PATENT 注:JR東日本による「非接触型IC」の採用が電子マネ-全体の急成長を起動したと考える)

2-1-2       パスモのPASMO(427万枚)は、小田急、東京急行、京浜急行、西武鉄道、東京メトロなどの沿線に加盟店

2-1-3       JR西日本のICOCA(299万枚)は、ハ-トイン、デイリ-インなど

2-1-4       ビットワレットのEdy(3100万枚)は、サ-クルKサンクス、ミニストップ、ampm、ヨドバシカメラ、マツモトキヨシなど

2-1-5       アイワイ・カ-ド・サ-ビスのnanako(400万枚)は、セブンイレブン

2-1-6      イオンのWAON(800万枚)は、ジャスコ、マックスバリユ、サディ、ビブレ、イオン専門店街など

2-2  ポストペイ型

2-2-1      NTTドコモのiD(294万枚)は、ロ-ソン、ビッグカメラ、ヨドバシカメラ、TUTAYAなど

2-2-2      三菱UFJニコスのVISATOUCH(22万枚)は、サppロドラッグストア、タスコシステム、ジュンク堂書店(SANARI PATENT 注:専門書と全国店舗のデザインに独創性)など

2-2-3      JCBのQUICPAY(225万枚)は、ロイヤルホスト、カラオケ館、首都圏PA,ファンケル(SANARI PATENT 注:純良化粧品、メタボリック対策補助食品のメ―カで、直販店に重点)など

2-3  ジャストペイ型

2-3-1      日本デビットカ-ド推進協議会のJ-Debit(41000万枚超)は、家電量販店、デパ-ト、病院、レストラン、ガソリンスタンド、保健会社など

2-3-2      日本マルチペイメントネットワ-ク協議会・日本マルチペイメントネットワ-ク運営機構のPay-easy(記載なし)は、税、公共料金、ケ―タイ料金、保険料、航空運賃など

2007年7月22日 (日)

Solving Problems Related to Copyrights 著作権に係る諸課題、特に期間延長

Balancing of Exploitation and Protection of Contents  著作権の保護と利用のバランス

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

(この記事に対する修正ご要求は、patent@sanari.nameにメ-ル下さい)

  内閣知財戦略本部の知財推進計画07には、「著作物の保護期間の延長の在り方について、保護と利用のバランスに留意して検討し、2007年度中に結論を得る」と計画している。

  日本弁護士連合会は、既に「著作権の期間延長に反対する意見」を自民党等に提出している(2006-12-22)

 知財推進計画07の策定に際して内閣知財戦略本部が公募し公表した一般国民の意見の内容は、著作権の期間延長に反対するものが圧倒的に多い。先ずそれらを要約して考察する。

(内閣知財戦略本部に対する応募諸意見)

1.        著作権の保護期間延長に反対する。著者の利益や権利は、現状の死後50年でも十分保護されており、その延長はむしろ文化の共有、発展促進の妨げになる。

2.著作権延長反対。どこまで欲の皮がつっぱっているのか。

3.著作者本人が著作の恩恵を受けるのは当然だが、子々孫々までという感覚では文化の停滞を招く。

4.特許権とのバランスを失し、利権狙いの主張である。

5.JASRACがさらに長期にわたり著作者ヴぃまで料金を請求するなど、著作者・消費者双方に不利益をもたらす。

6.著作権切れの著作物を有効に活用する機会を減らし、知財基本法の「豊かな文化創造」の機会を減らす。

7. 制作の立場から見て、殆どの創作物は作者の寿命より短いのに、死後も長期で販売者が利益独占すると妄想し、延長論に走っている。公共のアイデアプロットとして再利用すべきである。

8.創作の基本は先ず、二次創作やパロディからである。例えば、松本零二氏の銀河鉄道999も、宮沢賢治の銀河鉄道の夜がなければできなかったという二次創作である。著作権の延長案は、創作の幅を狭め、文化保護の反対である。

9.著作権延長は、音楽の死蔵作品を増やすのみである。

10.パブリックドメインになるはずの著作物がパブリックドメインにならなくなり、文化が廃ることはあっても、文化の向上に寄与することはない。

11.作品の翻案や翻訳が長期に制限され、利用の促進に反する。

12.著作物は、一定期間後はパブリックドメインとして人類共通の資産となるべきである。

13.50年から70年に変わっても、発表作品の数や質が良くなるとは考えられない。あらゆる人が自由利用できる期間が減り、無益である。

14.知の公共財を確保するために保護期間を有限にしているのに、筋が通らない。

15.現行の、著作権者死後50年という歳月において、著作権が価値を残していたとしても、著作権者の死後の子孫の生活まで著作権で守る必要はない。不用意な著作権保護は、文化の発展を阻害するのみである。

16.文学・音楽等の著作権を延長することは、一部の商業的利益を保護するのみで、国民全体の文化の享受を制限し、文化の発展を妨げる。人間の知的活動の時間尺度から見て、30年程度あれば十分である。

17.著作物に係る功績や権利は著作者にだけ認められるべきで、過剰な保護は創造のサイクルを阻害する。

18.「著作権問題を考える創作者団体協議会」の人たちが要望する死後70年への延長は、彼らが新たな創作に打ち込む契機にはなり得ない「利益」と、我々が属する社会全体が本来享受できたはずの「パブリックドメイン」という「利益」を比較して判断すべきである。

19.著作権法は文化的発展を目的としている。現状の50年すた長きに過ぎる。国益上、最も望ましい対応を、科学的根拠を提示できるまともな委員会で検討すべきである。

20.特許が申請してから20年というのは、その技術による産業の発展のためである。文化の発展を考えれば、著作権の現行50年も長すぎる。

21.米国における70年への延長については、米国ではフェアユ―スの法理が充分に利用を支えていることを総合して考察すべきである。

2.SANARI PATENT所見

内閣知財戦略本部が公表した個人意見のみでも、全項目で294ペ-ジに及び、その半ばまでだけでも、上記のように著作権延長に強く反対する意見が全てである。また、これらの意見は、同一の反対意見を述べたインタ-ネット・ブログ等の声を多数引用している。

日本弁護士連合会が反対していることは、冒頭に述べた。

上記と別の立場から見ての、延長ないし現状維持の当否の見解は色々あると考えるが、少なくとも、上記の応募結果(庶民感情も含めて)を十分検討することは、内閣知財戦略本部が国民の信頼を高めるために不可欠である。

2007年7月21日 (土)

Higher Value of TOYOTA KANBAN System & Relating New Patents トヨタ自動車かんばん方式およびその関係特許へのグロ-バルな高評価

Some Reports of TYUUETU Earthquake Misunderstand KANBANN System  今次中越沖地震による部品供給停止に伴う国内自動車生産停止(至7月20日)に関する認識(部品在庫不備をかんばん方式に帰責)は短絡的誤謬

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

(この記事に対する修正ご要求は、patent@sanari.nameにメ-ル下さい)

1.        リケン柏崎工場の地震被災に伴う「かんばん方式」論評の誤り

1-1  今次中越沖地震によってリケン柏崎工場のピストンリング等の生産施設が被災し、国内12自動車生産企業の操業の一時休止を結果した。

1-2  関係報道の一部には、トヨタ自動車のかんばん方式が内外に普及し、部品在庫量を極限した合理化の欠陥と評する向きもあったが、生産過程を合理化する「かんばん方式」の価値は、海外においても高く評価され、「かんばん」の語はそのまま世界に通用している。

1-3  地震等の事態への対応が充分になされなかったことが批判されるべきで、「かんばん方式」の欠陥と錯覚すること(部品発注数限定に起因する在庫不足)は誤りである。リケンについて見ても、国内工場として柏崎と熊谷を有し、リスク分散可能な体制にある。

1-4  野村證券・東洋経済会社四季報2007-6によれば、リケン(東証1部)は、ピストンリング、カムシャフト、シ-ルリングとも国内首位。リケンに発注する自動車メ―カと同様、リケン自体も部品調達費削減を進め、品質管理コストと減価償却費の増加をこなし、特にカムシャフトと半導体装置用の電熱線が増収を牽引している。インドネシアで年内にカムシャフトのトヨタ自動車向け納入を開始、米国・ドイツの合弁関係を整備し、欧州生産拠点を構想中である。

2.        トヨタ自動車の「かんばん方式」高度化

2-1  トヨタ自動車が創案した「かんばん方式」は、同社の継続的イノベ-ショ ン体制により、関係特許出願の続出をもって高度化されつつある。

2-2  トヨタ自動車を出願人とする「かんばん方式」関係の特許公開事例を見る。

2-2-1        「発行する部品発注カ-ドの決定装置と決定方法とそのためのプログラム」の課題:: 部品使用量が長期にわたって停止しても、新たに発行する部品発注カ-ド(かんばん)を制限し、生産活動再開後に必要な部品を確保しながらも、部品在庫が過剰にならないように発注する。

2-2-2 「納入タイミング指示カ-ド発行方法および納入タイミング指示カ-ド発行装置、納入タイミング指示カ-ト」の課題: 生産し納入すべき物を指示カ-ドを用いて指示する場合において、その物の誤生産をより確実に防止する。

2-2-3 「納入タイミング指示カ-トの管理装置および管理処理方法」の課題: 納入タイミング指示カ-トの紛失を精度良く判定する。

2-2-4 「発注計画立案装置および発注計画立案方法」の課題: 生産系の稼動体制を考慮して、部品の発注量を均一化する。

2-2-5 「部品調達デ―タ受信システム」の課題: 受信機側に、部品発注デ―タの記憶装置、内容情報デ―タをかんばん出力イメ-ジに変換する専用ソフト、専用プリンタを必要とせず、コストが低廉で、システム不具合発生時復旧も容易で、受信機取扱い担当者の育成も容易である部品調達デ―タ受信システムを提供する。

2-2-7 「部品納入指示情報の運用方法および部品納入指示情報の運用装置」の課題: 仕入先側において、部品納入指示情報に基づいて発行される部品納入指示カ-ド(かんばん)の取扱および管理を容易かつ効率的に行うことのできる部品納入指示情報の運用方法および部品納入指示情報の運用装置を提供する。

2-2-8 「部品発注システム」の課題: 部品発注をしなかった仕入先に対して、その後に行う適正な発注量での発注を、そのために要する負荷を極力軽減する。

2-2-9 そのほか14件。 以下略。

3.        トヨタ自動車以外の出願者による「かんばん方式」関係特許公開事例

3-1        生産指示カ-ド発行システム

3-1-1        出願人: 住友電工ブレ-キシステムズ

3-1-2        課題: 「かんばん」と呼ばれる発注指示カ-ドを用いて生産物を生産する方法においては、前もって生産情報がパソコン内で自動的に作成され、それに基づいて「かんばん」が作成されるので、「かんばん」が発行された後において生産情報を変更することが困難であった。

3-2               生産管理システムおよびその方法

3-2-1        出願人: アマダ

3-2-2        課題: 機械の生産の管理に必要な情報を一元化し、生産担当者が同一の情報を常に共有できるようにする。

3-3               納入指示システムおよび納入指示方法

3-3-1        出願人: 日本発条

3-3-2        課題: 簡易な構成および迅速な納入指示を実現する。

3-4               そのほか25件・略

4.        SANARI PATENT所見

 「かんばん方式」の用語は既に内外業界の常用語であり、その高度化がトヨタ自動車を始め、機器分野を中心として開発されつつあり、今次上越沖地震の被災も、それを加速する契機になると考える。

2007年7月20日 (金)

Web-Global of ASTELLAS & BAYER 世界市場に向けて医薬品知財開発の理念と意義を強調

Basic Policy of IP Strategy 2006~2008 stresses Global Market  医薬品開発の不断の詳細なリポ-ト(PDF)が世界市場拡大の基盤

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

(この記事に対する修正ご要求は、patent@sanari.nameにメ-ル下さい)

