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2007年5月 3日 (木)

Syllabus of Certiorari, Supreme Court of the U.S.: 2007-4-30 KSRインタナショナル対テレフレックスら事件の米国最高裁判決要旨

Patent for Automobile’s Speed Control: 米国連邦地方裁判所、連邦巡回控訴裁判所を経て米国最高裁4月30日判決

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

(この記事に対する修正ご要求は、patent@sanari.nameにメ-ル下さい)

  米国特許制度における特許要件として、新規性・非自明性・有用性が定められ、わが国の産業上利用可能性・新規性・進歩性に、総合的には見合っているがために、制度の日米調和を後に回しても、日米特許審査ハイウエイが成り立ちつつあると、SANARI PATENTは理解している。

 自動車の速度制御機構に関する特許発明に対する今次米国最高裁の判決要旨(Syllabus)を、上記の見地から考察する。先ずその内容を要約する。

1.        係争対象特許発明の技術的意義

1-1 自動車の速度を制御する定型的機構は、ケ―ブル等によりリンクする変速管弁を運転者がペダル操作することである。しかし、運転者の足下空間に在るペダルの位置は、通常、調節できないから、足下空間が深い自動車を運転する小柄な人は、自身が運転座席で体を動かすという不完全な対応を余儀なくされてきた。発明者達はそこで、ペダルの位置の方を調節できるよう創案し特許取得することを急いできたのである(SANARI PATENT 注:わが国の判決と比べて、一般国民に対する懇切説明度の高さに、改めて感心する)

1-2  Asano Patentは、ペダルの位置を調節する場合に、スロットルの一つは固定したままとし、かつ、ペダル押下のための所要圧力を、ペダル位置調節の在り方いかんにかかわらず不変とするものである。

1-3  これに対して、Redding Patentは、ペダルとスロットルのいずれをも変位させるスライド機構によるものである。

1-4  新式の自動車では、スロットルがコンピュ-タ制御され、機械的リンクでペダルから伝送される力にはよらない。そこでペダルにおける変位をコンピュ-タがデジタルデ―タに変換するため、電子センサ―を要し、この電子センサ―に関する特許も多く公開された。いわゆる936 Patentは、ペダル機構におけるペダル位置の検出が、エンジン機構におけるそれよも好ましく、従って、同Patentは、ペダル機構中のスロットルの一つに電子センサ―を組み込むものである。

1-5  Smith Patentは、コンピュ-タに電子センサ―を接続する導線の摩耗を防ぐため、電子センサ―は、ペダルの足板にではなく、ペダル機構における固定部分に組み込むものである(SANARI PATENT 注:上記各項もように、代表的Patentの要素を先ず列記することも、米国判決の親切さを示している)

1-6  発明者達はさらに、コンピュ-タ制御可能な各様のペダル機構に適用できる電子センサ―モジュ―ルを創案した。068 Patentは、その一例である。シボレ―やリクソンも、モジュ―ル電子センサ―やその組込について、Patentを創案している。

2.        KSRの技術開発

2-1  本件上告人であるKSRが、導線で作動するを備える位置調節可能ペダル機構を開発して976 Patentを取得した後、ジェネラルモ―タズがこの方式tによる位置調節可能ペダル機構の供給を、トラック用として求めた。そこでKSRは、976 Patentがトラックにも適用可能であるように、その設計にモジュ―ル電子センサ―を付加した。

2-2  被上告人であるテレフレックスらは、その保有する「Engelgau Patentの独占的実施権」の請求項4に、軸頭の一つに電子センサ―を組み込んだ位置調節可能ペダル機構が開示されていると主張した。

2-3  Engelgau Patentについて米国特許商標庁は、この請求項4を、「固定スロットルの一つ」という限定に含まれ、Redding Patentと異なるとして、特許査定した。

3.        テレフレックスらの主張(以下次号)

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