Innovation of Agriculture: 改正種苗法と「植物の新品種の保護に関する国際条約」
Protection of New Varieties of Soybean, Rice-plant, Corn, Chrysanthemum
「東アジア植物品種保護フォ―ラム」設置の提唱
弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT)
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衆議院農林水産委員会は、5月10日に種苗法改正法案を可決したが、その際の質疑応答を要約する(SANARI PATENT関連記事May24)
1. アジアにおける植物新品種登録制度
1-1 農産知財の保護について、特にアジアにおける植物品種登録制度については、品目が未だ極めて少なく、また、わが国で登録されたものが海外でしっかり認知されていない現状にある。水際対策をいかに強化するか。
1-2 わが国の品種を海外で作付けして日本に輸出するというような事業に対応して、アジア各地域でいわゆる植物新品種の育成者権を、国際的統一基準により保護すべく、UPOV条約(SANARI PATENT 注:「植物の新品種の保護に関する国際条約。保護対象はイネ、トウモロコシ、大豆、落花生、馬鈴薯、綿、茶、トマト、キュ―リ、キャベツ、葡萄、バラ、菊など)に基づく措置等を講ずる。
この条約に現在は、アジア諸国のうち日本、中国、韓国、シンガポ―ル、ベトナムが加盟しているが、他の国の加盟も促す。
今後は、東アジアにおける品種保護制度の共通基盤を先ず構築すべく、わが国のインシアチブのもとで、東アジア植物品種保護フォ―ラムの設置を提唱する。
2. DNA鑑定
2-1 都道府県の農業試験場がDNA鑑定を行っているが、農業改良普及員(SANARI PATENT 注:商工会の経営改善普及員のモデルになった制度)との連携などが必要ではないか。
2-2 知財戦略において、育成者権等の専門的知識を有する者などを含めて千人程度、今後3年間で育てることとしている。品種保護Gメンも増員する。
3. 日本からの農産品輸出
3-1 農産知財の国際保護確立について、輸出を含めて、どう取組むか。
3-2 平成18年には、わが国の農産物輸出は17年に対し13%の大幅増を示した。海外の日本食ブ―ム、アジアの生活水準向上による。米も中国に輸出できることになった。鹿児島から香港に向けて、牛肉の輸出も再開する。フランスでも、日本食の真価を広めている(SANARI PATENT 注:「日本食の認証という言葉が誤解を受けたことも反省)。
4. UPOV(植物品種保護国際同盟)の現状
4-1 わが国は1982年に参加したが、国際体制として現状はどうか。
4-2 UPOV(SANARI PATENT 注:The International Union for the Protection of New Varieties of Plants))は現在、世界の加盟数63で、共通の原則に従って品種保護制度を整備している。わが国は年間1500万円をUPOVに拠出すると共に、新品種の審査基準の作成、DNA技術応用に協力している。
5. SANARI PATENT所見
人口30億人超のアジアを始め、世界人口の増加(途上国のみでなく、米国も、昨年末に人口3億人を超え、2042年に4億人に達すると推計されている)と生活水準の向上に伴う食品・バイオエネルギ―供給の見地からは、農林知財として最も重要な主題(Subject Matter)は、遺伝子組換動植物の開発であると考える。
わが国でも、遺伝子組換動植物の食用については、実証を欠きつつ安全性の疑問が絶えないが、農林水産省は、装飾用の花やバイオエネルギ―から定着させる方針(近く新検討会設置)のようで、その知財成果は極めて注目される。


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