  わが国の第2期知的財産戦略(2006~2008)の基本方針7項目のトップに「国際的な展開」が掲げられ、重点事項として、「国際的な特許出願の支援」、「日米欧韓等特許審査ハイウェイの展開」、「東アジア植物保護ホ-ラム」などを示すと共に、特にライフサイエンスの分野における特許性判断基準を明確化し、この分野の特許付与の国際調和と製品の国際市場優位を期している。

 

  ライフサイエンスの分野の中核である医薬品製造においては、グロ-バルな福祉達成の基盤として、医薬品開発の世界的意義を強調する発信が大きな影響力をもつ。

  わが国の大手製薬企業のうち、武田製薬とアステラスは、海外比率が共に49%(野村證券・東洋経済会社四季報2007-6)に達するが、例えば、アステラスのウエブサイト・グロ-バルは、バイエルのウエブサイト・グロ-バルと様式は近似しているが、医薬品関係知財開発の具体的記述において、より顕著である。

1.        企業理念のPR

1-1  バイエルのグロ-バルな広告は、「Exploring Life, Fulfiling Dreams, Science For A Better Life」の標題のもとに、次の記述が注目を吸引する。

「世界人口は既に60億人に達し、毎日、20万人増加している。環境破壊なしに、この著増人口に対する食料の供給を完うできるだろうか。全ての人の健康を改善し、疾病を予防できるだろうか。資源保存のために新しい物質を開発できるだろうか。

 これらの課題に的確な解決を見出すべく、バイエルの保健・農産・物質の3グル-プが研究に没頭している。これらの分野で、バイエルは既にグロ-バルなリ-ダ-であるが、人類の未来におけるその重要性は日々に増大している。」

1-2  アステラスのウエブグロ-バル(astellas.com/global)は、「Leading Light for Life」「Contribute toward Improving the Health of People Around the World」とトップ表示し、バイエルと理念を共通しつつ、製薬に当面の重点を志向し、日本語版のトップペ-ジは、「明日は変えられる 明日がある この喜びを届けたい 病気と闘うすべての人々に」と、感動深い。

1-3  従って、バイエルが例えば2007-7-13記事で、「韓国企業との野菜新品種開発に関する提携の成果(Acquisition of Excellent Germplasm Pool for Hot Pepper and Brassicas)」を強調しているが、アステラスの今月までの記事は次のように医薬品に集中している。

1-3-1 Kyoto University and Astellas Co-research at the Innovation Center for Immunoregulation Technologies and Drugs of Next Generation.

(2007-7-3)  (京都大学とアステラス製薬が、次世代免疫制御を目指す創薬医学融合拠点での協働研究を実施)

1-3-2 Astellas Announces the Launch of  Advagrat in the UK and Germany (2007-6-18)  (免疫抑制剤アドバグラフを英国・ドイツで新発売)

1-3-3 Announcement of the Launch of the Selective COX-2 Inhibitor Celecox in Japan (2007-6-11)  COX-2特異阻害剤セレコックス錠剤を日本で新発売)

1-3-4 The abstracts of results of Phase studies in US and EU, and a Phase study in Japan for the surviving expression inhibitor YM155 are available on the website of the 43rd American Society of Clinical Oncology(ASCO) annual meeting held during June1 to 5,2007 (2007-6-4)

 (開発中のSurvivin発現抑制剤YM155の欧米フェ-ズⅡ試験ならびに日本フェ-ズⅠ試験の結果の要約が、米国臨床癌学会:6月1~5日のウエブに掲載された)

1-3-5 Adverse Event of FG 2216 for the treatment of Anemia (2007-5-7)  (貧血治療剤FG-2216の臨床試験における副作用の報告)

1-3-7 Astellas and Theravance Announce Submission of Telavancin MAA for the Treatment of Complicated Skin and Soft Tissue Infections in Europe (抗生物質テラバンシンの欧州における承認申請)

2.        SANARI PATENT所見

2-1  アステラスもバイエルもweb.globalに多国語版がリンクされているが、アステラスの中国語版には、13億人市場への貢献の意欲が窺える。

2-2   海外市場の比重が高い業種についても、分野の特徴がweb-siteに著しく表現される。例えば、トヨタ自動車のweb-globalは、徹頭徹尾、その車種ごとのデザインと機能の宣伝で、シェア拡大の意欲が全てという印象である。環境・エネルギ-関係以外の社会貢献関係は、別にwebされていると考える。

2007年7月19日 (木)

Japan METI Minister A.AMARI, Costars with Malaysia MITI Minister H.R.AZIZ “Your Profic Center in Asia, MALAYSIA” マレ-シア工業開発庁・三菱UFJ銀行等が昨日、帝国ホテルにて共催 知的財産権説明資料も

President of Fuji Electronics A.TAKAI states Experiments & Remarkable Developments in Malaysia  富士電機デバイステクノロジ・高井 明社長が、マレ-シアにおける情報デバイス製造・輸出事業の成功経過を説明 

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

(この記事に対する修正ご要求は、patent@sanari.nameにメ-ル下さい)

1.        甘利  経済産業大臣とラフィダ アジス・マレ-シア通商産業大臣の演説(2007-7-18)

1-1  両大臣とも通商産業分野の政治歴が永く、日本とマレ-シアの経済産業の緊密化が、量的・質的に、かつ二国間および国際条約上、顕著な展開を実現しつつあることから、両大臣の演説が呼応して、両国共利共栄の構図が具体的に示された(例えば、当日、わが国・独立行政法人・中小企業基盤整備機構とマレ-シア中小企業開発公社との協力関係構築に関する覚書の締結調印式が、帝国ホテルにおいて行われた)。

1-2  マレ-シア・ラフィダ アジス・マレ-シア通商産業大臣のメッセ-ジのうち、特に同国の「ブランド政策」と「情報通信技術政策」に関する強調は、わが国を始め先進諸国の重点政策と軌を一にするものとして注目された。すなわち、

1-2-1 「全世界で、ブランド戦略は企業経営の中核となりつつある。消費者があらゆる商品の情報の洪水に直面している現在、ブランドこそ製品の価値と品質を識別させるものである。マレ-シアの企業が海外発展を遂げるために、ブランド戦略は、企業が新たに挑戦すべき課題である。ブランドの強さはまた、その国に対する国際評価の高さに依存するから、マレ-シアの行政は、企業のブランド戦略が奏功するよう、国のソフトパワ-(how the country is perceived in the world market)を向上することにより支援することに努め、今日までその成果を収めてきた。」

1-2-2 「情報通信技術(ICT)は、マレ-シア経済の新たな成長分野と位置づけられてきた。ICTはまた、ソフトウェア開発サ-ビスの輸出産業として、経営統合システムの構築業務として、創造的マルティメディアコンテンツおよびアプリケ-ション産業として、さらには電子的製造方法(e-manufacturing)やインタ-ネット利用ソリュ-ション業務として、マレ-シアの発展力となる可能性が認められる。

2.        富士電機デバイステクノロジ-高井 明社長のマレ-シア立地論

2-1  当日(2007-7-18)、日系企業ゲストスピ-カとして、富士電機グル-プで2割近い売上比率を有する富士電機デバイステクノロジ-の高井 明社長が、マレ-シアにおける同社の業績発展について説明した。

2-2  同社は、富士電機グル-プにおいて主として情報デバイスの製造を担当し、マレ-シアKEDA州(同国の西北部)に立地した工場においては、アルミ系のデバイス半導体等を中心として、映像デバイス、有機感光体などに及んできたが、業績は顕著に向上し(2007年度売上は対2006年度17.8%増の見込み)、新工場を建設して、半導体前処理工程、組立工程を2008年度から順次稼動する。

2-3  マレ-シアに立地することのメリットとして、次の事項が顕著である。

2-3-1        政治・経済・社会情勢が安定している。

2-3-2        情報デバイス関係の製造分野は、電力・天然ガスのエネルギ-源と用水の質および価格の条件に依存するが、わが国と比べてマレ-シアの価格は、電力65%、天然ガス60%、用水14%と、同質・低廉であり、コストメリットが大きい。

2-3-3        レベルの高い労働力、特に、短大・高専レベルの若く優秀な人材を豊富に得ることができる。

2-3-4        輸出の6割がアジア向けで、立地条件が良い。

2-3-5        ハイテク企業等の知識集約型企業の立地が多くなり、活発なビジネス環境を形成している。

2-3-6        生活環境も良好である。 

3.        マレ-シア知的財産権制度の近況(以下別回)

2007年7月18日 (水)

Who Decides National Universities Role on IP ? 国立大学の社会的役割を確認することが必要

Material Transfer Agreement  その他の「国立大学知的財産開発に伴う諸問題」に、国立大学協会の自主的取組が必要(関連記事July 16

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

(この記事に対する修正ご要求は、patent@sanari.nameにメ-ル下さい)

1.        国立大学の法人化から3年余

  「知財推進計画07の策定についての要望」と題する国立大学協会の対内閣知財戦略本部意見書の冒頭には、現時点における国立大学の立場が次のように述べてられている。(要旨)

1-1  国立大学および大学共同利用機構(SANARI PATENT 注:)は、平成16年4月からの法人化を契機として、そのメリットを活かしながら、各法人における経営戦略の確立や教育研究の活性化・学生支援の充実・産学連携・地域貢献など多様な改革に取組んでいる。

1-2  各法人においては、創造的・先端的な学術研究や、知的財産の活用、人材養成の観点から、知財推進計画実施のため、知財業務の特性に配慮した財政的支援や誘導施策の体系構築等が重要と考える。

1-3  そこで内閣知財戦略本部においては、今後とも、国立大学等における教育研究の充実と改革推進の重要性を理解され、別添の要望に配慮されたい。

2.「国立大学の社会的役割への配慮と知財推進計画への位置づけ」についての要望(要旨)とその考察

2-1 要望

  長期的に価値を生む基盤・基礎的な知的財産(基本特許等)の創出・管理・活用を通じて国際競争力に貢献するという国立大学の社会的役割を踏まえた上で、知財推進計画において国立大学の役割を明確化すること。

2-2 SANARI PATENT所見

  知財推進計画においては、大学の国公私立別の計画設定を行っていない。国立大学協会の要望の趣旨が、設立母体別の役割明確化を意味するのであれば、急遽検討を要すると考える。例えば、公立大学は地域密着型の産学連携、私立大学は医学その他の独自特徴分野、国立大学は学際・業際を含む基礎分野など。

3.「国立大学の知的財産業務の特性に配慮した財政的支援・誘導政策の体系構築」についての要望(要旨)とその考察

3-1 要望

3-1-1国立大学法人における知的財産業務が新しい活動であり、その量的・質的内容が今後とも大きく変動する可能性や、基盤的・長期的視点に立つ大学の知的財産業務の特性に配慮し、従来の知的財産本部整備事業、特許料等の支援施策と同様に、明示的に知的財産業務の財政的支援・誘導政策の体系構築を要望する。

3-1-2 一部の大学に対する支援のみならず、知的財産本部の体制が現在脆弱な大学に対しても、関連機関による一元的支援体制を構築するなどの配慮を要望する。

3-2 SANARI PATENT所見

  「知的財産本部の体制が現在脆弱な大学に対しても」とあるが、全国大学数744に対し、知的財産本部整備事業を実施しているのは43(6%)に過ぎないから、大勢は「脆弱」以前とも考えられる。

4.「知的財産に関する共通的課題についてのガイドラインの提示」についての要望(要旨)とその考察

4-1 要望

  「学生・ポスドク等の共同研究への参加のル―ル」「リサ―チツ―ル」「マテリアルトランスファ―契約(SANARI PATENT 注:MTAと通称されている)」「大学におけるソフトウェアやデ―タベ―スなどのコンテンツ分野の知的財産に関する取扱い」など、共通課題について、関係者の意見を取り入れつつ、国として一定のガイドラインを提示することを要望する。

