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2006年9月21日 (木)

文化庁のコンテンツ予算

平成19年度文化庁予算要求

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

1.        文化芸術とコンテンツ:

1-1        文化庁は文化芸術を所管するが、文化芸術振興基本法(2001-12-7公布)は「文化」の定義規定を置いていない。「芸術」については、同法8~12条により、「メディア芸術とその他の芸術」「伝統芸能とその他の芸能」「生活文化・国民娯楽・出版物・レコ-ド等」の各項目が法定されている。なお、衆議院の付帯決議で、これら定義における具体的列挙は例示であり、身体文化(武道、相撲等)も芸術に含むことなどが確認されている。

1-2        一方、2004年に制定された「コンテンツの創造、保護及び活用に関する法律」は、コンテンツの定義を次のように定めた。

「この法律において『コンテンツ』とは、映画、音楽、演劇、文芸、写真、漫画、アニメ-ション、コンピュ-タゲ-ムその他の文字、図形、色彩、音声、動作若しくは映像若しくはこれらを組み合わせたもの又はこれらに係る情報を電子計算機を介して提供するためのプログラムであって、人間の創造的活動により生み出されるもののうち、教養又は娯楽の範囲に属するものをいう」。

1-3 上記1-1の「メディア芸術」は、「映画、漫画、アニメ-ション及びコンピュ-タその他の電子機器等を利用した芸術」と定めており、「芸能」は、講談、落語、浪曲、漫才、歌唱、能楽、歌舞伎等」と定めているから、芸術とコンテンツは内容において同義と考える。

1-4 一方、内閣知財戦略本部の知的財産推進計画が定めるコンテンツは、料理、ファッションを含むが、上記1-2の文化・芸術・芸能に含まれると解される。

2.知的財産基本法の「知的財産」と「文化芸術」

   知的財産基本法による「知的財産」の定義には、「著作物その他の人間の創造的活動により生み出されるもの」を含むから、創造された内容を、経済財(財産)として見る場合は「知的財産」、文化財として見る場合は「文化芸術」と呼称するものと解される。

2.        文化庁の平成19年度予算要求:

    1162億5200万円(本年度比15.5%増)を要求しているが、その内容は、内閣知財戦略本部知財推進計画06がコンテンツ振興対策として計画した内容と一致している。すなわち、

2-1        文化芸術立国プロジェクトの推進

2-1-1 文化芸術創造プランの推進

  「最高水準の舞台芸術公演・伝統芸能等への重点支援等」「日本映画・映像振興プランの推進」「世界に羽ばたく新進芸術家等の育成」「感性豊かな文化の担い手育成プランの推進-子供の文化芸術体験活動の推進」

2-1-2 「日本文化の魅力」発見・発信プランの推進

  「地域の文化力活性化プランの推進」「日本文化の発信による国際文化交流

の推進」「コンテンツの保護と発信の推進(SANARI PATENT 注:ここで「コンテンツ」とは、狭義のコンテンツ、すなわち、デジタルコンテンツを意味していると解する)

2-1-3        文化財の次世代への継承と国際協力の推進

「文化財の保存・整備・活用」「文化財の国際協力の推進」

2-1-4        文化芸術振興のための文化拠点の充実

「新たな文化拠点の整備(平城宮跡保存整備等)」「美術館等活動の推進」

3.        所見:

  文化芸術には、著作物・著作隣接権・コンテンツ(デジタルコンテンツ・アナログコンテンツ・ライブコンテンツ)・コンピュ-タプログラム等、広汎な内容を包含し、文化財の経済財化に伴ない、その知的財産権性が文化芸術全般において益々強く意識されるようになった。同時に、デジタルコンテンツ流通の知財開発と著作権・著作隣接権の相克の調整が新たな様相を展開している。従って、文化庁の知財戦略本部が、各省庁知財戦略本部と同時に設置され、経済財としての側面から、文化芸術の振興対策を確立すべきであると考える。

(一方、高松塚古墳石室壁画の飛鳥美人や白虎の、管理不全による壊滅・損傷のニュ-スを悲しみつつ)。

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