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2006年9月19日 (火)

グロ-バルな経済変動の主役・農林水畜産業

平成19年度農林水産省予算要求の知財戦略

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

1.        食品・バイオエネルギ-の国際需給著変への対応:

  BRICsを始め、人口巨大な生活水準向上国における高級食品・高級エネルギ-需要量の著増によって、食品とエネルギ-生産の技術革新が全世界緊急の課題となった。タンパク質合成、遺伝子組替動植物、バイオエネルギ-の開発は、関連知財の創造・活用によってのみ、国際競争力を備えつつ、内外の需給に即応し得る。

  平成18年に発足した農林水産省知財戦略本部は、既に顕著な検討成果を示し、課題の具体的解決方策が立案されつつあるが、当面、平成19年度の予算要求に、その反映を見るべきである。

2.        農林水産省予算要求の構成:

平成19年度2兆7783億円(対18年度13.4%増)を要求しているが、このうち、公共事業費1兆2千億円と食料安定供給費8361億円を除いた額、9332億円が知財戦略を含む一般事業費である。

  その骨格を見ると、「特に農林水畜産業は、『攻め』の視点に立って、新たな可能性を追求すべきである」として、次の7項目(大項目)を掲げている。

2-1        東アジア市場全体を見据えた食品産業戦略構想の推進

2-1-1 東アジア主要都市と東京・地方都市のネットワ-ク構築

2-1-2 技術開発

2-1-3 貿易保険制度・融資制度などの総合的・有機的活用

2-2        技術と知財の力による新需要・新産業の開拓

2-2-1        新需要創造のためのグランドデザインづくり

2-2-2        新需要創造に取組むフロンティアの育成

2-2-3        成分保証システムや分別管理システムの確立

2-2-4        新食品・新素材創出のための研究開発の推進と実用化に向けた研究開発の支援

2-2-5        新需要創造に向けた既存施策の活用

2-3               輸出倍増対策の強力な推進

2-3-1        輸出倍増対策

2-3-2        輸出倍増緊急条件整備

2-3-3        輸出振興のための生産・流通・加工技術の開発促進

2-3-4        公共・非公共事業、融資の総合的・有機的活用

2-4               知的財産の創造・保護・活用

2-4-1        知的財産の創造の促進

2-4-2        知的財産の保護の強化

2-4-3        知的財産の活用の推進

2-4-4        人材の育成・意識の向上等

2-5               革新的技術の開発と普及

2-5-1        国民生活の向上に資する研究開発

2-5-2        グロ-バル化に対応した農林水産業・食品産業を支える研究開発

2-5-3        先進的な技術の普及・定着

2-6 農林水産分野の国際協力の推進

2-6-1 アジア地域の食品安全・動植物検疫関連の人材育成等総合的支援

2-6-2 東アジア食品産業活性化戦略の推進

2-6-3 地域漁業振興への協力

2-6-4 アジア食料安全保障情報整備強化に向けた支援

2-6-5 循環型水資源有効利用手法の開発等

2-7 「攻め」の農政をサポ-トする統計調査の実施

2-7-1 わが国食品産業の海外への進出状況、輸入も含めた食品産業全体の構造の把握

2-7-2 調査のアウトソ-シング

3.所見:

   「食品産業」を「工業製品」と置き換えると、経済産業省政策の文面と同一の観があるし、知的財産関係の記述は、内閣知財戦略本部知財推進計画と鏡面対称体の観がある。

   他方、農林水畜産業の独自の課題が存在することは、農水産省知財戦略本部の検討により、具体的に明確化されつつある。

   知的財産問題は各省庁に分属しているのであるから(例えば、電気通信の国際標準化は総務省)、各省庁に知財戦略本部を設置して知財戦略を一層強力に実行し、内閣知財戦略本部がこれらを統括する新体制を、この際、樹立すべきであると考える。

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