4-2 SANARI PATENT所見

4-2-1 学生・ポスドク等が企業との共同研究に参加する場合の、「営業秘密の保持」「知的財産権を出願する権利の所在」「職務発明・職務著作の権利の所在」などに関するル―ルは、国立大学の法人化の趣旨にもかんがみ、国立大学協会が立案し、実施すべきである。

4-2-2 リサ―チツ―ルについては、日本製薬工業会のパテントポリシ―を、国立大学協会が公式に採択し、国有リサ―チツ―ル特許について適用すべきである。

4-2-3 コンテンツを含めて、国立大学を当事者とするMTAの基準は、国立大学協会が自主的に定めるべきである。

2007年7月17日 (火)

Invention Promoters in US Bパテントアト-ニ-に対する米国特許商標庁の特許業務代理資格剥奪をCAFC(米国巡回控訴裁判所)が支持(2007-6-21判決)

Exploit Unsophisticated Inventors  米国における個人発明家活況の派生現象

 パテント促進業者からBパテントアト-ニ-に月額366万円支払い(隔週その半額づつ)

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

(この記事に対する修正ご要求は、patent@sanari.nameにメ-ル下さい)

  米国建国に際して特許権の保護が憲法保障条項とされ、知財開発・ベンチャ-の活況とイノベ-ションをもたらした歴史に由来して、米国では個人発明家の層が厚い(わが国では自民党の新憲法案に知財条項を新設)。反面、権利価値が希薄な発明、あるいは特許付与可能性が希少な出願等の内容を、過大に賞賛しつつ、制度に未熟な個人発明家に対して出願等を奨励し、依頼者の真意をすり替えて不当な手数料を取得するパテントアト-ニ-も出現する事態が、米国においてはもたらされた。

  米国特許商標庁がBパテントアト-ニ-の特許法令違反を理由として、その特許業務資格を剥奪し、地裁がこれを支持したことに対し、Bパテントアト-ニ-はCAFCに控訴したが、CAFCは、米国特許商標庁の決定を覆す理由なしとして、控訴を斥けた。

この件に関連して、SANARI PATENTは、次のように内閣知財戦略本部に要望した。(2007-7-15 送信済)

 記

米国特許商標庁による特許弁護士(Patent Attorney)の代理資格剥奪に関し、「特許促進業者」(米国CAFC判決の「Patent Promoter)および特許弁護士相当者に対する予防監督ご検討の要望 2007-7-15

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

 米国では個人発明家の特許活動が活発であることの副作用として、「悪辣な特許促進業者」も活躍し、関連して、米国特許商標庁がB特許弁護士の資格を剥奪し、同特許弁護士の控訴を米国巡回控訴裁判所が棄却判決(2007-6-21)をもって斥けましたが、わが国におきましては、このような事態の発生に先立つ予防監督が望ましく、知財推進計画08にご計画を要望申しあげます。

 なお、上記CAFCの判決要旨を次のように理解しておりますが、誤謬をご指摘いただければ、幸甚に存じます。

記(CAFC 2007-6-21判決要旨)

1.        このたび米国特許商標庁がB特許弁護士(Patent Attorney)の対米国特許商標庁代理資格を剥奪した措置は、米国特許商標庁がかねてより、特許弁護士(Patent Attorney)と特許代理人(Patent Agent)の業務を監督し、もって「個人発明家の希望を砕き、手数料を空費させる」「利己主義の特許促進業者」を排除すべく規制してきたことの一つの顕現である。

2.        特許法の分野においても、世慣れた(sophisticated)出願人は、法的代理の必要性とさせ方について意思決定し、能力・誠実・品格あるパテントアト-ニ-を選定できるが、個人発明者は、特許法の知識やパテントアト-ニ-選択の能力に乏しい。

3.        米国特許商標庁は、基礎的知識・能力等がある者をパテントアト-ニ-として登録し、そのリストを開示しているが、特許促進業者や悪徳パテントアト-ニ-は、特許取得の利益や見込みがないのに、その発明を賞賛し、「から保証」(hollow guarantees)を乱発して、「世慣れない個人発明者」から搾取する。

4.        米国特許商標庁は、B 特許弁護士(Patent Attorney)が、特許弁護士(Patent Attorney)を規律する複数の規定に違反したことを認定した。

4-1  米国特許法におけるデザインパテント(Design Patent)と機能パテント(Utility Patent)の各対象に関連して、依頼者に対する対応は、すこぶる不適切であった(fell Far short of Minimum Standards)

4-2  対価の授受に関して、利害相反に関する開示要件に違背した。

4-3  米国特許商標庁の本件処置に関する調査を妨げた(B Patent Attorney engaged in evasive conduct prejudicial to the PTO’s Investigation.

5        従って、CAFCは、米国特許商標庁が下した「B 特許弁護士(Patent Attorney)は米国特許法§10.23(b)(5)に違反した」という決定を覆す理由を見出さない。

(詳細・別回)

2007年7月16日 (月)

The Japan Association of National Universities States IP Policy 社団法人・国立大学協会の知財推進計画07に関する意見

List of Priority Measures for National Universities’ IP Development  5項目の要望を提示

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

(この記事に対する修正ご要求は、patent@sanari.nameにメ-ル下さい)

  内閣知財戦略本部・知財推進計画07の本編・第1章「知的財産の創造」は、その5節構成の第1節から第3節までを「大学の知財活動」に依存し、しかも、5節の分節23のうち18を大学の知財活動に充てている。

  知財活動の原動力を産業に求め、大学に基礎研究の充実を求める立場から見ると、この構成自体に若干の違和感があるのではないかと推測する。

  横浜国立大学の飯田嘉宏学長は、「基礎研究分野を軽視するな」と題して、「大学の意義や実態についての理解に欠けた議論」を懸念する論説を朝日新聞(2007-6-26)に寄せているが、国立大学総体としての意見をここで考察することとし、先ず、国立大学の全大学における統計上の比率を見ておく。

1.        大学統計の平成18度確定報における国立大学

1-1  文部科学省の標記統計によれば、大学総数744のうち、国立87、公立89、私立568である。

1-2  大学生の総数は285万9212で、うち国立62万8947、公立12万7872、私立210万2393である。

1-3  工学部設置大学数は151で、うち国立59、公立12、私立80である。

1-4  大学の本務教員数は16万4473で、うち国立6万0712、公立11743、私立92018である。

2.        社団法人・国立大学協会の支部構成(SANARI PATENT記載付順)

2-1  東京12大学: 東京・東京医科歯科・東京外国語・東京学芸・東京農工・東京芸術・東京工業・東京海洋・御茶ノ水女子・電気通信・一橋・政策研究大学院

2-2  関東甲信越14大学:  茨城・筑波・筑波技術・宇都宮・群馬・埼玉・千葉・横浜国立・新潟・長岡技術科学・上越教育・山梨・信州・総合研究大学院

2-3  近畿14大学: 滋賀・滋賀医科・京都・京都教育・京都工芸繊維・大阪・大阪外国語・大阪教育・兵庫教育・神戸・奈良教育・奈良女子・和歌山・奈良先端科学技術大学院

2-4  東海北陸12大学: 富山・金沢・福井・岐阜・静岡・浜松医科・名古屋・愛知教育・名古屋工業・豊橋技術科学・三重・北陸先端科学技術大学院

2-5  東北7大学: 弘前・岩手・東北・宮城教育・秋田・山形・福島

2-6  北海道7大学: 北海道・北海道教育・室蘭工業・小樽商科・帯広畜産・旭川医科・北見工業

2-7  中国四国10大学: 鳥取・島根・岡山・広島・山口・徳島・鳴門教育・香川・愛媛・高知

2-8  九州11大学: 福岡教育・九州・九州工業・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・琉球

2-9  特別会員4研究機構: 人間文化・自然科学・高エネルギ-加速器・情報システム 

3.        国立大学協会の要望事項

3-1        国立大学の社会的役割への配慮と知的財産計画への位置づけ

3-2        国立大学の知的財産業務の特性に配慮した財政的支援・誘導施策体系の構築

3-3        知的財産に関する共通的課題についてのガイドラインの提示

3-4        知的財産専門人材の育成・確保

3-5        外部研究資金制度における省庁間の整合性確保

この5項目に対応する知財推進計画07の計画内容について、次回以降に検討する。

2007年7月15日 (日)

Penetration, Sparks, Conception as Trigger of Innovation 「洞察・ひらめき・着想」が「発明・イノベ-ション」を触発するC&Cメカニズム

NEC Creates Sparks for Innovation  公開されたNECの「C&Cイノベ-ション」: 独立行政法人・情報通信研究機構も「ひらめき数式」開発

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

(この記事に対する修正ご要求は、patent@sanari.nameにメ-ル下さい)

1.        「発明とイノベ-ション」を触発する「洞察・ひらめき・着想」

1-1 企業が高度高速なイノベ-ション世紀に存続と発展を遂げてゆくためには、経営者と社員の頭脳に「ひらめき」を発生させる科学的メカニズムを作用させると共に、その多様な「ひらめき」の続発を高度高速に上位の「ひらめき」として構成し、かつ、的確にその本質を表現する「触発の場」が構築されていなければならない。

1-2  NECは、テレビ東京「WBS(2007-7-12)の場で、上記のNEC版を、「C&Cイノベ-ション」の名称で公開した。「C&C」すなわち「Computers and Communications」は、財団法人・C&C振興財団(情報処理技術および通信技術の融合を目的とし、理事にNEC佐々木元会長、青木利晴NTTデ―タ相談役ほか)にも冠されている普遍語であるが、上記の「融合」の態様にNECの独創が見られる。

1-3 「ヒラメキ科学」という標題でテレビ東京が公開したNECの「C&C研究所」(山田正嗣所長)では、赤外線通信・社員ICタグ・電子ボ-ドなどによる社員の流線とディスカスのコンテンツと環境がヒラメキを合成し、アイディア生成と相関するメカニズムが紹介された。

1-4 独立行政法人・情報通信研究機構においても、「ヒラメキ」を、「数式に従った秩序をもつ現象」として研究している。

1-5 イノベ-ションは、日米競って国勢伸長の起動力とするとこれであるが、イノベ-ションの起動力は「洞察・ひらめき・着想」である。従って、先般閣議決定された「科学技術基本計画」が、「イノベ-ションの定義」として、「科学的発見や技術的発明を『洞察力』と融合して発展させ、新たな社会価値や経済的価値を生み出す革新である」と定めたことは、賛同できるが、常用するためには「硬直・冗長」の感がある。「科学技術的洞察に基づく社会経済の革新」と要約することを、SANARI PATENTは提案してきた。

1-6 この「洞察」は、「ヒラメキ」であり「着想」である。「着想」は、米国特許法における「発明」の実質的定義要素である「着想」(Conception)、実施化(Reduction to Practice)、勤勉(Reasonable Diligence)の基本要素をなすが、「洞察・ひらめき」によるものでなければ、「非自明性」(わが国特許法の「進歩性」が否定される場合が多く、特許性は欠くこととなる。

2.「ひらめき」の諸研究

2-1 従来、「ひらめき」の研究は多様な分野において多様な手法で行われてきた。例えば「日経サイエンス」は、「ひらめきの瞬間、21世紀の担い手たち」と題して、イノベ-ションを触発した「ヒラメキ」の実例を具体的に紹介したが、例示としてここには「日東電工」について「ヒラメキ」の展開テ-マを列挙する。

  「免疫の真相」「時を刻む」「意を汲む」「箱の中の宇宙」「光の雫」「点と線」「光合成をデザインする」「全身で戦う」「本物は誰だ」「トレジャ-ハンタ-」「心の境界線」「プロセスの力」「柔らかな脳」等々。

2-2 上記の中でも「トレジャ-ハンタ-」の語は、社富・国富に直結する感があるので、紹介内容を瞥見すると、「マントルとマグマの相異点を認識することから「ひらめき」を得て、電子・イオンマイクログロ-ブ手法による物質探査を深海(7000メ-トル)に及ぼそうとするもののようである。

