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2006年9月17日 (日)

OIN(Linux関連特許管理会社)にNECが出資

NEC目的の発表(9-14)とわが国OSS推進政策

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

1.        内閣知財戦略本部のOSS(オープンソースソフトウェア)政策:

1-1 「イノベ-ション促進のため知的財産活用の円滑化を図る」ことが、知財推進計画06の主要課題の一つであるが、そのため「産業界における自主的対応を促進する」項目として、次のように計画している。

  「オープンソースソフトウェアを活用したビジネスの更なる円滑な発展を図るため、2006年度には、OSSを活用してシステム構築を行う際のベンダ-やユ-ザ-のリスクの所在を明確にし、リスク回避・低減の解決策を提言した「ビジネスユ-スにおけるOSSの法的リスクに関する報告書を周知し、企業における活用を図るとともに、必要に応じ改訂を行う」。

1-2   内閣知財戦略本部が引用した上記報告書(独立行政法人・情報処理推進機構)は、その冒頭に、次のように述べている(要旨)。

「OSSは、特定企業の支配を排し、OSSをビジネスに活用しようとするユ-ザおよびベンダに大きなメリットをもたらす反面、オープンソースコミュニティによる開発、ディストリビュ-タによる配布等、従来の商用ソフトウェアとは大きく異なる開発・流通・保守形態をとっている。一部には、この点を取り上げて、OSSの法的リスクを誇大にいう論調もある。これを放置すれば、業界におけるOSSの採用が進まないおそれがある。その対策として。本調査が、OSS利用拡大の一助となれば幸いである」。

2.        NECの今次発表の意義を考える:

2-1 LinuxJavaと共に、オープンソースソフトウェアの太宗であるが、このたびNECが、「Linux関連特許管理会社への出資」を発表(2006-9-14)したことは、前項1の背景から考えて意義深い。すなわち、NECは次のように述べている(要旨)。

2-1-1 「NECはOIN(Open Invention Network:本社米国ニュ-ヨ-ク市:Linuxに関する特許を買い取り、無償で提供する特許管理会社)に出資することとした」。

2-1-2 「OINは、Linuxの革新・発展・普及のため、IBMNovellPhilipsRed HatSonyが出資し、Linuxオペレ-ティングシステムに関連する重要な特許の、購入・維持、Linuxオペレ-ティングシステム・Linuxアプリケ-ションに対して、特許を行使しないことに同意した企業等への、保有特許の無償提供を行っている」。

2-1-3 「NECは、Linux事業を、2005年度の約3100億円から2008年度には約5700億円に伸長させたい。OINの活動は、Linux開発者にとって、OIN保有特許活用により技術革新を自由に進めることができると共に、ユ-ザにとっては、ソフトウェア特許に関する懸念の軽減に役立つことから、Linuxの発展に寄与するところ大と考える。従って、OINへの出資・役員派遣が適切かつ必要と決定した」。

3.所見:

   NECは上記2の発表において、「NECは、オープンソースソフトウェアの普及・促進のため、Linuxの国際的コミュニティであるOpen Source Develop Labsや日本OSS推進フォ-ラムなどに積極的に参加している」と付言しているが、上記1の内閣知財戦略本部計画に引用された調査報告の実質的立案・起草者は、日本OSS推進フォ-ラムである。この調査報告書はかなり長文で、内閣知財戦略本部が意図する「その周知」にまで至っていないのではないかと危惧するが、Windowsの比重が高いわが国に対して、例えば中国はJavaの普及が急速であり、同報告書の理解(改訂版を含めて)は必須である。

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