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2006年9月 4日 (月)

米国知財戦略新5ヶ年計画案における商標対策

商標行政の質と速度の最適化、電子化の徹底等

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

 

  わが国2005年の商標登録出願数は135,776件であったが、米国のそれは325,000件で、米国経済の商品化活動・ブランド活動の旺盛さを示している。しかも、米国特許商標庁は、2012年に至る標記計画期間(至・2012年)中の商標登録出願数が、年率6~8%で増加すると予測し予算等を計画している。

1.        「米国憲法上の根拠条文の相違」から始めて:

1-1                米国特許商標庁(USPTO)の知財戦略新5ヶ年計画案(2006-8-24)は、知財戦略を構成する「特許権と商標権」の二つの柱の憲法上の淵源の相違(特許権・著作権は憲法第1条第8節第8項、商標権は同第3項)を、次のように分説した。

1-1-1        特許権と著作権は、米国憲法上記項の「著作者および発明者に一定期間それぞれの著作および発明に対し独占的権利を保障する」(駐日米国大使館の訳文)に基づき、米国特許商標庁の所管とされた(18世紀末)。

1-1-2        上記米国特許商標庁の所管は、19世紀に至り、上記1-1の条項、すなわち、「通商条項」(諸外国との通商および各州間およびインディアン部族との通商を規定する)(駐日米国大使館の訳文)に基づき、商標権の登録に及ぶとして、拡張(expand)された.

1-2  わが国の弁理士は、特許権・商標権等について専権業務を包括法定されているが、米国では、特許代理人・特許弁護士・商標代理人がそれぞれ別の制度に依拠していることも、上記の歴史に淵源すると考える。

2.        「商標登録の的確性・迅速性達成」のための最適化計画:

2-1 「Optimize Trademark Quality and Timeliness」と題してUSPTOは、先ず対策の現況(2005/2006)を次のように述べた。

2-1-1 商標登録がオンラインで完結できるよう、システムを電子化した結果、登録出願と補完書類提出の90%以上が電子化された。

2-1-2 ペ-パ-出願には高額な手数料、電子出願には定額な手数料を設定した。

2-1-3 商標審査は、ペ-パ-書類を電子化したものを含め、全て電子処理している。

2-1-4 商標の登録申請およびその審査等の資料は全て、オンラインでアクセスできる。

2-1-5 商標関係の在宅可能業務を大幅に拡大する。

2-1-6 ファストアクションに至る期間および審査待ち期間を、2005年に比べて2006会計年度には、各1ケ月以上短縮する。

2-1-7 ファイナルアクションの欠陥率(Final Action Deficiency Rate)を、2005年末に比べて2006会計年度には1.4%減少する。

2-2 米国知財戦略新5ヶ年計画案による商標戦略:

2-2-1 ファ-ストアクションに至る期間を3ケ月以内に維持し、別段の事情ある場合以外は処理待ち期間を極力短縮する(2008年までに1ケ月短縮)。このため、用途ステ-トメント審査の大部分を商標スペシャリストに委ねる。

2-2-2 オンライン装備の充実により、審査の的確性を高める。

2-2-3 ファイルの電子管理と作業の電子制御機構を2009会計年度末までに整備する。

2-2-4 双方向の書類交換をなし得るオンライン電子施設を2010年までに構築し、かつ高度化する。

3.        所見:

  日米間で、電子化の競争が見られるが、その内容・質、利用可能者の範囲   (中小企業が使用できるか等)を見極めないと、優劣を論じ難い。

  また、電子化は、商標のグロ-バル化に対応できないと、国際的意義が希薄になる。商標問題を全世界の視野から考えて長期計画を立案する要があり、この課題は、単なる処理迅速化の課題より根が深い。

  なお、識別子権の分野では、グロ-バルな電子化に成功したのが汎用トップレベルドメインネ-ムのシステムである。これには紛争解決も含むが、WIPO等をも活用している。

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