2.        SANARI PATENT所見

  「洞察・ひらめき・着想」はいずれも、記録・表現・合成・実施可能性確認を経なければ、イノベ-ションに結合できない。米国特許法が「発明日」の先後決定に発明の「察・ひらめき・着想」の記録・実施(Reduction to Practice)を要素とすることは当然である。

  SANARI PATENTは、このたびのNEC・C&Cイノベ-ションの「ひらめき」生成構造において、「ひらめき」の発生と共に、その合成と記述がオンラインで明確・即時に記録されることに、極めて重要なイノベ-ション促進価値を認識する。

2007年7月14日 (土)

Patent License and M&A 日本政策投資銀行(DBJ)の「M&A戦略」を再読(三角合併解禁を契機として)

Change of Control Clause  特許ライセンス契約と資本拘束条項の同時設定を必要とする内外の企業動向

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

(この記事に対する修正ご要求は、patent@sanari.nameにメ-ル下さい)

1.        一般クロスライセンス契約・包括クロスライセンス契約における資本拘束条項     

1-1  製品群に多数の特許権を内在させている業種においては、閣内および外国の同業種有力企業と、一般クロスライセンス契約・包括クロスライセンス契約を締結する場合や、株式取得・M&A等の審査本移動と併せて相手方特許権の利用を実現する場合が多く見られる。

1-2  これらの場合に、相手方企業が別のM&A等により第三の企業と技術提携関係を有するに至った場合には、一般クロスライセンス契約・包括クロスライセンス契約を変更または破棄できるという「資本拘束条項」を付することが知財戦略として欧米では多用され、わが国でも、本年5月の三角合併解禁等の法的環境から、若干の事例が注目を集めている。

1-3  企業の戦略に関する事柄であるから、マスコミの推測として理解すべきであるが、「HOYAとペンタックス」「新日鉄とアルセロ―ル」「日本板硝子と英国ピルキントン」「田辺製薬と米国セントコア」などが資本拘束条項の約定例として引用されている。

2.        日本政策投資銀行の解説(要旨)

知財専門家としては、一般クロスライセンス契約や包括クロスライセンス契約の締結、また、これらから派生する諸問題(職務発明など)に関与する場合が多くなると予想される。

 ここでは先ず、日本政策投資銀行がそのウエブサイトに示している「企業戦略体系における資本拘束条項の位置づけを考察する。

2-1  日本政策投資銀行の解説では、資本拘束条項を、「米国でよく使われる敵対的買収抑止策」の1項目として掲げているが、本稿の目的上は、「一般クロスライセンス契約や包括クロスライセンス契約を締結している相手方企業に、敵対的買収が仕掛けられた場合への対応」として理解することとなる。

2-2  日本政策投資銀行は、上記策の概要を次のように述べている。(要旨)

2-2-1 Change of Control Clause(資本拘束条項)

主要株主の異動や経営陣の交代を行う場合には、ライセンス契約・代理店契約等の重要契約を終了させたり(あるいは終了したり)、長期債務の即時変換義務が発生政策仕組みを入れておく。

2-2-2 Fair Price Clause  (公正価格条項)

買収者が支払うべき公正価格をあらかじめ定めておき、それ以下の価格による買収に対しては、株主総会の特別決議を要することを定めておく。

2-2-3        その他8項目

  特許ライセンスとの関係では、わが国で話題になっていないので省略する。

3. SANARI PATENT所見

資本拘束条項が一般の注目対象になったのは、2年ほど前に、新日鉄・住金・神戸製鋼の3社が特許技術のクロスライセンス契約を締結するに際し、資本拘束条項をも契約内容とし、各3社とも外部からの企業買収行動のリスクを排除する構えと報道されたころからである。事前に敵対的買収の意欲を削ぐ防衛的意図によると見られ、鉄鋼業界にもグロ-バルな企業M&Aの大規模競争体制が構築されつつあることを認識させた。

2007年7月13日 (金)

Google Utilizes Consumer’s Media 消費者発メディアの広告媒体化:グ-グルのアドセンスシステムに一般の関心著増

Patent on Advertising「広告」関係の特許公開件数13573(2007-7-12検索)

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

(この記事に対する修正ご要求は、patent@sanari.nameにメ-ル下さい)

  SANARI PATENTのパソコン画面には、ニフティ、グ-等の検索表示と並んで、「グ-グル検索」の表示が、総理官邸・経済産業省・特許庁・裁判所などのどのホ-ムペ-ジを開いても必ずトップ掲示される。知財戦略に関するインタ-ネット情報活用の慣用メディアとなっているが、知財専門家の多くが同様であろう。

このようにグ-グルは、一次的には検索サ-ビスとして印象付けられつつ、9年前に発足したが、検索システムとネット情報発信システムの双方を結合する広告システムの開発によって、広告業界における地位を著しく強化しつつある。

  一方、わが国広告業界の最大手「電通」について、野村證券・東洋経済「会社四季報」(2007-6-25)は、次のように述べている(要旨)。

 「2008年3月期営業利益予想6380億円。広告95%。海外10%。広告会社国内最大手でシェア25%と圧倒的。世界第5位。テレビやイベントで抜群である」。

他方、グ-グルが6年前にWeb検索連動型広告システムとして「Ad Words」を開始し、さらにその4年後、消費者をインタ-ネット情報発信者とするブログをも広告メディアとする「Ad Sense」システムを加えるに及んで、グ-グルの広告業界における地位は著しく優位になっている。グ-グルの2007年3月期営業利益は、1兆2800億円(レ-ト122円)と推定される。

  知財専門家としては先ず、「広告」に関する知財権の動向を見る。

1.「広告」の特許公開件数

1-1 「広告」検索(2007-7-12)でのヒット件数は13573(特許12100、実用新案1473)である。

1-2 ここ2年間に公開された事例を見る(要旨)。

1-2-1 発明の名称「インタ-ネット上の広告・情報提供システム」(公開日2005-7-7

1-2-1-1 出願人: 電通

1-2-1-2 課題: 広告ないし情報提供を効率よく行うことができるシステムを提供する。特に、ケ―タイによるアクセスに対しても、効率的なシステムを提供する。

1-2-1-3 解決手段: ウエブサイト1からのコンテンツ中には、バナ-広告2が含まれている。ユ-ザ-の操作によりバナ-広告2がクリックされると、広告処理サイト3が呼び出される。これを受けて広告処理サイト3は、バナ-広告2に対応した広告情報を生成し、バナ-広告2をクリックしたケ―タイ4に対して、メ-ルとして送信するように指令を生成する。接続処理装置5は、メ-ル送信指令を受けて、ケ―タイ4のメ-ルアドレスを取得して、広告情報をメ-ル形式にてメ-ルサ-バ6に送信する。ケ―タイ4のユ-ザ-は、メ-ルサ-バ6にアクセスして、広告情報が記述されたメ-ルを受信することができる。

1-2-2 発明の名称「携帯電話機を利用した情報提供システム」(公開日2006-11-30

1-2-2-1 出願人: 永井洋志

1-2-2-2 課題: インタ-ネットを利用して、ケ―タイに広告等の情報を表示させる情報提供システムを提供する。

1-2-2-3 解決手段: 広告等の情報と、この広告等の情報に対応して、少なくとも管理サ-バをアクセスするためのURL情報と、広告主を識別する広告主識別情報とを含む2次元コ-ドを掲載する広告媒体と、この2次元コ-ドを撮像して管理サ-バをアクセスするケ―タイと、ケ―タイに表示するWebペ-ジ等を備えた広告主のサ-バから構成される。管理サ-バは、ケ―タイが管理サ-バをアクセスすることにより取得した広告主識別情報に基づいて、広告主識別情報ごとにアクセス情報をカウントする。このアクセス累計度数が、予め設定したアクセス上限度数を超えた広告主への情報の提供が要求されると、管理サ-バは、他の広告主のサ-バにリンクを張ったバナ-広告付のWebペ-ジをアクセスしたケ―タイに表示させる。

2.SANARI PATENT所見

   グ-グルのアドセンスによって、消費者発信者が所得を合理的(透明性・客観性・随意性)に得る実例が連日紹介および報告され、消費者の関を吸引し実益を証言する件数が著増していると見られる。

   グ-グル自体のホ-ムペ-ジは、次のように述べている。

 「サイトのコンテンツ内容に関連する広告を掲載して収益を上げる(SANARI PATENT 注:この表現の正確な意味は、次の行で理解すること)。グ-グルのアドセンスは、お客様のサイトのコンテンツと一致する広告を配信し、サイトを訪問したユ-ザ-がその広告をクリックすることで、収益を獲得いただけます。」すなわち、「コンテンツ向けアドセンスでは、コンテンツを自動的にクロ-ルし、ユ-ザ-とサイトのコンテンツに関連する広告を配信します。」「検索向けアドセンスでは、ウェブサイト運営者がサイトのユ-ザ-にグ-グルウェブ検索およびサイト検索の機能を提供し、検索結果ペ-ジにグ-グルの広告を表示することで収益を上げることができます。」

  なお、アドセンスを、先行した「グ-グルのアドワ-ズ」システムと比較すると、それぞれ特性を有し、ユ-ザ-の選択肢を豊富にしたと考える。

2007年7月12日 (木)

Generic Medicines as Public Domain 特許期限満了医薬品使用促進の医療経済における意義と問題点

Cabinet decide Concrete Plan in 2007  内閣規制改革会議による後発医薬品使用促進の閣議決定

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

(この記事に対する修正ご要求は、patent@sanari.nameにメ-ル下さい)

  

  わが国総医療費30兆円のうち約6兆円を薬剤費が占めるが、画期的新薬の開発が要請されると共に、後発医薬品の比率が2割ないし3割に達して、特許満了医薬品の同一薬効が、広く経済的に適用されることが望まれている。

1.            医薬品特許制度の意義の発揮

1-1  医薬品特許権による独占性は、特に途上国における感染疾病対策のため、当該国による強制実施権の発動により緩和され、その発明の価値が発揮される(SANARI PATENT 注:例えば、鳥インフルエンザの経口投与薬。他に注射薬があるが、途上国の多数人口に適応し難い)。

1-2  特許医薬品の価値が期限満了に至っても存続する場合、当該特許権はパブリックドメインに属することとなり、薬事法の手続を経て、発明の価値がさらに広汎に発揮されることとなる。

2.閣議決定による後発医薬品使用促進と新薬開発対策

2-1 国民医療政策としても、後発医薬品の使用促進は、薬効の経済的な普及のため大きな意義を有する。従って政府は、「規制改革3カ年計画」においても、「後発医薬品の使用促進策を更に強化することについて、平成17年度中に検討し結論を得る」ことを閣議決定した(2007-6-29)

2-2 すなわち、この規制改革計画においては、画期的特許新薬の薬価加算率引き上げ等と共に、処方箋様式の変更など厚生労働省の後発医薬品使用促進政策を評価した上で、「引き続きそのような取組を継続することの必要性」を指摘した。具体的には診療報酬の改訂、薬価制度見直しなどによる一層の使用促進方策の結論を求めたものである。

2-3 上記閣議決定事項のうち、新薬特許に関係ある事項は次の通りである。

2-3-1 欧米諸国で承認された医薬品について、日本での迅速な承認を促進する。(SANARI PATENT 注:特許権付与と薬事法承認のタイムラグについては、内閣知財戦略本部においても、製薬業界出身本部員である武田製薬・長谷川 閑史社長から指摘発言(2007-3-29があった事柄である)

2-3-2 これに関連して、国際共同治験では、日本における医薬品開発・承認を促進するため、治験デ―タを受け入れる基準を明確にするなど、治験が早期かつ効率的に行われる仕組みの構築を求めている。

