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2006年9月18日 (月)

カブコムの知財報告書06

先端サ-ビス業のビジネス方法とブランド戦略

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

1.        カブコム(カブドット、コム証券)知財報告書の特徴:

1-1        先端分野の製造諸企業の知財報告書06が、質量ともに内容を充実しているのに比肩して、先端サ-ビス分野の諸企業の知財報告書も、多様性を誇りつつある。

1-2        サ-ビス業のうちでも、ビジネス方法が最先端的なカブコムの知財報告書06の特徴は、次のように見受けられる(要旨)。

1-2-1        知財権に対するカブコムの考え方について、次のように述べた(要旨)。

1-2-1-1           技術資産の淵源について:「カブコムは、開業当初からオンライン取引システムを自社開発してきたわが国随一のオンライン証券会社であり、多様な新技術を活用した先駆的サ-ビスを提供してきた」。「カブコムのこのようなサ-ビスは、顧客の多様な要望に応ずるために生まれたアイデアに、カブコムのシステム技術が融合して創生されたものであり、新規性・実用性において価値の高い技術資産と考える」。

1-2-1-2           ブランド価値の蓄積について:「カブコムが創生したユニ-クなサ-ビスに親近感あるネ-ミングを行い、認知度の向上を通じてブランド価値を蓄積している」。

1-2-2               カブコムの特許戦略について、次のように述べた(要旨)。

1-2-2-1           リスク管理追求型について:「コアコンセプトである『リスク管理追求型』強化のためのサ-ビスと、その技術開発に基づく特許出願に重点を置く」。

1-2-2-2           出願の具体的内容について:「リスク限定取引の独自発注方式」、「情報システムと発注システムの即時連動システム」、「預かり資産の効率的管理システム」等を、出願の対象分野とする。

1-2-3               主要特許権について次のように例示した(要旨)。

1-2-3-1 特許第3719711号。三菱東京UFJ銀行との共同特許権。発明の名称「コ-ルセンタ-間の通話中継方法」。二事業者により運用されるコ-ルセンタ-間で、顧客が電話をかけ直さずに通話可能とする通話中継方法。

1-2-3-2 特許第3734168号。発明の名称「発注条件を自動設定する売買注文処理システム及び売買注文の処理方法」。発注時点では未確定である始値等の価格を監視し、条件付注文に応ずる自動売買を執行する。

1-2-3-3 特許第3754009号。発明の名称「訂正条件を自動設定する売買注文処理システム及び売買注文の処理方法」。発注時点では未確定の他の注文の約定価格等を監視し、W指値(SANARI PATENT 注:指値の一方式。カブコムの登録商標)における訂正条件と指値を自動設定する。

1-2-4 カブコムのブランド戦略については、次のように述べている。

1-2-4-1 サ-ビスマ-ク戦略について:

   「カブコムの社名(標題参照)に用いられている「カブ」「kabu」を冠したサ-ビスマ-クで新サ-ビスを展開し、これら自体をコ-ポレ-トブランドに育てる。

1-2-4-2           商標登録について:

「カブドットコム証券」「カブナビ」「カブコ-ル」「リレ-注文」「カブボ-ド」「ゆうゆう決済」「W指値」「KabuVenus」「プラマイ指値」「ワンショット手数料」など。

2.        所見

  カブコムの総合口座数は本年8月に51万を超え、昨年同期に比べ倍増に近く、ネット取引の全般的拡大基調に乗じて、また独自の開発努力によって、増勢を続けると予想される。物品のインタ-ネット販売には対面・現物販売とのハイブリッド販売とのメリット差もあり得るが、証券取引においては、無事故・精確の実績があれば、店舗経費不要の競争条件と、独自技術の双方により、極めて有利な営業を、グロ-バルに展開できると考えられる。ビジネス方法特許の花形といえよう。

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