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2006年9月12日 (火)

JST(独立行政法人 科学技術振興機構)のe-ラ-ニング

知財専門家の質的量的な向上と拡大に寄与

弁理士 佐成 重範(Web検索SANARI PATENT

1.        JSTの現況

1-1        JST(Japan Science and Technology Agency)は、科学技術庁所管の独立行政法人であるが、社会技術研究開発センタ-・研究開発戦略センタ-・戦略的創造事業本部・産学連携事業本部・情報事業本部・中国総合研究センタ-・日本科学未来館・研究成果活用プラザおよびJSTサテライトという多角的な機構を擁し、本年度国庫支出金が1027億8千万円に達することに徴しても、わが国知財戦略展開のため、知財専門家が密着して提携すべき機構であることは明白である。

1-2        JSTの本年度収入総額は、上記1-1の国家予算に加えて、業務収入1043500万円等が予定され、総額11339800万円を計上し、本年度支出としては、新技術の創出に資する研究588億3千万円、新技術の企業化開発210億800万円、科学技術理解増進75億9100万円、科学技術情報の流通促進128億4400万円等で、この支出項目からも、知財専門家の職務と密接不可分な機構であることが認識される。

1-3        職員471名であるが、研究者等を約3000名擁している。

2.        JSTe-ラ-ニング

2-1 SANARI PATENTも積極的に参加しているJSTe-ラ-ニングは、現在、ライフサイエンス、情報通信、電気電子、機械、ナノテクノロジ-材料、化学、映像型、社会基盤、安全、総合技術監理、技術者倫理、および、科学技術史の課目をもって構成されている。

2-2 各課目ともバ-ジョンアップ励行されて、先端分野のe-ラ-ニングとして最適であるが、課目として最近追加されたのは、「映像型」である。これはSANARI PATENTの推測によれば、今年度施行の「ものづくり技術振興法」に対応している。

「映像型」課目の目的は、「強化層形成を目的とした金属表面処理について基本的な知識を修得すること」である。内容は、表面処理の必要性とその選び方、自動車部品への浸炭の適用、切削工具への窒化チタニュ-ム皮膜の適用、および、新しい皮膜の研究開発である。 

3.        「情報通信」のJSTe-ラ-ニング実例

3-1 最近バ-ジョンアップされた「コンピュ-タア-キテクチャ」・「デ-タ構造とアルゴリズム」、および従来の、「移動通信の基本技術」・「ソフトウェア工学」・「情報セキュルティ」・「情報ネットワ-ク」・「情報管理」・「情報ネットワ-クと社会」・「ナノテクノロジ-と情報通信」をもって構成されている。

3-2 テストの一例として、「命令セットに関する説明として誤りがあるものを一つ選べ」という問には、選択肢として、「機械語命令には、命令コ-ドとオペランド指定部が含まれる」「命令は、固定長命令と可変長命令に分類できる」「オペランド指定部には、レジスタや主記憶に格納された変数や定数といった、命令で使用するデ-タを指定する」「オペランド指定部のアドレス数が多いほど、プロセッサのロジックが簡潔になる」の4項目が示され、「正解」すなわち「誤りがあるもの」は4番目の選択肢であるが、「オペランド指定部のアドレス数が少ないほど、プロセッサのロジックが簡潔になる」理由が、学修者回答に対する正否判定において示される。

4.        JSTにおける知財制度コ-スの新設案

  JSTe-ラ-ニングに、知財制度課目が加える案も出ているが、知財専門家全てが、その内容とバ-ジョンアップに関心をもつような課目であることが望ましい。

   内閣知財戦略本部の知財専門家12万人計画においても、弁理士はその1割程度に過ぎないとSANARI PATENTは推測する。 従って、少なくともこの12万人全てが、JSTe-ラ-ニングを、「技術知識」として修得することが、知財専門家とその志望者の質向上と量拡大の能率から、必須と考える。

   発明協会等においても、知財専門家の新資格制度を考案し、資格試験を実施する構想があると聴くが、年間千人程度の優秀な合格者が確保できれば、弁理士の立場からは、優秀な特許事務所員の確保ができて、出願処理件数の増加を可能とする一方、特許の本人出願率(現在約15%)、商標の本人登録率(現在約35%)を発明者に対して助言する機能をこれらの合格者が地方各地で発揮し、弁理士急増の要求を緩和し得る結果も予想されると、SANARI PATENTは考える。

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