3.医薬品専門弁理士の活躍

   医薬品の高度の専門性(開発・知財・製造・治験・訴訟)から、知財業務に従事する知財専門家にも高度の専門性が要求されるが、その専門知識を吸収するため、例えば、「三極の後発医薬品の現状と今後」(副題:ジェネリック最新動向、新ビジネスモデルと知能戦の実際)と題する講演(2007-8-28予定)の企画が、JOHOKIKO.CO.LTDによってネット表示されている。講師は、日本製薬工業協会・知的財産部長で東京医科歯科大学客員教授の長井省三弁理士(元山之内製薬特許部長)で、日本の後発医薬品特許係争の現状と今後、欧州における新用途承認の」運用、米国固有の制度、三極を通ずるバイオシミラ-問題など、実務に即する豊かな内容が予告されている。

4.日本ジェネリック医薬品学会の独立発足(2007-4-1)

     従来の「研究会」を「学会」として発展させ、その第1回学会学術大会を、メインテ-マ「新たなステ-ジを迎えるジェネリック医薬品」のもとに開催した。

  研究発表のテ-マとしては、「処方箋様式変更に伴う後発医薬品の利用状況の変化」「安全性を重視したジェネリック医薬品への切替について」など、約30件に及んだ。

5.SANARI PATENT所見

  「後発医薬品」「ジェネリック医薬品」等の呼称や、使用促進に伴う問題点については、Q&A方式の解説が、メ―カ等によってウェブ公開されている。

2007年7月11日 (水)

3M, Diversified Technology Company, Claims Adhesive Patent スリ-エムカンパニ-の「引き伸ばし剥離接着剤を用いる物品支持体」特許

Recognition of Inventive Step  従来技術における示唆・動機付けの存否

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

(この記事に対する修正ご要求は、patent@sanari.nameにメ-ル下さい)

  スリ-エムの「引き伸ばし剥離接着剤を用いる物品支持体」特許を、特許庁が取消決定したので、スリ-エムはこの決定の取消を求める訴訟を提起し、その係属中に特許請求範囲縮減の訂正審判請求をした。特許庁がこの請求は成り立たないと審決したので、スリ-エムはこの審決の取消を知財高裁に求めたが、知財高裁はこの請求を棄却した(2007-6-27)

   知財高裁は、スリ-エムが主張する審決取消事由1は理由がある(本件明細書・図面訂正は、実質上、特許請求の範囲を拡張・変更するものではない)が、審決取消事由2は理由がない(容易想到性を認定)と判断している。

  スリ-エム(3M Company)は、米国MinnesotaSt. Paulに本拠を置いて1920年に設立、5万種を超える製品を開発し、電気・通信、ヘルスケア等の6つの市場センタ-(Display and Graphics BusinessElectro and Communications BusinessHealth Care BusinessIndustrial and Transportation BusinessSafety, Security and Protection Services Business)で事業展開している。

  ここでは、現在最も問題とされている容易想到性の判断、すなわち進歩性の判断について考察する。

1.        スリ-エムの主張

1-1 引用発明の取り付け具と周知の技術手段とは同じ技術分野に属するものではなかったこと、基礎部材と支持部材が取り外し可能な分離型の物品支持体が、基礎部材と支持部材が一体となった非分離型の取り付け具と比較して不利であると当業者に考えられていたことからすれば、引用発明に刊行物記載の周知技術手段を組合わせることには、阻害要因があったというべきである。

1-2 引用発明の取り付け具は、基材を損傷することなく除去できる引き伸ばし剥離接着テ-プが技術的に重要な構成要素であり、引き伸ばし剥離接着剤メ―カによって技術開発および製造されているのに対して、刊行物等の各技術手段はいずれもプラスチックまたは金属素材の加工物品が技術的に主要な構成要素で、プラスチックまたは金属素材の加工業者によって技術開発および製造されているので、同じ技術分野に属さない。

2.知財高裁の判断

2-1 刊行物1には、衣類等をぶら下げる物品支持体の具体的構成として、取り付け具を壁に、両面テ-プで固定し、そのフック部材に衣類等をぶら下げる発明が開示されていた。

2-2 刊行物2には、相補的な2部分によって構成される衣服掛けを、壁にネジ釘等によって固定し、その突出した2要素に衣類等をぶら下げること、相補的な2部分は、相互にスライドさせて取り外し可能であることから成る発明が開示されていた。

2-3 引用発明と刊行物記載の技術とは、衣類等をぶら下げる部材を備え、壁に固定して使用する物品支持体である点で技術分野が共通する。

2-4 設計関係の事項についても、刊行物等に示唆および動機付けの存在が認められる。

3.SANARI PATENT所見

   特許法126条3項適合性の争点について付記する。

3-1  審決は、「引き伸ばすための手段が『スライド手段をさせて支持部材を基礎部材から取り出す際に露出すること』は、明細書・図面記載事項から自明でない」として、標記適合性を否定した。

3-2  スリ-エムは、明細書・図面から自明と主張した。

3-3  知財高裁は、明細書・図面から合理的に理解すれば、被告特許庁の主張は採用できないと判断した。

2007年7月10日 (火)

Rules for Contents’ Utilization 放送番組コピ-可能回数の増加要請方針(総務省2007-7-6)、クリエイティブコモンズ、パブリックドメイン、自由利用マ-ク

Make Popular “Creative Commons, Public Domain etc.” コンテンツ流通円滑化の諸方式の総合調整と周知が必要

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

(この記事に対する修正ご要求は、patent@sanari.nameにメ-ル下さい)

  著作者やコンテンツクリエ-タと呼ばれる人々の意図は多様であって、直ちに著作物使用料収入を得ることよりも、先ず著作物やコンテンツが流布され人気を博して、著作者・クリエ-タとしての名声が挙がるという経済効果を意図する場合もあり、また、受信の広汎に及ぶこと自体を意図する場合もある。

  従って、一律に著作物・コンテンツの管理機構が利用者から使用料を徴収して、管理機構の維持費用と著作者・クリエ-タ報酬に充当することよりも、各著作者・クリエ-タの自由な意図が的確に表示されて、著作権法の一律規制を弾力的に実際化し、また過度の規制を排除する工夫が必要である。

  クリエイティブコモンズ、パブリックドメイン、自由利用マ-ク、放送番組コピ-可能回数の増加(総務省)など、様々な対応が考えられてきたし、現に提案されてもいるが、これらを総合的に検討して、文化芸術の「美しい国」を築くことが望まれる。

  

  検討体制としては、コンテンツ産業・電子機器製造・特許所管の経済産業省、電気通信所管の総務省、文化芸術所管の文部科学省、公正取引委員会等と、業界・消費者団体の広い参加が必須である。

1.        クリエイティブコモンズ

1-1  わが国を含めて、既に70国以上で推進団体が構成され、クリエイティブコモンズの概念も多様に表現されているが、その基本的な目的は、「情報共有の障害となる著作権等の知的財産権に関する法的問題を回避することである。

1-2  最も簡単な定義は、「著作権を前面的に留保する『全権利留保』(All Rights Reserved)と、利用が全て自由である『公共財コンテンツ』(No Rights Reserved)との中間の『権利の一部留保』(Some Rights Reserved)がクリエイティブコモンズであるとする。

1-3  しかし、クリエイティブコモンズの表示が、「著作者・クリエ-タの名称や情報の表示をライセンス条件とするもの」「営利目的禁止」「営利目的使用には許諾必要」「改変不可」などと定型化されているクリエイティブコモンズ推進団体がある一方、後述の「自由利用マ-クシステム」や「放送番組コピ-許容回数の増加」等の工夫が、著作権法の「私的複製に対する権利制限」と相俟って、1-2の分画には、実際上不明確性を伴う。

2.        パブリックドメイン

2-1  著作権法上、「引用」が認められる場合を含めて、条理上、公共財としての利用が自由に認められる著作物やコンテンツの一部をパブリックドメインとする法慣習の確立が望ましいと、SANARI PATENTは考える。

2-2  しかし、改まってパブリックドメインの定義を求めると、次のように例示され、硬直的であるから、行政上司法上の弾力性が望まれる。

2-2-1      保護期間を満了した著作権。(SANARI PATENT 注:知財推進計画07の策定に際して、著作権の延長に対する反対意見が多かったが、パブリックドメイン化が20年間も遅延することが理由とされている)

2-2-2      権利放棄した著作権

2-2-3      権利付与の方式を履行していない著作権(外国法の場合)

2-2-4      条約上、パブリックドメインに属する著作物など

3.        自由利用マ-ク

3-1 著作者が、自己の著作物を他人の自由使用に委ねてもよいと考える場合に、その意思を表示するマ-クである。  

3-2 マ-クの意味や内容も著作権者の随意とすればよいのではないかと、SANARI PATENTは考えるが、このマ-クを公表した文化庁の要項では、利用範囲や目的によって3種に分かち、硬直的なものに化している。文化庁が広く利用を呼びかけるとしていたが、実績の報告を見受けない。

4.        デジタル放送番組のコピ-

4-1  放送業界と家電業界の自主ル―ルとして、コピ-ワンスが2004年に発足したが、yomiuri.com(2007-7-7)によれば、総務省は、「デジタル放送のテレビ番組をDVDレコ-ダに1回しか録画できないよう、特殊な信号を使って制限している「コピ-ワンス」について、DVD などに9回までのダビングを認めるよう、放送局などに要請する方針を明らかにした。

4-2  コピ-ワンスのような制御は、米国・フランス・韓国等で検討はされたが実施はされず、日本独特の慣行と見られる。

2007年7月 9日 (月)

Inventive Step Requirement 原告 メルク エンド カムパニ- インコ-ポレ-テッドの審決取消請求事件 知財高裁判決(2007-7-4)  製剤設計における結晶多形

Specific Example of Reasoning  「タキキニン受容体拮抗薬メチルモルホリン多形結晶」関係特許拒絶維持審決の取消請求を棄却

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

(この記事に対する修正ご要求は、patent@sanari.nameにメ-ル下さい)

  本月4日のメルク知財高裁判決で、医薬品分野の結晶多形に関する容易想到性判断の基準を示す。

1.        原告の主張

1-1  原告は、「審決が容易想到性を誤り、かつ、本願発明の顕著な効果を看過し、拒絶査定を維持したので、違法である」と主張した。

1-2  すなわち、原告は次のように主張した。

1-2-1      審決は、「一般に、多くの有機化合物において、再結晶の溶媒の種類、PH,再結晶時の温度、圧力の違いにより結晶多形が存在することは周知であり、医薬として、あるいは医薬化合物の製造の上で、より好ましい安定性や溶解度等の物性を有する多形結晶を得ることを目的として、再結晶の諸条件を変えてみることは、当業者が当然に試みる周知の事項となっていた」として、

1-2-2      「本願発明の『Ⅰ形と称される多形結晶』は、引用発明の結晶を、特別な再結晶化条件を採用することなく、通常の再結晶化条件で再結晶化を行えば、過度の実験を行うことなく得られるものであり、『Ⅰ形と称される多形結晶』を得ることは、当業者が容易に想到し得ることである」として、本願発明のⅠ形多形結晶について、製造法の観点のみから、容易に想到し得ると判断したが、本願発明は、所定のX線粉末回折パタ-ンで特定される「物」の発明である。

1-2-3      当業者が通常の再結晶化条件で再結晶化を試みたとしても、Ⅰ形結晶が当然に得られたという関係にはなく、どのような溶媒を使えばどのような結晶形が得られるのか、どのような温度範囲で再結晶化を図らばどのような結晶形が得られるのかなどは、全く予測性がない。

1-2-4      特許庁は、ベンゼン環や複素環を有する化合物について多形が知られていたことを述べるが、ベンゼン環や複素環を有する化合物であっても、多形の存在が確認されていないものが多数存在する。医薬化合物のような複雑な化学物質の特性は、ベンゼン環や複素環などの化学構造のごく一部分が共通することから単純に類推できるものではない。

