Patent on Functional Foods and Functional Cosmetics 機能性食品の用途発明に関する検討を提案
Drug Makers and Bio-Industry State IP Policy 日本製薬工業会・バイオインダストリ―協会の知財意見を考察
弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT)
(この記事に対する修正ご要求は、patent@sanari.nameにメ-ル下さい)
内閣知財戦略本部の知財推進計画07策定に際して、日本製薬工業会と(財)バイオインダストリ―協会の知的財産合同検討委員会(以下「製薬・バ イオ団体」)は、7項目にわたり重要な意見を提出したが、ここでは「機能性食品・機能性化粧品」に関する要望に着目する。
「機能性食品等の開発促進による国民健康増進と、機能性食品等の国際競争力確保のため、特許保護が必要であるが、この特許権の行使が一般食品等に及ぶことへの対策も、併せて検討されたい」という趣旨である。
機能性食品の語はマスコミに溢れる現代であるが、「機能性化粧品」の語も(あるいは別の魅力的用語が発想される可能性もあるが)男性化粧品の活況と相俟って流行すると予想される。製薬・バイオ団体が掲げた項目は、「食品・化粧品等消費財の新規用途発明の特許保護」と題されている。
1. 製薬・バイオ団体の意見(要約)
1-1 高齢化とライフスタイルの変化に呼応して、生活習慣病への関心が高まり、医薬分野に限らず、健康・容姿を指向する研究開発が拡大している。食品・化粧品等の消費財分野で、生理学的機能に関与する特定の機能を有する成分の探索、その応用が研究開発の主流となり、食品分野では、生理学的機能に着目した食品を機能性食品と呼んでいる。
1-2 平成18年6月改訂の特許審査基準では、公知食品・公知化粧品の用途限定発明の判断基準が明確化され、これら消費財の用途発明による特許保護は、原則として困難になっている。しかしながら、企業による機能性食品の研究開発には多額の投資が必要であるにもかかわらず、ただ乗りが容易な現状であって、特許保護によるインセンティブが得られず、開発意欲が削がれて、ひいては、この分野におけるわが国の技術力・国際競争力の低下を来たすこととなる。
1-3 一方、機能性食品に特許権が付与されて、その行使が一般食品にも及ぶなどの懸念もあるから、機能性食品の新規用途発明に関する特許保護の在り方を、権利行使の在り方と共に検討されることを要望する。
2. SANARI PATENT所見
2-1 機能性食品・機能性化粧品に対する行政の輻輳
後述するように、美容願望に応える「機能性食品・機能性化粧品」の併用(経口・経皮の双使用)製品も多くなってきた。
2-1-1 厚生労働省は、「トクホマ―ク」、すなわち、特定保健用食品の認定を行っている。認定されると、例えば、次のような表示が許される。
「このビスケットは○○を含有するので、食生活で不足し易い食物繊維を補給し、良好な便通に役立ちます。」「一度に多量に摂り過ぎると腹が緩くなる」ことがあるので、摂取量を守ってください。」
2-1-2 しかし、現在流行している機能性食品は、上記効能よりも広汎かつ高度な機能を標榜し、コンセプトとして、免疫・分泌・神経・循環・消化の各系に関与するが、疾病の「予防」を機能とし、医薬の「治療」機能と画定され、薬事法や不当表示規制法(原材料の産地表示を含めて)の監視下にある。
2-2 製薬企業の新たな機能性食品・機能性化粧品の例
2-2-1 「Self-Medication」を旗印とする大正製薬は、Poly-Phenolを豊富に含有する天然由来成分を配合した「美望活彩」を、ナリッシュとクレンジングクリ―ムの双方に冠し、昨年来、通信販売している。
2-2-2 大正製薬はまた、大麦若葉に和漢17種類の素材を配合した「からだ環境青汁」を昨年来、通信販売している。
2-2-3 久光製薬は、「健康食品」の呼び名で、乳酸菌とオリゴ糖(SANARI PATENT 注:定義が多様であるが、腸内有用菌の活性化等の機能を有する)のダブルパワ―を有する乳酸菌商品等について、オンラインショップを昨年来、運営している。
2-3 ITの全国普及により、機能性食品・機能性化粧品が地域の格差なく、健康で美しい国民を育むことが期待される。


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