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2006年9月15日 (金)

超多機能化するケイタイの知財戦略

ドコモの具体例:High Speed Downlink Packet Access

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

1.知財界におけるケイタイの比重

  先般の国会で意匠法改正法案が審議可決された際、政府答弁において、最近の商標登録出願件数中、ケイタイ関係が断然トップを占めていることが示された。ハ-ド・ソフト両面において、また、ケイタイショッピングの多様な形態が続出して流通システムの一大変革を現出しつつある現在、ケイタイ関係企業知財戦略は、特にビジネス方法に関する知財専門家共通の関心事である。先ずドコモについて考察する。

2.ドコモの具体例

2-1 役員構成

  知財担当役員が経営トップ層に位置することを、内閣知財戦略本部の知財推進計画06は期待しているが、ドコモでは、本年6月19日の役員異動で、代表取締役副社長・津田志郎氏が知財担当として、国際事業本部長を兼ねると共に、知的財産部・情報システム部・経営企画部等を委嘱されている。

2-2        企業理念

  「ドコモは、『新しいコミュニケ-ション文化の創造』に向けて、個人の能力を最大限に生かし(SANARI PATENT 注:普通、「活かし」と書くが)、お客様に心から満足していただける、よりパ-ソナルなコミュニケ-ションの確立をめざします」と述べている。サラリと書いているようだが、ケイタイの本質と指向を考えた表現と思われる。

   具体的に知財戦略と直結する表現としては、在来の、「マルチメディア化・ユビキタス化・グロ-バル化の三つを軸とする」、「個人同志確実にアクセスできる」、「個人単位でのコミュニケ-ションができる」、「いつでもどこでも誰とでも、自由にコミュニケ-ションが楽しめる」、「パ-ソナルアクセスのためのマナ-が生まれる」に加えて、「生活空間が限りなく広がる」ことが、実感を増している。

2-3        中長期的経営戦略

  上記の具体的戦略として、「高速パケット通信技術であるHigh Speed Downlink Packet Accessシステム」、「音声通信を中心とする通信インフラから、iモ-ドに代表されるITインフラへの拡大」、「情報家電の遠隔操作」「自動車向けテレマティクス」「赤外線通信・QRコード・非接触ICチップ等による外部とのインタ-フェイス機能」、「モバイルマルチメディアサ-ビスと商取引を連携させるリアル連携」、「W-CDMA方式の第三世代ケイタイシステムによる国際ローミングサ-ビス」(SANARI PATENT 注:ITU国際標準化最大の課題)等を挙げている。

  これらは、関連業界における知財戦略との整合を必須要件とするから、企業戦略を超えるわが国産業戦略の核心をなし、かつ、それが二次産業間よりも多業種三次産業と二次産業間(その適例は3-2)、また、ITU国際標準化と直接関連して、総務省所管の日本ITUの戦略に結びつくところに、重大な知財戦略的意義が見出せる。

  また、「マルチ決済システムの高い拡張性」という側面から見ると、構築したシステムの波及が、業際的にも、地理的にも、将来にわたって大きく見込まれる。

3.ドコモと提携企業が本月発表した新ビジネスモデル例:

3-1 三井住友カ-ドに「iD」を標準搭載(2006-9-7発表)

  ドコモと三井住友カ-ドは、ドコモのサイフケイタイでのみ利用可能であった非接触ICクレジット決済「iD」を、2007年1月からクレッジット一体型カ-ド(VISAMasterCardiDが1枚で利用できるクレッジットカ-ド)に対応させる。

3-2  JR東日本・ららぽ-と・NTTデ-タ・ドコモのマルチ決済システム(2006-9-7発表)

  JR東日本とドコモが提供する共通インフラを、ららぽ-と各店舗で使用可能とする決済システムであって、Suika電子マネ-とケイタイクレジットの両決済サ-ビスを利用できることになる。

4.        所見

4-1 国の知財戦略の柱であるコンテンツ振興において、ドコモFOMAHigh Speed Downlink Accessは、最大3Mbps(将来的には14Mbps)(従来の約10倍)高速のダウンロ-ドを可能とし、コンテンツの高度化と流通の拡大(入力音楽のスピ-カ出力等)を起動するところ広汎と考える。

4-2 さらに従来のmovaを含めて、小売商業を例にとっても、ケイタイの展示機能が三次元随意になり、また、購入者の映像にファッションの選択肢を随意にサプライできるなど、店頭販売のメリットを超える便益性があり、更には、店頭でケイタイを活用する工夫もあって、流通におけるケイタイの機能は、関連知財(ビジネス方法特許やブランドを含む)の開発と共に、顕著な拡大性を発揮すると考える。

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