1-2-5      Ⅰ形結晶は、溶解度比、熱力学的安定性において、引用例の結晶より優れた特性を有し、医薬品製剤とした場合、製品の均質性、バイオアベイラビリティ(SANARI PATENT 注:投与された医薬品製剤が生理機能に有効に作用し得る有効作用完全度の指標)、安定性等々の面で有意な向上をもたらす。

2.        知財高裁の判断

2-1  先行文献によれば、結晶多形においては、結晶形が異なることにより、溶解度、安定性、融点等の物性が異なること、再結晶すると安定形が得られることがあること、結晶多形の検出および同定手段として、X線回折法、顕微鏡法、赤外線吸収スペクトル法、融点測定等が一般に知られていたことが認められる。

2-2  また、医薬品化合物について結晶多形を示すものが多いことが知られていたほか、結晶多形は、結晶形が異なることにより溶解速度が異なり、溶解速度は医薬効果に影響するから、製剤設計において結晶多形の存在を考慮すべきことは周知であった。

2-3  従って、本願発明には容易想到性が認められ、また、予想外の顕著な効果を認めるべき証拠もない。

3.        SANARI PATENT所見

3-1 容易想到性と顕著効果について、進歩性認定上、どの程度のハ-ドルの高さを設定すべきかが問題であって、分野別の考究と共に、個別の精査を要する。この事件では、審査・審決・判決の結論が一致したが、不一致の件数が、近く発売される特許庁年報2007版に掲載されている。

3-2  メルク エンド カムパニ- インコ-ポレ-テッド出願の「核酸製剤」(インフルエンザウィルス遺伝子生成物質をコ-ドするDNA構築物の提供)等が最近注目されている。

2007年7月 8日 (日)

Public Opinions on IP Policy: 弁理士専権業務の開放、知財裁判所の増設などの意見の問題点

SANARI PATENT Submits Opinion on these Problems: 内閣知財戦略本部にパブコメの検討について要望 

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

(この記事に対する修正ご要求は、patent@sanari.nameにメ-ル下さい)

  地域ブランドの振興が国策であり、例えば、鳥取の農産食材が米国グルメに好評(テレビ東京WBS2007-6-26)など、地域団体商標制度の活発な活用が意欲されているが、例えば、北海道では弁理士不足で登録出願が難渋しており、弁理士の専権を行政書士等に開放すべきであるとの意見が内閣知財戦略本部に提出されている。

 また、司法制度改革で弁護士人口は10年後には倍増する見込み(朝日新聞2007-6-27)であることから、弁護士の地域拡散により知財裁判所の一極集中を改める基盤ができ、早急に知財司法格差を是正すべきであると、愛知弁護士会は内閣知財戦略本部に要望した。

 なお認定司法書士は、簡裁段階で知財関係を含めて単独訴訟代理権を認められたが、知的財産権設定の代理は認められず、さらに現在は、一般金融の金利規制強化に伴う法律業務で多忙なようである。

 

 上記の状況にかんがみSANARI PATENTは、先般(2007-6-28)、次のように内閣知財戦略本部に意見を送信した。

   記

知財推進計画07ご策定に際して公募公表されました各界および個人意見につきましては、知財推進計画07の実施において御勘案のことと存じますが、下記ご公表意見につきましては、弁理士および知財弁護士の業務に直接関係する事項として、特に下記のように要望申しあげます。

1.        弁理士の専権業務について

1-1        ご公表意見の要旨

「実用新案・商標・意匠の登録等を弁理士専権から外して、行政書士等も行うことができるよう、弁理士法改正を強く望む。北海道など弁理士数の不足に対処する必要がある。」

1-2        小生の意見

知的財産権の総合的な創造・保護・活用が知財戦略上、必要であり、特許弁護士と商標代理人の各制度を別立てしている米国の制度に比べて、わが国の現行制度が優れていると考えますので、現行専権規定を維持し、弁理士の増員により需要を充足すべきであると存じます。

2.        知財訴訟事件の専属管轄について

2-1        ご公表意見(愛知県弁護士会)の要旨

「特許・実用新案・プログラム著作権等について、平成15年民事訴訟法改正により、司法過疎解消に逆行する不当な訴訟制度になったが、その際の両議院法務委員会付帯決議に基づき、地方在住者のため制度を見直されたい。」

2-2 小生の意見

   弁護士の増員体制が整い、全国事業体の知財保護が法的になされ得る趨勢にありますので、愛知県弁護士会の意見に賛同いたします。しかし、それが立法府にも説得力あるよう、知財訴訟の全国にわたる実態の把握が先ず必要と考えます。国会決議の「電話会議システム・テレビ会議システム利用の現実性、移送制度の活用状況などを含めまして。(以上)

2007年7月 7日 (土)

METI Plans KYUUSYUU Bio-Cluster 九州地域バイオクラスタ-戦略ビジョン案

Vaccine Production in KYUUSYUU Occupies 20% of Total Japan  ワクチン等のバイオ産業の優秀な地域基盤

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

(この記事に対する修正ご要求は、patent@sanari.nameにメ-ル下さい)

1.        九州経済産業局が「九州地域バイオクラスタ-戦略ビジョン案」を公表(32007-7-4)した。

1-1  標記のように7月4日に公表したが、案文の表題には「平成19年10月」とプリントされているから、各分野の意見を徴した上で、今秋に決定予定と推察する。「九州地域の産業構造」「九州地域におけるバイオ分野の実態把握」「関連省庁におけるバイオ産業およびクラスタ-関連政策」「バイオクラスタ-先端地域の分析」「産業クラスタ-計画の立案」「九州地域バイオクラスタ-構築に向けた取組」の6章(全157ペ-ジ)から成り、「特定分野に特化した広域産業クラスタ-戦略のモデル」として先駆するものと考える。

1-2  「特定分野に特化しない」広域産業クラスタ-戦略は、すでに平成13年度から経済産業省が「産業クラスタ-計画」として推進し、平成18年度から22年度までの5年間を第Ⅱ期として、既存プロジェクトの再編統合・見直しを含めた「産業クラスタ-第Ⅱ期計画」の推進中である。

1-3  米国シリコンバレ-に多様な新企業がハイテクベンチャ-として立地し、全米ないし全世界イノベ-ションを起動したことも、参考とされている。

2.        九州地域におけるバイオ分野の実態

九州地域バイオクラスタ-戦略ビジョン案は、次のように九州地域のバイオ特性を述べている。(要旨)

2-1  医薬品については、生物学的製剤が全国シェア20%を超えている。生物学的製剤は、抗体医療を始め、今後増加が見込まれることから、わが国医薬品開発の国際競争力強ため、九州地域は重要な位置付けにある。

2-2  特にワクチン関連の研究機関・企業の集積が見られ、大学・研究機関を中心に、世界的な創薬シ-ズを保有している。

2-3  食料分野、特に醤油、味噌、酒などの発酵技術に関するポテンシャルは非常に高い。医薬品についても、日本の4大製薬地として発展してきた田代(佐賀)周辺で湿布薬、貼付薬、点眼薬などの製造が盛んである。

2-4  九州地域のバイオ産業民間企業と財団法人は、次のように多彩で、医薬・農林水産・食品・化成品・環境・分析機器・センサ-・バイオインフォシステム・バイオ情報サ-ビスの多分野を兼営している。(SANARI PATENT 注:経済産業局案の通り、ただし一部略称にして転記したが、例えば、三菱ウェルファ-マ、久光製薬などを記載もれしているのではないか。創薬の別項に記載されているが、ここの記載は一覧表的であるから)

(福岡)旭テクネイオン、東陶機器、サンバイオ、九州メディカル、新日化環境エンジニアリング、環境テクノス、キュ-リンパ-セル、ペプチドサポ-ト、TASプロジェクト、アステック、イベリカ、インタ-エコ、ハラテック、富士通九州システムエンジニアリング、トキワサイエンス、バイオコムシステムズ、中村産業、イムノデジア、グリ-ンペプタイド、福岡生物産業開発、クロレラ、ジ-ンネット、オ-ム乳業、エキジェノミクス、ジ-エヌアイ、ジ-ンアクト、ビジョンバイオ、マッシュピア

(佐賀)味の素、東洋新薬、九動、パナソニック、祐徳薬

(長崎)バイオラボ、マサキエンヴェック

(熊本)イムノキック、トランススジェニック、化学血清療法、同人化学、同人グロ-カル、ア-クリソ-ス、シリウス、ビッグバイオ、健康予防医学、みなまた環境、服部、チッソ、パナフザ-ム

(大分)旭メディカル、キュ-メイ、エコアップ、興人、アドテック

(鹿児島)坂元醸造、ゼノシップ、ビ-エムピ-ハイブリッド、日本澱粉、新日本科学、田苑酒造、薩摩酒造、霧島高原ビ-ル

3.        製薬についての特記

3-1        がんワクチンの開発が活発である。

3-2        貼付薬製薬集積地域の由来で、経皮ワクチンなど市場性が大きい製品が開発されている。

3-3        前臨床試験関連企業が多い(SANARI PATENT 注:東京区部等では、立地が難しい)。アジア地域とも連携している(SANARI PATENT 注:動物実験について、中国はわが国同種実験業のライバル化しつつある)

3-4        診断・ツ-ル関係の企業も多い。

3-5        治験ネットワ-クが構築されている。

2007年7月 6日 (金)

JPO Annual Report 2007 be put on Sale on July 20 新動向の多角的解析

Careful Selection of Patent Application:  特許出願厳選の兆しなど

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

(この記事に対する修正ご要求は、patent@sanari.nameにメ-ル下さい)

  本月20日から販売される特許庁年次報告書2007版「産業財産権の現状と課題」(副題:技術経営力の強化によるイノベ-ションの促進)において、次の動向が指摘されている。

1.        特許庁が指摘する新動向

1-1        特許出願に厳選の兆しが見える(2-2-1参照)

1-2        特許審査件数は、大幅に増加している。

1-3        実用新案登録出願は、法改正後、堅調に推移している。

1-4        意匠登録出願は、減少している。

1-5        商標登録出願は、安定化の傾向にある。

1-6        特許の拒絶査定に対する不服審判しては、請求不成立の割合が増加している。

1-7        特許出願のグロ-バル化が進行している。

1-8        海外からの実用新案登録出願が増加している。

1-9        中国における意匠出願が急増している。

1-10    企業の知財担当者数と知財活動費が増加している。

1-11    大学では、特許出願の「数から選別へ」の移行と、権利活用の増新が見られる。

1-12    わが国のライフサイエンス特許出願は、欧米に遅れている。

1-13    世界的に、電気・電子・通信分野で、わが国の意匠出願が多い。

1-14    世界的に、役務分野で、わが国の商標出願が多い。

2.        特許庁が指摘する知財戦略の課題

2-1        わが国を取り巻く状況の変化

2-1-1 世界諸国輸入総額中のわが国のシェアは、90年代以降、緩やかに低下しているが、この傾向は先進国に共通で、アジアなど新興国の輸出増加を反映している。この傾向は、新興国の経済成長による世界市場と新ビジネスチャンスの拡大をもたらす。

2-1-2 わが国労働人口の減少に対処し、労働生産性は、製造業ではOECD中で高い伸長率(特に電気機械・自動車等の高技術集約度分野)を示しているが、非製造業では平均的伸長率に留まっている。

2-1-3 従って、イノベ-ションの創出が重要であり、キャッチアップ型からフロントランナ型への研究開発への移行を要する。

2-2        わが国企業の知財戦略の転換

2-2-1        各企業の特許取得戦略の傾向として、量から質への転換を基調としつつ、ライバルメ―カとの開発競争が激烈な重要分野では、より強力な特許網を構築するなど、出願・取得における選択・集中が進んでいる。

2-2-2        すなわち、創出した発明を権利化するだけでなく、研究開発テ-マの企画から事業化に至る全段階において知財戦略を経営戦略中に位置づけ、守りから攻めに転換している。

2-3        国際競争力の強化

2-3-1        わが国は、GDP比の研究開発総額が高く、世界最大規模の研究開発を維持しており、薄型テレビ・デジタルカメラ・ハイブリッドカ-などの先端製品を創出している。

2-3-2        しかし、分社化やグル-プ事業の管理体制が不十分なため、同一企業系内での同一研究、同一製品分野の競合などによる重複投資多発の問題も発生し、研究開発費の増加に対応する付加価値額の増加が緩慢である。

2-3-3        売上高利益率の日米欧比較においても、米欧の9%に対しわが国は6%である。

2-3-4        従って、研究開発の成果が企業利益・国富増大に必ずしも直結せず、イノベ-ションの継続的創出が懸念される。

(以下別回)

2007年7月 5日 (木)

Distress of Post-Doctor, NHKTV Reports 「ポスドクの苦悩」をNHKが放映

IP National Plan Doubles IP Experts  米国パテントアト―ニ―との対比

   

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

(この記事に対する修正ご要求は、patent@sanari.nameにメ-ル下さい)

1.        NHKの「苦悩する博士たち」(2007-7-3)放映(News-Flush)

1-1  科学振興mための「博士倍増計画」が、員数面では略達成され、2006年度博士号取得者(ポスドク)が1万5千人に達したが、その経済的地位の不安定さを、NHKが精細に報道し、政策における実際的思考の欠如を、ここでも国民が認識することとなった。

1-2  上記NHK放映で印象が強い場面は、

1-2-1        ポスドクが大学研究室に就職できた場合でも、1年契約である。(SANARI PATENT 注:かなり以前から、企業の研究部門に就職できた場合でも、特定課題について与えられた3年以内程度の契約が多かったようである)

1-2-2        企業の場合も、35歳のポスドクを採用する場合は、22歳で採用した大学卒で12年勤務を経た研究員と能力を比較することになる。ビジネス感覚、研究と需要の結びつきの認識、チ―ムリ―ダ能力などが、ポスドクには養われていない。(SANARI PATENT 注:NATUREクラスの研究論文は記述できるが、特許明細書の構文は受講していないし、課題と解決手段という明確なイノベ-ション記述の演習も少ないと考えられている(企画発案能力)。従って、本人出願・企業のための出願書類作成のような実務能力も、即時には乏しいと考えられるが、NHKTVでは、就職難ポスドクのベンチャ-・中小企業進出が強調された)

1-2-3        40歳を過ぎたポスドクの場合は、妻子扶養のため、実用に従わざるを得ない。「一年ごとに何とかなるでは済まされないので。」

1-2-4        博士倍増を政府が立案した当時は、ポスドクを助教授等で就職させる期待もあったが、国立大学の独立法人化(3年前に実施)の考え方から、教授ポストの増加は安易でない。

1-2-5        ポスドクも結局、液晶パネルメ―カやカ―ボンナノチュ―ブメ―カへの就職例のように、社用に役立つ能力を就職により修得することとなる。(SANARI PATENT 注:知財推進計画07策定に際して、内閣知財戦略本部に送信された一技術士の意見は、特許庁の審査官に応募したのに採用されなかったと、不当を主張しているが、単に専門科学・技術のみでは、それが高度であっても実務上充分に評価されない事例と考えられる)

2.        文部科学省学校統計18度確定値

2-1        大学院学生数は、26万1千人である。

2-2        修士課程学生数の専攻分野別構成比は、工学39.4%、社会科学12.1%、理学8,5%の順である。

2-3        博士課程学生数の専攻分野別構成比は、医・歯学26.4%、工学18.5%、人文科学10.2%である。

2-4 SANARI PATENT所見。これら大学院学生の進路統計ないし考察が、文部科学省学校統計に付帯ないし付記されていないことは、わが国行政の弱点である。

3.        内閣知財戦略本部の知財推進計画07

3-1 「知的財産人材育成総合戦略」は、61ペ-ジに及ぶ計画書で、内閣知財戦略本部が2006年初に決定し、爾後、「総合戦略に基づき」として引用しているが、その周知性は疑問である。「大学院」については当面、知財専門家増加のため、法科大学院の増設が強調され、これは大学の経営政策とも合致して74校に達し、学生は司法試験合格の実益を得る。

3-2 「知的財産に強い弁護士」について、内閣知財戦略本部は、知財推進計画07の参考資料に次のように述べている。(要旨)

3-1-1 わが国の司法試験合格者数は、近年増加しており、現在約2万5千人の法曹人口は、2018年までに約5万人に倍増することが見込まれている(SANARI PATENT 注:内閣知財戦略本部本部資料によれば米国の弁護士数は50万人)。なお、弁理士登録をしている弁護士は、372人(2007年3月末時点)である。(SANARI PATENT 注:内閣知財戦略本部によれば、米国では、弁護士で特許出願代理人資格を有する者、すなわち、米国Patent Attorneyは、2万2千人)

3-1-2 知財法を選択科目とする新司法試験が2006年度から開始された。その受験者2091人のうち、知的財産法を選択した者は354人である。

4.        SANARI PATENT所見(博士倍増と知財専門家倍増)

4-1  新博士と新弁理士の類似点は、専門技術分野が細分化しがちであること、相違点は、「実業務目的」の有無である。いずれも、大都市偏在からもっと地方拡散しないと、全国普遍の有用性を将来にわたっては確保することは難しいと考えられる(現在、弁理士数7259人もうち、1073人が東京都23区)(2007-6-30)

4-2 米国の弁護士数50万人は、わが国に比べれば遥かに多いが、米国のイノベ-ション計画」も、国民総支出における訴訟費用の半減を唱導しているものの、弁護士数過多とは言っていない。弁護士が他の士業者の過失等を追求する機能をも営んでいる面もあり、その他、地方拡散により、知的財産・コンテンツを含む法秩序の維持に広く貢献しているからであると考える。

4-3 わが国で本月1日に、弁護士所員300人超の「西村あさひ法律事務所」が法律事務所統合により誕生し、M&A等の都心企業的業務を扱う一方、「弁護士間収入格差も地域格差も拡大」(2007-6-27 朝日新聞)と見られ、このままでは、NHKがいう「苦悩」は、ポスドクのみではなくなる。

2007年7月 4日 (水)

Daewoo Electronics Japan’s Claim is Supported by Japan IP Court; 映像信号受信装置発明の特許性 大宇電子ジャパンの審決取消請求を知財高裁が認容

PLL Related Invention etc:  容易想到性判断が、特許庁審決から知財高裁で逆転

(6月28日)

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

(この記事に対する修正ご要求は、patent@sanari.nameにメ-ル下さい)

1.        大宇電子ジャパンの請求を知財高裁は認容(2007-6-28判決)

1-1  被告・船井電機は、「映像信号受信装置」発明の特許権者であるが、原告・大宇電子ジャパンは、その無効審判請求を行い(2005-4-14)、特許庁は、「この審判請求は成立たない」と審決した(2006-1-19)

1-2  大宇電子ジャパンは、この特許庁審決の取消を知財高裁に請求し、知財高裁は、大宇電子ジャパンの請求を認容した(2007-6-28)

2.        韓国大宇電子(Daewoo Electronics Co.)の日本特許公開状況

2-1  「映像」について225件(ほかに実用新案権4件)(2007-7-2)の発明は、例えば、「高コ―ドレ―トブロック符号化/複合化方法および装置」「コ―ドレ―トを増加させるためのブロック符号化/複合化方法および装置」「ペ-ジデ―タを変更する方法およびその装置」「映像ディスプレ―システム」「頭部装着形表示装置」「適応的動き推定装置」「適応的動き推定装置」「映像信号符号化方法」「2値形状信号符号化/ 複合化装置」「線分隣接関係決定方法」「動きベクトル検出装置」「顔映像の目位置検出方法および方法」「三次元ホログラフィックデ―タ格納システム」「顔輪郭符号化装置」「映像信号のエラ―隠蔽装置」「マルチメディアモ―ドのモニタにおける画像処理装置」「映像信号複合化システム用逆量子化器」など。

2-2 韓国大宇電子の特許出願の課題は、課題を「階長表示技術の改善」「高解像度化」「表示品質の改善」「各種映像信号・画像フォ―マットへの対応」「動作特性・装置特性の改善」「低消費電力化」「低コスト化・小型化」「高信頼化」「応用技術の改善」「周辺技術の改善」に分類した場合、低コスト化・小型化・低消費電力化」に関するものが多いと評価されてきた。

  その解決手段としては、信号処理部・ロジック部の「駆動回路構成」「システム構成」による対応が見られる。

3.        船井電機の米国における高シェア

3-1 野村證券・東洋経済四季報(2007-6-25)によれば、船井電機(東証・大証一部)は、映像主体のAV家電を基軸とし、OEM事業(SANARI PATENT 注:他社ブランド製品の受託製造:Original Equipment Manufacturing)を兼営。

3-1-1 DVD再生機・デジカメ、プリンタなど、価格競争力が強力で、北米地域で高シェアを誇る。

3-1-2 液晶テレビの大型高精細機種を米国市場に投入、欧州の組立工場を稼動開始2006-6)

3-2 技術開発が活発で、特許公開件数9658件(2007-7-3)と公表されている。

4.        本件船井電機発明(本件訂正後)の内容(要旨)

4-1        請求項1: 次の特徴を有する映像信号受信装置。

4-1-1        混合回路に局部発振信号を送出する局部発振回路を備える。

4-1-2        この局部発振信号の出力と第1の基準信号との位相比較により、局部発振信号の周波数を受信周波数に対応した周波数に設定するPLL回路(SANARI PATENT 注:Phase Locked Loop: 2信号間の位相差を比較して差信号を発信する位相差比較器)を備える。

4-1-3        混合回路(4-1-1)から出力される中間周波信号の検波により得られた映像信号から、略3.58MHzの第2の基準信号を用いて、色信号を復調する略3.58MHzの色信号回路を備える。

4-1-4        第2の基準信号(4-1-3)を第1の基準信号(4-1-2)としてPLL回路(4-1-2)に与える。

4-2               請求項2 (略)

5.        特許庁の審決が本件特許を有効とした理由

本件発明は、従来技術から当業者が容易に想到できるものではなく、進歩性がある。

6.        知財高裁の判断

映像信号から、色信号を復調政策ために用いられる色復調器の基準信号として、色副搬送波に基づく基準信号を用いることは、常套手段である。略3.58MHzの第2の基準信号を第1の基準信号としてPLL回路に与えること等も、従来技術から当業者が容易に想到できる。

従って、本件発明の進歩性判断に誤りがあるという大宇電子ジャパンの主張には理由があるから、大宇電子ジャパンが請求する審決取消請求を認容する。

2007年7月 3日 (火)

Research Tool Patent ライフサイエンス分野特有の知財課題(日米欧共通のパテントポリシ―が必要)

CBD(Convention on Biological Diversity) Problems   生物多様性条約の運用に関する業界の要望

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

(この記事に対する修正ご要求は、patent@sanari.nameにメ-ル下さい)

1.        製薬知財の特殊性

1-1  日本製薬工業協会とバイオインダストリ―協会が連名で、内閣知財戦略本部に提出した「知財推進計画に関する意見」(2007-3-29)の要望項目の第1項が、「リサ―チツ―ル特許の使用の円滑化に関する指針の推進」であるが、このリサ―チツ―ルの語義自体が、他分野の知財専門家には分からない(「顕微鏡もリサ―チツ―ルですか」と他分野弁理士が質問した議事録が産業構造審議会知財政策部会に残されている)。

   この用語自体に欠陥があって、少なくとも「非代替的リサ―チツ―ル」と称しないと問題の所在が一般には理解し難い。

1-2 日本製薬団体連合会も別途、内閣知財戦略本部に意見を提出しているが、その内容は、「薬事行政に関する著作権の権利制限の見直し」1項目のみで、日本製薬工業協会との意見分担の有無は、外部からは分からない。日本製薬団体連合会は、業態別14団体と地域別19団体から成り、日本製薬工業協会は、業態別14団体の当初に掲名されているが、他の13団体は、日本医薬品直販メ―カ協議会・全国家庭薬協議会・医薬工業協議会・全国配置家庭薬協会・医薬品製剤協議会・日本血液製剤協会・日本漢方生薬製剤協会・日本臨床検査薬協議会・日本大衆薬工業協会・細菌製剤協会・外用製剤協議会・眼科用材協会・輸液製剤協議会で、それぞれ特有の知財課題を有することが想定される。

2.リサ―チツ―ル

2-1 日本製薬工業協会・バイオインダストリ―協会の連名要望は次のように述べている。(要旨)

2-1-1 先端技術分野における知財問題について総合科学技術会議で検討した結果、「ライフサイエンス分野におけるリサ―チツ―ル特許に関する使用の円滑化に関する指針」が策定されたが、この指針は、政府作成の指針としては世界最初であり、創薬研究の環境整備に寄与し得る。

2-1-2 その実効性を担保するためには、国内外における普及が不可欠で、対内周知・対外発信が必要である。

2-1-3 しかしながら、遺伝子特許等のリサ―チツ―ル特許の権利者の多くは欧米のベンチャ-企業であり、かつ、指針では強制力を伴わないため、懸念が顕在化する危惧がある。日米欧のコンセンサス形成と法制化の検討を要望する。

2-2 SANARI PATENT所見

  日本勢訳工業協会は、リサ―チツ―ルに関するパテントポリシ―を定めている。これはITU等のパテントポリシ―と軌を一にしており、国際的に理解され易いはずであるが、内外ともに業種や分野間の壁が厚く、認識の共有が進んでいないし、ライフサイエンスの分野に限定しても、内外企業間利害の相克を具体的に考究することが必要と考える。

3.        生物多様性条約(SANARI PATENT 注:1993-12-29発効:187国とECが加盟)

3-1        日本製薬工業協会・バイオインダストリ―協会の連名要望は次のように述べている。(要旨)

3-1-1      遺伝資源の特許出願における出所開示・伝統的知識の取扱い等具体的国際的に論議されている。特に、「アクセスと利益配分」は、資源提供国・利用国間の論議が平行線を辿り、解決の緒が見えず、医薬品・食品・化粧品等の振興が妨げられる。

3-1-2      この課題に総合的に対処するため、「知財関連国際公共政策に関する関係省庁連絡会議」が設置されたが、例えば、「提供国の生物遺伝資源の保護・活用について産業化段階に応じた考え方を採ること」、「産業形態を考慮し、利益貢献度に応じた合理的な利益配分を行うこと」など、基本的考え方を共有し、総合的主導的取組をされたい。

3-2  SANARI PATENT所見

    世界特許体制志向が内閣知財戦略本部の基本路線とされているが、属地主義の考え方を併せ適用すべきであることを、この要望は示している。

2007年7月 2日 (月)

The Federation of Pharmaceutical Manufacturers’ Associations of Japan states Opinion on Copy Rights 日本製薬団体連合会の対内閣知財戦略本部意見

Balance of Copy-Right and Public Benefit 「著作権利者の利益と公共の利益に留意した権利制限規定の整備」の一環(SANARI PATENT関連記事JUN.21

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

(この記事に対する修正ご要求は、patent@sanari.nameにメ-ル下さい)

1.内閣知財戦略本部の知財推進計画07は、同計画06と比べて、「コンテンツ」の章の「コンテンツ大国実現」の節中、「権利者の利益と公共の利益に留意した権利制限規定の整備」の分節の内容を、同計画06の分節題名と題名は同一ながら、具体的事項を拡充している。(SANARI PATENT 注:この題名は、知財推進計画の基本方針である「知的財産権と他の価値との調整」の一環であるが、さらに、自民党新憲法案の「財産権と公益の調整」に関する知的財産権特段配慮条項に対応する)

. すなわち、知財推進計画06では、この分節題名のもとで、次の1項目のみが計画されていた。

 「非特許文献を出願人に送付するための審査官による複製などの特許審査手続に係る権利制限、承認・再審査・再評価制度において必要な研究論文等の複製などの薬事行政に係る権利制限等に関し、2006年度中のできるだけ早い国会において著作権法の改正案を国会に提出する。」

3.同計画07では、同一の分節題名のもとで、次の3項目が計画されている。第1および第2項目は文部科学省の担当、第3項目は文部科学省および厚生労働省の担当と明示されている。

3-1 公表された著作物に聴覚障害者向けに手話や字幕による複製を実施できるようにするなど、障害者による著作物の利用の促進という観点から、著作権法上の権利制限規定の整備を検討する。

3-2 e-ラ―ニング推進のため、第三者が作成した著作物を、学校の授業の過程で公衆送信により利用することについて、権利処理の在り方を検討する。

3-3 関係者間での権利委託と許諾システムの整備状況に応じて、医薬品等の製造販売業者が医薬品等の適正使用に必要な情報を医薬関係者へ提供するために行う文献等の複製や頒布・提供行為について、著作権者等への影響も勘案した上で、権利制限規定を整備することについて検討し、2007年度中に結論を得る。

4.日本製薬団体連合会の意見(要旨)

4-1 薬事行政との関係における著作権の権利制限について、文化審議会著作権分科会の検討を再開し、早急に法改正に至ることを要望する。

4-2 すでに2005年度の著作権分科会で検討されたものの、検討課題のうち、国等に対する申請・報告等に伴う文献等の複製については、権利制限することが適当であるとの結論に達し、法改正実現の運びとなった。

4-3 一方、医療関係者に対する医薬品等の適正使用のための情報提供に伴う文献等の複製については、「適切な措置について引続き検討をすることが適当」とされたが、2006年度の分科審議会では検討の俎上にも上らず、積み残されている。

4-4 製薬企業は薬事法により、医師・薬剤師等に対し医薬品の適正使用に関する情報の提供に努める義務を課され、複写文献等により情報を提供しているが、事前に著作権者の許諾を要し、この義務遂行を障害している。

4-5 医薬品に関する情報提供は、国民の生存権に係る高公益性の行為であり、著作権法と薬事法の立法的調整が緊要である。

4-6 権利制限の内容としては、「薬事法の規定により求められている医薬品の適正使用に係る情報を収集・保管・提供する上で、合理的な範囲において文献等を複製・譲渡・公衆送信することができるものとし、権利者への経済的補償については、公益性を考慮した、立法的な手当て(補償金・裁定など)を講ずる」とされたい。

5.SANARI PATENT所見

  日本製薬団体連合会意見の4-6は、コンテンツ流通全般について、公益性・公衆性(コンテンツの迅速・広汎な流通への希求が高いが著作権者の事前承諾を適時に得ることが実際上できない状況)にかんがみ、先利用・対価補填ないし行政裁定を制度化する案で、製薬関係に限らず、知財権利制限ないし知財権利行使の合理化の態様として、一般的妥当性が高いと考えるが、仕組みを適切に構築し、中間コストの新たな発生がないようにすべきである。

2007年7月 1日 (日)

Apple Japan Stresses Fair Copy-Right Administration アップルが内閣知財戦略本部に意見した事情

IFPI Supports Apple’ Opinion  デジタルコンテンツ流通秩序の形成におけるハ―ドウェア機器の寄与

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

(この記事に対する修正ご要求は、patent@sanari.nameにメ-ル下さい)

 

    アップルが一昨日、米国で発売したi-PHONEに対する米国民の熱狂振りは、ニュ―ヨ―ク等の徹夜行列の映像と共に、グロ-バルに放映され、ドコモその他の対応が注目の的となっている。

 そのアップル(日本)が内閣知財戦略本部に提出した意見を考察する。

1.        デジタルコンテンツ流通とコンピュ-タメ―カ

1-1        著作権処理、権利制限等の用語で知財政策の中心課題となっている「デジタルコンテンツ流通と著作権保護の調整」については、関与する立場によって多様な主張がなされているが、内閣知財戦略本部に意見を提出したコンピュ-タメ―カとして、アップルジャパンの立場を考察する。

1-2        理解を深めるため、先ずアップルの沿革を見る。

1-2-1      アップルの歴史的な功績は、パ―ソナルコンピュ-タの発想を1975年に実行に移したことである。アップルⅡの成功がIBMのパ―ソナルコンピュ-タ市場参入を促し、1981年にIBMPCが発売されて、グロ-バルなデジタルコンテンツの創造・保護・活用の基盤が構築されてゆくこととなった。

1-2-2      アップルがMacintosh向けにレ―ザライタを、キャノンと共同開発したことは、デジタルコンテンツの流通を高質・大量に拡大した。

2.        アップルジャパンの意見(要旨)

2-1        結論として、科学的かつ客観的証拠に基づかない理由による「私的録音録画補償金制度」は、即時撤廃すべきである。

2-2        著作権者団体は、かねてより文化審議会等において、私的複製により権利侵害を被っていると主張しているが、科学的かつ客観的証拠がない。同一家庭内で、その一家族構成員が購入した著作物と全く同一の著作物を更に複数購入することは非現実的である。著作物を販売している音楽レ―ベル(SANARI PATENT 注:CD等の中央に曲目等をプリントしたラベルから転じて、CD等の制作・販売会社)は事前に承知していたと考えるのが当然かつ自然である。

2-3        すなわち、黙示の承認があるのだから、私的複製者から更に料金徴収することは二重課金に当たる。米国では、First Sale Doctrineのもと、著作物は販売時点で売り切りとの考え方が定着し、かつ国際標準となっている。

2-4        仮に、私的複製による権利侵害を主張するならば、その原因の全ては、複製防止技術を具備しない著作物パッケ―ジを製造販売しているレ―ベルに在る。このような製品の不備を、ハ―ドウェア会社に責任転嫁することは自己無責任で不当な行動である。

2-5        WIPO加盟184国のうち、補償金制度を携帯機器に対して導入しているのは11国(6%)に過ぎず、また、ベルヌ条約批准163国のうち、iPod等の携帯機器に課金しているのは7国(4.3%)に過ぎない。従って、わが国が国際基準に合致すべきであるというならば、95%の国が採用している「補償金制度廃止」を国際基準として採択すべきである。

2-6        iPod等のハ―ドウェア機器が権利侵害の元凶である」とする日本レコ―ド協会、日本芸能実演家団体協議会、日本音楽作家団体協議会、民間放送連盟の主張が事実無根であることは、国際レコ―ド産業連盟(IFPI)の2007年度Digital Music Reportにより明白である。すなわち、iPodユ-ザ-は、有料コンテンツサイトからコンテンツを購入しており、従って、iPod等のハ―ドウェア機器がP2Pサイトへの流れを防止し、iTune Store等の有料サイトに導いて、合法的コンテンツ流通を推進していることは、IFPIが断言するところである。

2-7        アップルのiTunesを通じて販売される楽曲は、累計20億に及び、音楽ビデオ等も含めて、アップルは世界最大のデジタルコンテンツ流通企業である。

2-8        文化庁著作権課の行政は著作権者団体の意見のみを通すもので、公平中立性を欠く。速やかに著作権行政を他の省庁に移管することを強く望む。

3.        SANARI PATENT所見

3-1 上記2-4については、米国ソニ―の違法コピ―防止ソフトXCP(ル―トキットを有する)を音楽CDに採用したことをめぐる消費者との応酬など、CDメ―カと音楽著作権者側の防衛策、その不備、その打破ソフトの即時開発などの事例をも考察すべきである。

3-2 IFPI等の国際機構の発言に、十分注目する必要がある。

3-3 今年8月から、映画盗撮防止法が施行されるが、コンテンツ流通のメディアは多様であり、法制度には、多様性に対応する明確性を具備することを要する。また、映画盗撮防止法の国会審議における「一般国民への適用の在り方」に関する政府答弁を再読すべきである。

« 2007年6月 | トップページ | 2007年8月 »